米任天堂(Nintendo of America)へのインタビュー記事がThe Washington PostやCNBC、The Verge、IGNといった大手メディアより一挙に公開され、新型ハード「ニンテンドースイッチ2」(Nintendo Switch 2)に関するさまざまな“背景”が明らかとなった。
その中で、プレジデントであるダグ・バウザー氏らが、米国や英語圏で批判が見られる「スイッチ2本体とソフトの価格」について言及した。
米国の一部ユーザー「スイッチ2高い」
米国でのハード本体の価格は449.99ドルで、これに対し初代スイッチは299.99ドル、有機EL版が349.99ドル。また、ローンチタイトルとして発表された『マリオカート ワールド』は80ドルの価格となっており、従来のスイッチソフトの60~70ドルよりも高い設定だ。
こうした価格設定を受けて、とくに米国ではスイッチ2が高いと批判するユーザーも登場している。インターネット上では大きなリアクションが見られ、米任天堂の公式番組「Nintendo Treehouse」のライブ配信が、「値段を下げろ!」(Drop the price!)のコメントで溢れ返る事件が2日間にわたり続いた。米任天堂の元PRマネージャーであるキット・エリスとクリスタ・ヤン氏も、本体と『マリオカート ワールド』に対して「高い」とYouTubeにて声を挙げた。
トランプ政権による関税の問題も浮上し、米国での予約販売が延期にされてしまう事態も起きた。海外メディアIGNなどは、「さらに価格が上がるのでは」との懸念を示している。そういった中で、今回の価格に関する発言についてはKotakuやSiliconeraなど、複数のゲームメディアもニュースとして報じており、注目のトピックスとなっている。
「スイッチ2ソフトの基準価格は設定していない」
米国における『マリオカート ワールド』の80ドルに関して、The Washington Postのインタビューを受けたバウザー氏は、スイッチ2ソフトの価格の「ベンチマーク」(基準)は設定されていないとコメントした。つまり80ドルという価格は、あくまで『マリオカート ワールド』に対して付けられている設定なのだという。
バウザー氏は価格はソフトごとに変動するとも伝え、ゲームに注がれた開発やゲームプレイの幅と深さ、長く遊ぶことができるか、またゲームプレイ体験が何度も繰り返し遊べるものになっているかなどで検討していると説明した。
実際に、Nintendo Switch 2のさまざまな機能を試すことができる『Nintendo Switch 2 のひみつ展』は、米国では10ドルの価格で販売される予定で、これについてもコメントで触れている。また、コメントには登場していないが、『ドンキーコング バナンザ』も、米国では70ドルで販売される予定だ。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のような、初代スイッチで出たタイトルにアップグレードや追加コンテンツが付いた「Nintendo Switch 2 Edition」タイトルについても言及。これらのエディションは、あらためて購入すると80ドルを支払うか、既存のソフトを持っていれば10ドルのアップグレードパスでプレイすることができる。バウザー氏は同様に、これらもXX個々のタイトルでの価格設定を検討しているにすぎないと説明した。
また、IGNに対し米任天堂の製品部門、プレイヤー体験担当のバイスプレジデントであるビル・トリネン氏もコメント。あくまでゲーム体験やコンテンツと同時に価格を見ているだけであると伝えたほか、『マリオカート ワールド』の専用ダイレクト番組が4月17日に配信される予定であることに触れ、そこでさらなる“秘密”が解禁されると自信を見せた。『マリオカート ワールド』は「非常に巨大で広大、発見できる小さな要素が山のようにあります」とも説明している。
スイッチ2本体はさまざまな新要素から価格を検討
バウザー氏はThe Vergeによるインタビューで本体の価格設定についても触れている。前述したように、米国でのハード本体の価格は449.99ドルで、初代スイッチは299.99ドル、有機EL版が349.99ドルだ。この価格設定には、先日からトランプ関税を見越した設定ではないかとの推測もあったが、バウザー氏は否定している。
バウザー氏は、スイッチ2のより大きく高性能なディスプレイ、GPU、一新されたJoy-Con2、新たに導入されるコミュニケーション機能「GameChat」を挙げ、これらの要素が価格の検討に影響したと説明している。その上で、スイッチ2が親しみやすく、長く楽しむことができるデバイスとなることを角煮実にしたかったと述べた。