9月14日より大きな発表が続いた龍が如くスタジオ。TGSに先駆けて開催された「State of Play」では「極」シリーズ最新作となる『龍が如く 維新! 極』が発表となった。さらに、9月14日に開催された「RGG SUMMIT 2022 / 龍が如くスタジオ新作発表会」では、シリーズ6作目までの主人公「桐生一馬」を中心としたスピンオフ作品、『龍が如く7 外伝 名を消した男』を発表。加えて、『龍が如く8』が正式発表され、「桐生一馬」と「春日一番」のダブル主人公制を採用していることなどが明らかとなった。
TGSのセガブースでは、『龍が如く 維新! 極』の試遊が可能となっているなど、9月14日から『龍が如く』の盛り上がりは加熱し続けている。電ファミ編集部ではTGS期間中に、龍が如くスタジオ代表/制作総指揮を務める横山昌義氏と、『龍が如く』シリーズチーフプロデューサー阪本寛之氏にインタビューを敢行。発表された3作品について話をうかがった。
聞き手・文/豊田恵吾
新作発表会で感じた、過去いちばんの手応え
──TGS前に怒涛の発表となりましたが、反響や手応えはいかがですか?
横山昌義氏(以下、横山氏):
すごかったんですよ。世界同時発表は初めてだったのですが、視聴者数など各国の数値を集計すると、これまででいちばんの数値となっています。
阪本寛之氏(以下、阪本氏):
詳細な数値はお伝えできませんが、数百万単位で過去もっとも高い数値となっています。
横山氏:
これまで日本をメインで発表を行なっていましたが、同時通訳をしっかりとやって、ワールドワイドに発信すれば伝わるんだなと感じましたね。
阪本氏:
今回、世界同時発表ということで、各国ごとに映像を用意していました。タイトルロゴも各国対応のものとなっていますし、字幕も入れています。日本語、英語、繁体字、簡体字、ハングルで発表を行い、「日本の発表なんだ」と差を生まないようにしたんですね。
横山氏:
反響が各々のエリアで出てきて、日本でいうところのトレンドワードになるなど、想像以上に広がるもんなんだなとわかりました。
──3タイトルの情報を出されていて、かなり贅沢な露出のやり方だな、と感じました。
横山氏:
開発チームからの誠意として『龍が如く8』の発表は必ず行わなければならないことだと思っていました。ただ、『龍が如く8』の情報をたくさん出すのが正しいかと言うと、決してそうではなくて。もうひとつのタイトル、『龍が如く7 外伝 名を消した男』(以下、『外伝』)があり、どこまで出すのかという議論はあったにせよ、『龍が如く8』とセットで説明をする必要があったんです。
セットにしないと、『外伝』をなぜ作るのかという意義が薄れてしまうんですね。『外伝』は『龍が如く8』があることで生まれたタイトルなので。『龍が如く8』のストーリーを作っていく中で、桐生一馬がここにいたるまでになにがあったのかというのは、ユーザーも気になりますが、開発チームも気になる部分なんですよ。
阪本氏:
ストーリーを描く中で「どっちが先だっけ?」と開発チームも曖昧になる部分があって。
横山氏:
『龍が如く7』に桐生が登場していますが、そこにいたるまでも、あえて『龍が如く7』や『龍が如く8』で語らないようにしているんですね。『龍が如く7』はそれまで海外では『YAKUZA』というタイトルだったものが『Like a Dragon』というタイトルになり、ワールドワイドで売れたんですよ。そのほとんどが初めて『龍が如く』作品を遊んだ方だと思っていて。シリーズユーザーではなく、そういった人たちに「桐生一馬はすごかったんだよ」と伝えるのが『外伝』なんです。
墓場で風間のおやっさんの回想を流すとか、ああいうやり方はもうやれませんし、シリーズをやっていないと楽しめないと思われてはダメなんですよね。『龍が如く8』に内包するのではなく、しっかりと分けた形で描いて伝えるほうがいい。そういった考えがあり、『外伝』もこのタイミングで発表しました。
──各タイトルの発売までのスパンの短さも『龍が如く』シリーズらしいといいますか、すごい短さですよね(笑)。
横山氏:
ひとり暮らしで自炊ってしないですよね。なぜというと材料が余るから。『龍が如く 維新! 極』(以下、『維新!極』)はそういう感じなんです。龍が如くスタジオは、大家族の食材があって「今日の献立はなににする」と言える環境があるわけです。
『外伝』を作るとしたら、材料はすでにありますよね。再利用というわけではなく、舞台はすでにある。『龍が如く7』の時間軸で描かれる話ですから、その舞台は必然で、構想とストーリーと設計があれば作れるわけです。イチから食材を用意するのはたいへんですけど、いま言ったように龍が如くスタジオは作れる環境と感覚があるんです。でも、これが「『龍が如く 見参!』(以下、『見参』)を作るぞ」となると大ごとになるわけですが(笑)。
なぜ『見参』ではなく『維新』を選んだのか?
──このあとに質問しようと思っていた部分なのですが、『極』シリーズ最新作として、なぜ『見参』ではなく『維新』を選ばれたのでしょうか?
横山氏:
聞いてくださいよ、『見参』を発売してからこれまで、「リメイクして」なんて言われたことはなかったんです(笑)。リメイクの要望は『維新』ばっかり。でも、『維新!極』を発表したら「『見参』はどうしたんだ、『見参』は見捨てたのか」という声が大きくなりましたね(笑)。
「見参」というキーワードが急に検索に出始めたので、活性化という意味ではよかったのですが(笑)。昨年、龍スタTVで開発チームが24時間生放送で『見参』をプレイしていたんですが、いまだから言いますけども『見参』の「極」は作る予定がなかったので取り上げたんです。逆になぜ『維新』をプレイしなかったかというと、まさに『維新!極』を作っていたので扱えなかったと(笑)。
──(笑)。ワールドワイド展開を考えたときに、幕末が舞台の『維新』を選んだのだと思っていました。
横山氏:
いちばんの理由は、『維新』は日本でしか発売していなかったので、海外から「出してほしい」という声が大きかったことですね。開発チームとしてもやりたかったのですが、船中八策とか尊王攘夷など、キーワードの難しさがありました。外国の人に伝わるのかという懸念ですね。でも、日本人であっても歴史を理解しているわけではないですし、何も知らなくても楽しめるストーリーなのでいけると判断して。ローカライズチームもいけると言ってくれたので。
──『龍が如く』の特徴のひとつに、ローカライズのすばらしさが挙げられると思っていて。日本独特のカルチャーや『龍が如く』ならではの「間」や機微がしっかりと海外の方に伝わるローカライズをされていますよね。
阪本氏:
ローカライズのクオリティーは本当に高いと思っています。『龍が如く0』からローカライズチームがいいやり方を身につけていって。彼らは決して日本語がしゃべれるわけではないのですが、とてもうまく訳してくれています。『龍が如く』の良さを感覚で残してくれているといいますか。
横山氏:
音声収録もうまかったですからね。足立宏一【※】は「大塚明夫さんが英語をしゃべっているのかな」って感じましたし。オリジナルのよさは崩さずに、海外の人にどう伝えるのがベストなのかというのを考えていて。ローカライズのクオリティーが高いからこそ、『龍が如く』が海外で広まっているのだと感じています。
※足立宏一:『龍が如く7』主要キャラクターのひとりで定年間近の警察官。酒と女に弱いが、不正や罪は見逃さない警察官としてのプライドと正義感を併せ持つ。声は大塚明夫氏が担当。
──新生龍が如くスタジオ発足からもうすぐ1年となります。9月14日の発表は気合が入っていたのではないですか?
阪本氏:
新生龍が如くスタジオとして1発目の発表でしたので、開発チーム全員、すごくがんばっていましたね。
横山氏:
気負いのようなものはないんですけど、どういう見方をされるのか、というのはありますから「誇れるものをしっかり出したい」と。ただ、映像を作っている最中から「あ、これかっこいいな」という手応えはあったので……。
あと思うのが、『龍が如く』シリーズファンの方々は、ドラマとして龍が如くスタジオを捉えてくれていますよね。名越さんが去り、スタジオが新生し、『龍が如く2』のときに入った堀井が『龍が如く8』のディレクターとなり……。そういった部分をドラマとして楽しんでもらえている。そんなふうに見てもらっているゲーム開発チームなんてないじゃないですか。だから僕たちは幸せなんですよ。そういう人たちに向けて、9月14日の発表会があったわけです。PVには開発現場を見せるメイキングシーンを入れていますが、これからも裏側を見せていこうと。これまで支えてくださったファンの方々に対して、そういった楽しみ方も提供できればと考えています。
阪本氏:
オープニングの龍が如くスタジオの映像は、最初からああいったロゴムービーを作ろうと動いていたんです。エンディングに流れる開発現場のメイキングシーンも、じつは去年の10月からずっと密着してカメラを回していて、最初からメイキングとして使おうと決めていました。
横山氏:
『維新!極』は歴史物ですから、日本においては若干ネタバレができるんです。だから開発の様子を見せていこうと。歴史物のいいところで、オチはみんな知っているわけですからね。制作過程を伝えていこうと考え、今回出演していただく竹内力さん(武田観柳斎役)、小沢仁志さん(伊東甲子太郎役)、中野英雄さん(武市半平太)のYouTubeチャンネルでも「使っていいですよ」とお伝えし、動画を出していただいています。
──TGSのビジネスデイでは、海外メディアからの取材対応がほとんどだったとお聞きしました。海外メディア独特の反応や、国内メディアとは異なる視点などはありましたか?
横山氏:
技術的なところを聞いてくるかなと思ったのですが、意外に国内メディアと変わらない質問でしたね。
阪本氏:
発表会の内容が腑に落ちたみたいで、ゲームの詳細をより知りたいというストレートな質問がほとんどでした。
──Nintendo Switchでの展開についての質問が取り立たされていましたが……。
横山氏:
「躊躇っている」と訳されて広まっていましたが、そうは言っていなくて。どういった説明をしたのかはもとの記事にはちゃんと載っていますのでそちらを見ていただければ。僕らが作っているゲームは「夜」のもので、Nintendo Switchは市場的に明るい場所に置かれている「昼」のものですよね。レンタルビデオのコーナーに、ファミリーものと任侠ものはいっしょに並ばないでしょ、と。ブランドのイメージや作品の立ち位置があるので、そこを崩さない、踏み込まないようにしているわけです。このインタビューも切り取られそうですが(笑)。
──(笑)。では、ここからは各タイトルについてお聞きします。まず『維新!極』ですが、「歴代キャラのオールスター」と横山さんが発表会で発言されていました。
横山氏:
オリジナルの『維新』がもともとそういうコンセプトがあり、今回『維新!極』を作るにあたり、いまこのタイミングでのオールスターになっています。ですので、『龍が如く7』のハン・ジュンギなど、直近タイトルからも多数のキャラクターが登場します。発表会でお伝えした、『龍が如く0 誓いの場所』で堂島組の若頭補佐だった3幹部がフィーチャーされていますが、近藤勇の足立宏一がいちばん大きなキャスティングかもしれないですね。
さきほども言ったように足立宏一は大塚明夫さんが演じているキャラですが、明夫さんがびっくりするくらいうまいんですよ。もちろん、オリジナルで近藤勇を演じた船越英一郎さんもすごかったんです。
語尾が若干伸びたりとか、船越さんならではの口調やクセ、独特の間があり、それが船越さんのフェイシャルといっしょにあるわけですね。大塚明夫さんのなにがすごいって、それにバッチリはめちゃうんですよ。真似をするしないってあるじゃないですか。明夫さんの演じる足立宏一で、船越さんの近藤勇の演技に合わせるわけですから、すごく難しいはずなんですけども、それをはめちゃう。演技の質を変えてもいないですし、あんなにかっこいい足立は『維新!極』でしか見られないと思います。
阪本氏:
『龍が如く7』を遊んだ方は『維新!極』で違う足立が見られると思います。
横山氏:
足立は9割ふざけてるけど、1割締めるというキャラだったんですが、それって『維新』の近藤勇のキャラなんですよね。出会いからいいかげんなキャラなんですけど、急に核心をついてくる昼行灯キャラ。近藤勇には足立が合っていると考えてキャスティングしたのですが、切れ物で怖さがあり、かつ色気のある近藤勇ができました。
過去作のどのキャラを登場させて、歴史上の誰に当てはめるのか
──どのキャラを当てはめるのかを決める会議は楽しそうですね。
阪本氏:
いやー、楽しいんですが揉めましたよ(笑)。
横山氏:
いちばん議論したのは岡田以蔵をどうするのか。もともと以蔵は錦山(錦山彰。『龍が如く』の登場キャラクター)であるべきだという考えがあったので。『維新』では、オリジナルでライバル関係にあるキャラを、その関係値にあるキャラとして入れているんですね。渋澤啓司をキャスティングしたのもそういう意図があって、2匹の「堂島の龍」が出会っていたら……という意図で渋澤を入れています。
阪本氏:
春日一番をどう当てはめようかとなったんですが、一番って裏がないじゃないですか。『維新』のキャラは悪い奴らが多いので(笑)、あっけらかんと一番がやって気持ちいいキャラがいなかったんです。なので、「隊士カードでいこうか」と落ち着きました。
──(笑)。過去タイトルの曲を取り入れることも発表されていますし、オールスター感が増していますよね。
横山氏:
オリジナルの『維新』で入れられなかったものもありましたので。
──『BUSHIDO 』を入れてほしい、『Butterfly City Feat. RYO the SKYWALKER & Mummy-D』を入れてほしいなど、ユーザーからの要望は尽きないと思いますが(笑)。
阪本氏:
さすがに無理な曲もあります(笑)。まあ、シリーズファンをくすぐれるポイントがあればやってみようと。
スピンオフの「極」ですから、当然これまでやったことがないわけで。オリジナルの『維新』のときは、データを使いまわしたりすると新作感が薄れるから控えていたのですが、『維新!極』は日本においてはその必要がありませんからね。シリーズ愛に応える仕掛けとして、過去タイトルの曲を入れています。
──新ハードの検証など、スピンオフタイトルは何かしらの狙いがあったと思うのですが、『維新!極』ではたとえばアンリアルエンジンを研究する、などの狙いはあるのですか?
横山氏:
アンリアルエンジンについては、じつはこれまでにずっと研究はしていて。開発チームはR&D、「リサーチ&デベロップメント」の部署ですからね。ドラゴンエンジンを発展させていく中で、ライセンスされているエンジンも「どんなことができるのか」、「どういう感じになるのか」など、いろいろいじっているんです。たとえば、アンリアルエンジンで作っているゲームも研究用としてはあるわけです。
『維新!極』はアンリアルエンジンですが、アンリアルエンジンはデイライト、自然光の表現に優れているんですね。幕末を描く『維新!極』は「ドラゴンエンジンよりもアンリアルが適しているよね」と構想段階から思っていました。
開発当初、池田屋をアンリアルエンジンで作ってみたら光の入り方が本当にキレイで。昔の建物、和風建築は格子から光がさしたり、外から採光を取り入れる作りになっているんです。ですので、『維新!極』の自然光、屋内に入る光は「これはキレイだな」と感じていただけると思います。
阪本氏:
最初に試したのが光の表現でしたね。あとは肌のツヤ感とか。このあたりはPVで感じていただけると思います。一方のドラゴンエンジンは夜のネオンなどがキレイに表現できるという特徴があり、『維新!極』ではアンリアルエンジンでいこうとなりました。
──「極」シリーズは3作目となりますが、発表会で「極」クオリティーと発言されていました。開発チームの中で、「「極」シリーズははこういうものだ」という共通認識があるのでしょうか?
横山氏:
「極」シリーズは新作を作る感覚なんです。『龍が如く 極』、『龍が如く 極2』は同一のキャストでもボイスを録り直しています。『極』、『極2』はオリジナルがプレイステーション2。そこからの発展で、劇的なグラフィックの進化があったわけです。また、オリジナルでは声優さんも1作目で『龍が如く』がどういうものかわからない中で演じている。そこから時間が経ち、シリーズを積み重ねていくうちに「『龍が如く』はこういうものだ」と理解して演技するのとは、大きく変わると考えたんですね。
一方の『維新』は比較的最近のタイトルですので、「黒田さんの演技を変える必要があるのか?」という議論があり、「変える必要はない」という判断を下し、手をつけないことになりました。過去の「極」シリーズでやったから今回もやる、と短絡的に考えるのではなく、なぜそうしたのかという要因を見極めていて、そういった考えに至ったことは過去2作とは違うところですね。
阪本氏:
『維新!極』のミニゲームはカラオケの楽曲が増えていたり、サイドストーリーが新しくなっています。田中シンジやタツ姐といったシリーズキャラクターが出てくるサブストーリーがあったり。知らないと楽しめないという要素ではないので、初プレイの人も安心してください。
劇的に進化した『維新!極』のバトル
──バトルについてはいかがでしょうか?
横山氏:
劇的に進化して遊び方自体が変わっています。隊士カードをバトルダンジョンの外に持ち出せるので、「別のゲーム?」というくらい変わっていますね。
阪本氏:
メインストーリーで隊士カードのスキルが使えるのでバトルはまったく違うものになっていますね。隊士カードのスキルが使えることに合わせて敵の強さもすべて変更しています。
横山氏:
作っている僕らも隊士カードのスキルが楽しかったんですよね。スキルが使えるのはバトルダンジョンの中だけだったので、外にもっていけるようにしておけばよかったと当時から思っていたんです。
阪本氏:
ボスの強さもすべて変えています。強敵の形とかも調整し、敵も隊士スキルを使う前提でより歯応えのあるものとしています。
横山氏:
とはいえ、隊士カードを手に入れて使えるようになるまでは育成要素的にけっこうかかるので、いきなり強くなるわけではありません。オリジナルよりも深みを持たせていますから、隊士カードをコンプリートまでにはめちゃくちゃ時間がかかると思います。
阪本氏:
TGSの試遊バージョンではすぐにバトルを楽しんでもらうために隊士スキルを入手した状態のものとしていますが、製品版では手に入れるのがけっこうたいへんだと思います。ただ、その分カスタマイズの自由度が増していて、「バトルスタイル+隊士スキル」となりますので、十人十色のバトルが楽しめるようになっています。
横山氏:
レーザーを撃つようなスキルは派手で強いですけど、外したら倒せない。派手さはないけども、バフやデバフの効果があるスキルのほうが結果として強かったりしますので。
阪本氏:
もともとオリジナルの『維新』で隊士をカードにしたのは、アクションゲームとデッキカスタマイズがおもしろいと思っていたから。『維新!極』では、その楽しさが十二分に味わえるものとなっています。
桐生が白髪となった理由
──『維新!極』についてはよくわかりました。最後に『外伝』と『龍が如く8』について質問させてください。『外伝』のPVでは、桐生が「じょうりゅう」というコードネームで呼ばれていましたが、これは漢字で書くと?
横山氏:
海外版だと字幕があるからわかるんですけど、日本の方はわからないですよね。「浄龍」です。大道寺の僧侶名となります。
──なるほど。『龍が如く8』の桐生についての質問ですが、白髪となり、髪型もオールバックではなくなっています。
阪本氏:
歳のとらせ方をどういうアプローチで表現するのかというのは、深く議論していて。桐生の白髪は染めているわけではなく、ちゃんとした理由があります。チーム内では「そこまでやる?」という意見もありましたね。
横山氏:
どこまでやるのかというのは、段階を踏んで、サンプルをかなり作りました。髪の長さ、髪型、髭、メガネをかけさせるかなど。髪の長さがちょっと変わるだけで印象がまるっきり変わるんですよね。途中、僕にそっくりなときもありましたから(笑)。
──(笑)。では、最後に3作品の発売を楽しみにされている方へ、締めのひと言をお願いします。
横山氏:
龍が如くスタジオの代表になったときに、「「俺たちを信じてください!」とは言いません。これからもゲームを通じて皆さまに注目してもらえるよう、頑張ります」とメッセージをださせていただきました。
あれからもうすぐ1年というタイミングで3つのタイトルを発表できました。僕らにはゲームしかないので、ゲームのクオリティーでスタジオの在り方を証明していきます。『龍が如く』を遊んだことがある人も、今回初めて遊ぶ人も、誰もが楽しめるゲームをお届けしていきますので、発表した3作品を楽しみにしていただきつつ、龍が如くスタジオの在り方も見守っていただければと。
阪本氏:
これまでは2年先のタイトルを発表するというのはあまりなかったのですが、変わったということ、作り続けていくということを伝えたいと思い、3タイトルを発表させていただきました。これからもご期待いただけるタイトルを出し続けていきますが、まずは2023年2月22日発売の『龍が如く 維新! 極』をぜひ楽しみにお待ちください。
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