見ためはローグライクRPGなのに、レベル上げと装備の強化で進めていく、日本でも人気になった中国製のスマホゲーム『The Greedy Cave(貪欲な洞窟)』。
グラフィックを大幅に強化した、その続編が登場しました。
『The Greedy Cave 2: Time Gate』です。
入るたびに変化する自動生成のダンジョンを、アイテムを駆使しながら突破していく──いかにもローグライクのようなゲームですが、敵は動かず、戦闘は交互に攻撃を繰り返すターン制のオートバトル。
ダンジョンから出るとレベルが戻るということもなく、先に進めるかどうかは育成と装備にかかっているという、普通のRPGとローグライクの中間のような作品です。
そのため、既存のローグライクRPGを考えてプレイすると拍子抜けすると思いますが、ローグライク特有の敷居の高さもありません。
“育成によって着実に強くなれる”という取っ付きやすいスタイルなので、前作は日本でも長く人気を保っていました。
その続編となる今作は、グラフィックが大幅にパワーアップ。
3D化されたその外観は「ヒットしたらゲームはこんなに変わるのか」と思うほど。
一方でゲーム内容は前作をそのまま踏襲していて、「正統進化」といったところ。
見た目の変わりっぷりを考えると、内容はむしろ変わってないっぷりに驚きます。
それはそれで前作のプレイヤーなら、違和感なく遊ぶことができるでしょう。
アプリ本体は無料。課金はありますが必須とは言えません。
スタミナはなく、広告もなし。無課金でもストレスなく楽しめます。
現時点(1/20)では正規版はiOSのみで、Androidではベータテスト版しか公開されていません。
プレイは可能なようですが、動作保証はないので悪しからず。
マルチプレイがあるためか、常にサーバーと通信していて、通信できない環境では遊べないので注意してください。
ランダム生成のダンジョンを探索し、敵と戦い、アイテムを集め、次のフロアを目指します。
操作は画面をスライドか、移動したい場所をタップ。
どちらの方法でも移動でき、操作性はかなり良好です。
前述したように、このゲームの敵は動きません。
接すると戦闘になりますが、戦いたくないなら真横を素通りしていくことができます。
おかげでローグライクらしいテクニックや思考性はありませんが、難解な攻略を習得しなくても遊ぶことができます。
「カジュアルにローグっぽいものを楽しめる作品」と言えるでしょうか。
ただし、戦略的な要素がまったくないわけではありません。
このゲームは町に生還するのに「Escape Scroll」(脱出の巻物)が必要で、もし生還できずに死んでしまうと、ダンジョンに入る前の状態に戻されてしまいます。
よって、まずは脱出の巻物を確保しなければならないのですが、これは壷の中にしか入っておらず、しかしダンジョン内に壷はそれほど多くありません。
そのため、ダンジョンに入ったらまず、敵との戦闘をできるだけ回避しつつ、壷探しを優先する必要があります。
ここで欲を出して宝箱などを取ろうとして敵と戦いすぎ、巻物が見つからないままHPが尽きてしまうと、その回の冒険は「なかったこと」にされてしまいます。
敵の数はかなり多いため、十分に成長していない限り、すべての敵を倒して突き進むのは無理です。
脱出の巻物さえ確保できれば、いつでも生還できるので安心して探険できます。
そうなるまでは、慎重に行動する。
これは前作から続く「貪欲な洞窟」の重要なルールなので覚えておきましょう。
戦闘はオートで進行しますが、ボタンで逃げたり、薬を使って回復することができます。
レベルが上がってスキルを習得すれば、特殊攻撃や防御を行うことも可能に。
でも基本的にザコ戦は、見ているだけでOKですね。
スキルは片手剣用、両手剣用、杖用、冒険用にわかれていて、片手剣のスキルは両手剣や杖では使えません。
スキルポイントは貴重なので、武器スキルはどれかひとつに絞って習得していくことになります。
また、同レベルのスキルは択一になっていて、一方を習得すると、もう一方は選べません。
たとえば両手剣の最初のスキルは「Armor Penetration」(アーマー破壊。1.35倍ダメージ+敵の防御が10秒間25%減少)と「Giant Strength」(2倍ダメージ)のふたつがありますが、覚えられるのはどちらかひとつです。
ただ、紫色の薬(Water of Forgetting)があれば、スキル習得をリセットできます。
ゲーム序盤はこれをいくつかもらえるので、イマイチだと思ったら他のスキルに乗り換えることも可能。
課金通貨でも買えるので(約170円分)、ミスったら取り返しがつかないというわけではありません。
このゲームはハック&スラッシュ(物語より、敵を倒して経験値を稼ぎつつ、レアアイテムを収集するのがメインのゲーム)であり、より良い装備を集めることが重要になります。
装備は片手剣(盾付き)・両手剣・杖の三種の武器と、兜・小手・肩当て・鎧・具足・指輪・首輪の七種類の防具があり、種類が豊富。
すべての装備には基本性能の他に、レアリティの数だけの追加性能があり、さらに強化素材による付与効果と、ルーンの装着スロットがあって、基本性能以外はすべてランダム。
素材による強化(エンチャント)は作業テーブルで実行でき、素材が持つ効果をひとつだけ装備に追加できます。
テーブルと素材も、主にダンジョンの中で見つけます。
ただし背景が薄黄色のノーマル装備と、青色のシルバー装備は、町に帰還する際になくなってしまいます。
脱出時に保持できるのはゴールド装備か、それより上のオレンジの装備のみ。
シルバー以下はその冒険でしか使えません。
しかしダンジョンを探索中、フードを着た羽の生えた石像が見つかることがあります。
これは「錬金術の像」で、これを使うとひとつだけ、シルバー以下の装備をゴールドにすることができます。
ゴールド装備がそろっていない序盤は、この石像を見つけて必要な装備を持ち帰れるようにすることが目標となるでしょう。
いくつかローグライク的なルールがありますが、割と一般のダンジョン探索RPGに近いスタイルで楽しめるゲーム。
それをもっとスピーディーに、そしてハクスラ要素を強くした感じです。
地道な経験値稼ぎが必要になりますが、長く楽しめそうな作品で、焦らずプレイするのが良いでしょう。
今の時点(2019/1/20)ではメッセージは英語ですが、プレイするうえで困ることはほとんどありません。
グラフィックやサウンド、演出なども良いです。
無料で手軽に楽しめるハクスラRPGとして、おすすめできる作品です。
The Greedy Cave 2: Time Gate
ローグライク風だが育成と強化が中心のハクスラRPG
・見下ろし型ダンジョン探索RPG
・AvalonGames(中国)
・本体無料、課金あり
文/カムライターオ
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