『The Last of Us Part II』のリード・アニメーターであるジェレミー・イェーツ氏は、同作と『Ghost of Tsushima』において、馬のモーション・キャプチャーが行われていることを明らかにした。ジェレミー氏はこのモーション・キャプチャーの撮影を「キャリアの中で、もっとも楽しい3日間だった」と振り返っている。
One of the most enjoyable three days I’ve had in my professional career we’re capturing the horses for #TheLastofUsPart2 & #GhostofTsushima with @soria_sancho @gameplayAnim @BillyHarper73 😀 pic.twitter.com/TqR2wowGkW
— Jeremy Yates (@Jeremy_Yates) July 8, 2020
文明崩壊後の世界が舞台の『The Last of Us Part II』では馬が重宝されており、プレイヤーもエリーが乗る「キラリ」を筆頭にさまざまな馬に乗ることになる。一方で、『Ghost of Tsushima』は13世紀中期の日本を舞台にしており、武士などに馬が活用されていた時代だ。
こうした時代背景がまったく異なるゲームながら、ともに共通している「馬」という要素。ジェレミー・イェーツ氏にようると、こうした馬の動きの表現はモーション・キャプチャーが使用されており、実際の馬の動きがゲームのなかで取り入れられている。
ジェレミー氏によると、この馬のモーション・キャプチャーはかなり早い段階から稼動しており、2年間のあいだに微調整されて、洗練されたものが作品のなかで表現されているとのこと。
Fun fact: Our horses were captured at Sony. The volume was enlarged just for this shoot. For safety, a layer of plywood and pretty much the ENTIRE current world’s supply of rubber matts were ordered for the floor. It arrived just days before shooting. #TheLastofUsPartII #horse pic.twitter.com/bC7M6rMkiT
— Jeremy Yates (@Jeremy_Yates) July 14, 2020
また実際のモーションキャプチャは、もともと馬術センターでの撮影を検討していいたが、移動コスト、セキュリティ、柔軟性などの問題から、ソニーのステージを使用することにしたという。ジェレミー氏がツイートした動画では、実際の馬がスタジオでジャンプしているスタントが確認できるが、これはごく一部であり、もしもっとスタントが必要なら、やわらかいダート(競馬に使われる走路)が馬の安全のための条件としてスタジオが選定されていたとのこと。
馬の安全のためには、床にはベニヤ板を何層に重ねて、さらに世界中から取り寄せたゴムマットを使ったという。撮影範囲内でスタジオの大きさは適切なものだったとジェレミー氏は振り返っている。
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犬をモーション・キャプチャーとして撮影するのは、『Call of Duty: Ghosts』、『METAL GEAR SOLID V』、『The Last of Us Part II』など多くの作品で増えているのが「馬」をモーション・キャプチャーするのはまだまだ珍しいかもしれない。近年では『レッド・デッド・リデンプション 2』が馬のモーション・キャプチャーを使用している。
こうした制作舞台裏を知ると、ゲームのなかの馬を注意深く観察すると、本物の馬の息吹を感じ取れるかもしれない。
ライター/福山幸司