Amazonはクラウドゲーミングサービス「Amazon Luna」(公式サイト)を発表した。米国時間の9月24日より申請を受け付け、早期アクセスとしてアメリカ限定でサービスをスタートする。まずは招待制で選ばれたユーザーのみがサービスを受けられるようだ。
Lunaに加入すると、プレイヤーはさまざまなゲームをストリーミングで遊ぶことができる。対象プラットフォームはPC、Mac、互換性のあるFire TV、iPhoneおよびiPad向けWebアプリで、Androidにも対応予定。必要となるインターネットの回線速度は、1080pで最低10Mbps、今後対応予定の4Kでプレイするには最低35Mbpsが必要となる。
Lunaは動画のストリーミングとほぼ同じ技術を仕様しており、ゲームのデータをダウンロードしたり、アップデートで追加のファイルをダウンロードする必要はない。またAmazon傘下のTwitchとも連携しており、ストリーマーがプレイしているゲームをウェブブラウザから直接遊ぶことも可能だ。
基本となるチャンネル「Luna+」は早期アクセス中のお試し価格として5.99ドルで提供される。1080p、60fpsでの動作に対応し、後日4K解像度にも対応する。最大ふたつのデバイスから同時にアクセスすることができるという。
またLuna+以外にもUbisoftの専門チャンネルが発表されており、こちらは最大ひとつのデバイスからのアクセスに制限されている。一方でDLCを収録したコンプリートエディションも対象作品となるほか、『Assassins Creed Valhalla』、『Far Cry 6』、『Immortals Fenyx Rising』といったタイトルがローンチ時からプレイ可能になるという。
ほかにも気になる対象タイトルとしては、Luna+ではカプコン、505 Games、Team 17などのパブリッシャーの作品が登録されている。プレスリリースで挙げられている対象タイトルは以下のとおりで、公式サイトに掲載された上記の画像ではほかの作品も確認できる。
■「Luna+」チャンネルの対象タイトル一部
・『バイオハザード7』
・『Control』
・『パンツァードラグーン』
・『A Plague Tale: Innocence』
・『The Surge 2』
・『Yooka-Laylee』
・『The Impossibe Lair』
・『Iconoclasts』
・『GRID』
・『ABZU』
・『ブラザーズ:2人の息子の物語』
またLunaはDUALSHOCK4やXbox Oneなどサードパーティ製のコントローラーにも対応するが、Lunaの最大の特徴は専用のLuna Controllerだ。クラウドゲーミングサービス専用に設計され、このコントローラーを使うとAmazonのカスタムゲームサーバーに直接接続し、Bluetooth接続の他のコントローラーに比べて入力の待ち受け時間を17~30ミリ秒短縮する。Bluetooth接続のようなペアリングも不要だ。
Luna ControllerもBluetooth接続とUSB接続に対応しているので、スマートフォンやPCでLuna以外のゲームを遊ぶこともできる。ただし、ゲームコンソールには対応していない。アメリカでの価格は49.99ドルだ。
Appleは先日App Storeにてクラウドゲーミング潰しともいえる新たなポリシーを策定したが、LunaはiPhoneおよびiPad用のSafari Webブラウザで動作するため、このポリシーは適用されないようだ。
「クラウドゲーミングサービスで提供するゲームは、App Storeから直接ダウンロードできなければならない」という規約を回避している。
世界でも有数のウェブインフラを持つAmazonが、ついにクラウドゲーミングサービスをスタートした。日本でのサービスについては未発表だが、テストが進めば提供する地域は増えていくはずだ。
ライター/古嶋誉幸