2月19日、サウジアラビアのQiddiya Investment Company(以下Qiddiya)傘下にあるeスポーツ事業会社RTSが、世界最大規模の格闘ゲーム大会「EVO」について、これまで共同所有していたNODWIN Gamingから同大会を完全買収したことが明らかになった。
この買収により、EVOはサウジアラビアが国家戦略として推進する巨大エンターテインメントプロジェクト「Qiddiya」の完全な傘下に入ることとなる。
EVOの運営体制は、近年段階的な変化を遂げてきた。まず2025年8月にソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、保有するEVOの株式をNODWIN Gamingへ売却したことで、NODWIN GamingとRTSによる共同所有体制へと移行した。
さらにその直後の2025年9月には、QiddiyaがRTSを完全買収し、EVOの運営に深く関与する基盤を整えていた。今回のRTSを介したEVOの完全買収は、これら一連の体制変更を締めくくるものとなる。

発表によれば、RTSの最高経営責任者であるStuart Saw氏をはじめとする主要な経営陣は留任し、引き続きプレイヤーやファン、ゲームパブリッシャーとの連携に注力して長期的な安定を図る。また、株式を売却したNODWIN Gamingも、新興市場での専門知識を活かす形で今後もEVOと協力していくという。
RTSによる完全買収後も、20年以上にわたってコミュニティとともに培われてきたEVOの伝統や価値観、アイデンティティは維持される方針とのこと。
なお2026年のEVOは、日本の東京、アメリカのラスベガス、フランスのニースで大規模な国際大会の開催を予定しており、2027年にはシンガポールでの初開催も控えている。
今回の買収を主導したQiddiyaが手掛ける「Qiddiya City」は、サウジアラビアが石油依存経済からの脱却を目指す国家戦略「ビジョン2030」の中核を担い、政府系ファンドの支援を受けてリヤド近郊で開発が進められているプロジェクトだ。
同プロジェクトは、eスポーツやゲーミング分野への投資を主要な柱の一つとして掲げており、今回の完全買収はその長期的な都市開発ビジョンをさらに強化する狙いがある。
