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【今日は何の日?】初代『ゼルダの伝説』が発売された日(2月21日)。アクションバトルと謎解きが融合する『ゼルダ』のフォーマットを作り上げたシリーズの原点

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 2月21日は初代『ゼルダの伝説』が発売された日だ。

 初代『ゼルダの伝説』は1986年2月21日に、ファミリーコンピュータ ディスクシステムのローンチソフトとして発売された。今日まで続く『ゼルダの伝説』シリーズの原点である。

ゼルダの伝説
(画像は『ゼルダの伝説』公式サイトより)

 「ディスクシステム」はファミコンの遊びを拡張するための周辺機器として誕生したもので、当時はROMカセットのみだったソフト媒体に、“クイックディスク”を基にしたディスクを起用している。これにより、ROMカセットを上回る大容量を手に入れるとともにセーブ機能を実現、さらに価格も安価に抑えることが叶ったのである。

 さらにひとつのディスクがあれば、全国の玩具店などに配置された「ディスクライター」を用いて500円で別のゲームにデータを書き換えることも可能となっていた。このことによってユーザーは気楽にさまざまなゲームを楽しむことができるようになり、またディスクにはコピー防止のプロテクトもかけられている。

 ディスクシステム最後のタイトルは1992年12月22日発売の『じゃんけんディスク城』だが、その後も書き換えサービスは2003年9月30日までと長きにわたって継続した。累計して全199タイトルがリリース、ソフトの総売り上げ数は5339万本にのぼる。

ディスクシステム
(画像は「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」公式ページより)

 本作『ゼルダの伝説』は、そんなディスクシステムのローンチソフトとして発売されたアクションアドベンチャーゲーム。「ハイラル地方」の小王国が舞台となり、主人公「リンク」は“力”のトライフォースを奪った「大魔王ガノン」に立ち向かうべく、8つの小片に分かれた“知恵”のトライフォースを集めていくといったあらすじだ。

 なお、公式サイトのヒストリーによれば、本作の物語は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』で勇者が敗北した場合からつながるものとなっている。封印戦争やハイラル王国の衰退を経て初代『ゼルダの伝説』のストーリーにつながり、そしてその後が『リンクの冒険』で描かれるといった流れのようだ。

ゼルダの伝説 アート
(画像は『ゼルダの伝説』公式サイトより)

 ゲーム画面は見下ろし型の視点のもので、プレイヤーは基礎的な武器となる、相手の攻撃を受け止めるシールド、そして作中では「宝物」と表される弓矢ブーメランバクダンなどの多彩な装備を駆使して進んでいく。ライフがマックスの状態で剣を振ると、剣先からビームが発射されるのも本作の特徴のひとつと言えるだろう。

 探索では表示されているマップの端にたどり着くと、画面がスクロールして隣りのマップへと切り替わる形となっている。マップには大きく分けて地上(フィールド)と地下迷宮(ダンジョン)の2種類が用意されており、それぞれに出現するモンスターが設定されている。

 フィールド中には地下迷宮への入り口のほか、手に入れた通貨「ルピー」でアイテムを購入できるショップをはじめとする協力NPCが配置された“洞くつ”も複数登場。地下迷宮の入り口はさまざまな場所に隠されているため、謎を解く手がかりを集めながら見つけ出していかなくてはならない。

ゼルダの伝説 ショップ
(画像は『ゼルダの伝説』公式サイトより)

 ダンジョンではローソクを使って部屋を明るくする必要がある“暗闇の部屋”や、リンクが通ると閉じてしまう扉など豊富なギミックが用意されており、先へ進もうとするプレイヤーの前に立ちふさがる。地下迷宮の攻略順は明確に定められていないが、それぞれ「LEVEL」と呼ばれる難易度の指標が用意されている。

 こうした「アクションバトル」と「謎解き」が組み合わさるゲームプレイは、のちの『ゼルダの伝説』シリーズ作品にも脈々と受け継がれていくフォーマットとなった。

ゼルダの伝説 フィールド
(画像は『ゼルダの伝説』公式サイトより)

 初代『ゼルダの伝説』は現在、Nintendo Switch Onlineのサービスを通してプレイすることができる。さらに2018年には、リンクが最初からルピーとアイテムを大量に所持した状態でスタートする『ゼルダの伝説 お金持ちバージョン』が配信されたことも話題を集めた。

 また、2021年11月12日には懐かしのシリーズ作品3種と特別バージョンの『バーミン』をプレイできる「ゲーム&ウオッチ ゼルダの伝説」が発売されている。
 
 こちらは初代『ゼルダの伝説』と、1987年に発売された続編『リンクの冒険』、あわせてゲームボーイで1993年に発売された『ゼルダの伝説 夢をみる島』を収録。またセットになった『バーミン』はもともと「ゲーム&ウオッチ」の3タイトル目として発売された作品で、本製品ではキャラクターがリンクになった特別バージョンでプレイすることができる。

 ゲームを遊ばない時には初代『ゼルダの伝説』をテーマにしたデジタル時計や、『リンクの冒険』をテーマにしたショートタイマーとしても活用できる。それぞれ時計やタイマーとして運用しているときでも、リンクを自分で操作して動かすこともできるなど、遊び心にあふれた一品だ。

 本作や『リンクの冒険』の以後も、いわゆる“3Dゼルダ”への転換を果たした『ゼルダの伝説 時のオカリナ』、Wiiリモコンによる体感アクションを取り入れた『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』、そして広大なフィールドを自由に冒険できる『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』など、シリーズとして多くの作品が生み出されてきた。

 その最新作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の発売が、いよいよ2023年5月12日に迫りつつある。こちらは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の直系の続編にも相当する。

 まだまだ記事執筆時点では謎に包まれた部分も多い同作だが、商品ページでも「果てなき冒険は、大空へ広がる」と紹介されているように、その世界は大地だけでなく大空にまで広がるようだ。不思議な空島を探索したり、リンクが手にしたという“新たな力”を振るったりと、これまで以上に冒険の幅は広がることが予想される。

 2023年現在も世界的に多くのファンを持ち、新作タイトルも大いに注目を集め続ける『ゼルダの伝説』シリーズ。5月12日に発売を迎える『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をはじめ、シリーズの今後の展開にも注目していきたいところだ。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

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