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1940年代の台湾が舞台のホラーゲーム『夕生 Halflight』が近日リリースへ。音声には、日本統治時代を反映した日本語が混ざった台湾語を使用

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 BarkingDogは、台湾を舞台にしたホラーゲーム『夕生 Halflight』Steamストアページを公開した。

 発売日は当初は3月26日を予定していたが、Steamの審査で言語が切り替わるバグが発見されたため、3日から10日ほど延期されるとのこと。価格は未定。日本語字幕とインターフェイスに対応している。

 『夕生 Halflight』の舞台は、1940年代の台湾にある「さつまいも農園」だ。なぜか後悔の念に囚われているという主人公の幼い少年「夕生」は、幻想と真実、そして恐怖が絡み合った世界で、家族のなかで一番大事にしている行方不明の弟「暮生」を救いだそうと奮闘することになる。

 本作の最大の特徴は、Unreal Engine 4で作られた絵画調の3Dグラフィックである。1940年代の台湾をモデルとしており、ゲームに登場する農村や市場などのアートデザインはとても緻密に作りこまれている。キャラクターたちがユーモラスにデフォルメされているのも特徴だ。

 グロテスクでありながら、どこかノスタルジックさを感じさせる幻想的な世界では、異形の動物たちが生活している。こういった動物たちは必ずしも敵対しているわけではなく、アートデザインも相まって、どことなくアニメ『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせるだろう。

 またゲームシステムも特徴的で、基本的には謎を解いていくアドベンチャーゲームになっているが、その解き方やヒントなどの説明は少なく、プレイ自体をパズルのように試行錯誤しながら答えを導く必要がある。もちろんこういった謎解きだけではなく、場面によっては恐ろしい怪物に追いかけられたりと、ホラーの演出も巧みだ。

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(画像はSteam『夕生 Halflight』より)
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(画像はSteam『夕生 Halflight』より)

 同作を開発したのは、台湾にある国立雲林科技大学の元学生チームのMATCHB。当初、本作は卒業制作で作られたが、Unrealの公式のコンテストで一等賞を受賞して、完全版を開発することに決めたのだという。台湾の日本統治時代が終わった雰囲気を反映するために、日本語の単語が混ざった台湾語の音声を収録したという、こだわりようだ。

 すでに昨年の台北ゲームショウなどでデモ版が出展・リリースがされており、YouTubeではデモ版の実況動画が再生回数は1万再生を突破。実況動画によっては7万再生を超えており、台湾での注目度は高い。台湾のホラーゲームといえば、『返校 Detention』、『還願 Devotion』を開発したRed Candle Gamesが世界的に有名だが、MATCHBは新たな台湾の新生ホラーゲームを担う存在かもしれない。

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(画像はSteam『夕生 Halflight』より)
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(画像はSteam『夕生 Halflight』より)

 残念ながら、当初は3月26日の発売を予定していたが、言語が切り替わるバグがあっために延期になっている。ただし少なくともあと数日経てば、無事にプレイ可能となりそうなので、そう首を長くして待つ必要もなさそうだ。日本語にも対応しており、忘れないうちにウィッシュリストに登録してみてはいかがだろうか。

ライター/福山幸司

ライター
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福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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