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フレンドリーな見た目に反した高難度。それがウケて大ヒットした『Snakebird』に、初心者向けの続編が登場【レビュー:Snakebird Primer】

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 シンプルなルールで見た目もカジュアルなのに、超ゲキムズの難度でスマホのパズル好きを悶絶させてきたゲーム『Snakebird』
 「これじゃ楽しめる人なんて少ないだろ!」と、私も一度取り上げるのをスルーしたほどですが、その難しさとクリアできたときの達成感、そしてシンプルなのに難しいというパズルとしての完成度の高さが評価され、むしろ欧州を中心にスマッシュヒットしていたゲームです。

 そんなパズルらしいパズル『Snakebird』に、新作が登場しました。
 『Snakebird Primer』です。

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 前述したように『Snakebird』は、その難しさで知られるゲームですが、今作は意外にも親切で簡単。
 「家族で楽しめるようにしました」とのことで、明らかに初心者向けに作られています。
 そもそも「Primer」は「初心者向け」という意味です。

 そのため前作を早々にリタイアした人でも楽しめるゲームになっていますが、「ふざけるな! 『Snakebird』は難しいから良かったんじゃあないかッ! 簡単な『Snakebird』に魅力などあるものかッ!!」と叫びたくなる人もいるでしょう。
 正直、前作の経験者にとっては、今作は物足りないのも確かです。

 ただ、前作は私も3面と4面で悩み、5面で早くも行きづまったほど。
 冒頭からパズルが苦手な人がダッシュで逃げ出す難しさだったので、さすがに開発側にも反省があったのかもしれません。
 子ども向けっぽい見た目なのに、「知育」になる以前の難度でしたからね……。

 価格はiOS版960円、Android版880円、Steam版は820円。買い切りアプリなので課金はありません。
 前作は本体無料、480円の課金でフルバージョンになる形式だったので、入門向けが高くて上級者向けが安いという、奇妙な状況になっています……。

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 主人公は何かを食べると体が長くなるヘビ。
 このヘビにすべてのフルーツを食べさせて、出口から脱出すればクリアという、“スネークゲーム”のパズルです。

 横視点のゲームで、ヘビの体は重力に従って落下してしまいますが、体の一部が床にかかっていれば落ちることはありません。
 海に落ちたり、トゲに触れたりしないよう、伸びる体をうまく活用してフルーツを食べていきます。

 ただし何度も言うように、簡単ではありません。
 ヘビは後退できないし、自らの体が邪魔になって身動きが取れなくなることもしばしば。
 動き方やフルーツの取り方が悪いと、すぐに行きづまってしまいます。

 ただ、ミスってもすぐ直前に戻り、アンドゥ(一手戻る)もいくらでも使用可能。
 リトライにも制限はなく、タイマーなどもありません。
 何度も”進めて戻して”を繰り返しながら、一手ずつ、じっくりと考えていくことができます。

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穴の中で身動きが取れなくなり、はいアウト。
でも左上の矢印ボタンで一手ずつ戻すことができます。
無計画に進むと動けなくなるので、フルーツを取る順番などを考えましょう。
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右にパイナップルがありますが、このまま下に進むと頭から穴に突っ込んで動けなくなりアウト。
ここは上に進み、尻尾を下にして落ちることで、落下後に右に進むことができます。
体の向きを変えることで先に進める、というケースは割と多いです。

 70以上のステージが存在し、各ステージにナンバーが振られていますが、番号順にクリアしていく必要はありません。
 たとえばステージ7をクリアすると、ステージマップで隣にあるステージ9と47がアンロックされます。
 ここで9に進まず、いきなり47に挑戦することも可能で、つまりクリアできないステージがあっても、パスして別のステージに進むことができます。

 ただ、6つの「雲の上のステージ」があり、これは絶対にクリアしなければなりません。
 雲のステージは難度が高めで、比較的簡単な今作といえど、初心者には難関となるでしょう。

 ゲームが進むと二匹以上のヘビが現れ、操作するヘビを切り替えながら、協力して脱出させるステージも登場。
 他にもワープゾーンや、押して動かせるブロックなど、新しいしかけが出てきます。

 今作は全体的にチュートリアルといった感があり、ワープゾーンやブロックは、その使い方を説明するようなステージしかありません。
 前作はややルールに説明不足なところがあって、「ブロックは押せる」「他のスネークも押すと動かせる」「フルーツに乗れる」といったところは気づきにくい点でした。
 そうしたところを、今回はプレイを通して学べる構成になっています。

 もちろん中盤以降は、相応に難度が上がってきます。
 特に複数のヘビを操作するステージには、なかなか難しい場面が見られます。
 トライ&エラーを繰り返しながら、ときに柔軟な発想で挑む必要があるでしょう。

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4匹の短いヘビを協力させて、ブドウを取りに行くステージ。操作するヘビの切り替えはタップで行います。
他のヘビを押したり、持ち上げたりできるのをうまく活用しましょう。
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ステージマップ。草原、水中、砂漠など、色々な風景のステージがあります。
ややネタバレですが…… 価格が前作の約2倍、難易度が低めなので、最初の島はチュートリアルで、これをクリアすると難しいステージを擁する本編の島が出てくるのでは? と思っていたのですが、普通にエンディングになりました……。

 前作はその難しさながら、欧州各国でAppleの「今年のゲーム」(Best of 2016)にノミネートされていた作品。
 現代のコンピューターパズルゲームの代表作のひとつと言って良いのではないかと思います。

 まあ、冒頭でも述べたように、入門向けで900円前後ってのは高いと思います。
 気軽に「試してみましょう」とは言いづらい。
 前作は10ステージまで無料なので、そちらの方が金銭的には手軽なのですが、中身が激辛。

 でも、本当に『Snakebird』は世界的に評価されている作品。
 今作は万人が楽しめる難易度になっているので、私的には未経験者におすすめしたいゲームです。

Snakebird Primer

欧州を中心に高く評価されている激ムズパズルの入門版

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(画像はSnakebird Primer – AppStoreより)

・パズル
・Noumenon Games(スウェーデン)
・iOS版960円、Android版880円、Steam版820円

文/カムライターオ

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『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。

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