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「ゆっくり茶番劇」商標問題を、ドワンゴ視点の時系列で振り返ってみる(ニコニコ代表:栗田氏の寄稿)

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 2022年5月に世間を騒がせた「ゆっくり茶番劇」商標問題

 この一連の騒ぎは、『東方Project』の二次創作コンテンツとして知られる“ゆっくり茶番劇”の商標権を、権利者であるZUN氏などとは関係がない第三者が取得したことに端を発する。
 ネットのみんなで作り上げてきた“ゆっくり動画文化”が壊されてしまうかもしれない──と、ネット上ではさまざまな議論が沸き起こり、テレビのニュースで取り上げられたり、内閣官房長官が言及するほどの騒動へと発展した。

 また、ゆっくり動画の聖地とも言えるniconicoを運営するドワンゴが、本件に関していち早く動いたことは、今回の騒動の大きな分岐点であっただろう。

 同社の適切な介入によって、問題は収束する方向へとまとまりつつあるわけだが、大きな規模の会社組織が、この手の非常にセンシティブな問題に対して、ここまでスピーディに、しかも適切に対応することは非常にめずらしい。その舞台裏や経緯とはどういったものだったのだろうか?

 今回、電ファミ編集部では、株式会社ドワンゴの専務取締役COO兼ニコニコ代表の栗田穣崇氏にコンタクトを取り、今回の騒動に対する“ドワンゴ視点の経緯”をまとめていただいた。ネットの炎上騒ぎに対して企業はどう向き合うべきか?の、ひとつの実例とも言える内容になっているので、ぜひご一読いただければ幸いだ。

編集長/TAITAI


 2022年5月15日から約2週間にわたって世の中を騒がせた「ゆっくり茶番劇」商標問題。2005年に「のまネコ」問題として同様の騒動があったが、今回の騒動は、商標を取得したのが大手企業ではなく個人、騒ぎの中心が2chではなくTwitter、強い関心を寄せた層は「のまネコ」騒動を経験していない10代20代が中心、という17年という時代の変化を感じさせるものとなった。

 私は今回、株式会社ドワンゴの専務取締役COO兼ニコニコ代表という立場でこの問題に大きく関与することになる。この文章はあくまでドワンゴに所属する私の立場から「ゆっくり茶番劇」商標問題を時系列で振り返ったものに過ぎないことをご承知おき願いたい。客観的かつ俯瞰的な問題の振り返りについては他者に委ねたいが、もっともこの問題に関与したひとりとして、世の中に情報を提供することができれば幸いである。

 本題に入る前に、前もってお伝えしたいことがある。ドワンゴおよび私個人は一貫して「ゆっくり茶番劇という商標を取得したと自称する方」と相手方を呼称してきた。Twitterで商標を取得したと発言されている方と登録された商標の権利者とが同一人物である確証がない、という理由によるものだが、もうひとつ大きな理由がある。それは今回の騒動の発端となった人物個人をドワンゴおよび私が攻撃、非難することはないという意思表明である。

 今回の騒動の本質は「のまネコ」問題の時と同じく、「世の中みんなが共有している文化や財産を使って第三者が利益を得ようとした」ことにある。商標を取得した権利者が利益を得ることは当然の権利だが、今回の対象は権利者自身が生み出したものではなく、またその対象が多くの人の共有財産だと認識されているものだったことが、多くの人々の怒りをかった。

 ドワンゴの発表において「弊社は、コミュニティが築き上げてきた文化を独占・私物化するような行為に憤りを覚えています」という表現をしたように、その点に関してわれわれも同じ気持ちである。だが、怒りの対象は「個人」ではなく、あくまで「行為」に対して向けられるべきだろう。すでに「ゆっくり茶番劇という商標を取得したと自称する方」からは商標を放棄したという発表がなされている。

 その真偽の確認や今後について、弊社は法的なアプローチで対応していくが、すでに幕引きもされている以上、特定個人を攻撃・揶揄することは控えていただけないだろうか。今後同じようなことが起きないために、引き続きネット文化を守っていくための活動をしていくことこそが大切であり、建設的なことなのだから。

「ゆっくり茶番劇」商標問題を、ドワンゴ視点の時系列でふりかってみる(ニコニコ代表:栗田氏の寄稿)_001
(画像は【ゆっくり解説】真相解明!ゆっくりの歴史と著作権の真実より)

 前置きが長くなった。これから時系列順にわれわれの視点で起きたこと、行ったことについて列挙していく。また、「ゆっくり茶番劇という商標を取得したと自称する方」と毎回呼称するのは煩雑なので、今後は「A氏」と表記させていただく。

 なお、情報量が非常に多いため、読み物として重きを置いた記事というよりも、データの提供だと受け取っていただければ幸いである。ドワンゴとしての会社としてドワンゴのアクションの進捗については今後もドワンゴから公式に発表していくし、この問題についての私自身の見解などについては別途語られる場があると思う。

文/栗田穣崇


5月14日(土):A氏が商標権の取得を発表

22時42分

 A氏がTwitter上で「商標権を取得した」「商標を使用する場合は10万円を請求」と発表。
 Twitter上で「ゆっくり茶番劇」商標権を取得したこと、商標を使用する場合は10万円を請求すること、が発表される。

5月15日(日):ドワンゴ社員へと情報伝わる

午前

 ドワンゴ社員・伊予柑(本名:伊豫田旭彦)マインクラフト実況者ニグさんより、ネット上で騒ぎになっていることを教わる。

 私もネット上で騒ぎになっていることを確認するも、「ゆっくり茶番劇」というごく限定されたジャンル名の商標であることから回避手段も多く、そこまで大事にはならないのでは、という第一印象を持った。

12時11分

 伊予柑が法務部にどういう対策がとれるか相談のDMを送る。

12時50分~13時29分

 伊予柑ニグさん、そしてゆっくり実況者のポランさんと協議の上、界隈の鎮静化を目的として下記ツイートを行う。

14時9分

 伊予柑が動いているのを把握して調査と対応を依頼する。

14時58分

 Twitter上で「ゆっくり茶番劇」に関する話題が大きくなっていくのを目の当たりにして、もはや伊予柑が個人ベースで動く案件ではなく、組織的に動くべき案件だと判断。伊予柑の上司に組織的に動くように指示。明日から調査して最短でニコニコとしての見解を示せるよう依頼。

15時19分

 社内で動ける体制ができたことを見届けた上で、下記をツイート。

 上記のツイートに対して数時間で万を超えるRTといいねがついたことで、事の重大性をあらためて認識するとともに、ニコニコがこの件について主体的に動くことに対して期待してくれているユーザーが多いことを心強く感じた。

22時31分

 ゆっくり茶番劇問題プロジェクトチーム用のSlackチャンネルが開設。16日12時に第1回のMTGを行うようことを調整。ZUNさんに対して情報共有と本件に関する相談をはじめるよう指示。

5月16日(月):ドワンゴ役員会で情報共有、第一回ミーティング

10時30分

 役員会で本件の情報を共有。対応することはよいが、あまり深入りしない方がよいのではないか、という意見が出る。

10時44分

 A氏がTwitter上で「商標の利用料は無料にするが、権利は保持し続ける」と発表。
 ドワンゴ社員・高橋薫よりA氏から10万円を請求されたユーザーの肩代わりをドワンゴが行うことも含めたユーザーサポートの提案があり、予算含めて検討していたが、上記の発表により白紙に。

11時13分

 動画チームより「ゆっくり茶番劇」タグについての調査報告があがってきたので、これについて外部に情報提供。

12時~12時30分

第1回プロジェクトチームMTG

・無効審判請求が可能か、また今回の問題の影響範囲などの相談内容をまとめて、複数の法律事務所へ相談することを法務部・油井道彦に依頼。

・この商標登録によるニコニコへの影響がどれぐらいあるか調査を依頼。問題となりそうなタグをあらためて洗い出し。

・ドワンゴがゆっくり系商標登録を行うことについて議論。商標トロールには有効ではなく、商標DBをウォッチして類似商標をブロックしたほうが現実的という意見。ZUNさんに商標に関する考え方をヒアリングすることに。

・ユーザーの相談窓口の開設を検討。

・木曜までに意思決定し、今週中にドワンゴとしての見解を発表することを決定。

・ゆっくり動画の制作者や視聴者は10代も多いため、商標権を学ぶ番組と記事の展開を検討。番組を遅くとも来週前半に放送できるように高橋薫に依頼。演者や出演できる弁護士の調整をはじめてもらう。

12時48分

 プロジェクトチームMTGを受けて、下記をツイート。

 ニコニコとしてスピード感を持って対応していることを知っていただくために、大まかなタイムスケジュールもあわせて発表することで安心感を持っていただいた。

12時53分

 社内向けの情報共有や情報提供のため、ゆっくり茶番劇問題slackチャンネル開設。社内に対しても経緯を説明する。

17時

 2017年11月のニコニコ炎上後の謝罪放送から改善報告会まで運営の中心人物のひとりとして活躍してくれたドワンゴ社員の横畑聡士を投入。非難訓練の準備にとりかってもらう。

 ちなみに避難訓練ではなく“非難訓練”【※】であり、こちらのアクションに対して想定される非難をあらかじめ考え、シミュレーションしておくことで、方針決定の参考にするとともに、非難に対する回答を用意しておくことである。

※非難訓練はドワンゴの社内用語で一般的な言葉ではない。語源は『さよなら絶望先生』。 (参考リンク:ニコニコ大百科 「非難訓練」

23時

 日本テレビの「news zero」で取り上げられ、世の中的にも大きな話題になっていることが確認される。

 以上が会社として対応した初日の動きであり、それを受けての以下のツイート。

5月17日(火):商標権を学ぶ放送と非難訓練の検討、ZUN氏とやり取り

 社内では引き続き商標権を学ぶ放送および非難訓練の検討がつづく。非難訓練の中から弁護士確認が必要とされるものを油井に依頼。ZUNさんサイドとのやりとり。見解発表を20日に早められないかとチームに確認するも、21日でギリギリとの回答。

5月18日(水):第二回ミーティング、記者会見の実施の承認得る

14時~15時

第2回プロジェクトチームMTG
 法律事務所からの回答によって、ドワンゴとして商標の無効審判請求を起こすことが可能であるとの知見を得ることができたため、クリエイターを守るために無効審判請求を起こすことと、ユーザーの相談窓口を設置すること、類似のゆっくり関連の商標出願を行うことを決定する。

 商標権を学ぶ番組に出演していただく弁護士の交渉が難航。23日に放送することが難しい状況に。伊予柑よりドワンゴのアクションも明確に決まったのであれば、記者会見をした方がよいのではないかという提案があり即決。23日記者会見という方向で改めて動き始める。ZUNさんにドワンゴのアクションを連絡。

15時~16時

 役員会でドワンゴとして商標の無効審判請求および記者会見を行うことの承認を得る。

16時以降

 23日に記者会見と決まったことで、ドワンゴのアクションの全てを今週中に発表する必要がなくなり、今週中にドワンゴとしての見解を公式に発表しつつ、記者会見のお知らせをすることに方針変更。メディアに対して記者会見の告知をするためには、当初予定していた休日の21日(土)ではなく、平日の20日(金)でなければならないことから、発表を前倒すべくチームが奔走する。

 並行して伊予柑が会見の台本制作に着手、横畑はインフォの制作に着手。記者会見の時間及び場所の確保と生放送放送ページを制作。

18時37分

 見解の発表を20日にできる保証がまだないことから、約束通りの21日は発表することと、ドワンゴのアクションが決まったことだけを進捗報告としてツイート。

20時55分

 インフォおよび会見台本の第一版を確認。並行して油井に法律事務所へのチェックを依頼。

5月19日(水):記者会見へ向け準備。ひろゆき氏とのやり取り

 弁護士事務所からの返答があるまで、台本・インフォの制作作業はについては待機。
 記者会見がワイドショーなどに広く取り上げられるための絵作りおよびメディア向けに「ゆっくり」とは何かを説明する手段としてフリップを制作。
 KADOKAWAグループ経営企画局に情報共有。

16時49分

 ユーザーに安心していただくための情報提供として、ZUNさんのOKをいただいた上で下記をツイート。

16時53分

 ZUNさんも即座に反応。

夕方

 ドワンゴのアクションの是非について、ひろゆきさんに相談していたが、「ドワンゴ頑張ってていいと思いますー」との返信を得る。

21時18分

 ドワンゴから商標出願するゆっくり関連の文字列を決定。記者会見後すぐに出願できるよう油井に準備を進めてもらう。

22時24分

 弁護士から台本、インフォについての回答あり。大きな問題はないとのこと。みな胸をなでおろす。

5月20日(金):ドワンゴの見解および記者会見の実施を発表

 法律事務所から来たレビュー結果を元にインフォ文案を修正。ひろゆきさんにインフォ文章を見てもらったところ「文章が硬くてもったいない」との意見をいただいたため、表現を大きく修正。

14時19分

 私の最終チェック終了。インフォの内容FIX。

14時35分

 広報部・松本晶子より各メディアに対して記者会見の招致連絡。

16時29分

 ドワンゴ社内に対してインフォおよびプレスリリースの発表とその目的、意図について情報共有。

16時33分

 文字商標「ゆっくり茶番劇」に関するドワンゴの見解と対応についてのインフォおよびプレスリリースを公開。

 公式及び私のTwitterで告知。大きな反響を得る。Yahoo!ニューストップに掲出。

 油井横畑、そして法律事務所の労作である、365種の文字列について「ゆっくり茶番劇」の類似商標にあたるかどうか検討した項目が特にユーザーの支持を得ることができた。

17時22分

 ZUNさんからの援護射撃。

18時

 会見台本について法律事務所からのレビューが届く。

19時24分

 ひろゆきさんからの援護射撃。

19時25分

 会見において「ゆっくり」をフリップで使用することについて関係各位より許諾を得る。

5月21日(土):A氏、権利放棄の手続きを発表

7時40分

 A氏の所属団体より「同氏から『月曜日から放棄手続きを開始する』との報告がありました」との発表があり、それに関連した質問に対する回答を準備。

22時

 23日の会見台本およびインフォの確認ミーティング。

5月23日(月):記者会見を開催

8時55分

 記者会見の告知ツイート。

 10時までに台本を読み込んで伊予柑横畑に修正依頼を送る。

10時30分~11時

 台本の最終確認および記者会見の事前打ち合わせ。
 記者会見の内容ができる限りニコニコ外に波及し世の中に知ってもらうために、記者会見の生放送の全ての二次利用を全面的許諾することに決定。放送ページにその旨を追記。二次会放送の設定も依頼。
 非難訓練をまとめたFAQについても最終チェック。

10時50分

 広報部・松本より、記者会見に13媒体15名のメディアが来場との報告。

12時26分

 生放送の二次利用を歓迎することをツイート。

15時~15時48分

 記者会見を実施。登壇者:栗田穣崇(ドワンゴ専務取締役COO)、小川和晃(ドワンゴ法務部部長)司会:高橋薫 メディア事業部三田村隆文が配信担当。

15時35分

 20日のインフォに追記する形で、ドワンゴのアクションを掲出。Twitterでも発表。今回もYahoo!トップに掲出。ドワンゴのアクションについて、おおむね好意的な反応を得ることができた。

15時46分

 私からも本件についてツイート。

17時

 ゆっくり動画が安心して投稿できるようになったことを広く世の中に周知するために、「ゆっくり茶番劇」投稿祭をすべきなのではと会議中に思いついたため、関係者に相談。みなの同意を得て実施を決定。

23時

 「news zero」で記者会見が取り上げられる。日本テレビより会見中に「ゆっくり動画の投稿者を紹介して欲しい」との相談を受け、前述のニグさんを紹介。ニグさんのインタビューパートも含まれ、非常に分かりやすい報道内容となった。

5月24日(火):官房長官が記者会見で言及「適切な二次創作の保護は重要」

11時32分

 松野博一官房長官の記者会見生中継にて、ドワンゴメディア事業部七尾功の質問に対し、「適切な二次創作物の保護が重要」との回答を得る。

11時54分

 法務部・油井より、類似のゆっくり関連の商標出願が完了したとの報告を受ける。

15時10分

 カスタマーサポート部の原尾紀江から、ユーザーより「今回のゆっくり茶番劇の騒動によって、投稿動画を削除してしまったが復活できないか」との問い合わせを受けており、対応を検討したいとの情報が入る。プロジェクトチーム内で話し合い、特別に対応する方針を決定。

17時

 A氏がTwitter上で「誹謗中傷や名誉毀損などにより、本来の目的がまっとうできなくなったため、商標の抹消登録申請を行った」と発表。

18時

 ニコニコニュースより記者会見の全文起こしの記事を発表。

18時41分

 ドワンゴの今後のアクションについてツイート。

18時47分

 ゆっくり関連の商標出願についてツイート。

21時

 ニコニコの旗艦番組「週刊ニコニコインフォ」内で、「ゆっくり茶番劇投稿祭」開催決定を発表。

23時24分

 「ゆっくり茶番劇投稿祭」開催決定をツイート。

5月25日(水):「NHK NEWS WEB」にて記事を掲載

18時52分

 「NHK NEWS WEB」にて記事「ゆっくり茶番劇」から考える 商標登録って何なの?が掲載。

5月26日(木):動画を削除したユーザーへの個別対応を発表、411件のメディア露出実績を確認

12時14分

 昨日から検討していた、「ゆっくり茶番劇」の商標登録に不安を覚えて、投稿した動画を自身で削除してしまった投稿者向けに特別に個別対応できる体制がととのったため、公式よりアナウンス。

13時11分

 私のアカウントからも上記についてアナウンス。

 広報部・松本より、メディア露出実績の報告。
 2022年5月20日~26日の期間中のパブリシティ(報道記事・番組)獲得数は411件。

・パブリシティ(報道記事・番組)411件の内訳
 5/20 見解発表:WEB 138件
 5/23 記者会見:WEB 266件/TV 7件
※TVは、NEWS ZERO、ZIP!、Nスタ、THE TIME、TBS NEWSなどでO.A.

5月27日(金):「ゆっくり茶番劇投稿祭」 正式アナウンス

19時11分

 「ゆっくり茶番劇投稿祭」を6月中に開催することを公式よりアナウンス。

6月1日(水):「ゆっくり実況」など3文字列の商標出願へ

15時10分

 5月24日(火)に「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」「ゆっくり劇場」の3つの文字列について商標登録を出願したことを発表。

15時24分

 私からもツイート。

15時32分

 ドワンゴが商標出願した意図が伝わり、安心していただけるように以下を補足。

6月2日(木)商標権の抹消登録の申請書が受理される

 文字商標「ゆっくり茶番劇」の放棄による商標権抹消の登録申請書を、5月25日(水)に特許庁が受理したことを確認できたため、ドワンゴが発表しているアクション1およびアクション2について今後の方針を公式より発表。

 「ゆっくり茶番劇」の商標権が放棄されても商標が登録されたという事実そのものが消滅するわけではない。ドワンゴは「ゆっくり茶番劇」という表示が商標として登録されるべきではなかったということを明らかにするため、またこの問題に一石を投じるため、当初の発表通り無効審判を請求することとした。

 ネット上で散見する意見に対して私からの説明をツイート。


 以上が、現時点でのドワンゴ(栗田氏)視点でのまとめとなる。
 忙しいなかで、本稿をまとめていただいた栗田氏には、あらためて感謝申し上げたい。
 「ニコニコ茶番劇」商標問題はいったんの決着を見せつつあるが、ドワンゴはまだ商標自体に対するアクションを中心に動きを続けており、今後も動向を見守っていきたいところだ。

 なお最後に、本騒動にまつわるネット上の記事や動画を下記にまとめてみたので、問題の詳細をより詳しく知りたいという方は、これらを参照してみてほしい。

◯ゆっくり茶番劇

【ゆっくり茶番劇商標登録問題①】何が起きたのか?そしてなぜ起きてしまったのか?中田が徹底解説!

【ゆっくり茶番劇商標登録問題②】抹消申請で騒動は終幕へ!

【決定版!】ゆっくり茶番劇事件を総まとめ!柚葉を倒すまでの激闘をゆっくり解説!【ゆっくり茶番劇】
※今回の時系列(動画)

【最新】ゆっくり茶番劇を時系列で商標登録炎上理由まとめ!【どこよりもわかりやすく】
※時系列がまとまっています

文字商標「ゆっくり茶番劇」に関するドワンゴの見解と対応について
※ニコニコによる公の対応

「ゆっくり茶番劇」事件の炎上要素抜き解説
※栗原氏による解説

YouTubeチャンネル名の商標勝手出願について
※栗原氏昨年夏に起こっていた類似案件

「「ゆっくり茶番劇」商標登録は合法? アトム法律相談事務所の弁護士が解説
※弁護士の見解

アトム法律事務所の動画
「ゆっくり茶番劇」の商標登録は違法ですか?弁護士がわかりやすく解説!
Q:「ゆっくり実況」や「ゆっくり解説」の商標を取ることはできますか?
※ショート
「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」の商標を出願したらどうなる?元特許庁の専門家に聞いてみた結果…

商標登録が取り消される可能性は非常に高い」弁護士が解説する「ゆっくり茶番劇」騒動の法的な問題点と、二次創作文化の危機
※マリカー問題なども含めて

第三者が「スーパーニンテンドーワールド」「童貞を殺すセーター」を商標出願 第二の「ゆっくり茶番劇」騒動に?
※類似の事例が多発している模様

特許事務所の話でも書くか
※特許庁目線のお話

中田敦彦のYouTube大学
【ゆっくり茶番劇商標登録問題①】何が起きたのか?そしてなぜ起きてしまったのか?中田が徹底解説!
【ゆっくり茶番劇商標登録問題②】抹消申請で騒動は終幕へ!

◯のまネコ

ニコニコ大百科:のまネコ
※時系列を含めて記載されています

ブログ:誰がAAを殺したのか
※2005年M.O.V.Eの方のブログ

えっ!? AVEXが2chキャラを盗用!!? 5分で解る「のまネコ」問題

◯ギコ猫

タカラギコ騒動について今更振り返る
※時系列が書いてあります。
※タカラギコ騒動は爆発的に盛り上がったが、その割に騒動発生翌日には沈静化という早い展開だった。この理由はタカラの対応が迅速かつ適切であった事につきる。ただこれは商品展開前だったからこそ可能だったとも考えられる。

「ギコ猫」騒動、タカラが軽率だったこと

【ギコ猫】企業モラルの差が出た、タカラとエイベックスの対応

編集長
電ファミニコゲーマー編集長、およびニコニコニュース編集長。 元々は、ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の副編集長として、ゲーム業界を中心にした記事の執筆や、同サイトの設計、企画立案などサイトの運営全般に携わる。4Gamer時代は、対談企画「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」などの人気コーナーを担当。本サイトの方でも、主に「ゲームの企画書」など、いわゆる読み物系やインタビューものを担当している。
Twitter:@TAITAI999

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