現地時間、2014年4月1日。エイプリルフールでもあるこの日、思わず「嘘だろ!?」と言いたくなってしまうような衝撃的なゲーム作品が、その産声をあげました。
──そのゲームの名は、『Goat Simulator』。
このゲームのコンセプトは至極シンプルで、“ヤギになることができる” 。それだけ。それ以上でもそれ以下でもありません。ヤギとなって街に降り立ったプレイヤーは、街にあるものや人を思うがままに突き飛ばし、その様子を観察することができます。本当にそれだけ。一応、スケボーゲームのように空中でトリックを決めればポイントが貰えたりはするのですが、物に頭突きをしてその動きを観察するというのが、このゲームの基本であり全てであると言えます。
そんな『Goat Simulator』は、公式がストアページで、“全くバカげたゲーム” と表現しているという、自他ともに認める紛うことなきバカゲーであり、そのあまりに突き抜けたバカバカしさからヒットを記録。その人気を受けて様々な追加DLCも配信されてきました。
そして、ついに全人類待望の『Goat Simulator』の続編『Goat Simulator 3』が発売となりました。
『Goat Simulator』は、当時の異様とも言える盛り上がりを見て、ミーハー心でプレイしていたのですが、まさかあの1発ネタとしか思えないバカバカしさを持つゲームに、続編が発売される日が来ようとは。
ってか、そもそも2が出ていたことすら知らなかったぞ……と思ったので調べてみますと、『Goat Simulator 2』というタイトルのゲームなど発売されておらず、この『Goat Simulator 3』が、ナンバリング上は2であるとのこと。
そのタイトルのつけ方の時点で既にバカゲーの香りが充満している本作、早速プレイを進めていきましょう。
文/DuckHead
前作にはなかったストーリー性を楽しもう!
ゲームを開始すると、プレイヤーであるヤギの主観視点から物語がスタート。新たな飼い主を名乗る人物の声が響き渡る中、周囲を見渡してみますと、そこには自分以外にも3匹のヤギの姿が。
……何といいましょうか、この光景は、世界的に大ヒットを記録した名作ゲーム『スカイリム』の冒頭を思い出しますね。ひょっとすると、パロディなのかもしれません。
そんなことを考えつつ、新しい飼い主の方へ視線を移してみると、彼の運転するトラクターは、お構いなしに通行人を轢いていきます。轢かれた側が糸の切れたマリオネットかのようにその場に頽れるのに対し、運転手はノーリアクション。開幕からブラックな笑いがちりばめられています。
それにしても、『Goat Simulator 3』にはちゃんとストーリーがあるんですね。DLCまでは把握していないのですが、前作の『Goat Simulator』にはストーリーらしいものが一切なかったと記憶しているので、この進化には驚きました。これは間違いなく、大いなる一歩ですね。
まさか、「まさか、このゲームにストーリーがつくなんてことが現実に起こるだなんて!」なんて感情を抱く日が来るとは思いませんでしたが、これもまた、稀代のバカゲーが成せる技といったところでしょう。
すると、トラクターはゴートタワーと呼ばれる建築物の前に到着。
そして、新たな飼い主から「さっさとスカ〇リムカートを出てゴートタワーに向かえ。」とのありがたいお言葉が。正直なところ既視感しかなかったのですが、やっぱりスカイリムのパロディだったんですねー、あの光景は。そのことについてしっかりと触れてくれるというところに、バカゲーとしての矜持を感じます。
さて、長すぎるイントロを終え、スカイリムカートを降りると、『Goat Simulator 3』のゲームプレイが本格的にスタートです。
早速、新たな飼い主の進言通りにゴートタワーの中に足を踏み入れてみると、そこにはゴートキャッスルと呼ばれるお城のような空間が広がっていました。
そして、『Goat Simulator』シリーズとは思えぬ、ファンタジーゲームかのような異様な厳かさに包まれた建物の奥には、多くの鎖で封じられた謎の扉が。
本作におけるプレイヤーの目的の一つが、この扉の鎖を解除してその封印を解くこと。鎖の解除のためには、“イルミナティポイント” と呼ばれるポイントが一定数必要で、このポイントは、この世界に配置されている “イベント” と呼ばれるクエストをクリアしていくことで貯めることができます。
ちなみに本作では、イベント以外のクエストとして、“衝動的ミッション”と呼ばれるものも用意されています。こちらは、ゲームプレイ中の好きなタイミングで達成可能で、イルミナティポイントこそ得られないものの、本作の通貨ともいうべき “カルマ” を入手することができます。
その他にも、小像と呼ばれる世界各地に散らばるコレクションアイテムの要素があったりも。
…… どうしたんですかこれは。『Goat Simulator』と比べて、随分とゲーム性が増しているじゃありませんか。
正直に言いますと、『Goat Simulator』は、買ってみたはいいものの、そのノリに上手くハマることができずに割とすぐに飽きてプレイを止めてしまったのですが、ひょっとすると『Goat Simulator 3』は、こちらの予想以上に楽しく遊べるゲームなのでは?
……前作のせいで、ハードルが下がりすぎている感は否めませんが。
自由度の高いカスタマイズで、君だけのヤギを作ろう!
それでは、扉の解放という目的も定まったところで、早速街に繰り出していきましょう。スカイリムカートの上で繰り広げられる長いイントロさえ終わってしまえば、そのあとは何をしようとプレイヤーの自由なのです。
……と、その前に、まずはヤギのカスタマイズをしておきたいと思います。
本作では、先ほども少し触れたカルマと呼ばれるポイントを消費したり、イベントをクリアしたりすることでヤギ装備を入手することが可能で、これらをカスタマイズ駆使することによって、自分の好きな姿のヤギを作り上げることができるようになっています。
種類が豊富に取り揃えられているヤギ装備の中には、プレイヤーがヤギですら無くなってしまうものも存在するというのが『Goat Simulator 3』の凄いところ。こういったようなネタ的なお楽しみアイテムは、普通、ゲーム序盤では入手できない事が多いものというイメージなのですが、本作では最初から普通にカルマさえ足りていればアンロックが可能となっています。いよいよ『Goat Simulator 3』が、バカゲーとしての本領を発揮してきましたね。
……それはそうと、このトニー・シャークという名前は、『アイアンマン』のトニー・スタークのパロディなのでしょうか。
その他にも色々とヤギ装備を眺めていますと、分かりやすく『プライベート・ライアン』をパロディした名前のヤギ装備もありました。ということは、やはりさっきのトニー・シャークという名前もパロディなのでしょう。
そして、その他のヤギ装備を眺めていく中で気が付くのが、日本語訳のセンスの良さ。
原文がどのようになっているのかについては、正直分かりかねるところがあるのですが、バカバカしさと軽さをしっかりと残しつつ、ニュアンスをしっかりと伝える翻訳は見ていて楽しいですね。若干直訳っぽいところもあるのですが、そんな多少の違和感は許せてしまうというのが、バカゲーの恐ろしいところでもあります。
そして、ヤギ装備の中にはボタンを押すことで特別なアビリティを発動することができるものもあり、これらのアビリティを駆使することで、クエストを効率的に進められたりもします。見た目をとるか、実用性を取るか。それはプレイヤーの手にゆだねられているのです。
とは言うものの、アビリティを持つヤギ装備を複数装着すると、ボタン1つで全てのアビリティが同時に発動するため、その組み合わせによってはとんでもなくカオスな光景が広がり、ゲームプレイすらままならなくなることも。見た目を重視したカスタマイズもほどほどにしなければなりません。
これらのヤギ装備のカスタマイズは、“意外” と言ってしまうと失礼かもしれませんが、かなり熱中度が高いです。キャラクリエイトが大好きな方にとってはたまらないのではないでしょうか。
ちなみに、私が辿り着いたヤギの最終形態がこちら。かなり趣味が漏れているカスタマイズですが、作りたかったヤギがほぼ完璧に作成できたというところに、本作のカスタマイズの底知れない魅力を感じます。
ギャグとバグに溢れる街を探索しよう!
さて、街に繰り出したヤギが目にしたのは、予想以上に広大な世界。冒険できる世界が大きいというのは非常に喜ばしいことではありますが、ヤギの移動速度では移動するのも中々億劫。ただ、そんなことをグチグチと言っていてもヤギが勝手に歩いてくれるわけではありません。周囲の景色を楽しみながらゆったりと車道を歩いていると……
なんと、車をハイジャックできるとの文字が!これは前作『Goat Simulator』には無かった機能。前作において、ヤギが車に対してできることといえば、頭突きして爆破するか無残に轢かれるかという、まさに食うか食われるかの究極の二択。
……これはもう、完全にヤギのシミュレーターの範疇を超えてきていますね。これぞ、やりたい放題。何とも甘美な響きですね。最高じゃないですか。
そこで、次に通りかかった車をハイジャックさせて頂き、街を探索していきます。移動がストレスになるバカゲーは嫌ですから、この機能はありがたいですね。ストレスフリーでバカをやらせてもらえるというのは嬉しいところ。
ちなみに、車の操作すら面倒だという方には、何もしなくてもそのまま放っておけばどこか見知らぬ土地へと連れて行ってくれる同乗が便利です。
さて、今回の私のプレイ方針は、イベントをこなしてゴートキャッスルの扉の封印を解き放つこと。車に乗って街を散策しつつイベントが発生するポイントを探しましたが、広大な土地の中では中々見つけることができません。
そこで、イベントをこなす前に進めたのは、世界の各地に配置されているゴートタワーを探すことでした。
これらのゴートタワーは、ヤギとシンクロさせると周囲の景色を見渡すことができ、それによって、イベントの発生ポイントや施設の位置情報などが詳細にマップ上に表示されるようになります。
……はい、お気づきの方も多いかとは思いますが、このシンクロは、人気ゲームシリーズ『アサシンクリード』から取ったものだと思われます。最早、本作のゲームシステムには、ヤギを操作することが出来るという以外のオリジナル要素は存在しないのかもしれません。
このようにして、各地のゴートタワーとのシンクロを進めていく中で分かったのは、本作には高層ビルが立ち並ぶビジネス街から自然あふれるキャンプ場まで、様々な環境のエリアが存在しているということ。周囲の景色が変わることにより視覚的な飽きがこないため、『A Short Hike』のように、ただただ散策しているだけでも普通に楽しめます。
中にはバカゲーらしく、「そんなわけないだろ」「どうしてそうなるんだよ」と思ってしまうようなギミックが仕込まれている場所もいくつかあります。上の画像右手に見えますのは、巨大なタコの御御足。かわいそうなヤギはこの後、ものの見事にタコの脚に押し潰されてしまいましたとさ。
そして、ヤギが自由気ままに旅するこの世界は、パロディの宝庫。ここまででも既にいくつか登場していますが、その総数はとんでもなく、全てを拾い切るのは至難の業。今回は私が見つけたものの中から、一部をピックアップしてご紹介したいと思います。
まずはこちら。『MARVEL』の『キャプテン・アメリカ』のパロディで、『WONDER』の『SERGEANT YANKEE』 。“MARVEL” と “WONDER” は、どちらも “驚嘆” という意味を持つ類義語で、“SERGEANT YANKEE”は、直訳すると “アメリカ人軍曹”。大爆笑!という感じでこそありませんが、意味が分かると面白い、深い味わいのあるパロディですね。
本作では、SERGEANT YANKEEの武器である盾も入手でき、それを使って民間人を攻撃することも可能です。
続いて、ディズニー&ピクサーアニメ好きとして気になった看板がこちら。「これは『ファインディング・ニモ』のパロディでいいんだよな?」とは思ったのですが、“Where the heck is STEVE” というタイトルの和訳が分からず、確信が持てません。そこで調べてみますと、このタイトルは ”スティーブは一体どこにいるの?” という意味とのこと。やはり、この看板は『ファインディング・ニモ』のパロディのようです。
なるほど、“ Where the heck is ” は、“一体どこにいるの?”という意味なんですね。それにしても、まさかこのゲームから慣用句、いわゆるイディオムを教えてもらうことになろうとは。人生どこから学びが得られるか分からないものです。
ちなみにこちらの “Where the heck is STEVE”、ポスターではこのような表記になっていますが、街中のとある場所で見つけることが出来るフィルムを舐めてみると、『ファインディング・スティーブ』というタイトルに訳されていました。これで、『ファインディング・ニモ』のパロディであることが確定です。
そして、 “Where the heck is STEVE”を上映してみると、『ファインディング・ニモ』を制作したピクサー・スタジオのロゴのパロディを見ることもできました。細かいところにもしっかりとネタを仕込んでいるのは素晴らしいですね。
さらに、とあるイベントをクリアすることで、なんと、スティーブそのものになることもできるようになります。まさか、あの看板がここまでゲーム内でしっかりとネタとして取り扱われているとは。
さらにさらに、スティーブは見た目も変更することができるので、こんな感じでカクレクマノミになれたり、
およげ!焼きスティーブになれたりもします。それにしても、この名前が『およげ!たいやきくん』のパロディであるのは一目瞭然なのですが、いよいよ原文がどうなっているのかが気になりますね……。相も変わらず、翻訳のセンスが光っています。
そして、パロディとは少し違いますが、街中には日本語で書かれたポスターも。画像では字が小さいかと思いますので、書き出してみますと……
トイレットペーパーと咳をした孤独な世界の孤独な少女の話それから彼女はスーパーに行きましたがパスタも手指消毒剤も見つかりませんでしたが、彼女はまだ10代で、素敵な友達がいて、みんな一緒に一人旅に行きました。
……というタイトルになっています。
映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』を彷彿とさせますが、これは恐らく、日本のラノベや漫画で時折見られる長いタイトルが元ネタなのでしょう。
しかしながら、その結果仕上がった文章はあまりにも支離滅裂。個人的には、“みんな一緒に一人旅に行きました”ってところが特に好きなんですが、日本語に翻訳する前の文章、原文がどうなっているのかがメチャクチャ気になりますね。
さらに、“トイレットペーパーと咳をした孤独な……”といった感じで、単語の途中でいきなり文字色が変わっているのも気になるポイント。おそらく、このタイトルを作った方は、どこからどこまでが一つの単語なのか把握していないのでは……?
そして、このゲームを語る上で触れておかなければならないのが、バグ。実はこのゲーム、バグが非常に多いんです。これらのバグについては、バカゲーらしさに磨きをかけるため、あえて修正せずに残していたりもするそうですが、NPCがオブジェクトに引っかかって抜けなくなるなんていうのは日常茶飯事。
ロケットターボシューズを履いて壁に向かって全速前進すれば、いとも簡単に壁抜けができ、恐らく足を踏み入れてはならないであろう空間に行くこともできます。
もっと言うと、ターボなんか使わなくとも、特殊な行動を取らなくとも、普通にプレイしているだけで壁抜けを発生させることも可能です。上の画像は、「あそこ、抜けられそうだな」と思って行ってみたら実際に壁抜けができた時の様子。元々いた場所は溶岩に満ちた火山の中だったのですが、壁を抜けた先にある、まるで最初から用意されていたかのようなゆったりとした快適なスペースから溶岩を見上げる様は、シュールの極み。
ちなみにですが、この状態になると自力では元のエリアに戻ることはできません。しかし、恐らくこのゲームはこういった事態も織り込み済み。メニュー画面からリスポーンを選べば、即座にエリアへ復帰することができます。これで安心して心置きなく積極的に壁抜けができますね!
あとは、どこでどのようにやったのかは忘れてしまいましたが、トイレで下半身のグラフィックを失ったスキンヘッドマッチョおじさんが出現するというバグが起きたこともあります。
他のゲームでは、意図的にバグを発生させようとしたことのない私が、何も考えずに普通にプレイをしていてもこの有様。この世界には、未知のバグがまだまだ眠っていることでしょう。
頭を使ってイベントをクリアしよう!
さて、話は色々と脱線してしまいましたが、いよいよ本作における大きな目標の1つである“イベント”についてお話していきたいと思います。
先述しましたように、“イベント”とは、世界各地に配置されているクエストのことで、そのクリア条件は様々。
そして、これらのイベントをクリアするヒントは、画面上にイベントのタイトルと共に表示されるのですが、その内容は必要最低限となっています。例えば、上の画像の“バタフライ効果をバレリーナに” というイベントのヒントとして表示されているのは、“究極の回転が可能な踊り手に成長させよう“。これだけ。このようなわずかなヒントから、わずかなアクションを操って解決策を導かなければならないのが、『Goat Simulator 3』のイベントなのです。
その他にも、上の画像の “皇帝の霊廟” というイベントのヒントとして表示されているのは、“フォースを使って『帝国のマーチ』を奏でる“。皇帝といい、フォースといい、帝国のマーチといい、イベントのタイトルからヒントまでの全てが『スター・ウォーズ』シリーズのパロディとなっているので、こちらを混乱させてきます。このゲームのフォースって、どれのこと言ってるんだよ……。
そんな苦心させられるイベントですから、クリアできたときには、その喜びもひとしお。
まさか『Goat Simulator 3』の謎解きに詰まろうとは、バカゲーでここまで頭を回転させることになろうとは。クリア方法を閃いた時に、ここまで喜べるバカゲーというのも、非常に珍しいのではないでしょうか。
ちなみに、全てのイベントがこちらの頭を悩ませるようなものというわけではなく、その難易度にはかなりバラつきがあり、すぐに閃くようなものもあれば、クリアするための手順がしっかりと表示されるものもあり、挙句の果てには考える必要すらないものも。
上の画像の “モグラたたき” というイベントのヒントは、“読んだままです”。読んだまま、この場でモグラたたきをすれば、イベントクリアとなります。
そして、これらのイベントの中には、何をすればいいのかはすぐに分かるのに、実行しようとすると骨が折れるようなタイプのものもあります。
そんなイベントの1つが、上の画像の、“指名手配中の告発者たち”。これは、指名手配されている告発者を見つけて牢屋に入れればいいというイベントなのですが、その告発者を見つけ出すことが大変。
一応、ヤギでNPCに激突したり、NPCを舐めたりすると、そのNPCの個人名が表示されるので、それを頼りにすれば目的の人物を見つけることはできますが、「この街に何人のNPCがいるんだ!?」という話でして。
ひょっとすると、効率のいい方法があったりするのかもしれませんが、今の私には、地道に足で稼ぐ以外の方法が思いつきませんでした。
そして、これらのイベントをクリアして得られるイルミナティポイントを貯めて、ゴートキャッスルの扉の鎖を解除していくことで、ゴートキャッスルはどんどん拡張されていきます。全ての封印を解いた時、プレイヤーの目の前に広がる光景は、一体どのようなものなのでしょうか……?
このタイミングで言うことではないかもしれませんが、実はこれらのイベント、無理してクリアする必要は全くありません。本作のイベントは、それこそ『スカイリム』のメインミッションのような位置づけなので、クリアしてもいいし、クリアしなくてもいいものとなっています。
そう、『Goat Simulator 3』のプレイスタイルは、プレイヤー各々に委ねられているのです。前作のように、街にあるものや人を思うがままに突き飛ばし、その様子を観察したり、スケボーゲームのように空中でトリックを決めてポイントを獲得して楽しんだりするだけでも構いません。難しいイベントに頭を使ってストレスがたまってきたら、街に繰り出して大暴れして、ストレスを発散してしまいましょう。
深いことは考えず、とにかくバカバカしさを楽しもう!
さて、『Goat Simulator 3』をプレイする中で常に感じていたのは、バカバカしさが突き抜けているゲームだなということ。
これは、前作の『Goat Simulator』から共通しているポイントではありますが、本作は、前作には無かったストーリー性がイベントという形で補われており、カスタマイズ等の要素によって自由度に更に向上しているため、より一層バカゲーとして磨きがかかっています。要するに、一発ネタのバカゲーではなく、長く遊べるバカゲーに進化を遂げているのです。
とは言うものの、「さぁ、やるぞ!」という意気込みでプレイするのではなく、「することないから、『Goat Simulator 3』しよう」くらいの温度感でプレイをするのがちょうどいい作品ではないかなと思います。
そもそもが、「こんなげーむにまじになっちゃってどうするの」といった類のゲームですし、「することないから~」というテンションでやるゲームにしては、ちょっと面白すぎますからね。
また、今回は触れませんでしたが、本作は最大4人でのマルチプレイも可能で、マルチプレイ専用のミニゲームがいくつか用意されています。笑いのツボが合う仲間とプレイをすれば、盛り上がること間違いなしでしょう。
深いことは考えずに自由気ままに楽しめる、気分転換に最適なバカゲーである本作。ちょっと息抜きをしたい時、ストレスを発散したい時には、バカバカし過ぎるヤギの世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
現在、『Goat Simulator 3』のプラットフォームはPS5、Xbox Series X|S、PCより発売中。