「マシリト」こと鳥嶋和彦氏がNHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』の「葛飾北斎」特集に出演。現代のマンガとの共通点やヒットを生み出す秘訣を語る

【6/25 11:45更新】当初、鳥嶋和彦氏の現在の肩書きを白泉社代表取締役会長としていましたが、正しくは白泉社相談役となります。読者並びに関係者にお詫び申し上げます。

 6月29日(火)夜10時から放送のNHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』「葛飾北斎 ヒット作を生み出すには」に、元『週刊少年ジャンプ』の編集長で現・白泉社相談役の鳥嶋和彦氏が出演するようだ。

 本エピソードは、人々の心をつかんで離さない葛飾北斎の魅力を鳥嶋氏が分析し、「ヒットの理由」「現代のマンガとの共通点」を語る内容だという。

(画像は「葛飾北斎 ヒット作を生み出すには」 – 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) – NHKより)

 『先人たちの底力 知恵泉』(ちえいず)は、歴史上の人物からさまざまな「知恵」を知る教養番組。最新エピソードでは葛飾北斎を題材にする。

 葛飾北斎は、江戸時代後期の浮世絵師。富士山を題材にした風景画シリーズ『冨嶽三十六景』(ふがくさんじゅうろっけい)や、特にその中では有名な荒れ狂う波とその彼方にある富士山を描いた『神奈川沖浪裏』(かながわおきなみうら)、絵手本『北斎漫画』などの代表作で知られ、その作品数は3万点を超える。

(画像は「葛飾北斎 ヒット作を生み出すには」 – 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) – NHKより)
(画像は「葛飾北斎 ヒット作を生み出すには」 – 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) – NHKより)

 海外にも大きな影響を及ぼし、エドゥアール・マネ、クロード・モネ、ポール・ゴーギャン、フィンセント・ファン・ゴッホなどの画家たちへの影響など、19世紀後半にヨーロッパで流行したジャポニズムの一翼を担った。番組では『冨嶽三十六景』などから、空前のヒット作を生み出してきた葛飾北斎の人々の心をつかんで離さない秘密を読み解いていく。

 葛飾北斎の魅力を分析するのは白泉社相談役の鳥嶋和彦氏。「マシリト」という愛称でも知られ、かつて『週刊少年ジャンプ』で敏腕編集者として活躍。『Dr.スランプ』『ドラゴンボール』をはじめ、ジャンプ黄金期に数々の大ヒット作品を世に送り出し、ゲーム『ドラゴンクエスト』の誕生にも一役買った人物だ。

 どうして葛飾北斎がこれほどまでにヒット作を生み出したのか、フィクションの世界を驚くほどリアルに感じさせる北斎の知恵とは、さらに現代のマンガとの共通点など、鳥嶋氏が独自の視点から分析していく。

(画像は「葛飾北斎 ヒット作を生み出すには」 – 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) – NHKより)

【全文公開】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」「FF」「クロノ・トリガー」誕生秘話

 なお、かつて電ファミのインタビューでも鳥嶋和彦氏は「ビッグヒットを生む最大のコツ」を語っており、編集者の視点からこのようにまとめている。

鳥嶋氏:
 結局、ヒット作はその人の「描けるもの」からしか出てこないんです。それは作家の中にある価値観であり、その人間そのものと言ってもいい。これをいかに探させるかが大事で、そのために編集者は禅問答やカウンセリングのように色々なことを対話しながら、本人に気づかせていくんです。

 また同インタビューは鳥嶋氏独自のマンガ論も展開している。

鳥嶋氏:
 漫画の技術というのは、基本的には全て分かりやすさから来てるんですよ。

 片っ端から漫画を読んでいくと、明らかに「読みやすい漫画」と「読みにくい漫画」があるのがわかってくるのね。そこで次に僕は「読みにくい漫画」をどんどん弾いていって、さらに「読みやすい漫画」の中でも特に読みやすいものを残していったんです。すると最後に残ったのが、ちばてつやさんの『おれは鉄兵』だったんですよ。

鳥嶋氏:
 たぶん手塚治虫と比較すると分かりやすいんだよね。一言で言うと、手塚さんのコマ割りはストーリー展開の「理屈」に沿ってるけど、ちばてつやのそれは読者の「感情」に沿ってるんだよ。

 番組では、こうした切れ味のするどい鳥嶋氏の分析が、葛飾北斎や浮世絵を題材にして聞けるかもしれない。NHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』の「葛飾北斎 ヒット作を生み出すには」は、6月29日(火)夜10時放送予定だ。

ライター
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman
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