Twitterスペースをお聞きの方へ:
本コンテンツはリアルタイムの興奮をみなさんと共有するため、声優さんにもあえて脚本を事前にお渡しせず、皆さんとおなじ画面を直接読んでいただいております。
そのため、つっかえや読み間違え等が発生することがあります。
ご不便をおかけしますが、コンテンツの性質としてご承知いただければ幸いです。
第五の分岐
Twitter人狼ADV #ギ・クロニクル
— 電ファミニコゲーマー (@denfaminicogame) August 8, 2022
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第五の分岐:悪意
◢
ビョルカさんが殺された。
『狼』はまだいたんだ。
くだらない言い争いはもうたくさん。
とっとと1人殺して終わらせよう。
道筋はつけたので、
2人は互いを指さすはずだ。
さあ、どちらを殺す?
選択肢:ウルヴル
が選択されました!End 04に分岐します。
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「『我らを導く死体の乙女よ!
信心と結束をいま示します!
ご照覧あれ!』 」
これで2人が僕を指さしたら
笑っちゃうかもな。
「血と肉と骨にかけて──
みっつ!
ふたつ!
ひとつ!」
……
おいおいおいおい?
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「……ぶっ、ったははははは!!
アーッハッハッハッハハハハ!
マジかよ! マジっすか!!
あんだけカッコつけといて!
ハズしてんじゃねーか!!!
僕ったらァアアハハハハ!!」
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「なんと!
ウルヴルジジイは狙い通り
ゴニヤを指さしましたが!
ゴニヤが指さしたのは!?
僕でしたァアアア──────
──────────────
──────────!!!!」
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「分かる!? つまりね!?
僕を指さしたのが1人!
ジジイを指さしたのが1人!
ゴニヤを指さしたのが1人!!
指名は失敗で────す!!!
今日は誰も殺せませーん!!!」
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「おっとォ約2名すんごい目で
僕を見てますが何でしょうか!
あっなるほどこういう感じは
僕が『狼』の本性を出したとか
そういう短絡的な憶測に
繋がっちゃいますかァ──!
駄目だ。
何やっても
一つも楽しくねえわ」
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「やめよう。やめやめ。
今夜また『狼』が一人殺す。
残り2人じゃ『儀』は自動失敗
するから、『狼』の勝利は
既に決定しましたー。
つーかそれ以前に今夜の吹雪で
全員凍死だろ。
人じゃない人は知らんけど。
ハハッ」
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「……
何とか言えよ。
とくに『狼』のやつ」
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「……小僧、もうええ……
分かった……
もうよく分かった……
お前の怒りと悲しみ……
いや……
もうそれすら無いんじゃな……」
……だから、やめろよ。
分かったようなこと……
じゃないな。
実際、分かってるんだろ、
アンタには。
人間ってものが。
本質ってものが。
僕ってものが。
きっと、本当に。
職人の目だか何だか
知らないけど、
そういうところが
時々無性に嫌だったから
つい指さしてみたけど、
やっぱ凄い人だよ。
昔から変わらない。
変わったのは、
いや、やめよう。
僕にその『人を見る目』
って奴は備わってないから。
僕は喋るのをやめた。
2人を見るのもやめた。
何もかも終わりだ。
森にでも入って、
気持ちを落ち着けよう。
そして、体とか心とか、
ぜんぶ消えてしまう時を、
せめて穏やかに迎えて──
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「──なれ」
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「──いなく、なれ。かいぶつ」
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「
…………あ?」
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「あなたなんか、
フレイグじゃないっ!!
いなくなれ!
いなくなれえっ!!」
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「ウルじいもおかしいわ!
おかしいのよ!
いつものフレイグと
ちがうじゃない!!
フレイグはもっとやさしくて、
おだやかで、いいひとよ!!」
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「ゴニヤ……そうじゃあない……
小僧のそういうのは全て、
ビョルカを信じる心から
生まれとったもんじゃ……
幼いおまえには、
わからんかもしれんが……
いや……くそう!
もう分からん!
どっちが『狼』じゃ……!」
ジジイは頭が悪い。
だから今さらそれを悩んでも
何にもならないと分からない。
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「わたしはかわってない!
わたしはおこってる!
みんなをころした『狼』も!
ウルじいをだまして
ころそうとしてる、
フレイグのにせものも!!」
それよりも、
そんなことよりも、
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「にせものは、いなくなれ!!」
なぜだろう、
その、稚拙な言葉一つ一つが、
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「
フレイグは、
いらない!!」
────この上なく、
むかついたから、
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「
ぴっ
」
声ともつかない音を残して、
小さな頭はきれいに割れる。
無骨な剣は鋭く重く、
幼い体を縦に割く。
なんだ。
殺せるじゃないか、俺は。
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「
小、僧、
きさまァアアア!!!」
金槌(かなづち)を振り上げた老人が迫る。
あまりにも鈍重な動きで。
大雑把に、大振りに、
剣を振ってやった。
刃は老体にぶち当たり、
ほぼ抵抗なく振り抜かれた。
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あっけなく、奴は倒れた。
派手に命をまき散らしながら。
2度目。ふうん。
間違いない。
信仰の鎖は機能していない。
だから何だ?
無意味な状況は変わらない?
確かだ。
体力の消耗、体温の低下が、
妙に客観的に感じられる。
この夜は、越えられない。
しかし、退屈ではなくなった。
![]() |
……
…………
………………
素晴らしい。
俺は今や、
前よりもずっと早く走り、
前よりも正確に追跡できる!
垢と薬湯(やくとう)の臭い。
煙と香草の臭い。
鉄と蝋燭(ろうそく)の臭い。
人里だ。
これで助かった?
否だ。
既に俺の体は壊れ始めている。
変化、といってもいい。
結局、俺は自由じゃない。
別の何かに囚われただけ。
本質的により自然な、
『何か』になった、だけだ。
だから、
あとはもう、
より強い衝動に
身を任せるだけだ。
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「──お願い、フレイグ。
優しいあなたを、
見失わないで──」
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「──そんな言葉が、
幻聴ででも
聞こえてくれれば
よかったのにな」
さあ。
皆殺しだ。
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【ゴニヤ死亡】
【ウルヴル死亡】
【フレイグ脱落】
【巡礼者が全滅しました】
End 04「覚醒」
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