今、ワクワクしてますか?
冒頭から怪しげな宗教勧誘が如き物言いになってしまいましたが、目まぐるしく過ぎ去ってゆく日々の中で、少年・少女だったあの頃と比較すると、ワクワクするような機会が少なくなっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回ご紹介させていただくゲームは、“日本の日曜日の朝アニメ”をテーマに、それらのアニメへの大いなるリスペクトを込めて制作された、ワクワクワンダーな大冒険を繰り広げる2Dプラットフォームシリーズ『ココロクローバー シーズン1』。
8/4に Nintendo Switch版とSteam版の配信が開始された本作。Nintendo Switch版でのプレイを通じて、その魅力についてお話していきたいと思います。
文/DuckHead
※この記事は『ココロクローバー シーズン1』の魅力をもっと知ってもらいたいPhoenixxさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
日曜の朝のアニメ要素をふんだんに盛り込んだゲームシステム
さて、先ほど触れたばかりですが、『ココロクローバー シーズン1』は“日本の日曜日の朝アニメ”をイメージして制作されているゲームです。「日曜朝のアニメかぁ。あんまり見てこなかった気がするなぁ。」などと一抹の不安を感じつつゲームを起動しますと、タイトル画面に入る前にオープニングムービーが流れ始めました。
さて、こちらのオープニングムービー、当然のことながら本作全体のテーマに則って日曜の朝のアニメをイメージして制作されているわけですが、このムービーをしばらく眺めたところで、私の口から「あー!見たことある!見たことある!」という声が図らずもこぼれ落ちてしまいました。
いや、もちろん本作をプレイするのは今回が初めてなので、オープニングムービーそのものは完全に初見なのですが、このムービーは日曜朝アニメのあるあるの宝庫。そのムービーに、懐かしき過去の記憶が呼び起こされました。どうやら、はっきりと記憶に残っている作品が少ないだけで、日曜の朝のアニメはこれまで結構見てきていたようです。流れているBGMも、“それっぽさ”が非常に強くてたまらないですね。これは間違いなく名曲です。
そして、そんな日曜朝のアニメを濃縮したかのようなオープニングムービーの中には、
モンスター……
ロボット……
変身……
などといった様々な要素が登場。パッと見では関連性を見出すことが難しいこれらの要素ですが、日曜朝のアニメというミッシングリンク、すなわち共通項でひとつに繋がっているわけですね。
つまり、『ココロクローバー シーズン1』は日曜朝アニメで連想されるような要素を全部乗せした特盛丼。ちょっと胃もたれしてしまいそうな取り合わせではありますが、味付けと盛りつけ次第では、かなりの満足感を得ることができるでしょう。俄然楽しみになってきました。この丼が一体どのような味に仕上がっているのか、期待に胸を膨らませつつメニュー画面へ。
こちらの画像からも分かりますように、本作にはいくつかのプレイモードがあるのですが、メインモードであるストーリーモードを進めていくことにしましょう。
本作のストーリーモードで収録されているエピソードは全12話。テレビドラマやテレビアニメでいうところの1クール分といった感じでしょうか。まずは第1話を選択します。
よし、これでストーリー開始だ!……と思っていましたが、ストーリーが始まる前に、ストーリー設定画面が登場。いくつかある設定項目の中で一際目を引くのが、“時刻”。これは一体何なのでしょうか。
「時刻を変えると難易度が変わったりするのかな?」などと勝手な予想を立てつつ、Nintendo Storeで『ココロクローバー シーズン1』のページを確認してみたところ、この“時刻”を変更することで、プレイ画面左上に表示される時刻を好きなものに設定することができるとのこと。
つまり、『ココロクローバー シーズン1』が日曜朝の何時から放送されているアニメなのかという設定を、プレイヤーが自由に作ることができるというわけです。これはかなり独特な設定項目なのではないでしょうか。私の狭い守備範囲の中での話ではありますが、こういった設定をすることができるゲームは見たことがありません。“日曜朝アニメ”という、他にはない独自のコンセプトを持つ本作であるからこそ生まれた設定項目であると言えます。
「……で?表示される時間が変わったから何だって言うの?」という声も上がってきそうではありますが、この設定を変更することで大きく変わるのは、プレイヤーの妄想力とテンション。プレイヤーがそれぞれ本作に対して設定をつけていくことで、没入感や感情移入の度合いが増してくるわけですね。
ちなみに、時刻のデフォルト設定は7:00。個人的に、アニメ『ココロクローバー』に対しては、放送開始が8:30か9:00というイメージが浮かんだのですが、今回はデフォルトで進めていきたいと思います。
……時刻設定を変えるのを完全に忘れてしまっていたとは口が裂けても言えません(小声)。
そして、ストーリー設定の次に表示されたのが、アクション設定画面。本作ではアクションのセットを5つ作成することが可能となっており、このアクションセットは、“キャラクター” “カード” “アシスト” “ダンス” の4つの項目で構成されています。
ただただ要素を羅列するだけでは、どれがどういった効果を持つのか分からないかと思いますので、ここでそれぞれの要素について簡単に説明をしていきたいと思います。
まず、“キャラクター” では、文字通り操作するキャラクターを設定することができます。しかし、操作キャラクターはゲーム中に好きなタイミングで変更可能であるため、間違ったものを選択してしまったとしても、特に気にする必要はありません。
お次は、“カード” 。こちらでは、ストーリーを進めたりゲーム中で入手可能なコインを使ってガチャを回したりすることで入手することができるカードをセットします。カードも、日曜朝アニメで連想される要素のひとつですね。
さて、この“カード” がどういった効果を持つのかといいますと、セットしたカードのキャラクターが、ゲーム中、操作キャラクターを応援してくれます。……はい、それ以上でもそれ以下でもありません。
この辺りの要素は本当に気持ちの持ちようといった感じではあるのですが、プレイを進めていく上でテンションが上がるに越したことはありません。ですので、ここでは好きなキャラクターのカードをセットして、ゲームを応援してもらうのが良いでしょう。
そしてこの応援で重要なのが、 “必殺技” の発動が可能になるということ。
応援によって時間経過とともに蓄積される応援ゲージが最大になることで必殺技を放つことができ、派手な演出とともに画面全体を攻撃します。
絶大な効果を持つ必殺技ですが、応援ゲージが蓄積されるまでにはそれなりに時間がかかるため、使いどころは見極める必要があります。
続いては “アシスト” 。アシストボタンで召喚することができるキャラクターを設定します。このアシストは回復用と攻撃用の二種類があり、キャラクターごとにその内容も異なるため、様々なキャラクターを試して使いやすいものを厳選していく形になります。
また、攻撃用のアシストであったとしても、アシストを発動するごとに操作キャラクターの体力が1回復します。アシストの発動にはコストが必要なのですが、これは比較的短時間で回復していくため、残り体力が少なくなってきたら、アシストを使ってガンガン回復していきましょう。アシストによる回復以外に、操作キャラクターの体力を回復する手段はありませんしね。
そして、最後は “ダンス”。これを設定することで、操作キャラクターが、ゲーム中にダンスを踊ってくれます。
Nintendo Storeの『ココロクローバー シーズン1』のページには、「ダンスに特に意味はありません。」と記載されていますが、チュートリアルで語られたのは、実はダンスを発動している間、操作キャラは完全に無敵であるということ。
そのため、このダンスは、ゲーム攻略における心の友とも言えるアクションになります。まぁ、どのダンスでも踊っている間は無敵という性能は変わらないので、ダンスを変えることには特に意味はありません。
以上の項目を設定していくのが、アクション設定となります。
ここまで書いてきましたアクションシステムに関するお話は、全て本作のチュートリアルで確認することができます。本作に限った話ではありませんが、ストーリーを開始する前には、チュートリアルをプレイしておくのがオススメです。
さて、前段が長くなってしまいましたが、アクション設定を終えたところで、ようやくストーリーがスタートです。
ココロクローバーをめぐる、壮大なストーリー
本作は、自称トレジャーハンターの “バルクス・バルクス” が、ココロクローバーと呼ばれる宝石を盗み出したは良いものの、ロボットごと撃墜されてしまったところからお話が始まります。
そして画面に大きく表示される第1話のタイトル。そうそう、この背景とフォントの雰囲気ね!具体的な作品のタイトルはちょっと出てきませんが、こういうタイトルのアニメは確実に見たことがあります。
そして、本作の主人公である精霊使いのトレフィが登場。赤ん坊だった頃に捨てられてしまった彼女は、心優しきおじいさんによって拾われ、彼の手によって大切に育てられてきました。
そんなトレフィの夢は、ワクワクでワンダーな大冒険をして、なぜ自分にだけ精霊使いとしての能力があるのか、自身のルーツを知ること。しかし彼女はまだ9歳。おじいさんは一人旅を認めてはくれず、彼女は友達の精霊、ウンディーネのディーと、サラマンダーのサールに愚痴をこぼします。そして、サールから森の奥で見慣れない精霊を見かけたことを聞いたトレフィは、すぐに森の奥へ向かい、精霊を探すことに。
そして始まったのが、横スクロール型のステージのクリアを目指すアクションパート。その操作方法はシンプルで、最初のステージということもあってか、非常に簡単に難なくクリアすることができました。
森を分け入った先にいたのは、物語冒頭に登場していた自称トレジャーハンターのバルクス・バルクスとその相棒である自称ネコのネココ。落としてしまったココロクローバーを探し出すために森の木々を切り倒していた彼らを止めるべく、トレフィは戦いを挑みます。
続いて始まったのが、一体の敵を相手にするボス戦。固定された画面の中で繰り広げられる戦闘は、『ロックマン』シリーズのボス戦を彷彿とさせます。
こちらについても最初のボスということもあってか、かなーり適当なプレイをしてしまっていたにも関わらず、難なく突破することができました。
そして、更にストーリーを読み進めると、テレビアニメにおいて前半と後半を分けるCMへ入る前に挟まれる、いわゆるアイキャッチが流れ、
なんと、そのままCMが放送されました。本作において流れるCMは、『ココロクローバー シーズン1』のSwitch版が配信されていますよというもの。このゲームをプレイしているということは、当然このゲームを配信で入手しているということなので、完全に不要なCMではあるのですが、このCMは私に、本家の日曜朝のアニメのCMで、既に持っている放送中のアニメに関連するおもちゃのCMを見た時に感じたあの気持ちを久々に思い出させてくれました。
そしてCMが終わり本編の後半が開始する前には再びアイキャッチ。まさにテレビアニメの様式そのもので、強いこだわりを感じます。こういったこだわりや演出は大好物なので、たまらないですね。それでは、第1話の続き、後半を見ていきましょう。
後半開始早々、偶然にもクローバーの形をした宝石を拾ったトレフィ。これが本作のタイトルともなっている、作中最重要アイテムである “ココロクローバー”。この宝石を拾ったころから、彼女の運命は大きく動き始めます。
一方そのころ、エピソード前半で早々にトレフィに敗れ戦略的撤退を敢行したバルクスたちは、ココロクローバーを狙う精霊と遭遇。バルクスは、その精霊に“憑依”されてしまいます。
“憑依”とは、精霊が人間の体内に入り込むことで発動し、人間の姿が大きく変化して強大なパワーを得ることができるもの。この憑依の際、基本的には憑依をされている人間に意識はなく、憑依した精霊の自我が前面に押し出されます。
バルクスに憑依した精霊はおじいさんを人質に取り、トレフィにココロクローバーを渡すよう要求。大切な家族であるおじいさんの身の危険を案じるトレフィに対し、おじいさんは、「人間と精霊の絆の証であるココロクローバーを悪い人間と精霊にだけは渡してはならん」と諭します。
そして、今の自分に足りないのは憑依変身をした精霊に立ち向かう勇気だと悟ったトレフィは、勇気一つを友として覚醒。ディーを自らの体に憑依させ、変身!
敵が使った憑依変身が、憑依された人間の意識が無くなってしまうのに対し、トレフィの憑依変身の場合、多少口調や思考回路に変化はあるものの、基本的な意識はトレフィのまま。この差は、憑依する精霊と憑依される人間との信頼関係の差ということなのでしょうか。それとも、彼女の精霊使いとしての素質がこの憑依を実現させるのでしょうか。
色々と疑問は出てきますが、今はそんなことよりも、とんでもないパワーがみなぎっているという目の前の強敵、ボス戦に集中しましょう。いざ、出陣!
いや、敵が思ってたより強くはない!とてもパワーがみなぎっていたとは思えない!これは恐らく、それだけトレフィの憑依変身の力が強かったという演出なのでしょう!100%推測ですが!
……さて、無事に精霊を撃退しておじいさんの無事を確認したところで、トレフィがおじいさんに拾われた時に持っていた、今まで全く動かなかったコンパスがココロクローバーに反応して、道を指し示してくれるようになりました。
トレフィが偶然拾ったココロクローバーは、大昔、傷ついた大地を癒すために4人の大精霊が力を込めて作り上げた、心と心をつなぐ力を持った代物で、これを使って人と精霊が手を取りあって大地の傷を癒したという、いわば人間と精霊の絆の証。
しかし、現在ではココロクローバーの強大な力を悪用しようとするものたちも現れてきているため、ココロクローバーを持つトレフィは悪人たちにつけ狙われる可能性があるとのこと。
ですが、そんなおじいさんの忠告も、このコンパスの先に自身のルーツを知る手がかりがあるのではないかと考えたトレフィの耳には届きませんでした。彼女は、コンパスが指し示す方向を目指す冒険の旅に出たいとおじいさんに打ち明けます。
そして、トレフィの決意に満ちた目を見たおじいさんは、自身が昔冒険者をしていたことを明かし、トレフィを冒険の旅に送り出します。これにて第1話は終了。ココロクローバーをめぐる、トレフィの冒険がここから始まります。
すると、先ほどタイトル画面に入る前に見たオープニングムービーが流れ始めました。
……あれ、エピソードが終わったこのタイミングで流れてるってことは、さっき見たオープニングムービーは、アニメのオープニングじゃなくて、エンディングだったってことなんですかね?
それにしてはムービー中に流れているBGMのオープニング感が凄いような気もするんですが。
それはそうと、アニメのオープニングやエンディングの中に、まだ本編に登場していないキャラクターが出てくると、物凄くワクワクしますよね。性格や声、主人公の仲間か敵かを想像して楽しんでいたことを思い出します。で、全部のキャラクターが本編に登場すると謎の達成感を感じたりしていたものです。
まぁ、私の思い出話はさておくとしまして、本作のエンディングにも、未だ本編に登場せぬ見知らぬキャラクターが何人も登場。今後のストーリー展開への期待を高めてくれます。
そして、エンディングアニメの後に始まるラストのコーナーが、“今週のとっておき”。このコーナーでは、『ココロクローバー』の設定の補足や、ストーリーの振り返りをしてくれます。仮にストーリーを進める中で置いてかれてしまった内容があったとしても、そこを補完をしてくれるのはありがたいですね。
また、コーナーの最後では、トレフィたちが合言葉を教えてくれます。この合言葉はアシストキャラクターやダンスを購入することができる “ショップ” モードで使用するもので、これを入力することにより、対応するアシストキャラクターを入手することができます。この合言葉で入手できるアシストキャラクターは、そのエピソードで登場したボスキャラであることがほとんどなので、戦力の増強を図る意味でも。次のエピソードをプレイする前に解放しておくのが良いでしょう。
そして、今週のとっておきが終わった後、ラストのラストで、今回のエピソードに関連するキャラクターのカードを入手することができます。登場キャラクターをエンド5秒などの最後の小枠でサラっと紹介するアニメ、いくつも見たことがあるような気がします。
そして、ラストのラストのラストには提供……ではなく、制作スタッフが表示され、これにて第1話が終了となります。左上の時刻を確認してみると、7:27。時間配分は完璧。30分アニメという設定が忠実に守られていますね。
これにて1つのエピソードが完結しましたが、第1話は『ココロクローバー』シリーズ全体に対するプロローグのようなもの。ここからいよいよ冒険が始まるというところで次回へ続いてしまったので、やはりどうしてもストーリーの続きが気になります。
本物の日曜朝アニメであれば1週間待つ必要がありますが、もちろんこのゲームではそんなことをする必要はありません。次のエピソードのプレイへ向けて、先ほど入手した合言葉でアシストキャラを解放して新たにアクションセットを作成し、急いで第2話へ。
第2話を開始すると、本編が始まる前に、今回から視聴を始めた視聴者へ向けた、非常に基本的なざっくりとしたストーリー紹介アニメが流れました。ここから初めてプレイをするというプレイヤーはほぼいないだろうとは思われますが、こういったところにもしっかりと日曜朝アニメのあるあるが放り込まれているあたり、相当なこだわりを感じます。
ちなみに、こちらのアニメーションは、今後の全てのエピソードで流れます。スキップすることも可能ではありますが、逐一しっかりと見ていくのも一興かなと。
そして、前回までのあらすじについての説明が終わった後、オープニングアニメが流れ始めました。
……ん?これは前回のエンディングで流れていたムービーでは……?一体どういうことなんだ……?
……あ、なるほど!前回のラストで流れていたムービーはオープニングアニメで、あれはアニメの第1話でプロローグが終わるまでオープニングが流れないパターンのやつの再現だったのか!
などと細部に宿るネタに感嘆していますと、エピソード本編がスタート。
とんでもない事態にたまたま巻き込まれてしまう主人公たちに、
事態をとんでもなくかき回すおバカな悪役たち。
王道のストーリーを丁寧に歩んでいく2組が出会うと始まるのは、見ていて微笑ましさすら感じるレベルの小競り合い。これもまた王道の展開ですね。
トレフィたちと小競り合いを頻繁に起こすバルクスですが、時にはトレフィを助けてくれることも。こういうタイプの3枚目の悪役、嫌いじゃないです。いや、かなり好きです。
こういうキャラが最終決戦みたいな大事な局面で急に2枚目になるのってすごくいいですよね。バルクスがそのタイプなのかは分かりませんが、彼が非常に魅力的なキャラクターなのは間違いありません。
さて、トレフィたちを乗せた船を襲った海賊たちは、精霊のノーミィを捕らえて檻に閉じ込めていました。なんでも、精霊は界隈で高値で取引されているんだとか。精霊たちを傷つける輩が許せない心優しきトレフィは、悪しき心を持つ海賊たちをとっちめることに。
今回の騒動を引き起こした根源である海賊船の船長と対峙。ここから直接対決にしゃれこむのかと思いながら成り行きを見守っていると、
突然、“ディスピット”と呼ばれる謎のキャラクターが登場。彼女は船長から心を取り除き、船長を“ヌケガラ” にしてしまいました。なんでも彼女は、負の感情を持つココロを集めて回っているんだとか。
そして、船長の心を奪った彼女はヌケガラとなった船長の体に精霊を憑依させ、変身させました。本エピソードのボス、バッドシャークの誕生です。
バッドシャークに対抗するため、先程助けたノーミィがトレフィに憑依変身を提案。なんでも、バッドシャークは水属性で、ノーミィは水属性に有利な土属性だから、戦闘が有利になるだろうとのこと。なるほど、属性という要素も絡んでくるんですね。これはより一層面白くなってきましたよ。
そして、ノーミィの提案を受け入れ、彼女と憑依変身したトレフィは、バッドシャークと戦います。
戦闘の基本は先ほどと変わらず、アシストによる回復とダンスによる無敵を存分に使用し、バッドシャークを無事に撃破。
見事勝利を収めると、船長の心を奪った謎のキャラクターは、“ディスピット” のテンクルタンと名乗りました。人間全員をヌケガラにしてしまうのが目的だという彼女は、船長の心を持ったままその場から姿を消してしまいました。
これはどうやら、ディスピットが本作における真の敵である様子。彼女のシリアスな雰囲気を見ていると、いよいよバルクスたちがその賑やかしとしての地位を確固たるものにしてきている気がします。
そしてエピソードが終了し、アニメ『ココロクローバー』初のエンディングムービーが放映。
あー、このエンディングも絶対に見たことがありますね。オープニングと違ってキャラクターがゆるーく描かれている感じや、背景と画面の配置の感じが完璧です。これは完全に日曜朝のアニメのエンディングです。
そして、今週のとっておきは、属性の相性についての説明。水は火に強く火は風に強く風は土に強く土は水に強いという四すくみの構図。アクションパートで登場する雑魚キャラには大きく影響しませんが、ボス戦で大きな差を生むとのこと。合言葉とカードを入手し、今週のエピソードは終了。
さて、先程のエピソードでいきなり登場し、あっという間に消えてしまったテンクルタン。色々と謎の多いキャラクターだったので、メニュー画面から“ライブラリ” モードを選択し、その中に収録されているキャラクター図鑑で、彼女について調べてみました。
図鑑によると、彼女は悪の精霊ディスピットであり、仲間以外は人間であろうが精霊であろうが全員見下しているそう。で、隠れファンが多いと……あー、分かる分かる。多そう多そう。というか、隠れてないファンも多そうです。果たして彼女はこれから物語にどのように関わってくるのでしょうか。
ゲームをクリアせずともストーリーを楽しめる親切設計
さて、ここまでのプレイからもなんとなく想像がつくかもしれませんが、『ココロクローバー シーズン1』は、骨太のアクションを楽しむというよりは、日曜の朝のアニメの雰囲気を楽しむという趣が強いゲームとなっています。
これは私の体感の話にはなりますが、横スクロールアクションやボス敵といったゲーム部分は、他のゲームと比較しても、かなり簡単な部類だと思います。
さすがにゲームの後半になってきますと、序盤より明らかにボスが強くなってきはするのですが、そのころには強力な使いやすいアシストが入手できるため、使用中完全無敵というあまりにも強すぎる性能を持つダンスと併用すれば問題なく突破することができます。
ゲーム部分がクリアできないというストレスを感じることなく、気楽にストーリーを楽しめるというのが本作の大きな特徴のひとつと言えるでしょう。
ですが、甘口カレーを辛く感じる人がいるように、このゲームのアクションを難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。話の先を見たいけど、アクションが難しくてクリアできないのはちょっと……という場合も大丈夫。
なんと本作では、ボス戦中にポーズボタンを押せば、ステージをスキップすることも可能となっているのです。横スクロールアクションパートについても、エピソード開始前のストーリー設定から、やられた場合は “さきにすすむ”という設定にしておくことで、体力が0になってもストーリーの続きを見ることができます。
つまり、本作は極端な話、ゲームをプレイしなくてもストーリーを追い続けることが可能なシステムとなっているのです。そのため、本作はプレイヤーのスキルに合わせて、“アニメの世界観を楽しむことができるゲーム” としても、“ちょっとゲームも楽しめるアニメ”としても楽しむことができるようになっています。
さて、第3話以降のエピソードではディスピットたちが暗躍し、負の感情を持った人間たちに精霊を憑依させ、暴れさせます。そしてその状態の敵をトレフィが倒すというのが基本的な流れ、いわゆるお約束というやつなのですが、そのお約束の中でストーリーが多様に展開していきます。
個性的なキャラクターたちが登場したり、
新たな仲間が冒険の旅に加わったり、
熱い展開があったり、
朝アニメらしからぬ、シニカルなネタやメタネタがあったり。こういったネタを見ていますと、以前放送されていた『星のカービィ』のアニメを少しだけ思い出しますね。あちらは日曜ではなく、土曜の朝アニメだったような気がしますけれど。
中には、メインストーリーの進行には一切関係してこないであろう、サブストーリー的なエピソードも混じってきます。こういったところにも、朝アニメあるあるのフレーバーを感じます。
こちらのサブストーリー感あふれるエピソード、一応ボス戦と横スクロールアクションステージはあったのですが、メインとなるのはダンスバトル。これはいわゆるリズムゲーなのですが、タイミングよくボタンを押すだけという、シンプルで分かりやすいルールなので、これもまた苦戦せずにストレスフリーでクリアをすることができました。
ちなみに、こちらのダンスゲームは、“ミニゲーム” から遊ぶこともできます。エピソード中ではダンスバトルに参加していなかったキャラクターを使ってゲームを楽しむこともできますよ。
もちろん、オープニングムービーやCMでしか登場していなかった、あの要素もしっかりとあります。まーたこのロボットがまたかっこいいんですよね。やはり、巨大ロボットはロマン。ロボットに限った話ではありませんが、本作はキャラクターデザインがかなり良いです。
上の画像に描かれているのは悪の精霊たちなんですが、思わず心を奪われヌケガラになってしまうような可愛さがあるんですよね。うーん、すばらしい。かわいいは正義。私のストライクゾーンをぶち抜き、ハートに突き刺さってきます。
先ほども述べましたように、このゲームの大部分を占めているのはストーリー。そのため、ストーリーを深堀りしていくと本作の中身を全てさらけ出すことになってしまいますので、後半は急に雑なザックリとした紹介にはなってしまいましたが、全12話のエピソード、あっという間にクリアしてしまいました。贔屓目なしに楽しかったです。非常に美味しい特盛丼、ごちそうさまでした。
さて、『ココロクローバー シーズン1』と、タイトルにシーズン1とわざわざ記載されているということは、この後にシーズン2が控えていることを宣言しているようなもの。実際、シーズン1の12話でストーリーは大きな山場を終えはするのですが、全ての物語が綺麗に完結するというわけではありません。
むしろ、作中にちりばめられた様々な謎が解決されていない状態のままになっているので、続きが非常に気になります。
第11話から第12話までの1週間は1分でしたが、第12話から第13話までの1週間はどれほどの時間になるのでしょうか。明確な答えは分かりませんが、その時が来るまで、一昔前の作品ではありますが『クロス探偵物語』のようにならぬことを切に願いつつ、気長に待ち続けたいと思います。
また、本作にはストーリーモード以外にも、追加ストーリーやステージアクションパートのみをプレイできる、 “アドベンチャー” モードや、
エピソード中に登場したボスたちを倒していく“ボスラッシュ”などの、本作のゲーム部分にフィーチャーしたモードが用意されており、ストーリーを終えたプレイヤーも、まだまだゲームを楽しむことができるようになっています。
さて、しつこいようですが、日本の日曜朝のアニメをコンセプトに制作され、そういったアニメの要素を忠実に取り入れている『ココロクローバー シーズン1』。本作には、どこか懐かしさを感じるノリや雰囲気、そして、ワクワクする冒険の物語が待っています。是非プレイしてみてはいかがでしょうか。
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日曜の朝アニメをテーマにしたアクションノベルゲーム『ココロクローバー』のシーズン1がSteam、Nintendo Switchにて配信開始。全12話のアニメ風2Dアドベンチャー開発者ひこてる氏は8月4日(木)、2Dプラットフォームアクションノベルゲーム『ココロクローバー』の「パート1」と「パート2」の内容をパワーアップさせて1本にまとめた『ココロクローバー シーズン1』をSteam、Nintendo Switchにて配信した。