PC向けXbox Game Pass加入者なら無料で利用できるようになったエレクトロニック・アーツ(以下、EA)のゲーム定額遊び放題サービスEA Play。このサービスを利用したり、あるいは大人気のバトロワFPS『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)を新規に始める場合に必要になるのが、EAアカウントだ。
しかし、このEAアカウントを作るのがとんでもなく難しいことがTwitter上で話題となっている。問題となっているのは、難しすぎる「ロープ問題」だ。
あまりにも難しすぎるため、これを回避する方法をお探しの方も多いはず。一刻も早く『Apex Legends』がやりたい人のため、先に回避方法だけ紹介しておこう。
もっとも手軽なのは、スマートフォンからのアカウント作成だ。スマホからアカウントを作成すると、画像から指定の1枚を選ぶ問題を1問解くだけで完了だ。どうしてもPC上から作成しなければならない場合、ロープ問題の右下にあるスピーカーのマークをクリックしよう。指定された音声の番号を選ぶ問題を15問解かなければならないが、それでもこのロープ問題よりはかなり簡単だ。
大変難しいと話題になっている「ロープ問題」は、ボット(コンピューター)と人間を区別するためのテストだ。インターネット上で何らかのアカウントを開設する場合などに目にすることが多いこれは、「CAPTCHA認証」と呼ばれている。
「私はロボットではありません」のチェックボックス、画像の中からボートや自転車など指定されたものを選ぶ、あるいはゆがんだ文字をテキストボックスに書き込むなど、その認証方法や提供する企業はさまざま。
EAが採用しているCAPTCHA認証の問題は、6つのロープの画像からロープが1本だけのものを選ぶというものだ。見ても分かるとおりロープの色は2本とも同じ色になっており、その上絡まっているため1本か2本を判別するのはかなり難しい。
しかも1問だけではなく15問も解かねばならず、どうやら全問正解しなければクリアとならないようだ。制限時間もあるため、じっくりと解くことも難しい。
この認証サービスを提供するのは、アメリカのサンフランシスコ、オーストラリアのブリスベンに拠点を置くネットワークセキュリティの会社Arkose Labs。ボットによる詐欺行為を防ぐためのソリューションを提供しており、EAだけでなく、ソニー・インタラクティブエンタテインメントやマイクロソフト、特に英語圏で有名なオンラインゲームプラットフォーム『ROBLOX』のRobloxなどが提携会社として挙げられている。
提供サービスはボットによるアカウントの大量取得を防ぐ認証サービスだけでなく、アカウントの販売のようなリアルマネートレードの防止、ゲーム内でのボット使用やゲーム内配布ボーナスの不正取得の防止など、オンラインサービスを包括的に保護するサービスが用意されている。
同社の認証は、長所として「ユーザー中心の認証」が挙げられており、ユーザーも楽しめる認証のためにゲーミフィケーションを取り入れたことを特徴としている。CAPTCHA認証ではロープ問題以外にも、画像を回転させて正しい向きにそろえるパズルもある。
同様にArkose Labsの認証を取り入れている企業のアカウント新規取得が難しすぎるといった不満は、記事執筆時点では日本以外ほとんど見られない。唯一他国で見つけたのは、ロシア語圏のユーザーのツイートのみ。特定のリージョンのみにこの認証を行っているのかもしれない。
CAPTHCA認証についてEAのヘルプセンターへのもっとも多い問い合わせは、『FIFA』シリーズのようだ。毎日のように認証が求められる、サーバーエラーで認証ができないといった意見が多い。初めてEAのヘルプページにCAPTCHAについての質問が投稿されたのは2019年9月となっている。
そのため、EAが認証の難度を上げたり、セキュリティを強化した時期や理由は2019年後半のことだと予想できる。少なくとも日本では、『Apex Legends』がリリースされた2019年初旬は認証が難しいことは話題になっていない。Twitterを検索してみても、「ロープの問題が難しい」という話は2021年3月に入ってから話題となっている。
EA Playや『Apex Legends』を遊びたいという新規ユーザーは、今のところアカウントをスマホから作るか、音声問題に切り替えるしかないだろう。