幾度となく新作『サイレントヒル』の噂が浮上しては消えていくなか、コナミは英語圏へ向けた『サイレントヒル』の公式Twitterアカウントを7月に開設した。ファンは新作への希望を燃やしている。
また、コナミ北米法人の公式Twitterアカウントも「目を閉じて。常に恐ろしい。『サイレントヒル2』のサイレン」というコメントとともに、サイレンの音声動画をツイート。一部のファンは「ついに新作が発表されるのでは?」と盛り上がった。
Close your eyes. Always scary. Silent Hill 2 Siren pic.twitter.com/0FpiTjDScR
— Konami (@Konami) July 31, 2020
しかし、残念ながらそうではなかった。その直後に「インターネットよ落ち着いてください。」とツイートし、「『Dead by Daylight』【※】のストリーミングを見ていて、ノイズや狩られる側の気持ちを共有しようと思っただけです。我々はツイートを取り下げて “後戻り “するつもりはありません。我々はただそれを楽しんでもらいたかっただけです。」との注釈を付けくわえた。
【※】『Dead by Daylight』:非対称型の対戦サバイバルホラーゲーム。6月に『サイレントヒル』とコラボし、「ヘザー」や「三角頭」がゲームに実装されている。
このツイートには「失望した」との反応や、怒りを表明するgif動画、果てには「カプコンに権利を売ってくれ!」と『バイオハザード2』のリメイクに大成功したカプコンへ望みを託そうとするものなど、さまざまなリプライが寄せられた。
Easy there internet. We were watching streams of Dead By Daylight and thought we would share the noise and feel of being hunted. We wont take the tweet down and “backpedal”, we just wanted you to enjoy it.
— Konami (@Konami) July 31, 2020
その30分ほど後、北米現地法人の公式Twitterアカウントは「怒らせてしまって申し訳ありません。」とのツイートを投稿し、「公式な発表がある場合は最初に『サイレントヒル』公式Twitterアカウントやイベントなどで行います。我々はただのファンで、このサイレンの音や思い出を楽しんでいただけでした。金曜のムードを壊してしまって申し訳ありませんでした。」と謝罪した。
こちらのツイートにはやはり悲しがるリプライが多いが、謝罪を受け入れているものもある。ほかにも、Konamiが『サイレントヒル』シリーズのことを覚えていてくれるだけでうれしいといった、寂しげなツイートも見られた。
We are sorry we got people fired up. Anything official would come from first from @SilentHill or an event or something, not from us. We were just being fans and enjoyed the noise/memories. Sorry everyone, did mean to kill your Friday mood.
— Konami (@Konami) July 31, 2020
『Dead by Daylight』に登場するヘザーは『サイレントヒル3』の主人公だが、三角頭は『サイレントヒル2』から登場している。
コナミ公式Twitterアカウントもあえて『サイレントヒル2』の思い出をツイートしているように、『サイレントヒル2』はシリーズでも特に人気の高い作品だといえるだろう。シリーズとしては珍しく、完全版として『サイレントヒル2 最後の詩』がリリースされたほか、『サイレントヒル3』とともにPlayStation 3とXbox 360へ向けたリマスター版もリリースされた。
それだけに「現行機で楽しみたい」との声も多く、上記のツイートへ寄せられたリプライも、新作と同様に『サイレントヒル2』の現行機向けリマスターを望むものが多い。PlayStation 4とXbox Oneの世代は、初代PlayStationから数えて初めて『サイレントヒル』のタイトルを持つ作品が1本もリリースされなかった世代になりそうだという点も見逃せないだろう。
2020年になった今でもファン活動も活況で、『サイレントヒル2』がVR化したらこんな見た目になるだろうというファンメイド動画や、すでに削除されているがファンによるリメイクプロジェクトも発表された。
ゲームの話題はさまざまな場所で語られている。海外掲示板Redditでは『サイレントヒル2』冒頭の主人公「ジェイムズ」が鏡をのぞき込む場面は、明るさをあげると鏡の中に映る「ジェイムズ」が本人ではなく実はプレイヤーを見ているというものが話題となった。影の具合でそう見えるだけかもしれないが、実際の画面を見てみると確かに不気味だ。
2018年には、裏技を使ってミニマップを表示できたり、どこでもセーブ機能が使えたりすることも話題となった。発売から20年が経とうとしているが、今なおファンはゲームをプレイしている。
『Dead by Daylight』のコラボへ合わせたとするには少し遅い『サイレントヒル』公式Twitterアカウントの開設や上記のKonamiのツイート、そしてそのツイートで語られた「発表がある場合はまず公式アカウントやイベントなどで行います」という内容から、海外メディアEurogamerは、もしかしたら何らかの発表が近々あるのかもしれないと希望を持って報じている。
多くの人々が望む『サイレントヒル』の新作やリメイクだが、はたしてKonamiはこの声に応えてくれるだろうか。
Close your eyes. Always scary. Silent Hill 2 Siren pic.twitter.com/0FpiTjDScR
— Konami (@Konami) July 31, 2020
ライター/古嶋誉幸