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なぜ昨今、アジア諸国から意欲的な新作音楽ゲームが相次いで生まれてきているのか? 『シクスターゲート・スタートレール』開発者に聞く、東アジア圏の音ゲー事情

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 音楽ゲーム、またの名でリズムゲームはアーケード、スマートフォンで根強い人気を誇るジャンルだ。

 特に2012年以降、スマートフォンアプリの市場が台頭して以降は、タッチ操作との相性の良さもあって、非常に多くの新作タイトルが展開されていくようになった。また、『アイドルマスター』『ラブライブ!』といった、既存のキャラクターIPを用いたタイトルも誕生し、そこから音楽ゲーム、リズムゲームの世界へと足を踏み入れるユーザーも出てきている。

 ただ、そのようになってからひとつ、気になっていることがある。
 それは日本以外のアジア諸国から、独自の世界観とシステムを特徴とした新作が続々と誕生していることだ。著名な例としては『DEEMO』『Muse Dash』などがあり、この2作に関しては日本国内でもヒットを記録している。

 2023年3月16日より、Nintendo Switch版の販売が始まった音楽ゲーム『Sixtar Gate: STARTRAIL(シクスターゲート・スタートレール)』(以下、シクスターゲート)もまた、開発したのは韓国に拠点を置くディベロッパー、CFKとStarlike Inc.だ。

 本作にも音楽ゲームにしては珍しいストーリー性の強い「アドベンチャーモード」、その過程で発生するまさかの「負けイベント」、そして曲の途中でレーンの数が増える「可変型レーン」なるシステムを特徴とした、意欲的な完全新作になっている。

 韓国と言えば、実に20年近い歴史を誇る音楽ゲーム『DJMAX』シリーズが象徴的である。だが、他にも『DJMAX』の原型にして始祖とされる『EZ2DJ』『Pump it Up』など、数多くの人気タイトルがあり、近年も『シクスターゲート』のような完全新作が誕生し続けている。

 なぜ、日本以外のアジア諸国では続々と音楽ゲームの新作が生まれてきているのか? 実際に現地のクリエイターから見て、日本の音楽ゲーム市場はどのように映っているのか?

 今回、『シクスターゲート』開発チームのひとり、”Ashtray”ことHyeongCheol Lee氏へのメールインタビューの機会を得られた電ファミニコゲーマー編集部は、同作の「負けイベント」に象徴される特徴的なシステムを設けた経緯と並行し、海外から見た日本の音楽ゲーム市場、そして完全新作が続々と生まれる背景について伺ってみた。

文/シェループ
編集/実存

 

※この記事は『シクスターゲート・スタートレール』の魅力をもっと知ってもらいたいCFKさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。

アジア諸国から新しい音楽ゲームが続々誕生する最大の理由は市場の「腰」?

──『シクスターゲート』は当初、スマホアプリとしてリリースされましたが、その後、SteamとNintendo Switchへと移りました。なぜSteamとNintendo Switchへと移るに至ったのでしょうか?

HyeongCheol Lee氏(以下、Ashtray氏):
 元々、モバイル向けの『シクスターゲート』シリーズは、LyrebirdさんSound Soulerさんが趣味で作り始めたゲームです。その開発段階でこのゲームに可能性を感じた私が参加し、開発スタジオを設立する流れになりました。

 ただ、趣味で作り始めたゲームでしたので、その時点では商業性は考えていませんでした。そのため、モバイル版だけですとスタジオを運営するのに必要な収益が見込めなかったんです。それで当時、Nintendo Switchでインディーゲームが続々とリリースされる動きがありまして。
 今もそうですが、その頃は本格的な鍵盤型リズムゲームがあまり出回っていませんでしたので、「逆に競争力があるのでは?」と思い、Nintendo Switch版の開発を決断するに至りました。

『シクスターゲート・スタートレール』インタビュー:開発者に聞く、東アジア圏の音ゲー事情_001

 ただ、ポータブルゲーム機での開発は初めての挑戦で、開発環境、機器の仕様の制約などから様々な部分で多くの苦戦がありました。それで試行錯誤を繰り返す中、「このままでは終わりが見えない」と思い、まずは早期アクセスでローンチ可能なSteamで運営を始め、プレイヤーの反応を見ながらNintendo Switch版の研究開発に集中するという結論に至りました。

 ある程度成果が出た今は、「モバイルゲームとして全面的にリニューアルしてリリースしていたらどうだったのだろう?」と思うこともあります。ただ、知名度がなく、数多くの競合ゲームを凌駕する必要があったことを考えると、Steam、Nintendo Switchのプラットフォームを選択したことについて後悔はありません。

──『シクスターゲート』もそうですが、ここしばらく『DEEMO』、『Muse Dash』など、新しいタイプの音楽ゲームが日本以外のアジア諸国から続々と出始めているように感じています。アジア圏の音楽ゲーム市場について、どのように分析されていますか?また、新しいタイプの音楽ゲームが続々出ている背景には何があるとお考えでしょうか。

Ashtray氏:
 あくまでも外国人の視点からとなりますので、エラそうに聞こえてしまうかもしれませんが……新しいタイプの作品が続々と生まれてきている背景には、日本の音楽ゲーム市場に「腰」がないからでは、と考えています。

 音楽ゲームの本場である日本にはKONAMIにセガ、バンダイナムコエンターテインメントなど、市場の「頭」と言える大手企業が様々な音楽ゲームをリリースしています。そのため、全体的なクオリティ、収録コンテンツのレベルが極めて高く平準化されています。

 逆を言えば、すでに競争が不可能なほど進んでしまっていて、「腰」に当たるところがないように思うんですね。なので、本当に趣味の次元で作られるインディーゲームでなければ、私たちのような中小規模の会社が音楽ゲームを作って、日本市場にアピールして規模を大きくしていくというのは相当に勇気が必要とされることだと思うんです。

 それに比べて他のアジア諸国の音楽ゲーム市場は、絶対的なユーザー数は少ないかもしれませんが、国内市場からスタートするチャンスが「腰」が設けられていると思っています。まずは国内の市場で人気と個性を確立して、そこからグローバル市場へと自然に繋がっていくという感じですね。それが最終的には『DEEMO』、『Muse Dash』のように日本市場でのヒットに繋がっているのだと思います。

『シクスターゲート・スタートレール』インタビュー:開発者に聞く、東アジア圏の音ゲー事情_002

──いまの日本ですと、『beatmania』のような伝統的な音楽ゲームと別に『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』などの「リズムゲーム」というジャンルが定着しつつあります。こうしたカジュアルな形の音楽ゲームについてどう思いますか?

Ashtray氏:
 そのようなタイトルではゲーム部分よりもストーリー、キャラクターに焦点が当たっている印象がありますね。
 今回のインタビューでいただいた質問を通して、日本では「音楽ゲーム」と「リズムゲーム」を区別しているということを初めて知りました。韓国では「音楽ゲーム」も含め、すべてを「リズムゲーム」と呼んでいます。

 それで私自身は、いわゆる「リズムゲーム」が「音楽ゲーム」をより多くの人に広めるきっかけになるとポジティブに捉えています。

 実は私、個人的にボーカロイドのファンコミュニティを運営していまして。主なファン層である学生と話す機会が多いのですが、普段音楽ゲームをプレイしない若い学生も「初音ミク」が登場するという理由で『プロジェクトセカイ』をプレイしているんですね。そういったところから音楽ゲームのシステムに慣れ、さらに発展してボーカロイドの曲でアーケード音楽ゲームに入門するというケースをよく見かけます。

 このようなアプローチは、これまで音楽ゲームをプレイしていたユーザーが新たなゲームに触れる「新しい操作法やシステムへの好奇心」とは異なるものだと思っています。

ストーリー性のあるモードはゲーム性の強さを前に霞みやすい?

──Nintendo Switch版『シクスターゲート』には、音楽ゲームとしては非常に珍しいストーリーモードこと「アドベンチャーモード」が収録されています。ストーリーからキャラクターまで細部まで設定された内容に仕上げられていますが、このようなモードを制作された意図とはなんだったのでしょうか。

Ashtray氏:
 繰り返しゲームを遊ぶ中で、「シイ」という元気な少女をプレイヤーに自然に受け入れてもらうという狙いからとなります。彼女の魅力については「アドベンチャーモード」以外のゲームモードでもアピールしています。ノーツを逃してしまった時の残念そうなボイス、結果画面での台詞がその一例ですね。
 そうしたキャラクターが印象に残りやすくするための施策として、「アドベンチャーモード」が考案されました。

『シクスターゲート・スタートレール』インタビュー:開発者に聞く、東アジア圏の音ゲー事情_003

──「アドベンチャーモード」のような、ストーリー性のあるゲームモードは音楽ゲームにおいては珍しい印象があります。実際、収録した作品例も少ない傾向にあると思いますが、それはなぜかと思われていますか?

Ashtray氏:
 確かに音楽ゲームにはストーリーモードがないとの印象が強いかもしれませんが、実際はストーリー要素を導入しているゲームがプラットフォームを問わず存在しています。
 たとえば『DEEMO』はストーリーと音楽ゲームの連動にこだわった作品として人気がありますね。アーケードの音楽ゲームにも『オンゲキ』『SOUND VOLTEX』のようにストーリー要素が充実しているゲームがあります。
 著名なところだと、『beatmania IIDX』ではストーリーモードが用意されていますよね。

 ただ、それでもなお、収録例が少ないのは、「音楽ゲームというジャンルの特徴が大きく影響しているのでは?」と思っています。『DEEMO』のようなストーリーにもこだわっている作品、多角的に展開されているキャラクターIPを基盤としたタイトル以外では、ゲーム性の部分に注目が集まる傾向が強いようなのです。
 基本的に開発側が用意できるシナリオには限界があります。一方、ゲーム性については、マイクロ秒の世界で1ポイントでも多くのポイント獲得するという、やり込み要素が無限大の魅力を放ちます。

 そうしたゲームとしての強さが、ジャンル全体でストーリーモードの導入例が少ないことに繋がっているのではないのだろうか、と思っていますね。

──「アドベンチャーモード」では、弊誌のレビュー記事でも注目した特徴として、いわゆる「負けイベント」の存在があります。しかも、音楽ゲームで、非常に難しい譜面でそれを再現するという手法に驚きました。このイベントはどのような意図から用意されたのでしょうか。また、イベントの設計に当たって工夫した点についてもお聞かせ願えればと思います。

Ashtray氏:
 ストーリー上の緊迫した場面で、プレイヤーの没入感を高める狙いから「負けイベント」を用意しました。開発中では、展開に応じて難易度を固定させる仕様が存在したのですが、キャラクターや世界観のアピールが目的の「アドベンチャーモード」では、ブレーキをかけてしまう恐れがありました。そうした懸念から最終的には除外され、今の形になりました。
 音楽ゲームに慣れていないプレイヤーへの配慮という狙いも込められています。

 他に工夫した点としては、楽曲のジャケットイメージを緊迫した場面に適したものにしたことです。最初のイベント楽曲「斬鉄剣」のジャケットはSteamの早期アクセス版で先行的に使われていたものなのですが、2度目のイベント楽曲「Fallen Savior」は「アドベンチャーモード」向けのオリジナル楽曲ですので、イベントCGのようなイメージをジャケットに反映しています。

──ちなみに「負けイベント」については、日本の音楽ゲームガチ勢の方々から「がんばればできそう」といった反応がありました。実際、クリア可能なのでしょうか?また、譜面の難しさはどのくらいの実力を想定しているのですか?

Ashtray氏:
 実を言いますと「負けイベント」は絶対にクリアできません(笑)。必ず負けることを前提に、HPが減少していく特別な仕様にしているんですね。

 譜面自体は「QUASAR」難易度のものをそのまま使っています。ただ、システム上でそのように設計していますので、クリアはできないようになっています。

──「プレイ中にレーンが増える」というシステムがありますが、これにはどのような意図があるのでしょうか?
 本作のユニークなシステムですが、楽しく感じると同時に、難易度の調整が難しそうな印象を受けました。実際、この辺りに関してはどういった難易度・バランス調整をしているのでしょうか?

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Ashtray氏:
 意外に聞こえるかもしれませんが、難易度よりも楽曲の起承転結に伴うテンションを重視しています。

 一般的な音楽ゲームでは馴染みのないシステムですから、低難易度ではタイミングを長くするなど、緩急の調整に気を配りました。一方、高難易度ではレーンが増え、操作キーが追加されることで可変操作の柔軟性を最大化していまして、アーケードのアクション感をPCのキーボード、Switchのコントローラーでお楽しみいただけるよう調整しています。

──楽曲の選定はどのように実施されているのでしょうか?
 本作は韓国発のゲームですが、日本でも馴染みのある楽曲が多数収録されているため、どんな方向性の選定基準があるのか気になります。

Ashtray氏:
 『シクスターゲート』の特徴として、「どんな楽曲とも馴染む」というのを掲げています。なので、ゲームのイメージと離れすぎていなければ、なるべく多様な楽曲を収録したいと考えています。

 ただ、『シクスターゲート』という作品の明るく、カラフルなイメージと特徴を踏まえて、可能な限りポジティブで、それによる相乗効果が働く体験を生み出せる楽曲を選ぶようにはしています。あとは他のリズムゲームでの収録例がなかったり、本作オリジナルの楽曲ですと、プレイヤーの記憶に残りやすいものであるかを吟味していますね。

現在も熱心にゲームセンターに通う”ガチ”のゲーマーが開発

──エイプリルフールの音楽ゲームオマージュ企画などからも分かるのですが、開発者の方々の音楽ゲームへの造詣の深さはどこから来ているのでしょうか? それと並行しまして、好きな音楽ゲームや実力についてもお聞きできればと思います。

Ashtray氏:
 エイプリルフールのオマージュ企画は、音楽ゲームを心から愛する開発者たちの熱い思いから生まれたものです。私たちが大好きな音楽ゲームへの敬意を込め、挑戦したことだったのですけど、今思うと恐ろしいことをしていますね(笑)。

 現在、プログラミングと開発を統括しているLyrebirdさんは、ANDAMIRO社が制作した韓国のリズムゲーム『Pump it Up』に対して深い愛情を持っています。その想いが実を結んで、現在のSTARLIKE株式会社の前身である「Lyrebird Studio」設立前、BGA制作者兼ゲーム開発者としてANDAMIROに勤務していたほどなんです。今も『Pump it Up』に対する愛情は変わらず、毎日退勤後には自転車で30分の場所にあるゲームセンターへ通っているんですよ。

 その他に『pop’n music』のキャラクター「かおりん」が好きすぎるあまり、1.5mにもなるキャラクターの特大垂れ幕を製作して家に飾ったことでネット上で話題になったりもしました。サービスが終了しているBEMANIシリーズのMUSECAのビジュアルに感動して、その筐体を保有していたりと、本当に熱烈なゲーマーです。

 サウンドディレクターや譜面製作者として活躍しているSound Soulerさんも様々な音楽ゲームをプレイしています。以前は韓国内で流通する音楽ゲーム『EZ2AC』(旧EZ2DJ)シリーズの熱狂的なプレイヤーとして有名でした。

 『EZ2AC』は最近、Steamで発売された『EZ2ON REBOOT:R』の母体となったゲームでして、日本のゲーマーには馴染みのないゲームかもしれません。ただ、韓国ではKONAMIの『beatmania』に匹敵するほどの人気を誇っていまして、ゲームセンターを遠征してランキングに挑戦したり、大会に参加したりと活発な活動をしていました。
 今でもゲームセンターで『EZ2AC』をプレイしていると、ファンにサインを頼まれている姿を見かけることがありますね。

──韓国の音楽ゲーム事情をお聞きしたいです。本作には日本語の曲も多く収録されていますが、それらは韓国でも同様に楽しまれているのでしょうか?
 たとえば、ゲーセンでも日本と同じような感覚で音楽ゲームを遊んでいるのでしょうか?

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Ashtray氏:
 実は韓国には本格的に音楽ゲームを楽しめるゲームセンターが多くないんです。と言いますのも、元から弱体化傾向にあったアーケードゲームの市場が、新型コロナの影響でさらに縮小してしまったんですね。
 ただ、著作権などの問題でサービスされていない一部のコンテンツ、ゲームを除きますと、日本と同じようにアーケードでは音楽ゲームを楽しむことができる状況になっています。

 特にゲームセンターで音楽ゲームをプレイするユーザーは、アニメやゲームなど、日本のサブカルチャートレンドに非常に敏感です。Twitterを通じ、日本のプレイヤーと直接コミュニケーションを取ったり、韓国より先に解禁されるコンテンツをプレイするため、週末に弾丸で日本に行かれる方々も多くいます。

──逆に、同じ韓国発の音楽ゲームでも『DJMAX』は、あまり日本人には馴染みのない曲も多いように感じますが……?

Ashtray氏:
 『DJMAX』シリーズは元々、韓国内の市場をターゲットにしたゲームで、これまでに制作されてきたコンテンツは完全に韓国向けなんです。最初の『DJMAX ONLINE』が2005年にリリースされて20年近い歴史を誇りますが、『DJMAX』シリーズ以外で海外の市場に展開された韓国発の音楽ゲームというのは数えるほどしかないんです。

 私たちは『DJMAX』シリーズは、日本のユーザーが慣れ親しんだ楽曲をプレイできないというのが特徴であることに着目しました。それで『シクスターゲート』では、日本のユーザーにとって馴染みのある楽曲を提供することをアピールポイントとしています。

──最後になりますが、今回は『WACCA(ワッカ)』とのコラボがあるとお聞きしています。どのようなネタが仕込まれるのでしょうか?

Ashtray氏:
 『WACCA』とのコラボレーションでは過去に配信されたDLCと同様、『WACCA』のUI、機器デザインをモチーフにしたカスタムテーマと代表的な8つの楽曲が収録されることになっています。

 また、PVでご紹介した通り『WACCA』の3つのバージョン(オリジナル、リリー、リバース)をテーマにしたギア、ノートスキンの実装は確定していて、『WACCA』楽曲のプレイに限り、オペレーターをマスコットキャラクターである「エリザベス」に変えるという仕様についても検討中です。

 残念ながら『WACCA』は2022年8月をもってサービス終了となりましたが、最後を飾るPVを自ら制作したいと言い出すほど、Lyrebridさんは作品を強くリスペクトしているんです。エリザベスの「会いたかったよ!」という台詞を聞いた時には感情が爆発し、実際に涙を流していたほどでして(笑)。

 充実したDLCになる予定ですので、皆さん乞うご期待ください!(了)


 日本の音楽ゲーム市場は「頭」が強すぎて、「腰」に当たるところが無いに等しい状態になっている。

 言われてみれば確かに、ジャンルの頂点に君臨している著名な音楽ゲームたち……とりわけ、『beatmania』や『太鼓の達人』は強い。前者に至っては25年以上の歴史を誇り、「音楽ゲームと言えばこれだ」と言わんばかりの存在感と知名度、人気を誇っている。だが、そういった強すぎるゲームたちが、市場に何十年も頂点として居続けるあまり、意欲的な新作が台頭しにくい状況になっているというのは、なかなかに鋭い考察であるように思えた。

 キャラクターIPを基盤とする音楽ゲーム、リズムゲームがここしばらく続々と誕生しているのも、そうした強すぎる存在に立ち向かえる知名度を持っていることが背景にあるのだろう。それを思うと、アジア諸国から相次いで意欲的な新作が誕生する流れは腑に落ちるし、それはおそらく、これからも長く続いていくのかもしれない。

 とはいえ、今回の「腰」がないという考察からは、日本からも意欲的な新作を出すための手がかりも隠されているように思える。『シクスターゲート』が趣味の一環から誕生したという背景を踏まえれば、それはもしかするとインディーゲームの市場に何らかの突破口が隠されているように思えるのだが、いかがだろうか。

 音楽ゲームでは本作の「アドベンチャーモード」のようなストーリーモードを収録する例が少ないのは、ゲーム性が強すぎるためではという考察もまた然りである。そのような考えを持ったクリエイターがいるとなれば、今後また、思いもしない手法を取り入れた新作が誕生してくる可能性は高く、ますますアジア諸国の音楽ゲームの動向からは目が離せない。

 そして、『シクスターゲート』の「アドベンチャーモード」が提示するストーリー性のある音楽ゲームも、これからどのような形で”次”に繋がるのか。まずはゲーム本編を楽しみながら、ジャンルの発展に思いを巡らせてみたいところだ。

ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。フリーゲーム、VRゲームの動向もひっそり追いかけ続けている。
Twitter:@shelloop
編集
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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