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ジャンプ作品など集英社のマンガが「ポイント50%還元」キャンペーン中なので、編集部員におすすめ作品聞いてみた。「ある意味、究極の漫画」「30000人の小学生のアイデアを集めて高濃度に凝縮したような喜び」、編集部の偏愛タイトル21作を紹介

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【追記 2024年4月17日 10:45】50%ポイント還元が再開しました。

【追記 2024年4月12日 12:30】50%ポイント還元が終了し、対象作品が期間限定で無料で読めるキャンペーンに内容が変更されました。

集英社は5月8日(月)まで、Amazonにて集英社の対象コミックにおいてポイント還元率が50%になる「集英社春マン!2024」を開催している。また、こちらのページからエントリーすることでまとめ買いでさらに2%のポイントが還元される。

本記事では電ファミ編集部員によるおすすめ作品と、購入した作品を一挙紹介。ゴールデンウィークに向けて大作を大人買いするもヨシ、連載中の作品を履修するもヨシ。お得すぎるこの機会を逃さないようにしよう。

※ポイントはすべて記事追加時点での数値です。実際に購入する場合には必ずストアページで価格と出品者をご確認ください。

※特定の巻数など一部商品はキャンペーン対象外となるほか、一部商品はセール対象期間が異なる場合もあります。ご購入の際はストアページで最新の表記をご確認ください。


『DRAGON QUEST ダイの大冒険』

 ダイの大冒険については私はこれまで何度も何度も、電ファミニコゲーマーやねとらぼなどで語ってきたので、正直もう語るところはないかと思っています。更に三条陸先生本人からこれ以上ないほどに明晰に作品を分析解説して頂くインタビューをすることも出来ました。思い残すことはもう何もありません……!

 ……ですが!これらの文章を読んでもまだダイの大冒険を買っていない人に、さらに語ることがあるとすれば、電子書籍版の9巻で描かれる、ロモス武術大会編の悪役であるザムザについてでしょうか。

 物語の詳細についてはネタバレになるので避けるとして、この漫画の中でもきっての悪役である妖魔司教ザボエラの息子であるザムザは、自身が父親から都合よく利用されていることを理解しながら、それでも息子として父に尽くそうとします。この時点でザムザはザボエラほど悪い奴ではないということが判明してしまうわけですが、そのことによってわかるのは、ザボエラの持つ自身の息子すらも使える道具としてしかみていないという利己的にも程があるっていう純粋な悪の性質は、実の息子にすら完全に受け継がれることはないという、悪の非継承性です。

 この悪は基本的に一代限りのもので継承されるものではないという命題は実は大魔王バーンも同様に持っているものだったりします。(違う漫画ですが『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨にも近いところがありますね。)一方で、魔王と相対する側の特徴は、その力や意思の継承性にあったりします。バランからダイへという、本来ならあり得なかった筈のドラゴンの紋章の継承、かつて勇者アバンと共に戦った戦士ロカ、僧侶レイラの間に生まれたマァム、そんなジャンプの王道でありつつ、批判的に語られることも多い、血統主義的な継承もこの作品においては、幾つかみられますが、やはり本作の白眉と言えるのは、血のつながりすら超えてアバンやマトリフという師の意思を継承していくポップの存在でしょう。あとはほぼ正義とか悪とか超越した存在になりつつあったハドラーが、結果的に図らずもポーンのヒムにその意思と力を継承したのも熱いですよね。

 ジャンプの血統主義って色々な作品で見られるし、無条件に肯定するのは危うい問題であることも確かだと思うのですが、ダイの大冒険が未だに面白い作品として語られるのは、そんな魅力的ではあるが危うい、血統主義を描きつつもそれとは無縁の非血統主義的な継承も描いているからなのだと思います。そして全く継承されない完成された悪の象徴としてのザボエラという存在は全く好きにはならないけど、年を重ねるほどに味わい深い存在ではあります。

 そんな悪の非継承性と、正義の継承性という軸でもう一度読み直しても面白いのではないでしょうか。この機会を逃さずに買おう!読もう!!ダイの大冒険!!!
(hamatsu)

48%ポイント還元

『ファイアパンチ』

 「受け手」の感覚。藤本タツキの漫画を読むたびに、この言葉が頭に思い浮かぶ。

 藤本タツキは現代最高の漫画家、つまりは最高の「送り手」の1人なのだが、彼の漫画には執拗に自分とは異なる他者から何かを「受けとった」者の感情や感覚が描かれる。度々言及もされる映画からの影響や、実際に彼の漫画に描かれる「映画を観る」シーンなどは、その「受け手」感覚を象徴するシーンだろう。

 そんな彼にとって初の長編連載作品である『ファイアパンチ』の第一話において、主人公であるアグニは二つのものを「受けとる」。一つは自分を焼き尽くすまで消えることのないその身を焼き続ける「炎」を、そしてもう一つは自分が力尽きて死ぬことを許してはくれない「生きて」という祈りにも似た言葉を。

 そんな矛盾した二つの「受け手」となってしまったことで、終わらない地獄に叩き落された彼がやがて「こぶしを握る」ことから物語は幕を開ける。

 彼が最後に「受けとり」、そして何を選択するのか。藤本タツキという漫画家の原点が、この作品には刻まれている。
(hamatsu)

27%ポイント還元

4月8日更新、まだまだある編集部おすすめ作品

『ダイヤモンドの功罪』

「マンガ大賞2024」入賞作として話題になったり、広告で1ページ目を見たりなど、最近さらに注目が集まってきた『ダイヤモンドの功罪』。僕もなんか気になってきたので、1巻を読んだらグイグイ引き込まれる。令和の時代を生きる天才が主人公。その実態は…ふつうにいい子。ふつうにいい子だからこそ、自分と周りのギャップに苦悩する描写が印象的。一方で、本物の天才はマジでレベルが違うということもきちんと描いている。完璧な天才が主人公の野球漫画はなかなか珍しいので、ぜひ読んでみて下さい。5巻まで一気に読んじゃいますよ。
(川野)

『Dr.STONE』

全人類が謎の現象で石化して文明が滅んだ世界でラーメンを食べる飯テロ漫画です。

……嘘です。科学の力で世界を取り戻す話です。

でも作中に登場するストーンワールド(石の世界)特製のラーメンはハチャメチャにうまそうで……夜中にこの漫画を読んでしまったらもうオシマイ。コンビニへカップラーメンを買いに走ることになるでしょう。

蒙古タンメン中本 辛旨味噌 237円(税込)
強炭酸水 138円(税込)
コーヒー 181円(税込)
iTunesカード 30000円(税込)

現代のラーメンは随分と高額だ。
(竹中プレジデント)

『ここから今は倫理です。』

クールな高校教師・高柳が「倫理」の授業で問題児と向き合い、意識を変えていく作品。
クールななかにも高柳がときどき見せる人間臭さや、高柳と向き合う生徒たちの多彩な感情表現がキュンとしたり、ゾッとしたりする。

登場する生徒が抱えた問題は他者との関わり方だけに限らず、母子家庭やヤングケアラーといった家庭にまつわるもの、優等生やかわいさ・ジェンダー観といった他者から向けられるイメージなどさまざま。
しかし、高柳は決して自らの考えを押し付けることなく、分かりやすい形でそれぞれの生徒のなかにある「倫理」をよりよい方向へと導いていく。

原作・雨瀬シオリのコミックスは8巻まで発売されており、現在も「グランドジャンプむちゃ」にて連載中。2020年に小説版が出版されたほか、翌年に山田裕貴・主演でテレビドラマ版(NHKよるドラ)も放映されている。
(ヨシムネ)

『姫様“拷問”の時間です』

姫騎士を相手にあまりにも残酷な“拷問”が繰り広げられるグヘヘな作品だけど全年齢対象です。

魔王軍により囚われの身となった国王軍第三騎士団“騎士団長”の姫には、ありとあらゆる手で姫を堕落させようとする拷問官だけでなく、魔王のひとり娘すらも容赦ありません。
お腹が空いたときや仕事に疲れたときに読むと“拷問”を受ける姫様の苦しみにより共感できるかもしれません。
あとわりとちょくちょく牢屋の外に連れ出されていますが気にしないでください。

原作・春原ロビンソン、漫画・ひらけいのコミックスは10巻まで発売中のほか、「少年ジャンプ+」で連載中。2024年1月~3月にかけてテレビアニメ版も放映されました。
(ヨシムネ)

『新しいきみへ』

妻の浮気を誤解し、傷心旅行に出かけた高校教師「佐久間悟」と不思議な魅力をもつ少女「相生亜希」の出会いから始まる現代SF恋愛奇譚。
可愛く描かれた女性キャラクターの美しさに目を惹かれ、第1話から次々と撒かれる伏線の回収でいつしか読み進める手が止まらなくなる。

はじめは「担任と教師」の関係となった悟に亜希が畳みかける熱烈なアプローチでクラクラしてしまいそうになるが、悟が夢に見た「黒髪の少女」と似る亜希の面影や世界中で起こり始める謎の奇病、日本各地へ現れるガスマスクの人物など、次々と現れる謎が思考をクールダウンさせていく。

原作・三都慎司によるコミックスは2023年12月に発売された最終6巻で完結済み。過去作であるSFファンタジー作品『アルマ』全4巻と合わせて買うのもいいかも。
(ヨシムネ)

『トリコ』

主人公・トリコがジュエルミートを食すシーンを読んで、訳も分からず涙を流したことを鮮明に覚えている。
その理由の詳細は不明だが、本作ならではの“栄養”が成した出来事であることは明らかだ。

本作に関しては、アニメオリジナルの「グルメスパイザー」のみが、一人歩きしているかもしれない。しかし、同アイテムのユーモアは、原作が存在するからこそ誕生していると思う。

本作の描写、演出、設定は、30000人の小学生のアイデアを集めて高濃度に凝縮したようなプリミティブな喜びや快楽、凄みが詰まっている。その全貌をぜひ刮目し、グルメ細胞を活性化させよう。
(りつこ)

『ハンター×ハンター』

忘れもしない、小学3年生の頃。学童で何気なく手に取った『ハンターハンター』を夢中で読み進めていたところ、「ネフェルピトー」を一目見てズガーン!と衝撃が走りました。これまで漫画を読んでいるだけでは感じなかった「キャラクター」が輪郭を帯びる感覚、漫画のキャラを存在として認識したのはこれが初めてでした。以降自分が好きになるキャラが異質がち(折原臨也、グレル・サトクリフ、雨生龍之介etc.)なのは、絶対にピトーが影響していると思います。ド定番中のド定番ですが、色褪せなさすぎ。『ハンターハンター』と同じ時代に生を受けて、幸せです。
(anymo)

『ハイパーインフレーション』

奴隷狩りで両親を失い、唯一残った肉親の姉すらも奪われた主人公・ルーク。彼はオークションにかけられた姉を競り落とすためにあの手この手でお金を稼ぐ──までは理解できるのですが、ルークに「偽札を体から生み出す能力」が宿るというとこに本作の唯一無二のユニークさとヤバさが光ります。ルークの姉を救いたい気持ちを根源にした、絶対に金を手に入れるという激強意思。そしてそれを胸に、ジャンプ主人公らしからぬ損得勘定だけで突き進んでいく熱気と異常な勢いにノせられる、グルーヴがヤバい漫画です。
(anymo)

電ファミ編集部員おすすめ作品

『ろくでなしBLUES』

『ろくでなしBLUES』は、中学&高校時代にリアルタイムに読んでいたのだけど、その圧倒的な画力と展開の面白さで、『ドラゴンボール』と並んで毎週楽しみにしていた記憶がある。中でも、四天王編と呼ばれる一連のエピソードーー鬼塚、薬師寺、葛西らとの戦いはワクワクドキドキしたし、その後の極東高校・川島編も面白かったよなぁと。あの頃の気持ちを思いだして、思わず全巻購入して読み返してみたけれど、やっぱり面白い。間違いなく、ヤンキー漫画の最高峰ですわ。
(TAITAI)

『鵺の陰陽師』

週刊少年ジャンプの原稿連載作品の中で一番面白いと思っています。
ただ、改めてここで面白さを説明しようとすると、これが意外と難しい。ていうか、いま書き始めて気づいた。全体的にアドベンチャーっぽいし、柱刀骸街<ゼノブレード>出るし……なんか「めちゃくちゃ気の合う友達と遊んでる時」みたいな感覚になる漫画です。週刊少年ジャンプの原稿連載作品の中で一番面白いと思っています。
(ジスマロック)

『ジョジョの奇妙な冒険 第7部 スティール・ボール・ラン』

「ジョジョは6部までしか読んでない」という方がいらしたら、めちゃくちゃもったいないのでぜひ7部も読んでみてください。荒木先生が『ジョジョ』シリーズを通して描くテーマ「人間讃歌」がこれでもかと炸裂するのが7部です。「結果ではなく過程こそが重要である」……それがいったいどういう意味なのか、読み終えたころには言葉ではなく心で理解できるはずです。Lesson4だ、敬意を払え。
(嘉山)

『ピューと吹く!ジャガー』

謎の笛男が登場するギャグ漫画。「毎晩必ずランダムで1冊読む」という生活をなぜか10年くらい続けていた。旅行など外泊時にもバイブルのように持ち歩いていたことは友人間ではお馴染みのエピソードとなっている。
おすすめは15巻に収録されている第306笛「さりげなく…なんとなく…」。紅葉の秋にハイキングならぬ「灰キング」(灰色感のある景色を見て灰色の気分になろうという会)を決行する。持参のお弁当まで灰色なので注目してほしい。
(柳本)

『ワールドトリガー』

とにかく9巻まで読んでみてください。騙されたと思って。
『ワールドトリガー』には人生に大切なことが詰まっています。

「遅効性SF」と呼ばれていて、読み進めれば読み進めるほど味が出てくるスルメみたいな漫画。3巻から加速度的におもしろくなり、9巻で絶頂を迎えます。10巻はもっとおもしろいです。11巻はもっともっとおもしろいです。最新巻はもっともっともっとおもしろいです。

新社会人のみなさま、なんとこの漫画、組織論も学べちゃうんです。スタートダッシュで会社の同期と差をつけろ!
(竹中プレジデント)

『BLEACH』

東京に上京したタイミング?くらいで連載がスタートした『BLEACH』。誰もが知る神漫画。
全体の流れは把握しているものの、ちょこちょこ飛ばして読んでいたところもあり、
いつか読む、いつか読むと自分に言い訳して先延ばししてしまっていた…。

(実質)半額のKindleセールの中に『BLEACH』が入っていたことを知り、
「どうする?」、「どうする?オレ」と心の中のオダギリさんとお話した結果、
ジスロマックさんと打ち合わせ中に74冊購入しました。今週末に読みます

推しキャラはグリムジョー・ジャガージャックです。ドルゴルスレン・ダグワドルジに並ぶレベルで語呂が好き。
(川野)

『あかね噺』

ジャンプで生まれた落語漫画。マジで面白い。本当に面白い。ストーリー展開や演出以上、とにかくキャラが立っている。『あかね噺』はこの後、数年後に超大人気作として一世風靡すると思うので、今からチェックして見て下さい。怖い、怖いなぁ
(川野)

『忘却バッテリー』

ギャグとシリアスの温度差で風邪を引いてしまう作品。
高校生野球マンガだが、個性豊か過ぎるキャラクターが多く、野球に詳しくなくても楽しめる。
(編集部員)

そもそもスポーツ系漫画をあまり読まないんですが、アニメ1話を見たら思ってたのと180度違う空気感に「え、こういう感じなの?」と思い、原作を買いました。シリアスも面白いらしいので楽しみです。
みんなにこの「え、こういう感じなの?」感を味わってほしい。パイ毛。
(ジスマロック)

『ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオン』

『ジョジョ』好きでも読んでる人が少ない印象の作品。しかし「災害」を題材にした作品であり、従来の東日本大震災を題材にしたエンタメと比較してもかなり誠実な答えを提示していると思います。もっと多くの人に読まれるべき。
(りつこ)

『ゴールデンカムイ』

アイヌ民族をかっこよく描いてほしい。という当事者の願いを顕現させた作品です。実在する人物をモデルに巧みに描かれたキャラクター、最後まで駆け抜ける暴走列車のような構成、そしてちょくちょく笑えるシーンが本作を最高峰のエンターテイメントとして昇華させていると感じています。

PS.土方歳三の人物像がめちゃくちゃカッコいいので、司馬遼太郎先生のファンとかにもおすすめ!
(ライター・TsushimaHiro)

懐かしい名作を大人買い、何度も読み返したい短編集など。このほかの電ファミ編集部員おすすめ作品

「集英社春マン!2024」は4月8日(月)23:59までの期間限定開催。本記事で紹介した作品はごく一部。買い逃しのないよう、以下のキャンペーンページにて対象作品の他ラインナップもチェックしてほしい。

編集者
3D酔いに全敗の神奈川生まれ99’s。好きなゲームは『ベヨネッタ』『ロリポップチェーンソー』『RUINER』。好きな酔い止めはアネロンニスキャップとNAVAMET。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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