主人公の魔女のかわいらしさと、テンポの良い育成、そして人間に迫害される重いストーリーが特徴の、スマホの人気RPG『魔女の泉』シリーズ。
その4作目が、今までとはかなり異なる雰囲気で登場しました。
『魔女の泉4』です。
このシリーズの主人公は人間たちの「魔女狩り」に追われ、人目を忍んで暮らす存在…… だったのですが、今回は違います。
自ら「王」を名乗り、人間たちを高圧的に支配する存在で、性格も今までとはうって変わって高飛車。
その圧倒的な魔力はスーパーサイヤ人状態で、冒頭のイベントで弱体化するのですが、それでもまだサイヤ人レベル。
序盤からザコは瞬殺、人間は名うての勇士と言えども一撃で、強さが際立っています。
さすがにシリーズも4作目、マンネリ化を防ぐため、人間に追われるばかりの展開から一転させたようですね。
もちろんRPGですから、ストーリーが進めば強敵が現れ、修行も必要になります。
ただ、テンポ良くどんどん強くなっていくので、育成がそれほど苦になりません。
最初から強いのに、さらに強くなり、そこに更なる強敵が現れる少年ジャ○プ状態。
価格はiOS版610円、Android版550円。
買い切りゲームなのでガチャやスタミナ、広告等はありません。
フィールド探索+ターン制バトルのRPG。移動は行きたい場所をタップして行います。
画面のあちこちを何度もタップする必要があるため、タブレットだと遊び辛さがありますが、オプションでスティック操作に変更することも可能です。
グラフィックは初代プレステを思わせる、ちょっとカクカクした感じですが、作品を重ねるごとに改良されており、初期と比べるとかなり綺麗になりました。
育成システムが独特で、倒した敵から経験値である「魔力」を吸収し、それを本拠地にある「神が封印された霊石」に注ぎ込んでレベルを上げていくのですが、レベルアップのたびに戦闘時の「ステータス倍率」が上がります。
強さが基本値の2倍、3倍となっていくため、飛躍的にパワーアップ。
いきなり1万ダメージとか与えられるのに、それが10万や100万にインフレしていきます。
そしてステータスの基本値は、『魔女の泉』シリーズでおなじみの「修練」で鍛えます。
執事をパンチとキックでフルボッコにする格闘練習、執事を追いかけ回してフルボッコにするランニング、執事を魔力でフルボッコにする魔法放出などがあり、好きな能力値を伸ばしていけます。
繰り返すことで新技を修得することも。
さらに、アイテム生産での強化も可能。
『魔女の泉』シリーズは採取や戦闘で素材を集め、アイテムを作り出すアトリエ系のようなシステムがあるのですが、アイテムの大半は自身のステータスアップに使います。
今回の主人公は「王」であるため、部下に素材集めをさせることができ、修練では鍛えにくいステータスを上げるのに必要です。
以前の『魔女の泉』は戦闘をせず、修練と採取だけで強くすることもできましたが、今回の強さは「ステータス × 戦闘倍率」なので、修練と経験値稼ぎをそれぞれこなさなければなりません。
とは言え、経験値(魔力)は割とすぐ溜まるし、キャラが最初から強いのでザコ戦はサクサクで、弱すぎる相手を一瞬で倒す「クイック戦闘」もあります。
修練の待ち時間も長くなく、素材集めもそこまで大変ではないので、集中して鍛えればあっと言う間に強くなれるでしょう。
このシリーズは序盤からあちこち行けるのですが、今作は諸々すっ飛ばして最初からフリーザなおかげで、ストーリーに沿って動く方が多いはず。
当面はなんの問題もなく(問題は全部”力”で解決して)話が進んでいきます。
ただ、冒頭は重いシーンから始まりますし、やりたい放題のツケが回ってきたりして、なかなか先の気になる物語が展開されます。
登場キャラクターに魅力があり、育成のテンポが良いこともあって、一気に遊んでしまう楽しさがありますね。
フィールドには強力な大型モンスターが点在していて、今作のパワフル主人公を持ってしても序盤は倒せず、これが育成の目標になります。
勝てれば多くの経験値とレア素材を得られるため、ストーリーで行き詰まったら討伐の旅をするのも良いでしょう。
今作の世界は、今までと比べるとちょっと狭い印象もありますが。
なお、帰還やチェックポイントへの移動はワープで行えますが、今回はHPが0になると本当にやられて、セーブデータからの再開となります。
(前作、前々作はHPが0になっても魔法で自動的に離脱していた)
ストーリー上の都合だと思われ、オートセーブがあるのでそこまで大きく戻されることはないのですが、場面によってはやられると面倒なので注意して下さい。
これまでのテイストを残しつつ、大きく変わった『魔女の泉』。
とりあえず主人公の魔女がかわいいので正義です。良い意味での「同人感」も残っています。
迫害される側から、する側に変わったストーリーは賛否あるかもしれませんが、これまでのRPGをくつがえすような内容には惹かれる物がありますね。
クリアまでは15時間ほどで、ボリュームも十分。
集中して楽しめる、昔ながらのRPGの面白さを体験できる作品です。
魔女の泉4
遊びやすさと可愛さで人気のRPGシリーズ最新作
・RPG
・Kiwi Walks(韓国)
・iOS版610円、Android版550円
文/カムライターオ
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