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【今日は何の日?】『スペースインベーダー』が初披露された日(6月16日)。一大社会現象を巻き起こしてアーケードゲームの発展を促した歴史的名作。6月16日は「スペースインベーダーの日」として日本記念日協会に認定されている

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6月16日はアーケードゲーム『スペースインベーダー』の新作発表会が行われて、初めて世に披露された日だ。

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▲アーケードゲーム『スペースインベーダー』。
(画像はSPACEINVADERS.JPより)

タイトーよりリリースされたアーケードゲーム『スペースインベーダー』は、1978年6月16日に当時のタイトー本社で新作発表会が行われて、同年の7月頃から全国に出荷されて稼働を開始した。そのため『スペースインベーダー』の誕生日である6月16日は、日本記念日協会より「スペースインベーダーの日」として正式に認定されている。

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▲アーケードゲーム『スペースインベーダー』。
(画像はSPACEINVADERS.JPより)

『スペースインベーダー』は、整列して画面上方から侵略してくるインベーダーを、左右に移動できるビーム砲で迎え撃つアーケードゲームだ。リリース当時に本作が画期的だったのは、敵キャラクターが単なる的ではなくミサイルを発射して自機を攻撃してくる点で、本作以降、敵の攻撃を避けながら撃ち落とすシューティングゲームがジャンルとして確立された。

また、画面最上段を通過するUFOは、撃ち落とすとランダムに得点が加算されるが、じつはこれには法則性があり、プレイヤーが熟達するとインベーダーの侵略を防ぎつつUFOによる高得点を狙うというプレイも可能になる。それまでのアーケードゲームに比べてより奥の深い攻略性が盛り込まれた本作に、当時の人々は夢中になり、かつてない大ヒットを記録した。

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▲アーケードゲーム『スペースインベーダー』アップライト筐体。
(画像はSPACEINVADERS.JPより)

本作がリリースされた1970年代後半には、ショッピングセンターやボウリング場の一角にビデオゲームのアップライト筐体やエレメカを集めたゲームコーナーが作られるだけでなく、街の喫茶店などにテーブル型の筐体が置かれて、コーヒーなどを飲みながらゲームをプレイできることもできた。

『スペースインベーダー』が人気を集めると、それまではビデオゲームと無縁だった喫茶店などにもテーブル型筐体が導入されて、本作をきっかけにして日本全国の隅々にまでビデオゲームが広がっていった。さらに、ビデオゲームの筐体ばかりを集めた24時間営業の無人店舗なども各地にオープンして、後の大規模なゲームセンターへとつながっていく。

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▲アーケードゲーム『スペースインベーダー』テーブル筐体。
(画像はSPACEINVADERS.JPより)

『スペースインベーダー』の爆発的な人気は雑誌やTVでも盛んに採り上げられて、「インベーダー」が当時の流行語になる一大社会現象を巻き起こした。『スペースインベーダー』は日本社会で大々的に認知された初のビデオゲームであり、現在のゲーム産業の興隆につながる礎を築いた歴史的タイトルだ。

また本作が高い人気を集めるなか、先に解説したUFOを撃ち落として高得点を獲得するための法則性や、インベーダーが最下段まで迫ると自機が敵弾をすり抜けることができるのを利用した「名古屋撃ち」など、独自の攻略法がプレイヤーによって編み出されて口コミで広がっていった。このようなゲームを介したコミュニティの発展も、現在のゲーム文化の基礎となっていると言えるだろう。

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▲アーケードゲーム『スペースインベーダー・パート2』。
(画像はSPACEINVADERS.JPより)

『スペースインベーダー』にはモノクロ画面やカラー画面など、いくつものバージョンが存在する。また当時の他のアーケードゲームと同じく、カラーセロファンによって画面の一部を擬似的にカラー化する筐体も普及していた。

本作の大ヒットを受けて1979年には、撃つと分裂する敵や、プレイヤーによって発見されたバグ技を公式化するなどの新要素を加えたアーケードゲーム『スペースインベーダー・パート2』がリリースされた。

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▲アーケードゲーム『マジェスティック・トゥエルブ』。
(画像はSPACEINVADERS.JPより)

また1985年には『リターン・オブ・ザ・インベーダー』、1990年には『マジェスティック・トゥエルブ』と、『スペースインベーダー』の系譜を受け継ぐアーケードゲームも後年にリリースされている。

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▲PS3/Xbox 360用ソフト『スペースインベーダー インフィニティジーン』。
(画像はスクウェア・エニックス公式サイトより)

一方で1985年のファミコン版『スペースインベーダー』をはじめとして、『スペースインベーダー』はさまざまな家庭用ゲーム機やモバイル機器に移植されている。家庭用ゲーム機ではオリジナル版の再現が追求されただけでなく、独自のアレンジを加えた新作として制作されたタイトルも多い。

2008年に携帯電話アプリとしてリリースされた『スペースインベーダーインフィニティジーン』は、プレイが進むと自機やステージはもとよりゲームシステム自体がどんどんと進化していき、『スペースインベーダー』を起点としたシューティングゲームの歴史を体感できるゲームだ。本作は2009年にiPhone/iPod touch用ソフトとしてタッチ操作などが導入された後、2010年にはスクウェア・エニックスよりPS3/Xbox 360用ソフトとしてリリースされている。

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▲ニンテンドーDS版『スペースインベーダーエクストリーム』。
(画像はSPACEINVADERS.JPより)

同じく2008年にニンテンドーDSとPSPで発売された『スペースインベーダーエクストリーム』は、自機のパワーアップやボス戦といった新たなゲームシステムに加えて、テクノサウンドやクールなビジュアルなどが盛り込まれた新世代の『スペースインベーダー』だ。

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▲PC(Steam)版『スペースインベーダーエクストリーム』。
(画像はSteamより)

2009年にはXbox 360でダウンロード配信されたほか、2018年にはPC(Steam)でもリリースされている。また2009年にはニンテンドーDSで、続編の『スペースインベーダーエクストリーム2』が発売されている。

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▲Switch版『スペースインベーダー インヴィンシブルコレクション スペシャルエディション』。
(画像はMy Nintendo Storeより)

『スペースインベーダー』は2024年現在、2020年にNintendo Switchで発売された『スペースインベーダー インヴィンシブルコレクション』で、初代から『スペースインベーダー・パート2』『マジェスティック・トゥエルブ』『スペースインベーダーエクストリーム』なども含めたシリーズの系譜を辿ることができる。日本のゲーム産業の礎となった名作に、この機会にぜひ触れてみてほしい。

ライター
過去には『電撃王』『電撃姫』『電撃オンライン』などで、クリエイターインタビューや業界分析記事を担当。また、アニメに関する著作も。現在は電ファミニコゲーマーで企画記事を執筆中。
Twitter:@ito_seinosuke

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