株式会社ドワンゴは、オンライン大学「ZEN大学」(仮称)を2025年4月より開学する予定であると発表した。
開設される学部は「知能情報社会学部」のひとつで、授業料は1年間あたり38万円を予定。質の高いオンデマンド授業を自分のペースで受けれる点を特徴とし、オンラインだけで大学卒業資格を取得することが可能となっている。初年度の定員は一学年5000人を想定しているという。
なおZEN大学の研究プロジェクトである「歴史プロジェクト」のゲーム分野には、弊誌「電ファミニコゲーマー」も制作に協力している。
ドワンゴは2016年より私立通信制高校である「N高等学校」(通称、N高)を運営しており、ZEN大学も通信のみで教養を学ぶことが可能な大学として新設される。関連科目は「人文・社会」「情報」「数理科学」「デジタル産業」「クリエイティブ」の5つとなっており、開学時には72科目6480本、2027年3月には135科目1万2150本の授業動画を視聴できるようになる。
5つの関連科目では、現代のソーシャルやビジネスといったさまざまな分野でのリテラシーから、基礎から実践編まで学べるプログラミング関連、経済や情報分野で実際に活かせる数学の体系的な修学などが紹介されており、実社会で活躍するための実践力を養うことができる大学である点がポイントとされている。
上記以外でも、「デジタル産業」ではアニメ・ゲーム・マンガ・IT・ネット領域の歴史を学ぶことが可能で、「クリエイティブ」ではデジタルツールやAIを活用してのイラストや動画、マンガ、3Dモデリングの制作などに携われるそうだ。
またZEN大学の研究プロジェクトのひとつとして、IT・ゲーム・マンガ・アニメ・ネット文化といった日本のコンテンツ業界の歴史を共有財産として整備していく「歴史プロジェクト」が発表された。業界のキーパーソンやクリエイターへの取材を通じて一次資料を記録し、グローバルに展開されていく予定であることが明らかにされている。
こちらは客員教授が井上伸一郎氏と浜村弘一氏となっており、さらにゲーム分野の制作には弊誌「電ファミニコゲーマー」も協力。「ゲームの企画書」など多数の著名人へのインタビュー実績で得たノウハウや人脈を活かし、世界的な歴史資産の形成に尽力してきたいと考えているので、ぜひ今後の展開に注視していただけると幸いだ。
プレスリリース全文は以下のとおり。
<一般社団法人日本財団ドワンゴ学園準備会>
新しいオンライン大学「ZEN大学」
構想・学部・カリキュラム・課外プログラム・教員ほか発表
株式会社ドワンゴ(東京都中央区、代表取締役社長:夏野剛)は、公益財団法人日本財団との提携のもと、一般社団法人日本財団ドワンゴ学園準備会を設置し、多様化する教育環境・教育格差に対応した新構想のオンライン大学「ZEN(ゼン)大学」(仮称)(設置構想中) を2025年4月に開学予定です。この度、同大学のカリキュラム、課外プログラム、教員予定者などについて公開します(現在、設置構想中につき、以下の内容は今後変更の可能性があります)。
< ZEN大学の概要 -2023年6月6日時点の予定- >
◆大学名:ZEN大学 (仮称)(設置構想中)
◆設 置:一般社団法人日本財団ドワンゴ学園準備会
◆学 長:若山 正人(就任予定)
◆開 学:2025年4月(予定)
◆定 員:初年度入学定員5,000人/総定員20,000人(予定)
◆授業料:380,000円(予定)※1年間あたりの金額
※学長ほか就任予定の教員につきましてはこちらからご確認ください
▶https://zen-univ.jp/academics/faculty
■≪ZEN大学の特長≫
ZEN大学は、すべての人たちを対象にした、グローバル社会で活躍するための素養や教養を身に付けることができる“日本発の本格的なオンライン大学”です。最先端のテクノロジーと最前線で活躍するプロフェッショナルの教員によって創り出される、質の高いオンデマンド授業を自分のペースで学べ、オンラインだけで大学卒業資格を取得することができます。また、地域・企業と連携したフィールドワークや国際交流など多様なプログラム活動もあり、実社会で活躍するための実践力を養えます。
■≪学部・カリキュラム≫
ZEN大学の学部は「知能情報社会学部」を開設予定で、「人文・社会」「情報」「数理科学」「デジタル産業」「クリエイティブ」の5つの学びからなる関連科目を設置。グローバル社会で活躍するための素養や教養を身に付けます。現在、ドワンゴでは、全135科目12,150本の授業動画を制作しており、開学時に72科目6,480本、2027年3月に全て公開予定です。授業動画は、オンライン学習システム「N予備校」(https://www.nnn.ed.nico/)をリニューアルした「ZEN Study」にて提供します。
※卒業に必要な単位は124単位です。標準的な科目は2単位を予定しているため、4年間で62科目の単位を修得することで卒業が可能になる計算です。
【人文・社会】
地域・日本・世界の素養を身に付ける「ソーシャルリテラシー」、 経済や企業の動きを知り自らのキャリアにつなげる「ビジネスリテラシー」、 物事の捉え方や考え方を獲得する「メタリテラシー」のもと科目を構成します。 社会に対する若者の幅広い好奇心に応え、人生やキャリアの指針構築を支援することを目指します。
【情 報】
国家資格を目指せる知識を習得し、実際に開発を行う実践的な科目を設置します。 プログラミングの基礎を学んだ上で、段階的にITやアプリの開発、データサイエンスのスキルを身に付けます。 最先端のICTツールを導入し、全産業分野で活躍するための実践的な情報教育の実現を目指します。
【数理科学】
基本的な数学のカリキュラムに加え、どのように社会に応用していくかをテーマにした学びを展開。 数学の歴史や微積分などを体系的に学んだ上で、経済や情報分野に活かせる実践的な科目を設置します。 また、数学を専門的に学びたい意欲のある学生に向けて、ガロア理論やIUT理論などの科目を開講する予定です。
【デジタル産業】
アニメ・ゲーム・マンガ・IT・ネット領域を中心に、各業界の産業構造と現代につながる歴史と 各業界が繁栄に至った重要な出来事について学びます。 産業の来歴や時代による価値観の違い、コンテンツが社会に与えた影響を知ることで、 時代の変化に対応する思考力と新たなモノを生み出すために必要な知識が身に付きます。
【クリエイティブ】
最新のAI・デジタルツールを活用して、学生が実際にモノづくりを行いアウトプットすることを目指します。 授業を通してゼロから始めるモノづくりの思考を学び創造し、 構築する過程を通して社会で活躍できるスキルと企画創造力を身に付けます。
■≪研究プロジェクト≫
未来の発展へとつなげる取り組みとして、数学・AI・コンテンツ産業など、
様々な領域での研究プロジェクトを立ち上げます。
◇[IUGC](所長:加藤文元/副所長:イヴァン・フェセンコ)
日本発の世界的な数学理論であるIUT理論を推進・普及し、 数学の未来を切り開いていくための研究施設「IUGC(宇宙際幾何学センター)」を設立します。全てのコースに合格すれば、世界中のあらゆる大学の数学科の学生よりもIUT理論の知識が備わります。また、世界初となる、IUT理論を理解する数学者の裾野を広げるためのオリジナル入門講座も開設します。
◇[第二松尾研](松尾豊特別招聘教授)
AI研究の第一人者・東京大学大学院の松尾豊教授による新たな研究室を設立します。ZEN大学の第二松尾研では「AIをより身近に、最適に使えるスキルを磨く」をテーマに、変化に満ちたAI時代に必要な知識とスキルを備えた次世代の学生を育成します。東京大学松尾研究室との人材交流や共同勉強会なども実施予定です。
◇[歴史プロジェクト](客員教授:井上伸一郎、浜村弘一)
IT・ゲーム・マンガ・アニメ・ネット文化といった日本のコンテンツ業界の歴史を社会の共有財産として整備します。業界のキーパーソン・クリエイター・技術者などへ取材をして一次資料として記録し、グローバルに展開できる歴史資産を形成します。
■≪課外プログラム≫
日本各地を拠点にしたフィールドワークで、多様な「地域・企業連携プログラム」を提供します。様々な地域に滞在し、自治体や企業と連携して、問題解決や共同プロジェクトに参加します。社会が変化していく現場に身を置きながら、他者と協働して正解のない問題にじかに取り組むことで、創造性、リーダーシップ、ストレス対処など、実社会で求められる力を身に付けます。
※このほかZEN大学に関する詳細(6月6日20時にサイト公開)▶ https://zen-univ.jp