香川県が施行した「ネット・ゲーム依存症対策条例」に賛同するパブリックコメントに、同じ誤字が多数発見されたことを、朝日新聞が報じた。
朝日新聞によると、21件のパブリックコメントで「依存症」となるべき部分が「依存層」になっており、これらの意見はすべて意見欄に「ネットゲーム依存症対策条例が通る事により、皆の意識が高まればいい」という表現が含まれていたという。
件名に「条例にについて」と「に」をふたつ重ねる誤字も50件確認され、誤字のあるコメントの大半は意見欄に「ネットゲーム依存条例に賛同」か「ネットゲーム依存条例に賛成」とだけ記されていた。
香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」のパブリック・コメント原本が開示。「賛成します」というほぼ同じ文言が並び、「動員」の疑惑がさらに深まる
「ネット・ゲーム依存症対策条例」が4月1日に施行されて以降、制定に踏み切る理由のひとつとなった賛成意見のパブリックコメントには、同じ文言や短い時間で連続して送信されたものが確認されており、以前から「動員や名義貸しではないか」と指摘されていた。
最終的にパブリックコメントは公にされたものの、メディアに先行して竹本敏信県議に明かされたときには「情報漏洩した場合は連帯責任」といった文章にサインが求められたという。送信者の氏名や住所などが黒塗りされており、公開方法も疑惑を深める原因となった。
「ネット・ゲーム依存症対策条例」には、このほかにも科学的根拠を持たないといった報道があるほか、個人の尊重を定めた憲法13条に違反する可能性があることも指摘されている。
ライター/古嶋誉幸