ショベルカーやブルドーザー、ロードローラーなどの重機を操り、家を、道を、橋を築いていく、漢の浪漫にあふれた土木建築シミュレーション『Construction Simulator』シリーズ。
ドイツらしいこのリアル志向のお仕事ゲームに、最新作が登場しました。
『Construction Simulator 3』です。
2017年に公開された前作『Construction Simulator 2』の改修版といえる内容で、正直ゲーム自体には、それほど大きな違いはありません。
ただ、舞台が森と教会のある風光明媚な町になっており(前作は荒野の町)、路上駐車の車も多いなど、風景が美しく賑やかになっています。
ゲームも以前より進めやすくなっていて、運転席視点が追加され、会話シーンも増えています。
車両で自由に走り回れるオープンワールドのゲームで、好きな仕事を請け負い、町の各所で作業を行うことができます。
お金を稼ぎ、重機を購入して会社を大きくしていく、経営シミュレーションの面白さもあります。
しかし相変わらず、わかりやすいゲームとはいえません。
クレーンやショベルの操作は簡単ではありませんし、説明不足でやるべきことがわかりづらい工程が多く、終えたつもりでも完了にならず「どうすりゃいいの? コレ」となるケースもあるでしょう。
翻訳は前作より改善されていますが、わかりにくい表現は今も見られます。
ですが、重機の操作は難しいからこそ面白く、ショベルカーで土を掘るといった、誰もが一度は経験してみたい仕事を行えるのは、それ自体に楽しさがありますね。
価格はiOS版500円、Android版520円。
買い切りゲームなので広告やスタミナはありません。
ゲーム内のお金を課金で買うことができますが、必要なものではありません。
特に今回は前作より、資金繰りがラクになっています。
以下はレビューというより、チュートリアルのプレイガイドを行っていきたいと思います。
「チュートリアルなのにプレイガイドがいるの?」といわれそうですが…… そう。これはそういうゲーム……。
しかもチュートリアルは作業のスキップができないので、一般の作業より行き詰まりやすい……。
おまけにチュートリアルの工程が増えていて、前作より長い。
しかしこれを終わらせれば、他の作業も応用でこなせるようになるはずです。
ゲームの内容は、このプレイガイドから察していただければと思います。
まず最初に行うのは、トラックの運転。
「フラットベッドトラック」と呼ばれる、クレーン付きのダンプカーを走らせます。
この走行のチュートリアルで困ることはないでしょう。
スライドバーでハンドルを操作し、ボタンでアクセルとブレーキを行います。
練習走行が終わったら、さっそく会社に向かいます。
左上のマップボタンを「長押し」して町の全体マップを表示し、会社の場所を確認後、実際にトラックで町中を走っていくのですが…… このゲームには交通ルールがあります。
信号を無視したり、制限速度を超過して(町中は50km/h制限)オービスで撮影されたりすると、即罰金を取られます。
ちゃんとルールを守った、安全運転を心がけましょう。
交通ルールがうっとうしい人は、設定の「交通違反」をオフにしてください。自由に大暴走できます。
なお、地図ボタンはタップすると車両選択、長押しでマップ確認になります。
このゲームは長押しで動作が変わるボタンが多いので覚えておきましょう。
建物や車両も長押しでメニューを表示します。
今作のチュートリアルは、ボロボロになっている自社の建物の修繕を行います。
最初の工程は、資材の乗ったパレットの積み込みと輸送。
それにはトラックに付いているクレーンを活用します。
クレーンを使うには車両を長押しすると現れる円形のメニューで「車両モード切り替え」を選択し、車体を固定してクレーンモードにしなければなりません。
固定ができると2本のレバーでクレーンを操れます。
しかし…… 最初はどちらのレバーをどっちに動かすと、何がどう動くのか、さっぱりわからないはず。
こればかりは実際に動かしながら、挙動を確認するしかありませんね。
パレットの上には黄色い輪っかが付いています。
この部分にクレーンの先端にあるフックを重ねると緑色になるので、下部中央にあるフックボタンをプッシュ。
これでパレットがフックに吊り下げられます。
視点は画面のスライドで変更可能。
左上のカメラボタンを押すとフック周辺を拡大したカメラに切り替えられるので、見づらいときは活用してください。
パレットを吊り下げたら荷台まで運びます。
荷台に半透明のパレットの絵が出てくるので、それを確認したらフックボタンを押してください。
場所がやや大ざっぱでも、半透明の絵が出ていれば、その場所に正常に設置されます。
慣れないうちは荷物が落ちたり、クレーンをぶつけて転がしてしまうかもしれません。
そういう時は荷物を長押しし、メニューで「リセット」を選択してください。
元の位置に戻されます。
すべての荷物の積み込みが終わったら、まずは荷物の固定。
車両を長押しして、円形のメニューから「積載物固定を切り替え」を選択。
次にクレーンの格納。これも円形のメニューを出して「車両をリセット」を選択します。
そしてトラックを走行モードに戻します。円形のメニューから「車両モード切り替え」を選んでください。
しかし、もしかするとここで…… トラックが空高く舞い上がるかもしれません!!
どうも今作にはバグがあって、車両のモードを変えるとポップコーンの如くはじけ飛ぶとか、車の乗り換え時に深淵に転落するとか、超常現象が発生することがあります。
ただ、飛んだり跳ねたりしたところで、荷物は固定されていれば動かないし、車が壊れることもありません。
3D物理ゲームのお茶目なお約束だと思って、クスッと笑って済ませましょう。
車は長押しして「車両をリセット」を選べば、何事もなかったかのように駐車場に戻ります。
狭い場所にハマったり、凹みに落ちるなどして身動きが取れなくなったときも、リセットですぐに現場の近くに戻れます。
作業後に車を戻すがめんどくさいときにも使えます。
荷下ろしするときは、車両モードを変えてクレーンを起動させ、さらに「積載物固定を切り替え」で荷物の固定を外します。
チュートリアルでは、この順番を逆にすると進行がおかしくなります。
その時はモードを変えたあと、荷物をまた固定して、再度外してください。
荷下ろしの要領は積み込みと変わりません。
黄色いラインで囲われた中にクレーンで積荷を降ろします。
次は梁とパレットを屋根の上にクレーンで上げる工程。
こうした資材の設置作業のときは、目標となる場所に青色で半透明の絵が表示されます。
ここに資材を近付けると、青色の絵が緑に変わります。
それを確認したらフックボタンで切り離せばOK。
見づらいときは、カメラを「フックカメラ」に切り替えた方が良いでしょう。
吊り上げたときに「梁を回転させるにはスライダーを使う」といわれますが、これはフックボタンの下にあるスライダーのことです。
資材の向きが合っていないときに使用しますが、合っていなくても青い絵が緑色になれば、そのまま切り離して構いません。
失敗してヘンなところに落ちてしまったときは、その資材を長押しして「リセット」すれば元に戻せます。
終わったらトラックを長押しして「車両をリセット」。
クレーンが格納されるので、「車両のモード」を切り替えて走行モードに戻し、再び「車両のリセット」。
これで車両は駐車場に戻されます。
作業が終わったらリセットというのを覚えておきましょう。
ここまでの作業が終わると、メニュー画面の説明と、スキルの説明が行われます。
スキルのおすすめは輸送系。
これを上げていくと、店で買った資材を自動で車両に積み込んでくれたり、現場まで運搬してもらえるようになり、時間を短縮できます。
続いて、「バックホー」と呼ばれる重機で下水管の取り替えを行います。
このゲームのバックホーは、前部にフロントローダーと呼ばれる大きなショベルが、後部にはアームの付いた小型のパワーショベルが付いている、一台二役の便利な重機。
まずは「車両ディーラー」にトラックで向かい、バックホーを受け取らなくてはなりません。
トラックで走って行っても良いのですが、左上のマップボタンをタップして(長押しではない)、「建設車両ディーラー」を選びましょう。
瞬時にワープ移動できます。
瞬間移動には輸送費がかかりますが、今作はそれほど資金繰りが厳しくなく、多用してもお金は十分に貯められます。
また、本部への帰還はタダで行えます。
ディーラーに付いたら「建物を長押し」して購入メニューに入り、バックホーを購入(このときのみ無料)。
バックホーは駐車場にあるので、長押しして「乗る」を選択します。
もしくは、画面左上の乗り物ボタンを押し、リストからバックホーを選択します。
会社に戻ったらバックホーで現場に向かいますが…… 車両の向きに注意してください。
前述したようにバックホーは「前に大型ショベル、後ろにアーム付きショベル」があります。
よってアームショベルを使うのなら、後ろ向きに停める必要があります。
バックホーもクレーンと同じく、アームショベルを動かすには、まずモードの切り替えをして車両を固定します。
そして2本のレバーでアームを操作しますが…… 最初は難しいでしょう。
これはしばらくやって慣れるしかありませんね。
でも、ショベルでリアルに土を掘っていくのは楽しいはず。
掘った土はパイロンで囲われた中に落としてください。
どこを掘るのか、うまく掘れているのかの確認は、画面をダブルタップします。
フレーム表示に切り替わり、まだ作業が終わっていない部分は赤、終わっている部分は緑に色分けされます。
作業はすべて完璧に掘る必要はありません。
ある程度掘削を行うと、自動で整地されてすべてやったことにしてくれます。
終わったら車両を長押しして「リセット」を選び、アームを格納。
作業モードも戻しましょう。
次は古い配水管の取り外しと、新しいパイプの取り付けを行いますが、クレーンと要領は同じです。
再び作業モードにして、アームでパイプを吊り上げます。
しかし問題はその次の、土砂を穴に戻す作業。
車体前部のフロントローダー(大型ショベル)を使うのですが、コツがいるのに、抽象的な説明しかされません……。
フロントローダーを使うときは、ショベルの角度と高さが重要です。
ここでは土を押すので、地面ギリギリまで下げます。
そしてショベルの角度は、押す土に対して垂直である必要があります。
角度が悪いとショベルの中に土が入ってしまったり、押せなくて土の上に車体が乗り上げてしまいます。
画面をよく見て状態を確認しましょう。
角度と高さが決まったら、そのままアクセルで前進し、土の山を押していきます。
うまく行ったら、車両をリセットしましょう。
「車両を片付けて下さい」といわれたら、リセット、もしくは格納のことだと思ってください。
続いて倉庫(というか資材置き場)の整備。
車両ディーラーに置きっ放しになっているクレーントラックを本部に戻し、現場に停めたら、再びバックホーのフロントローダーの出番。
今度は土の山の撤去を行います。
今度は土を押すのではなく撤去なので、すくい取る必要があります。
ショベルを地面すれすれまで下げ、ショベルの角度は、今度は地面に対して水平に。
そのまま土の山に前進し、ショベルの中に土を入れます。
入ったらショベルを持ち上げて、トラックの荷台へと運びます。
移動中、ショベルをヘタにいじらないように。
これまでは操作をミスしてもすぐやり直せば問題ありませんでしたが、ここはミスってショベルの角度を変えてしまうと、すくった土がダーッとこぼれてしまいます。
移動時のハンドル操作は左スティックではなく、その下にあるスライドバーで行います。
確認しながらトラックに向かった方が良いでしょう。
土の山を3つトラックに積み込めば完了ですが、もしミスって土をこぼしたりして、積み込んでもクリアにならないときは…… 「ステージ(工程)のやり直し」をしましょう。
画面右上の書類ボタンを「長押し」すると、現在の作業工程が表示され、右側に曲がった矢印のボタンと、早送りのボタンがあります。
曲がった矢印のボタンで、その工程を最初からやり直すことができます。
やり直した場合、バックホーがヘンな場所に移動していると思いますが、マップボタンで本部に瞬間移動させればOK。
早送りのボタンは作業のスキップで、どうしてもクリアできないときや、うまくやったつもりなのにクリアにならない場合に活用できます。
スキップしても作業を90%終わらせているなら、90%分の報酬と経験値は得られるのでご安心を。
ただし、チュートリアル中はスキップは使えないので、ここでは活用できません。
作業を終えて2台の車両をリセットすると、「バルク品を砂利採取場に持っていく」ようにいわれます。
「バルク品」というのは、作業で出た土や、作業に必要な砂利などの、粉粒体のこと。
すべてバルクと呼ぶのが紛らわしいのですが、ここでは要らない土を捨てに行きます。
砂利採取場は町の北東にあります。
この時点では瞬間移動はできないので、案内マーカーを頼りにトラックで向かいましょう。
砂利採取場は砂利やコンクリート、アスファルトの購入も行える、土木工事に必須の施設です。
土を捨てるときは、画面左下にある縦のスライダーを使って、荷台を傾けます。
捨てたら今後は砂利を積み込み、現場に戻りましょう。
砂利の購入は吹き出し口を長押し。戻るのはワープで構いません。
砂利の荷下ろしは、一ヵ所にダーッと降ろしてはいけません。
少しずつ降ろしながら前進し、現場に敷き詰めるように撒いていきます。
「うまく撒けなかったらバックホー(のフロントローダー)で押して広げるんだ」といわれますが、ここは判定が厳しくないので、適当でもクリアできるはず。
ただ、バックホーで砂利を押し広げられるというのは、後で必要になるので覚えておきましょう。
その後、車両ディーラーでロードローラーの一種「コンパクター」をレンタルします。
ロードローラーには土を圧し固める「コンパクター」と、アスファルトを圧し固める「振動ローラー」があって、似ているのですが用途が異なるので注意してください。
また、似た名前の「コンパクトローダー」というものもありますが、これはショベルカーであって全然違うものです。
レンタルは「毎分レンタル」です。
分ごとに料金がかかる、恐るべき暴利。
のんびりしてられないので、乗ったらさっさとワープで現場に戻ること。
ローラーでの圧し固め作業はとても簡単です。
車両を長押しして「圧し固め切り替え」を行ったら、現場をまんべんなく移動するだけ。
「全部踏んだのに終わらない!」という場合は画面をダブルタップして状況を確認してください。
コンパクターを返却した後はフォークリフトでパレットを運びますが、フォークリフトの運転は簡単なので迷うことはないはず。
フォークを一番下まで降ろして、パレットに差し込みます。
ただ、「3つ目のパレット」の場所がわかりにくいです。
駐車場の近くにある、以下の画像のパレットで、ダブルタップしてフレーム表示に切り替え、周囲を見回せば見つかるはず。
長押しして倉庫に「格納」すれば完了になります。
最後にトラックに乗って、建材店に向かいます。
これは町の北にあり、様々な資材や備品を購入できます。
このゲームは現場仕事だけでなく、材料の買い付けと、その運搬も行います。
そして材料は自腹。
購入した後で仕事をキャンセルしたりすると、損失となるので注意してください。
なお、砂利やアスファルトなども自腹で買います。しかも高いので注意。
ここでは「木材のパレット」をふたつ買って「倉庫に配達」を選びます。
これでようやくチュートリアルは終了。
ここからは自由に契約を行って、作業に従事し、お金を稼いでいけます。
書類ボタンを長押しすると「特別契約」と「契約概要」が表示されますが、メインのお仕事は「特別契約」の方です。
特別契約には「造園」、「住宅の建築」、「道路の建設」の三種類があり、住宅の建築なら基礎工事、家屋の建設、屋根張りと進んでいきます。
仕事を進めるのに必要な車両がない場合もありますが、そのときはレンタルするか、思い切って購入しましょう。
仕事がある程度進めば、災害で崩落した道路の復旧工事を行え、隣町にも行けるようになります。
「契約概要」のお仕事は一定時間ごとに入れ替わるようで、サブクエストといえます。
しかし序盤に契約できるのは「干し草の俵の輸送」しかなく、これはひとつずつしか運べない干し草を10個も運搬しなければならない非常に面倒なものなので、当面はスルーで良いでしょう。
真の意味での作業ゲー。
しかし豊富にある重機と多彩な工事は、作業をバラエティーに富んだ、楽しいものにしてくれています。
同じドイツのお仕事ゲームの中では、トラック運搬ゲームや農場運営ゲームよりも、やっていて楽しいです。
そのぶん、難易度は高いのですが。
シミュレーションゲームというよりお仕事シミュレーターといえる、大人向けのキッザニア的な作品。
建設の楽しさと苦労がわかる、ボリューム十分のアプリです。
Construction Simulator 3
多彩な重機を操れるリアルな土木建築シミュレーター
・建設シミュレーションゲーム
・開発:Weltenbauer Software(ドイツ)
・販売:Astragon Entertainment(ドイツ)
・iOS版500円、Android版520円
文/カムライターオ
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