さあ、『エスプレイド』&『アレスタ』が復活だ!全シューターの悲願を叶えたエムツーが明かす“移植決定の舞台裏”と“移植に賭けるたぎる想い”【『エスプレイド』新規イラストラフ画も公開!】

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移植交渉がうまくいくかどうかを左右する、ふたつの条件

──エムツーが得意とする“移植”について、“版権元との交渉”は不可欠なことですが、交渉成立にたどり着くための“秘訣”みたいなものはあるのでしょうか。

堀井氏:
 交渉ではいろいろ苦労しますが、詳細な具体例は問題がありそうなので(笑)、基本的なところをお話します。
 じつはこれまで僕が聞いた中で、ずっと心に刺さっているお話があるんです。
 それは「移植交渉ではふたつある条件を満たせれば、OKをいただきやすい」というものです(笑)。

──その条件とは?

堀井氏:
 ひとつは「ビジネスになるかどうか」ですね。
 基本的には法人が交渉相手ですから、やっぱりお金になるかどうかは無視できません。交渉内容によって金額に差こそあれ、ちゃんとお金になるのなら条件のひとつは満たせます。
 もうひとつは「こいつら本当に好きでやっているからしょうがないな。付き合ってやるよ」みたいな、こちらのやる気とか本気度とか、感情に関わる部分ですね。

 本当にゲームが好きで交渉を持ちかけてきているけれど、ほとんど儲けにはならない。でも、取引をしたことで今後につながりそうな何かがあるとか、別のところにメリットが生まれる場合です。
 版権料収入がそれほどの額にはならなくても、それ以外の点にメリットを感じていただければ、ふたつ目の条件を満たせるというわけです。
 もちろん、実績も大事ですけれどね。

──それを基に『エスプレイド』の交渉を振り返ると、ひとつ目の条件である金額面の詳細はわかりませんが、ふたつ目の条件についてはメリットがありますね。

堀井氏:
 ひとつ目の条件については、交渉が難しいですね。たとえばレトロゲームで主流になっている価格帯で売っちゃうと、たとえ10万本売れても売上はそう大きくはならないし、そこからお支払するライセンス料もそれほど大きな額にはならない。
 だから、僕らにとって低価格でゲームを売ることは、版権元との交渉時に大きなリスクになります。しかもシューティングゲームで10万本を売るのは大変ですから。

 少なくとも販売額は2500〜3500円くらいの金額からはじめないと交渉材料にはなりにくい。でも「『弾銃フィーバロン』を3700円で売りたい」というと、「強気だ」とファンには思われてしまうんですけれど(笑)。
 しかし、そうしないとビジネスとしてはメリットがほとんどないですから、版権元も交渉には乗りにくいんですよ。
 値段を決めるときに、最近だと「10連ガチャ1回ぶんより、俺たちのゲームの方が安いのか」みたいな話になってしまうので(笑)。

──ガチャの金額とゲーム1本を比較するのは、なんだか切ない……。

堀井氏:
 だからこそ、しっかりとした価格を提示して、私たちにとって本気のビジネスであるという姿勢を見せつつ、これまでウチが移植したセガさんのタイトルなどを見ていただいて、品質的にもご納得いただけるようにする、と。
 そのうえで、「現在の市場や情勢的に、御社が出せるような状況ではないと思いますから、ぜひ我々にやらせてください」とお願いするんです。

──先ほどの2つの条件のうち、ひとつ目はビジネスとして問題がなければ話が通りやすい。反対に、ふたつ目は相手の心意気などにも期待する必要がある。
 その場合、状況やお相手によっては簡単にも難しくもなりそうですね。

堀井氏:
 これまでにあった特別な例としては、相手企業の担当者が「じつは自分も、このゲームは何とかしたかったんだ」と思っていたとか、「エムツーさんがウチに移植の話を持って来ないかと待っていた」なんてこともあるんですよ。
 「そろそろ来るんじゃないかと思っていた、うふふ」みたいなケースもあるという(笑)。その辺の突破例はいろいろとありますよ。

──「そろそろ来るんじゃないかと思っていた」っていうのは、なんというか“以心伝心”ですね。

久保田氏:
 なんでそういうことがあるのかというと、他社さんや版権元の会社さんも、今までの『ショットトリガーズ』などの動きを見て、予想しているからなのでしょう。

──セガさんの場合は、いかがですか?

堀井氏:
 セガさんとはお付き合いも長いですから、「御社が移植をやらないならウチでやらせてください」というお話まで踏み込んでしまいます。と言っても、セガさんは自ら、いろいろな形で移植をどんどん決定しちゃうんですよね。
 基本的に「自分たちのブランドはなるべく自分たちの力で出していく」というのが会社の方針としてもあるんじゃないかと思っているんです。
 そこに乗った形で、ウチは『SEGA AGES』をやらせていただいている、と。

──セガさんは、過去作の復刻に積極的なイメージがありますね。

堀井氏:
 そうですね。社内にそういうことをやりたい方がいらっしゃる。今だと、ハムスターさんがNintendo Switchでやっている『アーケードアーカイブス』に勢いがありますから、その波にセガさんが乗らない理由は、一切ないでしょう。

ゲーム解析を通してわかる、開発者の考え方

──エムツーさんのお話を伺っていると、“研究用として、ゲームを移植したり解析したりしている”というお話がたびたび出ますよね。他社さんもそうなのかしら?

堀井氏:
 これはウチの会社にはよくあることですが、他の会社にはないと思います。

福井氏:
 1社くらいは心当たりがありますけれど(笑)。

──やはり特殊な例なのでしょうね。研究用に勝手移植をして得られるものとは?

堀井氏:
 いろいろあると思いますが……まずはプログラムを見ると、「どういう理念や理屈で、これを作っていったのか」ということがわかります。
 たとえば仕様だと、あとから付け加えた物は見えやすくて、「こういう問題が起こったから、後でこういう仕様を入れたんだろうな」というストーリーも当然ながら見えてきますね。

 それ以外だと、何十年も前のゲームを見ると顕著なのですが──ハードウェアに性能的な余裕がなくて、メモリにたった1ビットでも空きがあれば、必ず何かに使っているんです。
 空きメモリを遊ばせないんですよ。そういうものを見ると、コンピューターが本当に非力だった時代のことを思い返したりしますね。

──昔は、40MBぐらいのハードディスクでも大容量に思えた時代がありましたよね。

堀井氏:
 今なら湯水のように、とは言いませんけれど、わりと大きなサイズのメモリが使えるし、CPUの速度も上がっていますから、コンピューターが非力だった時代のゲームを同じように開発する場合でも、速い時間でより効率よく実装できます。
 そんなところからも、時代の変化をすごく感じますね。

福井氏:
 移植をするためには、ソフトでエミュレーションをすることを考えて、元のハードウェアを解析する必要もあるんです。ウチの場合、ハードウェア解析担当メンバーがやっているのですが。

 僕はそちらのメンバーではないのですが、彼らの作業を見ていると、当時のハードウェアの設計は「ものすごく先進的だったんだな」と、やっぱり感心します。我々から見ると、すごく面白いものになっている。
 “面白いゲームは、面白いハードから出てくる”と言えるかもしれません。ハードの性能が向上していくさまを、各世代のハード解析情報を追いながら見ていくと、そのときそのときの「創意工夫と物づくりのエネルギー」を感じて、興奮しますね(笑)。

──他の方が作ったプログラムを見て、あまりにも技術が高度過ぎる、作り手の執念のようなものを感じることはありますか?

堀井氏:
 けっこうありますね(笑)。たとえば、僕らがいずれ移植をやりたいと思っているタイトルのなかに、ゲームアーツさんから発売されたパソコン版の『シルフィード』【※】があるんです。

 あれを実際に解析している人と話をしたら、「8ビットのパソコンでポリゴンらしきキャラクターを表示するために、モデルから何からさまざまなデータをディスクに収めているのがスゴイ」とおっしゃっていました。
 ディスクといっても、DVDやBlu-rayディスクではなくて、片面500KB、多くても1MB程度のフロッピーディスクですからね。そんな容量にデータを収めるために、すごい工夫がなされている。僕が聞いても、その方法がすぐには頭に入ってこないぐらいの工夫が。

──堀井さんでも、すぐにはわからなかった?

堀井氏:
 キャラクターのモデルデータを1個持つにしても、ムダがないんですね。
 まずフロッピーディスクという小容量のメディアに収めるための目線と、あとは8ビットパソコンでポリゴンらしいものを高速で描画するための目線があって、それを両立するにはどういったフォーマットにすればいいのか、という方法が考え抜かれているんですよ。

──『シルフィード』は当時、3D表示のカッコよさやゲームの面白さばかりに気をとられていましたが、じつはデータの収め方にも高度な技術が使われていたんですね。

堀井氏:
 そうそう。その『シルフィード』の解析をした方が、「自分は“解析”を通じて、開発者のおひとりである故・宮路武さん【※】と、対話ができたような気がします」とおっしゃっていました。
 つまり、“宮路武さんの考え方の片鱗を、プログラムの解析を通して知ることができた”と言うのですが、それはなんとなく理解できるんですよね。

※宮路武
ゲームデザイナー、プログラマー。兄の洋一氏とともに、ゲームアーツを立ち上げ、『シルフィード』『ガングリフォン』『グランディア』などの名作を手がける。
2000年には携帯電話用のゲームを開発する株式会社ジー・モードを立ち上げるなどしたが、2011年に45歳にして他界。

──プログラムのなかに、その人ならではの考え方が色濃く表れているという?

堀井氏:
 データから意図が読み取れるんです。“何を大事に作っているのか”ということもわかるんですね。
 表現したいものはたくさんあるのだろうけれど、パソコンの容量や性能に制約があるので、すべては不可能。

 その条件下で、表現したいもののなかから何を残して、どう表現しようとしているかが、データのフォーマットや詰め込み方でわかる。そのことを「対話ができた」と表現していました。

──趣のある表現ですね。

堀井氏:
 そうですね。言わば「魂の対話」ですよ(笑)。本当は、こちらで解析した結果をもとに、実際に宮路武さんに直接教えていただけるのが一番良かったんでしょうけれど。

シューティングゲームが苦手な人でもクリアできるように──『ショットトリガーズ』のガジェットや機能のコンセプト

──移植元の作品の開発者と「魂の対話」をし、最大級のリスペクトをもって移植されていることがわかりました。そのうえで、『ショットトリガーズ』にはプラスアルファとしてガジェットを追加されています。
 盛り込むガジェットは、どのような経緯で仕様が決まるのでしょうか。

久保田氏:
 ゲームを解析して、情報として出せそうなリストのなかから選んでいます。具体的には、スコアとかミュージックの曲名とか、基本的な情報を優先します。

福井氏:
 “いちプレイヤーの視点”で遊んだ我々が、プレイしていて「欲しい!」と思った機能は優先します。

久保田氏:
 そういうところを選んでいきつつ、福井の解析でわかった、そのゲームならではの要素──たとえば『ケツイ』でいうと「空ロックカウンター」などを入れていきます。

黄色い四角で囲まれた部分が、空ロックカウンタだ

福井氏:
 「空ロックカウンター」は、「敵を倒したときにロックショットに切り替えると、通常よりもチップが多く出現する」という、バグのような機能を使った技です。
 テストプレイヤーさんをお呼びしたときに、「やり込んだ人だからこそ欲しくなるガジェット」として挙げてもらい、参考にしました。マニアックなガジェットのひとつですね。

久保田氏:
 だけどこれ、スコアラーの人には参考になるけれど、普通の人は必要ないんじゃないか? みたいな機能です(笑)。

福井氏:
 普通のプレイヤーはこれ見ても、あんまりよくわからないだろう、と(笑)。

久保田氏:
 招いているのが元全国1位のプレイヤーばかりなので、そこはかなり極端ですよね。
 そういう一見“必要な人が限られそうなガジェット”でも、他の機能と比較したうえで必要かどうかを見極めています。プレイ中は見られなくても、あとで見返したときに参考になる情報というのも、たくさんありますから。

──『ショットトリガーズ』は、そういうマニアックなガジェットも押さえる一方で、歯応えのあるシューティングゲームを、プレイヤーの腕前に合わせて遊んでもらうための工夫をしてきたシリーズだと思うんですね。
 『ケツイ』の「アーケードチャレンジ」の「巻き戻し機能」の実装は、プレイの補助機能としては現時点でひとつの頂点に達したという気がするんですよ。

※「アーケードチャレンジ」の詳細は、上記動画からチェックできる。

 弾幕系シューティングがあまり得意じゃない人にとって、特定の場所や特定の敵を相手に繰り返し練習できるのはありがたいです。ミスした後にステージを大幅に戻されることなく、特定のポイントだけを何度も練習できるのは効率がいいなと。

福井氏:
 そうですね。まさに弾幕シューティングが苦手な人に「弾幕って、じつはけっこう避けられるんだ」ということをお見せするためにつけた機能でもありますから。

堀井氏:
 ゲームセンターにいる上手い人は、プレイしているうちにどこかのステージで壁に当たって、何度もプレイするうちに壁までたどり着ける割合が増え、そのうち突破してその先の壁にまた当たる。
 これを繰り返しながら先に進むわけですけれど、下手をすると練習をしているうちにゲーセンからそのゲームが撤去されてしまう(笑)。
 だから、特定の場所を何度も練習できるのは、本当に良い。

福井氏:
 あと、弾幕の話で言うと、『怒首領蜂 大往生』【※】あたりなら、弾幕の避け方というよりも、自機と敵との力の勝負みたいな要素が強いのですが、『ケツイ』はケイブさんの弾幕シューティングのなかでも、弾の避け方を探す「弾幕の謎解き」の要素がかなり強いんですね。

 最初に見たときに「この攻撃は、いったい何なんだ!?」と、驚くようなトリッキーな弾幕がありますから。
 そう分類すると、「アーケードチャレンジ」は「弾幕の謎解き」に向いている機能でもありますね。

※『怒首領蜂 大往生』
2002年にアーケード用としてAMIから販売された(開発はケイブ)縦スクロールシューティングゲーム。
ケイブ開発の弾幕系シューティングの中では異色とも言える、速い敵弾が特徴のひとつ。

──そのままという形では難しいかもしれないけれど、今後のシリーズに標準的な機能としてなんとか入れてもらえないかなと(笑)。

堀井氏:
 待ってくれ~!(笑)

福井氏:
 社長のツッコミが入った(笑)。

堀井氏:
 いや、素晴らしいんですよ、できれば全作品に入れたい。
 「アーケードチャレンジ」にしても新機能にしても、見てくれた方ならビックリするくらい内容が充実しているし、「こんな機能があるなら自分でもクリアまで遊べるかも?」と思ってもらえるメソッドなので、できれば次回作にも入れたいし、可能なら『バトルガレッガ』から作り直して収録したいくらい。

福井氏:
 とはいえ、「アーケードチャレンジ」は、タイトルごとに相性の良さがあると思います。今回「アーケードチャレンジ」を入れたのも、『ケツイ』との相性がベストだと考えたからで。
 じつは「巻き戻し」も含めて、似たような機能は『バトルガレッガ』のときから考えてはいたんですよ。けれど、結局『バトルガレッガ』とは相性が良くなかった。

──どの辺が悪かったのでしょうか?

福井氏:
 極端な話、難易度やパワーアップ状態を管理するのが“攻略の要”になるゲームと、「アーケードチャレンジ」の相性はあまり良くないんです。
 『ケツイ』はパワーアップの状態を管理することはゲームのクリアには関係なく、裏面に入るための条件である1億2000万点を取るために、スコアの倍率を意識した稼ぎをするだけです。
 一方『バトルガレッガ』の場合だと、ミスをすることは必ずしもマイナスではないのです。たとえば、パワーアップの段階を増やすのにも「ミスすること」は使えるので、プラスにもなります。

久保田氏:
 難易度を調整するために、あえてミスすることもありますから。

福井氏:
 そう考えると、仮に『バトルガレッガ』用の「アーケードチャレンジ」を作るなら、難易度や自機のパワーアップ状態を考えて機能を付け加えないといけない。そうなると、機能をそのまま持っていくのはあまり現実的じゃないかもしれません。

久保田氏:
 各ステージのいろいろなシーンから遊べるという機能にしても、『バトルガレッガ』の場合はランク(難易度)がつきまとうので……。

 ただ、やっぱりゼロから新しい機能やモードを作るのってすごく大変ですね。たとえば、新モード用に画面を作ったりしても、何か要素を入れたとたんにいろいろと表示内容に矛盾が生じるんですよ。
 そこを整理して確認するのにも時間かかっていて、直してもまた別の部分におかしな点が出てくる(笑)。『ケツイ』では、そこを詰めるまでに時間がかかったんですね。

福井氏:
 開発が大変なこと、おわかりいただけるでしょうか(笑)。すごく重い作業です。ソフトの販売価格が上がってしまうくらい。

──ちなみに、発売済みのタイトルに、ダウンロードコンテンツとして機能追加することは可能ですか?

堀井氏:
 やるとしたら、たとえば500〜1000円でしょうか。でもここで、やるかどうかの明言は避けておいて、まずは開発陣、やった場合の見積もりをくれんかね(笑)。

『エスプレイド』のガジェットや機能を考えてご応募ください!

──となると『エスプレイド』用に、もし何かしら入れる場合は、また違う形にして実装する必要がある、と。

久保田氏:
 そうですね。まずはリソース管理、それから仕様として何が必要なのかを検討していくことになります。

福井氏:
 『エスプレイド』のリソース管理のキモは、フルパワーアップしたあとなどに出てくる「円」と、触れた敵弾をアイテムに変えたり、ボス戦でミスした場合にフルパワー状態にできたりする「バリア」の管理ですね。

 あと『エスプレイド』はランダムな攻撃が多いゆえに、アドリブで対処する必要性が高く、ノーミスで進めるのがすごく難しい。そのため稼ぎの練習をする場合は、ノーミスで進める場合と、ミスをして進める場合の両方が必要になるのですが、そういう点でもシステムとの相性が悪い。
 これが、『ケツイ』の場合はノーミスで進める場合だけを考えればいい。ところが『エスプレイド』の場合は、ミスするとランクが変動してしまうこともあって、ゲーム中の攻略パターンが全部変わってきてしまう。

久保田氏:
 ランダムで展開することが多いぶん、「アーケードチャレンジ」で練習したことがそのまま活かせるかというと、そうでもないという(笑)。

福井氏:
 そのあたりは、実装する際の壁となって立ちはだかるのでは、と思います。

──『エスプレイド』のガジェットについて、現時点でアイデアなどあります?

久保田氏:
 まだ確定はしていないですけれど、いくつかあります。特に福井からいろいろな案が出ていますよ。

福井氏:
 現在は解析と並行してプロトタイプ的なものを作って、画面にある程度出す作業もしています。

──お伺いした感じでは『エスプレイド』でも、このゲームならではのオプション機能なりガジェットが入ってくる可能性は高そうですね。

久保田氏:
 タイトル別の専用機能はこれまでの『ショットトリガーズ』作品にも入れてきましたから、今回も何かしら入ると思います。もちろん、他のタイトルで使用していて『エスプレイド』にも使えそうな機能は採用します。

福井氏:
 ガジェットについてはご期待ください。専用モードについては検討中です(笑)。

久保田氏:
 せっかくなので、読者から、『エスプレイド』に収録してほしい機能やガジェットのアイデアを募集してもいいですね。

福井氏:
 いいアイデアがあれば採用します!

久保田氏:
 もちろん採用されれば、スタッフロールにお名前も収録させていただきます。

──おお、それはテンションが上がる。でも、超マニアックなネタも送られて来そうな(笑)。

久保田氏:
 我々は我々で、割とマニアックなことばかり考えているので、大丈夫です(笑)。

福井氏:
 ゲームファンの皆さまから、本当に思いもつかないアイデアを提示されることもありますから、試みとしては面白いです。
 電ファミ読者も、他の方のアイデアを見て楽しんでもらえると思いますし。

──では、ここで『エスプレイド』に入れてほしいガジェットや機能のアイデアを募集して、お寄せいただいたネタを元に検討していただける、と。

堀井氏:
 もし、本当にスゴイことを考えてくれた人がいらしたら、エムツーにお招きして、ヒアリングさせていただけるとうれしいです。

久保田氏:
 この募集はある意味、企画者である僕VS.読者だ(笑)。自分の発想にないガジェットが来たら、それは僕の負けになる(笑)。

──そのバトル、見たいです。

久保田氏:
 自分の場合だと、企画を考えるときは思いついたアイデアを一度すべて挙げた上で、そこから取捨選択していきます。アイデアを出している状態では良し悪しを決めず、まずは自由に考えてみる。
 ここでは、自分が今考えているガジェットのアイデアは言いませんけれど(笑)、どんな応募があるのか楽しみですね。

──ちなみに、いつ頃発売を予定されていらっしゃいますか?

堀井氏:
 それが、なかなか決められないという(笑)。「弩感謝祭」で少しお話ししましたけれど、元ナムコの細江慎治さん【※1】がやっている会社・SuperSweepさん【※2】が、『エスプレイド』のCDを出したいとおしゃっていて、「一緒に盛り上がれたらいいね、タイミング合わせられるといいね」というお話をしています。

 なので、「いつゲームが出るの?」と聞かれたら、「来年の前半は無理だけど、後半には出したいと思っている」という言い方をしています。

※1 細江慎治
ナムコ時代に『ドラゴンスピリット』、『F/A』、『リッジレーサー』など、数々の名曲を手がけたことでも知られる作曲家。
独立後の2002年に株式会社SuperSweepを立ち上げ、メーカーを問わずさまざまな楽曲を提供している。

※2 SuperSweep
細江慎治氏が同じ作曲家である佐宗綾子氏らとともに立ち上げた会社の名前。楽曲や効果音の制作、サウンドトラックCDの制作・販売などを主な業務としている。

──後半というと……。

堀井氏:
 できれば、夏には出せるといいなとは思っていますが……。あ、福井君が黙っている(笑)。

久保田氏:
 こっちを見ながら言われると、すごく重いプレッシャーがのしかかる(笑)。

福井氏:
 商品として出すまでには、いろいろと制作時間が必要になりますから(笑)。初回特典の本を作る時間とか。

久保田氏:
 いやいや、まずは「今回も本を作るのか」というところから考えないと(笑)。とりあえず今の段階では、販売形態も含めて、社内で決めないといけないことがたくさんあります。『ケツイ』のディスク版は、わりと好評ですから。

堀井氏:
 初回特典かどうかはわからないけれど、ムックみたいな形で、ゲームの中で語られなかった設定や補足説明などの情報を入れられると楽しそうだなあ。

──移植決定発表後にインターネットで反応を見た限り、今回もセールスに期待が持てる感触はあるのですが、堀井さんとしてはどうですか?

堀井氏:
 おかげさまで『ケツイ』は、僕としては良いと思える受注本数になったので、『エスプレイド』もそれ以上の数字を狙っていきたいと思います。長い間遊ぶ環境がゲームセンターにしかなくて、移植を待ち望まれ続けたゲームでもありますからね。

──初移植ですし、井上淳哉さんのご協力もいただけそうで、話題性は十分ですね。
 ところで、前回のインタビューでNintendo Switch版『ショットトリガーズ』の試作をしているというお話が出ていましたが、進捗はいかがですか?

堀井氏:
 やっています(笑)。現場からは大々的に発表するのは“時期尚早”と言われまして、「弩感謝祭」でも表立って展示はしませんでした。
 でも、こっそり一部の方にお見せしてアンケートを取らせていただきました。

久保田氏:
 プレイできた方はラッキーでしたね(笑)。

堀井氏:
 ご協力いただいた方、ありがとうございました。こちらも頑張ります!

──『エスプレイド』はめでたく移植が決まりましたが、残り3タイトル『エドワードランディ』『ザ・グレイト・ラグタイムショー』『エクイテス』の交渉はいかがですか?

堀井氏:
 『エドワードランディ』と『ザ・グレイト・ラグタイムショー』については、現在の版権元であるジー・モードさんと、交渉を継続中です。ただ、『エクイテス』は開発元であるアルファ電子さんがすでに倒産してしまったので、版権がどこに(どなたに)あるのかを調査しています。

──それがわかりしだい交渉を行う、と。

堀井氏:
 なので、まだどうなるかわかりませんが、もし交渉ができて、移植が許可されれば作りますよ。

──おぉ、可能性がまだまだある、と。御社広報の駒林さんが喜びそうですね(笑)。

「『エクイテス』の移植交渉、頑張ります!」とはインタビュー取材当日、寝坊のため遅刻した駒林さん(アルファ電子の制服着用バージョン)。

 こだわりの移植で知られるエムツーだが、読者の皆さんにとっても、オリジナル作品の開発者に対して強い敬意を払っていることをうかがい知れるインタビューとなったのではないか。
 原作をリスペクトしているからこそ、ベタ移植のままではリリースしない。調整に調整を重ね、発売日が延びてでもベストなものを提供する。また、原作の持ち味をより引き出せるよう、より多くの人に遊んでもらえるよう、ガジェットや追加機能にもこだわる。

 こういった移植に対する強い信念とそこから生み出されたゲームは、「弩感謝祭」の反応を見ても、確実にファンの心をとらえているように思える。
 誰もが半ば諦めていた『エスプレイド』の移植決定はもちろん、『エドワードランディ』や『ザ・グレイト・ラグタイムショー』の移植にも期待が持てるとなれば、ゲームファンならエムツーを支持しないわけにはいかないだろう。

 さて、そんなユーザーの意見を大切にするエムツーが『エムツーショットトリガーズ エスプレイド』に収録して欲しいガジェットや機能を募集する。
 採用されれば製品版のスタッフロールに名前が収録されることも約束されている! 自分の名前が入ったゲームなんて、そうそう手に入れられるものではない。
 この機会に、あなたの『エスプレイド』愛をアイデアというパワーショットにして、撃ち込んでみてほしい。

【『エムツーショットトリガーズ エスプレイド』に収録して欲しいガジェットや機能を大募集!】

 電ファミニコゲーマー公式Twitter(@denfaminicogame)にて募集します。下記ツイートへのリプライでご応募ください!

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 詳しい応募方法は電ファミニコゲーマー公式Twitter(@denfaminicogame)をチェック!

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ゲームファンが今遊びたい過去の名作とは?“現行ハードへの移植希望タイトル”アンケート集計結果をエムツーと分析してみた

 今回、話を伺ったのはエムツー代表取締役の堀井直樹氏、プランナーの久保田和樹氏、広報の駒林貴行氏の3名。結果について率直な感想をお聞きするとともに、アンケートで上位に入ったタイトルについて移植の可能性を探ってみた。
 話は、怨嗟の声(アンケート集計結果)から見えてきた「ゲームファンの移植希望タイトルの傾向」についての考察からはじまり、懐かしのゲーム談義に脱線しまくりつつも、なんと実際に商品化に向けてのアクションを起こしてくれることに……?

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取材・文
おはようからおやすみまで、ゲームのことを考えたり考えなかったりしながら暮らしているフリーランスのライター・編集者。
「電撃Nintendo」を中心に長年ゲーム雑誌の仕事をしつつ、最近は他ジャンルのお仕事もいただいています(取材もの中心)。
『デザエモン』を使ってすらまともなシューティングが作れない私にとって、オリジナルのシューティングが作れる人はプロ・アマ問わず尊敬の対象ですよ。
唯一それなりに作れたゲームですら「クソゲー」と大好評ですから(笑)、ゲーム作りは本当に難しいと思います。
私が作ったゲームをニコニコ動画にアップしてくださった方がいたので、ご参考までに自らさらしておきます(笑)。『クマンゲリオン』
取材・編集
「電撃セガサターン」、「電撃PS2」、「電撃オンライン」、「電撃レイヤーズ」、「iモードで遊ぼう!」、「mobileASCII」、「デンゲキバズーカ!!」と数々の媒体を渡り歩いて来た40代ファミコン世代の編集者。好きなハードは「ファミコンバージョンのゲームボーイミクロ」。
Twitter : @nkjdfng

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