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ソニックに似た黒いハリネズミ「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」って何者なの? 海外ではソニック並みに人気があるシャドウについて登場作品を振り返ってみた。シャドウの魅力をタイトルごとに語りたい

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「僕はいったい何者なのか、そして何のために生まれてきたのか……。」

大人気アクションゲームシリーズ『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の主人公ソニックによく似た姿を持つライバル、シャドウ・ザ・ヘッジホッグ。

彼はヒーローであるソニックとは異なり、ダークヒーローとしての側面が強いキャラクター。海外ではソニックに並ぶほどの人気があり、10月25日に発売されたシリーズ最新作『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』の主人公のひとりでもあります。

しかし、彼が高い人気を持つのは海外での話で、日本においては「……シャドウって誰?」という感想を抱く人も多いのが現状。無論、シリーズファンで彼のことを知らない人はほとんどいないかとは思いますが、一般的な知名度となると話は別です。

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そこで今回は、シャドウ・ザ・ヘッジホッグの魅力を改めて知るべく、シャドウが登場するシリーズの主要作品とともに彼の軌跡を振り返り、「シャドウとは何者なのか」について、深掘りしていきたいと思います。

文/DuckHead
編集/柳本マリエ

※この記事は『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』の魅力をもっと知ってもらいたいセガさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


シャドウは初登場から主役級『ソニックアドベンチャー2』

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それでは早速、シャドウの初登場作品から見ていきましょう。彼が初めてソニックシリーズに加わったのは『ソニックアドベンチャー2』(以下、『ソニアド2』)。

2001年に発売されたこのゲームは、3Dステージをハイスピードで縦横無尽に駆け回れる『ソニックアドベンチャー』の続編にあたる作品です。

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そのストーリーは、ヒーローであるはずのソニックがある日突然「軍施設からの逃亡者として逮捕されてしまう」という衝撃的な展開からスタート。

ソニックが軍に拘束されてしまった理由は、彼によく似た姿の謎のハリネズミ、シャドウと間違えられていたから。シャドウがソニックの前に姿を現したのと時を同じくして、周囲では怪事件が次々と起こり、ソニックの宿敵であるDr.エッグマンも世界征服宣言を打ち出します。

シャドウとDr.エッグマンの繋がりを知ったソニックは、仲間であるテイルスとナックルズと共に彼らの野望に立ち向かう、というのが『ソニアド2』のおおまかなあらすじです。

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そして、『ソニアド2』の特徴でありゲーム発売当時に私が心惹かれたポイントが、ソニックたちお馴染みのメンバーにくわえて、彼らに対をなす形で存在する悪役たちのストーリーも楽しめるということ。ソニックたちHEROサイドだけでなく、その敵であるDARKサイドの物語を遊べるというのは、当時衝撃的でした。

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そんなDARKサイドのストーリーは、プロフェッサー・ジェラルドが生み出したとされ50年間も封印されている “軍の最高秘密兵器” を求めて、ジェラルドの孫であるDr.エッグマンが施設に潜入するところから。

そして、施設のとある部屋に辿り着いたDr.エッグマンが目覚めさせた最高秘密兵器こそが、今回の本丸であるシャドウ・ザ・ヘッジホッグ。

自らを究極の生命体と名乗り、カオスエメラルドを使って時空を歪める “カオスコントロール” という能力を使いこなすシャドウは「目覚めさせてくれたお礼に」と、Dr.エッグマンに世界征服を促します。同じ目的でひとつになった彼らの前に、ルージュという謎のトレジャーハンターも姿を現し、たった3人での世界征服プロジェクトがスタート。

つまり、シャドウはDARKサイドにおけるソニックの立ち位置にあたるキャラクターであり、言うなれば『ソニアド2』におけるもうひとりの主人公。初登場から破格の扱いです。

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その姿はよく似ているシャドウとソニックですが、性格などは大きく違います。たとえば、テンポよくしゃべり、明るいソニックに対し、シャドウは寡黙かつクールといういわゆる一匹狼感が非常に強いキャラクター。

そのほかにも、地面を風のように駆けるソニックに対して、シャドウはホバー機能のある靴で浮きながら滑るようにして大地を駆け抜けています。

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そういった違いがある中で、改めて『ソニアド2』を遊んでみて個人的に意外だったのが、シャドウの一人称が “僕” だったということ。シャドウの生い立ちや雰囲気から、勝手に「自分のことはオレって言ってるんだろうな」と思い込んでいたんですが、実際に遊んでみるとメチャクチャ違っていました。

そして、実際に一人称が “オレ” だったのはソニックの方。どうやらシャドウとソニックを混同していたようですが、何事も思い込みはよろしくありません。

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さて、与太話はここまでにしまして、DARKサイドとしてストーリーが作られることからもおわかりいただけますように、シャドウは単なる悪役ではありません。

彼はDr.エッグマンのようにわかりやすく「ソニックの宿敵で悪役」というわけではなく、自分の意志に従って行動する立ち位置。

お互いがお互いを “偽物” と呼ぶソニックとシャドウの関係性も注目ポイントのひとつであり、シャドウの存在により『ソニアド2』のストーリーは大きな展開を見せるのです。

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そんな『ソニアド2』は、アクションがとにかく楽しい名作。私のようにそこまでゲームがうまくない人間であったとしても、カッコいいアクションができている気にさせてくれる本作のアクションは、非常に魅力的であると言えます。

また、ソニックやシャドウの3Dステージが楽しいのはもちろんのこと、大好きなDr.エッグマンやテイルスのステージが用意されているというのも個人的には嬉しいポイント。

本作はSteamで日本語版も配信されて遊びやすくなっていますので、ぜひプレイしてみてほしい作品です。

4つのストーリーが存在する『ソニックヒーローズ』

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『ソニアド2』に続く形でシャドウが登場したのが、2003年の年末に発売された『ソニックヒーローズ』

本作のストーリーは、世界中を旅して回っていたソニックのもとへ「3日後に世界征服を開始する。できるものならワシを止めてみろ!」というDr.エッグマンからの挑戦状が届き、テイルス・ナックルズと共に彼の世界征服計画を阻止するという王道なもの。

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『ソニックヒーローズ』の大きな特徴のひとつが、ストーリーの多さ。『ソニックアドベンチャー2』がHEROとDARKのふたつに対し、本作は4つのストーリーが存在します。個人的には、探偵事務所のチーム・カオティクスがいちばん好きです。

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さて、シャドウが属するチーム・ダークのストーリーは、前作でも活躍したルージュがDr.エッグマンのヒミツ倉庫に潜入するところからスタート。

彼女は記憶を失った状態でコールドスリープしていたシャドウと、Dr.エッグマンに作られたエリート戦闘ロボットでありながらこれまで不遇な扱いをしてきたDr.エッグマンへの復讐心に燃えるオメガと出会います。

シャドウは失われた記憶、ルージュはお宝、オメガは復讐。最終目的こそ大きく違う彼らですが、その目的達成のために目指す人物はDr.エッグマンただひとり。彼らは新たにチームを組み、Dr.エッグマンを探す旅に乗り出します。

『ソニアド2』ではいろいろなことがあったため、続編への登場は難しいと思われたシャドウがまさかの復活を果たしたこの作品。前作で華々しく退場したキャラクターが復活するということは、彼がそれだけ人気があったということの証であるように思います。

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このゲームのアクションとしての特徴は、3人1組のチームでステージを一緒に駆け回り、チームのリーダーを入れ替えながら進めていくこと。チーム・ダークの場合は、スピードタイプのシャドウ、パワータイプのオメガ、フライタイプのルージュを使いこなしてステージを攻略していきます。

公式サイトによれば、本作に登場する4つのチームの中で最も難易度が高いというチーム・ダーク。実際、リーダーをこまめにかえてステージを攻略しながらバンバンと登場してくる敵に対処するのは結構な重労働。

ソニックシリーズを通じての醍醐味のひとつであるタイムアタックを極めるとなるとかなり大変そうというのが私の印象です。

頭脳派対戦アクション『ソニックバトル』

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そして、次にシャドウが出てきた代表的なタイトルが、ゲームボーイアドバンスで発売された1〜4人で遊べる対戦アクションゲーム『ソニックバトル』。シャドウはパッケージにもその姿が描かれています。

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“頭脳派対戦アクション” を標榜する本作の印象的なシステムが、近距離攻撃・遠距離攻撃・時間差攻撃という3種類の必殺ワザをカスタムしてから戦うこと。公式サイトによれば、これによって「対戦相手との読み合いがアツクなる!!」とのこと。

謎のロボット “エメル” を巡って繰り広げられる本作のストーリーは、ソニックをはじめとするシリーズお馴染みの7人以上のキャラクターたちが、各章の主人公となる形で紡がれていき、最終的にはひとつの物語にまとまるという大作。

戦いを望まない者、仲間のために戦う者、戦いの中にしか自らの存在意義を見出せない者……さまざまな思いを抱く主人公たちの中のひとりがシャドウというわけで、彼は時空を操る力を駆使してバトルに挑みます。

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また、『ソニックバトル』では最大で4人まで同時に対戦することもでき、ミニゲームも5つ用意されているなど、パーティーゲームとしての側面も強いように思います。

一部のミニゲームはゲームボーイアドバンスの本体と、今となっては懐かしい「通信ケーブル」を用意すれば、ソフトが1本だけしかなくてもみんなで楽しく遊べたゲームとのこと。

シャドウは、パーティーゲームに登場するまでにソニックシリーズの中で市民権を得たと言っていいでしょう。

ついに単独主人公『シャドウ・ザ・ヘッジ・ホッグ』

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続いてのタイトルは、シャドウの歴史の中でも特に大きなタイトル。その名も『シャドウ・ザ・ヘッジ・ホッグ』。そう。ついに彼はその人気の高さから単独主人公にまで上りつめたのです。まずは気になるストーリーを見てみましょう。

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「僕はいったい何者なのか、そして何のために生まれてきたのか……。」

50年前、世紀の天才科学者とうたわれたドクター・プロフェッサーの極秘研究「プロジェクト・シャドウ」によって生み出されたシャドウ。究極生命体と言われる彼の真の正体は未だに闇の中であり、その手がかりとなる軍の記録はおろか、シャドウ自身の記憶もほぼない状態。彼の頭の中にあるのは、シャドウ・ザ・ヘッジホッグの名とマリアという人間の女性の死の瞬間の記憶だけ

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シャドウが自らの記憶と対峙し自問自答を続けているある日、突如として空が闇に包まれ、圧倒的な戦力を持つ謎の軍団 “ブラックアームズ” が街を次々に破壊。

その絶望的な光景を何の感情もなく見つめるシャドウの前に、ブラックアームズの指導者ブラックドゥームが現れ、彼にこう告げます。

「シャドウよ、間もなく約束の時が訪れる……一刻も早く我のもとにカオスエメラルドを集めるのだ。」

自らのことを知る存在の突然の出現。カオスエメラルドと自分自身を探す彼の過酷な冒険が始まります。

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正義か悪か。ふたつの相反する価値観の狭間で揺れ動く彼の心情を表しているかのように、本作はゲーム中にプレイヤーがとった行動によって物語の結末が変化することが最大の特徴

ブラックアームズを倒せばヒーローゲージが上昇し、罪のない人々に危害を加えればダークゲージが上昇。物語だけでなくシャドウの使う技やゲーム難易度にも影響を及ぼします。全てを守るか、全てを破壊するか。正義にも悪にも染まっていないシャドウの心は、プレイヤーの行動によって左右されるのです。

これはヒーローであるソニックでは描けない内容なのではないでしょうか。本作は、シャドウがダークヒーローであるからこそ実現したシステムかもしれません。

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マルチシナリオである本作では、ソニックをはじめとするキャラクターたちがシャドウを導く存在として登場。彼らとシャドウの掛け合いも、本作の面白いポイントのひとつです。

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また、この『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』がアクション面で個人的に面白いと感じたのは、道具を使って敵と戦えること。これは従来の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズにはなかった要素であり、かなり新鮮に感じました。

銃以外にも標識やアスファルトなどを武器にすることができるほか、敵の車を乗り回すこともできるため、本作は『ソニック』シリーズではなかなか味わうことのできないゲーム性のアクションを楽しむことができる異色作。

現状、現行機でプレイすることは難しいのですが、私が個人的に「リマスターしてくれたら嬉しい」と思っている作品のひとつです。本作の敵であるブラックドゥームは、最新作の『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』にも出てくることですし……ねぇ!

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ライター
レトロゲームから最新ゲームまで、面白そうだと感じた家庭用ゲームを後先考えず手当たり次第に買い漁る男。500を越えてから、積み上げたゲームを数えるのは止めました。 ディズニーアニメ・お笑い・音楽・漫画などにも広く浅く手を伸ばし、動画投稿者としても蠢いています。
Twitter:@DuckheadW
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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