来たる4月19日に発売される『マインクラフト レジェンズ』って知ってますか?『マインクラフト』を普段プレイしている方でも、名前だけ知ってるかも?なんて人が多いかもしれません。
『マインクラフト ダンジョンズ【※】』をプレイしたことのある方ならご存じかもしれませんが、発売から10年近くが経つ『マインクラフト』にはスピンオフ作品がちらほら存在します。『アース』とか『ストーリーズ』もそのひとつです。
※マインクラフト ダンジョンズ
『マインクラフト』の世界を舞台に出現する数々のダンジョンの攻略に挑むアクションアドベンチャーゲーム
最大4人までのローカル・オンラインによる協力プレイに対応しており、いつもと違った『マインクラフト』を体験できる
ただ残念ながらそれらのスピンオフ作品は日本での知名度が恐ろしく低く、『ダンジョンズ』が大好きな筆者にとって少々心苦しいものがありました。
でも、スピンオフ最新作『マインクラフト レジェンズ』が出るぞ!ということで、一足先にマイクロソフトさんにて体験させていただくことができました。つまりは……
発売前に!メディアの発信力で!推せるぜ!(どんどんぱふぱふ)
……って声を出して言いたいくらいには、このゲーム面白い!
しかもこのゲーム、Xbox Series X|SやPS5、Nintendo Switchはもちろんのこと、Microsoft StoreやSteamなど幅広いプラットフォーム向けに展開されるほか、Xbox Game Passに加入していればタダで遊べちゃう……上になんと、クロスプレイに対応しているという驚きのサポート体制なんです。
そこで、まずこの記事で『マインクラフト レジェンズ』の魅力をたっぷり味わっていただきたいと思います。
取材・文/Squ
結局どういうゲームなん?
普段『マインクラフト』を遊んでいるプレイヤーにはあまり馴染みがないかもしれないスピンオフ作品群ですが、今回発売される『マインクラフト レジェンズ』が一体どんなゲームなのでしょうか。
Minecraft といえば建築をしながら採掘をしたり 戦闘したりして街を発展させたり ラスボスに当たる エンダードラゴンを倒したりといったことがゲームの大まかな 目的になりますが このゲームではちょっと違います。
このゲームは俗に言う戦略シミュレーションやストラテジーゲームと言われるジャンルに近いシステムとなっていて、普段の『マインクラフト』とは大きく異なります。
ただし ゲーム内には『マインクラフト』のエッセンスがいたるところに散りばめられており、普段それらのジャンルの作品を遊ばない筆者でも楽しむことができました。
ゲームのストーリーはネザーからピグリンたちの軍勢がオーバーワールドに押し寄せてきたという一つの大枠の中で進行していきます。
ゲームの中で プレイヤーは資源を集め、その資源をもとに「スポナー」を作成、ゴーレムやクリーパー、ゾンビなどのモブを味方として従えながら、ピグリンたちと戦っていきます。
個人的にとっつきやすいポイントだと感じたのは、プレイヤーがリーダー格の存在としてゲーム中に存在しているところです。見下ろし型の視点で遊ぶよりも、普段慣れ親しんだアクションゲームのような素直な操作性は、直感的な遊びやすさを生み出してくれました。
最大4人でストーリーを楽しめる「キャンペーンモード」
今回の体験会では「キャンペーン」と「PvP」という2つのモードをプレイすることができました。キャンペーンモードでは、プレイヤーがなぜネザーから攻めてきたピグリンたちと戦うことになったのかが描かれます。
ゲーム開始時のチュートリアルでは、資源の集め方や建築のやり方、スポナーの使い方などを手短に教えてくれます。手短と言いつつも、このゲームを遊ぶうえで必要な知識をしっかりカバーしているので、『マインクラフト』と全然違うシステムにもかかわらず、特筆して気になることもなくゲームをスタートすることが可能でした。
ちなみに、体験会会場では「PvPモードも体験していただくために、必ずチュートリアルをプレイしてください!」とのアナウンスがされていたので、読者の方もチュートリアルはきちんと遊ぶことをオススメします。
チュートリアルが終了すると、ピグリンに襲われている村を目指すことに。マップは自動生成とのことですが、最初に木・石を集めて、広大な世界を移動して、村を探していきます。
なんか『マイクラ』っぽい!!
初動の動きがマジで『マインクラフト』やってるときと一緒なんですよ、でも操作感は違うから不思議な感触……!ひょっとして『マインクラフト』って案外ストラテジーと相性がいいのでは……?
『マインクラフト ダンジョンズ』のときも、新鮮なのにどこか親しみやすいゲーム性にのめりこんでいましたが、『マインクラフト レジェンズ』も例にもれずスゴいです。題材のチョイスが神がかっていると思います。
やっとこさ村に到着すると、すでにピグリンの軍勢が押し寄せてきています。でも、味方のゴーレムが先制攻撃をしてくれています。オオカミ以外が共闘してくれるの、なんか嬉しいですね。
ゴーレムに対処してもらってる間に、村人を助けてしまいましょう。1人で黙々とブロックを並べる『マインクラフト』もオツですが、1人のときでも仲間がいてくれるというのは心強いですよね。
仲間といえば……。頑張って建てた家を劇的!ビフォーアフターしてくれる恐怖の存在「匠」こと「クリーパー」さんが仲間になるらしいじゃないですか。
時間の都合上、仲間になるところまではいけませんでしたが担当者の方に「どうなんですか!」と聞きに行ったところ、どうやらお友達になれるらしい……!これは発売が楽しみ!!!
ただし、ちゃんと爆発するらしいので不安感をぬぐえないのは悲しい事実です。
新しい仲間に出会える!『レジェンズ』でしか出会えない新たなモブたち
旅の道中では、新たな仲間に出会うことになるでしょう。いつのまにかプレイヤーの後ろにかわいい動物たちが……。なんか一番後ろに見覚えのないモブが……?
誰だお前は!?
じつは『マインクラフト レジェンズ』の世界では、わたしたちが『マインクラフト』で出会うことのできなかった新たなモブたちに出会うことができます。もうデザインがかわいいのなんの!
リーガルタイガーなんかも、個人的にかわいいと思っているモブの一種です。実際にオリジナルの『マインクラフト』にも逆輸入されないかな~~なんて思ってしまいます。
今回筆者がライドしていたのは、「カブトムシ」です。壁を登れたり、落下ダメージを無効化出来たり何かと強かったので、実際に製品版が発売されてもこの子を愛用していきたいと思います。
プレイヤーが乗ることのできるモブたちは、なにか特別な能力をもっていることがあるようなので、いろいろ試して検証してみるのも面白いかもしれません。
あ、もちろんお馴染みのモブたちも登場します。でももっとキュートになっちゃってるかも…!?
最大4vs4の白熱バトル!対戦モードで己の強さを見せつけろ!
体験会の後半では、最大4人対4人でバトルができる対戦モードにも挑戦しました。他社メディアの方々と徒党を組んで、他媒体を倒しにいくなんとも物騒な絵面に……。
プレイヤー対プレイヤーとはいいつつも、両者を襲うピグリン陣営の存在があるので気を引き締めて挑戦します。
対戦モード中、順番に後述のインタビューに出向くスタイルだったため、時折マイクロソフトの担当さんがお手伝いに来てくれました。
役割分担の提案や、最初の流れを簡単に説明してもらい対戦に挑みます。担当者の方に教えていただいた流れを踏まえて、簡単にまとめた進行手順は以下の通り。
1.全員で初期資源を集める
2.拠点強化班・ピグリン討伐班・資源調達班に分かれる
3.徐々に敵陣に詰めていき、前線基地をつくる
4.本拠地突撃
筆者の初プレイはピグリン討伐班でした。ピグリン討伐班の任務は「ラピス」と「海晶(プリズマリン)」を集めること。それぞれピグリンの討伐や、建造物の破壊で入手することができます。
「ラピス」は味方のスポーン、「海晶」は拠点強化に利用するため、これらの入手が非常に重要になってきます。
拠点の強化を進めることで、木と石の採取しかできなかった自軍も、すべての鉱石を採掘できるようになります。採掘できる鉱石の種類が増えることで、スポーン可能な味方モブの種類が増えることは覚えておくといいでしょう。
……と、600字程度で遊びの流れが書けちゃうくらいには覚えることは多くなく単純明快です。でもアクション性の高さやランダムに生成されるマップが面白さを加速させ、飽きの来ないゲーム体験を可能にしているのだと感じます。
記事後半で読むことのできるインタビューでも触れられていますが、本作「あくまでカジュアル層向け」を目指して制作されているようです。
筆者自身は戦略シミュレーションやストラテジーといった種類のゲームは考えることが多く苦手なのですが、この『マインクラフト レジェンズ』は遊ぶうえでのスタートラインへの立ちやすさが顕著です。
この記事を読んでいただいた方々には、ぜひ『マインクラフト』という慣れ親しんだコンテンツというきっかけを最大限活用して『レジェンズ』の世界に飛び込んでほしいと思います。
そして、すでに戦略シミュレーションやリアルタイムストラテジーが得意な読者の方々も、新規を取り込むきっかけに遊んでみてはいかがでしょうか。
今後のプランや、ゲームのターゲットは?エグゼクティブプロデューサーに直撃インタビュー!
さて、ここまでで『マインクラフト レジェンズ』の楽しさや面白さ、とっつきやすさについてお伝えしてきましたが、なんとな〜くわかっていただけたでしょうか。
体験会終了後に、電ファミの編集者さんとの打ち合わせでは、終始「マジで面白いので発売後も個人的に推したい」といったようなことを言いまくっていました。本当にそれくらい楽しいゲームなんです。
それでは最後に、このゲームへの思いも語ってくれたエグゼクティブプロデューサーのデニス・リース氏のインタビューで締めくくりたいと思います。
―『マインクラフト レジェンズ』はどういったきっかけで制作されましたか?
デニス氏:
大分前の話にはなるのですが、Mojang Studuioの中で「新しいゲームを作っていきたい」という動きが出てきていました。スタジオのなかで、ストラテジーゲームを好きな人がそこそこいたので『マインクラフト』でやったらどうだろう?といった意見があったんです。
でも、Mojangにはストラテジーゲームを作るノウハウがなかったので、パートナーを探す必要がありました。そこでブラックバード・インタラクティブという会社をカナダのバンクーバーで見つけたんです。もちろん、ただの『マインクラフト』じゃないものを作っていこうとはじめていきました。
―『マインクラフト ダンジョンズ』では戦闘にフォーカスしていたように思えますが、『ダンジョンズ』での経験から『マインクラフト レジェンズ』の開発に生かされた点や、改善した点などはありますか?
デニス氏:
『マインクラフト ダンジョンズ』は素晴らしいゲームだと我々も自負しています。そして、そこから学んだこともたくさんあって、それをキチンと生かそうというのは意識しました。
ただ、ローンチ時点での『ダンジョンズ』のマルチプレイヤーは「フレンド(友人)」と遊ぶことしかできませんでした。なのでそこをどうにかしたくて、フレンドがオンラインじゃなくても多人数で遊べる「マッチメイキング」を搭載した対戦モードを用意したんです。
そして、専用のサーバーで4対4で遊べて、もちろんすべてのプラットフォームがまたがった形でのクロスプレイに対応させました。
それから、『ダンジョンズ』は最初ダウンロード版のみの販売でした。でも、『レジェンズ』ではインパクトを重視したかったので、同時期に全てのプラットフォームでダウンロード版とパッケージ版をリリースしていきます。
『ダンジョンズ』は私自身も大好きで、いいゲームだと思っているので、学んだことを生かして継続的に挑戦やコンテンツのリリースを実施していきたいと思っています。
―「キャンペーンモード」と「対戦モード」で、異なった遊び方が楽しめるように感じました。どういった経緯でこのようなゲーム性の振り分けになったのか教えてください。
デニス氏:
対戦モードではプレイヤー同士だけでなく、ピグリンたちも両陣営に攻撃をしてきますよね。対戦モードでは「プレイヤー同士で遊ぶ」体験を強化したかったので、2つのチームがゲームに参加して戦うシステムにしました。
発売後の計画としては、小さい形ではあってもゲーム体験を向上させる要素を追加したいと思っています。たとえば『ロスト・レジェンズ』とよばれるPvEモードのなかでは、大量のピグリンが押し寄せたりするような体験を出来るようにする予定です。更新頻度は未定なのですが、月に1回の更新が行えればいいなと思っています。
だから、対人戦をしたくない場合はピグリンを倒しに行くなんて遊び方もできるのかなと思います。
―対戦モードでは、ほかのプレイヤーとのチームワークがとても楽しく感じました。『ダンジョンズ』のアーケード版では身近な友人とワイワイ遊んだりすることもできましたが、『レジェンズ』でもインターネットを介さないプレイというのは期待できますか?
デニス氏:
アーケード版に関して発表することはなにもないのですが、会社にも置いてあってみんな遊んでいますね。もちろん私もアーケード版は“大好き”です。
画面分割プレイに関しては何も予定がありません。単純に画面が狭くなってしまうことや、技術的な理由もあって実現は難しいと思います。
―対戦モードではチームワークなど競技性の高さを感じましたが、eスポーツ展開や大会などの予定はありますか?
デニス氏:
あくまで友人同士で遊ぶということや、気軽に楽しむこと対して主眼を置いているので、eスポーツに関する予定はまったくありません。
―『マインクラフト レジェンズ』では本作独自のモブも登場しますが、もしオリジナルの『マインクラフト』に好きなモブを連れていけるとしたら、どのモブを連れていきたいですか?
デニス氏:
くちばしの大きな鳥や、リーガルタイガー、カブトムシなど『レジェンズ』のゲーム内で実際に乗ることのできる動物が居たことに気づいたかと思うのですが、そのなかでも紫色のトラ「リーガルタイガー」が大好きなんです。
ぜひオリジナルの『マインクラフト』で乗ってみたいですね。もちろん、それに関する計画は一切ありませんよ!
──ありがとうございました。(了)