人類に反逆を始めたフルーツ軍団を撃退する、SteamやSwitchで人気を博したポップでローグライクな全方向スクロールの2スティック制シューティングが、iOS/Androidでも公開されました。
『Juicy Realm』です。
2018年に様々な表彰を受け、ファミ通でも「ゴールド殿堂」になった作品。
ランダム生成のダンジョンを攻略していく見下ろし型のシューティングで、豊富な武器と多彩なしかけ、ユニークなキャラクターが登場し、見た目と演出も豪華なゲーム。
「ポップになった“アイザックの伝説”(The Binding of Isaac)」と言えば、ピンと来る人もいるでしょうか。
Steamでは2018年5月に公開されましたが、当初はボリューム不足の声もあった模様。
しかしアップデートでの改修が続き、2019年11月にはNintendo Switchでの公開を機に「Ver2.0」へとアップデート。キャラクターやボス、武器やスキルが多数加えられました。
そして2020年5月、iOS/Androidも公開されるに至り、新キャラも先行追加されています。
価格はiOS版370円、Android版320円。
Steam版は1010円、Switch版は1500円で販売されています。
開発は中国のゲームスタジオ「SpaceCan Games」、公開は上海の「X.D. Network」です。
左スティックで移動し、右スティックで攻撃+ショット方向を指示。ルーム内の敵を殲滅していきます。
ただ、このゲームはオートエイムで、撃つだけで一番近くの敵を狙ってくれるので、右スティックでの方向指示は遠くの敵を狙ったり、敵以外のものを撃ちたいときに使用します。
プレイヤーキャラが豊富に用意されており、耐久力のある少女ボクサー、復活可能な子供学者、バズーカを持つ女傭兵、フルーツ斬りのニンジャなど、固有のスキルを持った個性的な面々を選べます。
ユニークな絵柄もゲームの魅力。
タッチパネルだとダッシュ回避のボタンがやや押し辛いですが、ボタンの位置と大きさは調整でき、物理コントローラーにも対応。
操作性やインターフェイスは良好と言えます。
フィールドは大小の部屋で区切られていて、敵をすべて倒せばとなりの部屋に移動できる形。
マップ構成はプレイごとにランダムですが、ミニマップが表示されており、作りもそこまで複雑ではないため迷子になることはないでしょう。
部屋の様子はバラエティーに富んでおり、アリジゴクや突風などの様々なトラップも。
ショップやお宝ルーム、捕虜の部屋、ペット小屋、スキル販売、クジ引きなど、特殊部屋もたくさんあり、プレイごとに異なる展開を楽しめます。
登場するボスも数種類の中からランダムに変化。
武器は実に120種類以上も用意されており、使えないものも多いですが、どれもユニークかつ固有の演出を持っていて、試すのが楽しくなります。
これに加えて跳弾や毒攻撃などの追加スキル、戦いを援護してくれるペット、キャラが強化されるバッジなどのアイテムがあり、どんな強化を得られるかもゲームごとに変わります。
ローグライクのご多分に漏れず、やられると武器や追加スキル、ペットなどのアイテムを失って、最初のステージからリトライとなります。
ただ、ボスを倒すことで「フルーツコア」と呼ばれる強化用の資金を得られ、これを使ってキャラの個性がより際立つ、永続的なパワーアップを獲得できます。
フルーツコアでキャラと武器を追加することも可能で、最初は苦戦すると思いますが、徐々にラクになっていくはず。
全5ステージで、慣れればクリアはそこまで難しくないと思いますが、やり込み要素もしっかり備わっており、一度クリアすると「ハードモード」に挑戦可能に。
「敵のHP50%アップ」や「弾が曲がりながら飛んでくる」といったデメリットを任意に追加でき、その分だけフルーツコアの入手量が上がります。
そしてハードモードをクリアすると「ボスラッシュモード」も出現。
多数のボスと中ボスが一斉に現れるこのモードをクリアすることで、ボスの攻撃を使用できる特殊武器をアンロックできます。
また、iOS/Android版で追加された新キャラを含む一部のキャラクターは、デメリットを多数付けた状態でハードクリアしないと使うことができず、新たな目標となっています。
2スティック制シューティングの中ではトップクラスのクオリティを誇り、親しみやすいキャラと明るい雰囲気も良く、万人に勧められる作品。
繰り返し遊べるローグライクのシステムなので、マルチエンディングやキャラ別のエンディングなどがあれば、さらにやり込めたのに…… とも思いましたが、そこまで言うのは贅沢でしょうか。
丁寧に作られていて目立った欠点もなく、価格も安い、イチ押しのゲームです。
ちょこっと攻略
初期キャラとフルーツコアでアンロックできるキャラの使用感を表記しておきます。
あくまで私見ですが、どのキャラを入手して育てるかの参考にして頂ければと思います。
アルファ:やられても1回復活できるが性能は平凡。豆砲台を置くスキルは強化しないと弱く、初期武器も最弱クラス。強化すれば豆砲台が強くなり、設置できる数も増えるが、晩成型。
ポンポン:初期選択キャラにして、もっとも初心者向け。ダメージを無効化するシールドが一定時間ごとに回復し、リチャージの時間も短いので、連続でダメージを受けない限りHPが減らない。スキルの周囲攻撃も発動中は無敵なので緊急回避に使える。強化すれば弾消しも可能。
エミ:スキル使用で攻撃が誘導弾となり、散弾系や狙いを定めづらい武器でも全弾当てられる。表記はないがクリティカル率も増大する。序盤はポンポンに次いで扱いやすいが、防御面の長所はなく、攻撃特化。
トクラ:近接武器で敵を倒すとシールドがたまに増える。発動率は割と高いが、近接攻撃自体が上級者向けで、活用できるかは強い近接武器が手に入るかどうか次第。ダッシュできる回数が多く、リチャージも早いので回避に優れる。弱くはないがテクニカル。
チャールズ:スキル説明が「狩猟犬を一時召喚」になっているが、実際には「所持しているすべてのペットのコピーを一時召喚」。ペットが多ければワラワラ呼び出せる。自身に目立った特徴は無いが、ダッシュできる回数が多く、機動力は高め。
メイリン:追加キャラの中では一番おすすめ。パワードアーマーに搭乗でき、ダメージをアーマーが肩代わりしてくれる。アーマーが壊されてもしばらく経てばまた乗れるので、耐久力が非常に高い。搭乗中は攻撃速度とクリティカル率も上がる。ただし強化しないと搭乗中はダッシュできない。自ら降りるとアーマーの耐久力分だけ再使用までの時間が短縮される。
パンダとバンブー:最大HPが高い。瀕死になると怒りマークが付いて攻撃力が2倍になるが、HPの高さと合っておらずチグハグ。スキルの凶暴化使用中は無敵で、攻撃はパンチになるが、突っ込んでラッシュできる。HPが1になると竹になってしまい、回復も凶暴化も不可に。そしてパンダには戻れない。当たり判定は小さくなるのでシールドがあれば粘れるかも……。
リンゴマン:移動力とダッシュ回数に優れ、見た目によらず機動力がある。敵を倒すとたまにHPが回復するが、最大HPはそれほど高くない。スキルの使用で周囲のザコを魅了できるが、ボス戦ではほとんど意味がない。オーソドックスに戦うキャラ。
Juicy Realm
ポップでユニークなダンジョン探索アクションシューティング
・ローグライク2スティック制シューティング
・開発:SpaceCan Games(中国)
・公開:X.D. Network(中国)
・iOS版370円、Android版320円、Steam版1010円、Switch版1500円
文/カムライターオ
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