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日本の表現文化資源を「学ぶ」「創る」「残す」ことに焦点を当てた特別講義が7月23日に開催。立命館大学の赤間氏、ZEN大学の細井氏のお二人が「アーカイブ」の重要性、AI時代の著作権、未来に向けた文化創造の展望についてを語る

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ZEN大学は7月15日、同大学のコンテンツ産業史アーカイブ研究センター(HARC)と立命館大学 アート・リサーチセンター(ARC)の特別講義「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」を7月23日13時より開催すると発表した。

本講義は両センターの共同研究および学術交流を記念したものであり、HARC所長・細井浩一氏とARCセンター長・赤間亮氏の二人が、日本の表現文化資源を「学ぶ」「創る」「残す」ことに焦点てて講義を行う。本講義はYouTubeおよびニコニコ生放送で無料配信される。

「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」が開催。日本の表現文化資源についての特別講義_001

ZEN大学は、日本最大級の生徒数を誇るN高等学校・S 高等学校でのオンライン教育の実績を持つドワンゴと、若者支援における実績を持つ日本財団が提携し、それぞれの強みを生かした新しいオンライン大学だ。2025年4月より開学している。

今回の講義は、長年デジタルアーカイブ事業に取り組んできたHARC細井氏とARC赤間氏のふたりによる「知的財産戦略」の話が中心に展開される。「アーカイブ」の重要性や両センターの取り組み、AIの時代に問われる著作権をめぐるテーマ、未来に向けた文化創造の展望などについて1時間半ほどたっぷりと語るようだ。

なお、日本政府の知的財産戦略本部は5月に「デジタルアーカイブ戦略 2026-2030」を策定・公表し、日本の文化的・学術的コンテンツのデジタル保存と利活用を重要戦略として掲げている。

HARCとARCは共同研究として、マンガ、アニメ、ゲームを中心とするメディア芸術コンテンツ分野、IT・ネット文化分野で活躍した人についての映像オーラル・ヒストリーの収集とデジタルアーカイブを構築するプロジェクトおよび同人創作に関わる一次資料のデジタルアーカイブを構築するプロジェクトを推進している。本講義はこの研究の開始を記念したものとなる。

特別講義「『アート・エンタテインメント』 学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」は7月23日13時よりYouTube・ニコニコ生放送にて無料配信予定だ。またZEN大学ではゲンロンでのトークイベントニコニコ美術館コラボの特別番組も配信予定となっている。

以下、プレスリリースの全文を掲載しています


日本の表現文化資源のアーカイブについて考える共同研究締結記念 特別講義「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」7/23(水)開催

「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」が開催。日本の表現文化資源についての特別講義_002

ZEN大学 コンテンツ産業史アーカイブ研究センター(HARC)と立命館大学 アート・リサーチセンター(ARC)は、両者の共同研究および学術交流を記念した特別講義「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」を2025年7月23日(水)13時00分より開催します。

日本の表現文化資源を「学ぶ」「創る」「残す」ことに焦点を当て、長年デジタルアーカイブ事業に取り組んできたZEN大学 HARC細井浩一所長と立命館大学ARC赤間亮センター長の二人がアーカイブの重要性や両センターの取り組み、AIの時代に問われる著作権をめぐるテーマ、未来に向けた文化創造の展望などについて語ります。本講義は、YouTubeおよびニコニコ生放送で無料配信します。

☑︎政府の知的財産戦略の重要分野である「デジタルアーカイブ」

日本政府の知的財産戦略本部は2025年5月に「デジタルアーカイブ戦略 2026-2030」を策定・公表し、日本の文化的・学術的コンテンツのデジタル保存と利活用の促進を政府の重点戦略の1つとして掲げています。ゲーム、アニメーション、マンガをはじめとした日本のコンテンツ文化は、国際的な日本のイメージ向上といった文化的影響力に留まらず、コンテンツをきっかけに外国人観光客が日本を訪れるなど、経済の活性化にも貢献しています。一方、裏側で支えてきた方々の証言はすでにその多くが失われつつあります。また、歴史的事実に基づいた客観的な評論や研究成果も多くはありません。

ZEN大学HARCは、ZEN大学の開学に先駆けて2023年に歴史プロジェクトとして始動しました。コンテンツ産業の歴史を形作ってきたヒトやモノ、コトに関わる一次資料を広く深く収集、保存するアーカイブを構築し、歴史資産として研究や教育、事業創造など社会的な利活用のために公開していくことを使命としています。

立命館大学ARCは、文部科学省が定める日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点として採択されており、浮世絵や古典籍、番付、日本・京都地図など日本の文化資源に関するデータを250万件以上収録したデータベースを構築しています。同データベースは2023年度のアクセス数900万PV以上、ジャパンサーチ連携数が75万件以上と、多くの人がアクセスする開かれたデータベースであることも特徴です。

共同研究では、マンガ、アニメーション、ゲームを中心とするメディア芸術コンテンツ分野や、IT分野、ネット文化分野で活躍した人々についての映像オーラル・ヒストリーの収集とそのデジタルアーカイブを構築するプロジェクト、および、同人創作に関わる一次資料のデジタルアーカイブを構築するプロジェクトを推進します。

本講義はこの共同研究の開始を記念したもので、同日より公開予定のオーラル・ヒストリーの公開意義やインターフェースについても紹介します。

【共同研究締結記念 特別講義「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」 概要】

・日時:2025年7月23日(水) 13時00分〜14時30分

・登壇者:赤間亮(立命館大学ARCセンター長)、細井浩一(ZEN大学HARC所長)  ※敬称略

・モデレーター:郡司聡 (ZEN大学HARC顧問)

・主催:ZEN大学 コンテンツ産業史アーカイブ研究センター(HARC)、立命館大学 アート・リサーチセンター(ARC)

・内容

赤間亮 「アート・エンタテインメントとしての“作るアーカイブ”」 (仮)

細井浩一「文化保存と創造をつなぐアート・エンタテインメントのアーカイブ戦略」

パネルディスカッション 「アート・エンタテインメントを『学ぶ』『創る』『残す』」

・配信URL

ニコニコ生放送:https://live.nicovideo.jp/watch/lv348097637

YouTube:https://www.youtube.com/live/OGohxGBcwf4

☑︎ゲンロンでのトークイベントやニコニコ美術館コラボの特別番組も配信

このほか、ZEN大学ではオーラル・ヒストリーの公開に先立ち、HARC発起人である株式会社ドワンゴの川上量生顧問、HARCの細井浩一所長による公開講座「コンテンツ産業の歴史を記録する——ZEN大学HARCの使命と挑戦」を株式会社ゲンロンと共同で7月17日(木)に開催します。ZEN大学教授でゲンロン創業者の東浩紀氏が司会を務め、HARCの取り組みを通じて見えてきた日本のコンテンツ産業の独自性や、それを歴史化する意義などについて語ります。

また、オーラル・ヒストリー公開後となる7月28日(月)には、専門家の解説とともに博物館等を巡る生放送番組「ニコニコ美術館」とのコラボレーションによる特別番組が放送されます。オーラル・ヒストリーのアーカイブを「美術館」に見立て、HARCの細井所長と郡司顧問が、ライター・エディターの橋本麻里氏、文筆家・ゲーム作家の山本貴光氏とともに案内します。

【ゲンロン共同公開講座 「コンテンツ産業の歴史を記録する——ZEN大学HARCの使命と挑戦」概要】

・日時:2025年7月17日(木) 19時00分開始

・登壇者:細井浩一(ZEN大学HARC 所長)、川上量生(株式会社ドワンゴ 顧問)  ※敬称略

・司会:東浩紀 (ゲンロン創設者、ZEN大学教授、批評家・作家)

・内容:

コンテンツ産業の歴史を残すということ

ZEN大学の構想とHARCの着想

HARCにおける研究構想と今後の活動に関して

・イベント詳細:https://genron-cafe.jp/event/20250717/

※有料イベントとなりますが、第1部はYouTubeで無料放送されます。

【ニコニコ美術館 特別番組 概要】

・番組タイトル:『ゴジラ-1.0』のVFXを手掛ける白組創業者、エニックス創業者、日本のインターネットの父ほか コンテンツ産業のキーマンの「証言」を収集、アーカイブ、研究する活動にせまる【ニコニコ美術館】

・日時:2025年7月28日(月) 19時00分〜20時30分

・出演者:細井浩一(ZEN大学HARC所長)、郡司聡(ZEN大学HARC顧問)、橋本麻里(ライター・エディター)、山本貴光(文筆家・ゲーム作家)  ※敬称略

・内容:ZEN大学HARCが公開したオーラル・ヒストリーのアーカイブについて、解説を交えて紹介

・配信URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv348143412

【ご参考】

共同研究締結記念 特別講義「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」

登壇者プロフィール

赤間亮

立命館大学 文学部 教授、アート・リサーチセンター(ARC)センター長

「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」が開催。日本の表現文化資源についての特別講義_003

1991年早稲田大学文学研究科博士後期課程単位取得退学。早稲田大学坪内博士記念演劇博物館助手を経て、1991年より立命館大学文学部専任講師。1998年立命館大学アート・リサーチセンターの設立を主導し、デジタルアーカイブ技術と日本芸術文化研究を融合したデジタル・ヒューマニティーズ型研究を確立、推進してきた。2001年に演劇博物館所蔵浮世絵約47000枚をイメージ付きのオンラインデータベースで一気に公開し、2002年からは、海外に散逸した日本の美術品・文化財のデジタルアーカイブプロジェクトを開始。現在、浮世絵・日本絵画データベース、古典籍は収録数が世界最大になっている。海外も含めて、短期間で大規模なデジタルアーカイブを構築する手法は、ARCデジタルアーカイブモデルとして海外でも知られている。

細井浩一

ZEN大学 教授、コンテンツ産業史アーカイブ研究センター(HARC)所長

「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す〜伝統から現代まで〜」が開催。日本の表現文化資源についての特別講義_004

1987年 立命館大学大学院経営学研究科博士課程単位取得。博士(経営学)。1994年 立命館大学政策科学部助教授、2001年より教授。その後、新設の映像学部の設置を主導し、2007年より教授を務める。立命館大学では、アート・リサーチセンター(ARC)およびゲーム研究センター(RCGS)の開設に関わり、日本の表現文化資源のアーカイブに関する包括的な研究を進める。特に、1998年に開始したゲーム保存活動である「ゲームアーカイブ・プロジェクト」は、現在も「RCGSコレクション(https://collection.rcgs.jp)」として拡充されている。2010-2015年 日本デジタルゲーム学会会長、2019-2023年 文科省「日本文化資源デジタルアーカイブ国際共同研究拠点」拠点長。主な著書に『コーポレート・パワーの理論と実際』、『ファミコンとその時代』(共著)、『ゲーム学の新時代』(共著)などがある。日本デジタルゲーム学会賞(2015年)、デジタルアーカイブ産業賞(2020年)、京都市芸術振興賞(2024年)などを受賞。

❙ 立命館大学アート・リサーチセンターについて

立命館大学アート・リサーチセンター(ARC)は、日本の文化芸術資源をデジタル・アーカイブし、“可視化”するーアート×テクノロジーによるデジタル・パブリックヒューマニティーズ推進拠点ーです。1998年の設立以来、デジタル・アーカイブ技術を活用したデジタル人文学の推進役として活動し、文部科学省21世紀COEプログラムやグローバルCOEプログラムなどに採択、2019 年度からは、文部科学省国際共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点」(ARC-iJAC)に認定され、現在は、巨大なデータアーカイブを、一般市民にも活用してもらい、それを応用した知的生産活動を活発化するデジタル・パブリックヒューマニティーズの実現を目指しています。

立命館大学アート・リサーチセンターに関する詳細▶ https://www.arc.ritsumei.ac.jp/

❙ ZEN大学について

ZEN大学は、最先端のIT技術を活用し、すべての人に大学進学の機会を提供します。ZEN大学唯一の学部である「知能情報社会学部」では、特定の学問領域に偏らない学びを修めることで、激変するAI時代に対応して活躍するために必要なリテラシーを身につけることができます。さらに詳しい情報は、ZEN大学のウェブサイトおよびパンフレットをご覧ください。

ZEN大学に関する詳細▶ https://zen.ac.jp/

最新パンフレット請求▶ https://zen.ac.jp/form

ライター
気になったゲームは古今問わず遊ばずにはいられない性格。シリーズ物も大好き。 中学生の時に東方Projectに触れてからゲーム音楽へ目覚め、アトリエシリーズと出会い覚醒。普段聴く音楽が9割ゲーム関連となってしまった。 幅広いジャンルのゲームを遊びながら、まだ見ぬゲーム音楽との出会いを求めて日夜探求し続けている。

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