EX武装やタイプなど『ジージェネ エターナル』独自の要素について
──『ジージェネ エターナル』独自の要素についてお聞かせください。これまでのシリーズになかったEX武装ですが、どういったものなのでしょうか。
武藤氏:
EX武装付きユニットはガシャからの入手となります。
──強さのバランスとしてはどうなっているのでしょうか? ガシャから入手ということで強いというのはイメージがつくのですが。
武藤氏:
大前提として、鹵獲・開発して作ったユニットでコンテンツを攻略することが『ジージェネ』でいちばん楽しい体験だと認識していて、それを壊してはいけないというのは開発チーム全体での共通言語になっています。
ですので、基本的なコンテンツはガシャを引かずとも踏破できるような内容になっています。EX武装付きユニットがあるとちょっと楽ができる、そのくらいのバランスが理想だと考えて難易度を調整しています。
メインステージでは、シリーズ編成とフリー編成の仕組みを取り入れることで、鹵獲開発ユニットが必ず活躍するようなバランスになっています。ぜひリリースされたら、育成して壁を越えていく面白さも味わってもらいたいです。
花田氏:
そうですね。演出面には非常にこだわっているので、性能以外のところでも楽しんでいただけると嬉しいとは思っています。
たとえば、ル・シーニュは通常は武装を3つ持っているので、EX武装をぜひ見比べていただきたいです。じつはル・シーニュって、序盤の装備と後半の装備が違うんですよ。メガ・ビーム・ランチャーやEX武装では後半装備状態を再現しました。
──ストーリーが進むと、決戦仕様に換装されるタイプの機体はいますよね。
花田氏:
そういったことをご存じのコアなファンの方が「あ、ル・シーニュってこっちの形態いないんだ……」という気持ちにならないように、我々としても気合を入れて作っています。
──『ジージェネ エターナル』ではユニットに攻撃、支援、耐久といった「タイプ」が設定されていますが、わかりやすいところで3すくみの属性相性のようなものでしょうか?
武藤氏:
相性があると、バトルバランスとして「このユニットがこのユニットに対して弱いのはおかしい」という原作とのイメージの乖離が起きる思われてしまう可能性があるため、「すくみ」の要素は敢えて入れていません。「タイプ」についてはあくまで役割を明示するものとして設定しています。
小島氏:
「タイプ」については誤解を招きやすいため、弊社公式ホームページの『ジージェネ エターナル』ブログでも取り上げています。
「タイプ」を設定している意図としては、今回スマートフォンで初めて『ジージェネ』に触れるユーザーさんに向け、指標として置いてあるのみです。「属性有利みたいに攻撃力2倍になる」というのは一切ないので、ご安心ください。
『GQuuuuuuX(ジークアクス)』からガンダムを知った人こそ遊んでほしい
──ガンダムは最新作の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』が大ヒットを記録しました。近年のシリーズの盛り上がりをどのように捉えていらっしゃいますか?
小島氏:
誤解のないようにご説明させていただくと、『ガンダム』という作品はバンダイナムコフィルムワークスさん、創通さんがお持ちのIPでバンダイナムコエンターテインメントの作品ではありません。
あくまで、歴代のみなさまが作り上げてきた『ガンダム』という作品をお借りしている立場にあります。
そのうえで、『ガンダム』の盛り上がりについては、開発に携わっている立場としても、いちファンとしても純粋にうれしいです。僕は世代的に『SEED』も通っていたので、2024年の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』はテンションが上がりました。
──『SEED FREEDOM』も大人気でしたね。モビルスーツの戦いだけでなく、人間模様に比重が置かれたドラマにも魅力を感じました。
小島氏:
そういった楽しみ方もあるのが、ガンダムの懐の広さですね。
──ネタバレになるので詳細は言いにくいですが、『GQuuuuuuX(ジークアクス)』を見ると『機動戦士ガンダム』をまた見たくなるというのはあると思います。
武藤氏:
おっしゃる通りです。ですので『GQuuuuuuX(ジークアクス)』を見て衝撃を受けた方は、『ジージェネ エターナル』でぜひ『機動戦士ガンダム』の世界を追体験していただきたいですね。
上瀧氏:
近年のシリーズだと『水星の魔女』を家族と観ていたのですが、娘はガンダム初視聴でした。やっぱりキャラクターに魅力があるじゃないですか。女の子の人気が高いので、間口が広がったのはいいと思いましたね。
──『水星の魔女』もある種の学園ものとして、序盤から取っつきやすいですよね。モビルスーツもカッコいいのですが、「スレッタが可愛い」という意見だけでもぜんぜんいい。
上瀧氏:
ガンダムの魅力のひとつに人間ドラマがありますが、近年の作品ではそこがさらに掘り下げられて、ロボットに興味のない層も楽しめるような作りになっている。『ガンダム』を愛する同士が触れるのはうれしいですよね。
『ジージェネ』シリーズの最新作がついに正式リリース。スマホで刻む新たな歴史
──確認したところ、参戦作品に『F91』が入ってないですよね。『ジージェネ』では常連だったと思うのですが。

小島氏:
これはあくまでリリース時の数ですね。現在、発表されていない作品でも順次増えていくのでご安心ください。
花田氏:
明言はできませんが、キービジュアルにいる機体は安心してもらっていいと思います。
いま小島さんが着てるパーカーが本作のキービジュアルになっているのですが、そちらをご覧いただけると……。


──なるほど。ちなみに『クロスボーン・ガンダム』は発表済みですが、続編の『鋼鉄の7人』が含まれておらず。そうなるとフルクロスは出ないと思っていましたが、この流れだと……。
小島氏:
いわゆるシナリオ付き参戦と、ガシャで先行参戦みたいなものもありますので、ぜひご期待ください。
武藤氏:
メインステージの追加に加え、イベント開催でも、新たな作品が参戦する機会を作っていければと思います。
──こう考えると、「次に何が来るんだろう」というワクワク感があるのが運営型ゲームのいいところかもしれませんね。
小島氏:
開発中に公開された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』のように、最新タイトルもお届けできるところが『ジージェネ エターナル』の強みです。
ですので、既存作品だけでなく、未来に放送されるかもしれない最新作の実装も楽しみにしていただけるとうれしいですね。
──最新作については、ある程度は事前に情報を知って機体の開発に……という流れなのでしょうか?
小島氏:
いえ、そういうのはなく基本的にお客さんとほぼ同時のタイミングですね。
武藤氏:
はい、GQuuuuuuX(ジークアクス)(ジークアクス)は初回特典として登場するのですが、もともと仕込んでいたわけではなく、急ピッチで開発を進めました。
小島氏:
こればかりは……がんばるしかないですね。
──『ジージェネ エターナル』が盛り上がり続けば、それこそ2000〜3000体とかも夢じゃないですね。
武藤氏:
そうですね、使えるユニットの数をどんどん増やしていき「遊べるガンダム大図鑑」として拡充され続けるゲームを目指しています。
ただそうなった時、容量も懸念になってくると思ってます。全部をダウンロードすると、果てしなく積み重なっていく。ですので、たとえば最近再生していないムービーを端末から解放する機能を実装予定です。
こちらをオンにしていただくと、たとえば100機体まで、300機体までといった形でアプリ容量を維持できる。そのような仕組みをお届けできるようにしていますのでご安心いただければと思います。
──それでは最後に、皆さまからユーザーへのメッセージをお願いいたします。
武藤氏:
『ジージェネ』は非常に長い歴史を持つタイトルです。『ジージェネ エターナル』はこれまでの作品に敬意を払いながら、「スマートフォンゲームとしてどうあるべきか」を突き詰めていった集大成となっています。
これまでの『ジージェネ』を楽しんでいた方はもちろん、初めて触る方でもすぐ遊びやすい設計にしているので、ぜひご期待ください。長く愛され続けるゲームにしていけるよう頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。
小島氏:
ファンの皆さまを非常にお待たせしてしまいました。皆さまに触っていただける機会をやっとご用意できたので、ぜひともプレイしていただきたいです。
我々もリリースからがスタートだと思っております。リリース以降も皆さまの期待とご意見にはできるだけ耳を傾けさせていただいて、期待に応えられるように運営を続けていきます。
花田氏:
ぜひとも、スタッフ全員で作り上げたかっこいい戦闘アニメを、1回だけじゃなくて、気に入った物を探して、見ていただけるとうれしいなと思っております。
とくにEX武装は案出しから含めてかなり弊社こだわって作っておりますので、プレイされたユーザー様は、ぜひ推しのモビルスーツとか見つかったら、そこで盛り上がってもらえればうれしいです。
上瀧氏:
今回はスマートフォンというところもありまして、『ジージェネ』としても新しいスタイルで遊べると思います。新しくガンダムと『ジージェネ』に触れる方が、入りやすい形となっていますし、本当に色々なユニットが登場します。
自分にぶっ刺さるユニットやキャラクターがいたら、ぜひそこを深堀りしてもらって楽しんでください。ぜひ、この機会に『ジージェネ』界に来てもらえたらうれしいです。
──今のお子さんがここから『ジージェネ』に触れて、何十年後かに「俺、『ジージェネ エターナル』から入ったんだよ」となるかもしれません。本日はありがとうございました!(了)
今回のインタビューを通して、『ジージェネ エターナル』の開発陣がコンシューマーの『ジージェネ』をスマホに落とし込むことにひたすら腐心していることが、痛いほど伝わってきた。
とくに「『ジージェネF』のような大図鑑を目指したい」という言葉は、いちファンとして心の底からうれしかった。
参戦作品という点で言えば後年作品で上回るものはあれど、『ジージェネF』というゲームはプレイヤーの心にいまだ強い残響を残しているのだ。掘れば掘るほど知らない機体と出会える楽しみ、あの体験は忘れられない。
これは25年前という時間による思い出補正もあるのだと思う。ガンダム風に言えば「『F』の重力に魂を引かれた」といったところだろう。
裏を返すと『ジージェネF』で得た体験が強烈なあまり、令和に入ってもいまだ心に刻み込まれているプレイヤーは少なくないのではないだろうか。それぐらい、名作だったのだ。筆者もそんな重力に魂を引かれた者のひとりだ。
そのうえで今回の『ジージェネ エターナル』のインタビューからは、「コンシューマーを重んじながら、新しい『ジージェネ』を作る」という熱意を強く感じられた。忖度なく「楽しみだ」というのが正直な感想だ。筆者もそろそろ、『F』の重力から解放されたい。
近年ガンダムを知った人だけでなく、かつて『ジージェネ』に熱狂したプレイヤーも、ぜひこの機会に『ジージェネ エターナル』に触れてみてはいかがだろうか。
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