オークションサイトを運営するRallyは8月6日(金)、未開封の『スーパーマリオブラザーズ』が同サイトにて200万ドル(約2億2000万円)で落札され、オークション最高値の世界記録を更新したと伝えた。7月に156万ドル(約1億7200万円)と史上最高額樹立を果たした『スーパーマリオ64』を上回る記録のみならず、落札物の権利を出資者間でシェアできる同社のユニークなオークション方式も話題を呼んでいる。
Punks, X-Men, Declarations, and some news…
— Rally (@OnRallyRd) August 6, 2021
🏆A NEW WORLD RECORD on Rally🏆
…w/ the $2,000,000 sale of our 1985 Super Mario Bros., marking the HIGHEST PRICE EVER PAID for a video game of any title.
Read more in todays New York Times (cc: @nytimes): https://t.co/mJzEcVMXuQ pic.twitter.com/segsfw6Jw9
このたび匿名の落札者によって購入されたのは、1985年に発売された未開封の『スーパーマリオブラザーズ』。10点を最高値とする「Wata Games」の鑑定によると、対象品のグレードは「9.8 A+」と“異例の”優れた保存状態で、2020年7月当時の同タイトルの最高額11万4000ドル(約1250万円)と比較すると、およそ20倍近い落札価格となった。
コロナ禍での在宅時間の増加も相まり、急拡大するゲームコレクター界の需要。自宅にいながら資産を運用できる投資の対象として中古ゲーム市場は賑わいを見せる一方、多くの場合は開封済みであったり保存状態が良いケースはごく稀であるとして、投資家たちの新たな参入の障壁にもなってきた。
そこで登場したのが、2018年にローンチしたオークションサイト「Rally」だ。落札物を同社が引き取り一時的な管理を行い、「落札物の所有権を出資者間でシェアできる」という株主制度にも似た独自のシステムを導入し、さまざまな分野のコレクターから注目を集めている。
落札物の購入を新たに希望する者が現れた際には、出資者への投票を募り譲渡の可否を判断するという方式。賛成多数で新たな購入者の手へと渡った場合、出資額に応じた配当金がリターンとして支払われる。
Rallyは今回最高値を更新した『スーパーマリオブラザーズ』を、2020年4月に開催されたオークションで14万ドル(約1540万円)で入手。数ヶ月後に2倍近い30万ドル(約3300万円)での購入オファーがあったが、投票により却下されている。
今回の200万ドル(約2億2000万円)でのオファーは、出資者全体の4分の3と過半数の賛成を経て承認された。購入に成功した匿名の落札者は「ビデオゲーム業界への大きな投資だよ」とコメントを残している。また、The New York Times誌によると、100ドル(約1万1000円)の出資が950ドル(約10万5000円)となり、9倍以上の配当金を受け取った出資者もいるという。
残念ながら同サイトはアメリカ在住者限定の展開となっているが、このたびの最高値記録の更新が同様のサービスへの大きな後押しとなるのは間違いないだろう。日本国内でも宝くじを買うように気軽な感覚でビデオゲームへの投資を楽しめる日が訪れるかもしれない。
ライター/dashimaru