ゲームパブリッシャーのRaw Furyは、Shedworksの開発するオープンワールドアドベンチャーゲーム『Sable』の無料体験版をリリースした。Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)でプレイできる。
『Sable』は、宇宙船や古代の遺跡が眠る砂漠を舞台に、主人公の少女セーブルがホバーバイクで旅するオープンワールドアドベンチャーゲームだ。大人になるための通過儀礼の旅の中で、不思議な世界の謎にも迫っていく。
本作の大きな特徴は、一目見れば忘れられないアートスタイルだ。はっきりとした強い線が描かれ、3Dの作品でありながらスクリーンショットは1枚の漫画の絵のような平面的な印象を受ける。多くのメディアなどで漫画家のメビウスことジャン・ジロー氏からの影響が指摘されている。砂漠やSFといったイメージから、特に直接の影響は氏が1975年に発表した『アルザック』だろう。
こうしたアートスタイルはフランス語で「リーニ・クレア」、英語では「クリア・ライン」と呼ばれ、『タンタンの冒険』の著者エルジェ氏が先駆者として知られている。
ゲームプレイは、砂漠を舞台にした『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のような味わいが印象的だ。どんな場所でもよじ登れ、スタミナが続く限りは高いところまで登れる。また、チュートリアルのなかで、落下速度を遅くする不思議な力も手に入れる。『ブレス オブ ザ ワイルド』同様さまざまなパズルが登場するが、どうやら敵との戦闘はなさそうだ。
砂漠には数多くの遊牧民が住んでおり、最初に訪れるのはセーブルの住む集落。序盤は集落に住む遊牧民との会話からクエストを得て先に進む。一部のクエストは、クリア方法によってNPCの反応も少し変わるのがおもしろい。
序盤だけでも結構な量の英文が出てくるため、苦手であればスマホのカメラ翻訳や、PCOTなどのツールを使って翻訳するのがいいだろう。会話に選択肢は出てくるが、少なくとも序盤には時間制限など、翻訳で会話を読みづらくする障害はなかった。
最初に訪れるマップはそこまで大きくないが、徒歩で移動するには広すぎるというあんばい。美しい風景を見ながら、もくもくと砂煙を上げて進むホバーバイクを乗り回すだけでも楽しい。そこここにあるSFじみた宇宙船の残骸や不思議な古代遺跡など、最初のマップだけでも探索しがいがある。
本作はたったふたりで開発されており、長らく発売が待たれていたが、めでたく9月22日(日本では23日ごろ)に発売されることが発表された。興味がある方は体験版を遊び、本作がどういったゲームか体験してみてほしい。