ゲームではありえない「縦長」でストーリーを表現する「FGO THE EXPERIENCE ~ナウイ・ミクトラン~」
昨年のFGOフェスでも開催されていた「英霊召喚フォトスタジオ」。なんと今年は霊基再臨の第1~3段階から選ぶことが可能になりました! なので、早速テスカトリポカの第1段階と一緒に撮ってきました。ポカニキ、塩対応です。レッツゴーイスカリ。
そしてテスカトリポカと言えば、そう!
「FGO THE EXPERIENCE ~ナウイ・ミクトラン~」!!
会場内に設置されている縦長の巨大モニターを使って、第2部7章「黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン」の物語を追体験できるアトラクションとなっております。デカい。とにかくモニターがデカい。
と、ここでちょっと真面目な話に移ります。私の印象として、「黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン」は「ゲーム体験の章」だと思っていました。9つの層でわかたれた巨大な地底世界があり、それを移動しながら物語を体験していく。そして最深部から現れたORTと撤退しながら戦い、命がけの総力戦を繰り広げる。
「シナリオ」をかなり重視しているFGOの中では、割と異質な章なのではないかと思っています。もちろんシナリオも面白いのだけど、それ以上に「黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン」という1本のゲームとしての完成度が高い。ミクトランを巡る旅、9つの層を進んでいくワクワク感、世界全体を使ったORTとの総力戦……とにかく「ゲーム全体」を駆使した章だと考えています。
だからこそ、この「FGO THE EXPERIENCE ~ナウイ・ミクトラン~」にはやや懐疑的なところがありました。実際にフィールドを行き来し、倉庫で眠っていたサーヴァントが活躍し始めるあの「ゲーム体験」を抜きにして、第2部7章の魅力を十二分に感じ取ることはできるのだろうか?
その上、モニターも縦長。そしてみなさんご存知の通り、『FGO』の画面は「横向き」なのです。つまり、ある種「横向きで遊ぶために」演出が作られているはずです。横で遊ぶゲームなんだから、当然横で見られるために演出を作っているはず。ところがそれを縦向きに映してしまったら、本来のゲームの演出が損なわれる部分があるのではないだろうか?
ところが、始まってすぐ考えを改めることになった。
「そうか、第2部7章は“縦向き”に向いている」と。私、ちょろすぎないだろうか。
9つの層でわかたれた地底世界ミクトランは、ゲーム内では円筒状に表現されています。この「そもそものフィールドが円筒状」という異質なマップ表現が私はかなり好きなのですが……縦向き巨大モニターの場合、ミクトランをひとつの画面内に収めることができるのです。
要はスマホの画面だと一画面に収まりきらなかった世界のスケール感が、そのまま巨大モニターで表示されているのです! これ……現地で見た人以外には全然伝わらないかもしれない! すいません!!
さらに、第2部7章はこれまでの中でもトップクラスに「スケールの大きい」シナリオでもあります。だからこそ、あの巨大モニターの演出が映える。
たとえば序盤の「キングプロテア・オルタ」と対峙するシーンなんかは、縦長モニターの画面上部にまで彼女が表示されるような演出がされているから、最前列に座ると「リアルにキングプロテアを見上げる」という体験ができるのです!
その上で新録ボイスも大量に流れます。ククルカンからカマソッソまで……かなりフルボイスに近付いた「黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン」を存分に体験できちゃう。「ゲームとしての面白さ」を重視したシナリオでもあるのだから、それ相応の「体験(縦長巨大モニター)」で応える。ここの「第2部7章を演出するための舞台づくり」の部分がかなりクレバーなアトラクションだと思います。
あ、そうそう。第2部7章と言えば……実は私、東京国立博物館で開催されている「特別展 古代メキシコ」に行ってきたんです。え、「もうFGOフェス関係ねえ!」って? いやいや、なんとこの古代メキシコ展、FGOの特別グッズが販売されているのです。だから無関係じゃない! ギリセーフ!!
ゲーム本編ではサーヴァントとして登場している「テノチティトラン」の実際の「都市としてのあり方」や、マヤ・アステカ・テオティワン文明において神がどういった形で信仰されていたのかなどなど……より「古代メキシコ」への理解が深まる特別展となっています。あと、やたらと「壺」が展示されてて面白いです。少なくともトラロックとテスカトリポカの壺は確認できました。
「特別展 古代メキシコ」は東京国立博物館にて9月3日まで開催中!
古代メキシコ推しの方、お見逃しなく!!
アニメ『藤丸立香はわからない』って、どう作られたの?
………これ、なんの記事だっけ?
あぁそうだ、FGOフェスだ。FGOフェスの記事だったわ。古代メキシコレポートとかではなかった。何気にぬるっと全アトラクションを踏破している内に、「Grand STAGE」では「ショートアニメ『Fate/Grand Order 藤丸立香はわからない』グランドフィナーレ」がスタート!
昨年の大晦日よりアニメが開始された『Fate/Grand Order 藤丸立香はわからない』のアニメ版の最終回をみんなで迎えるこちらのステージ……なんと原作者の槌田先生が登壇! Fate系コンテンツで作者が登壇するの何気に激レアじゃない!?
テスカトリポ金沢さん!!!!!
これ、めちゃくちゃ似てるよね。槌田先生ってすげえや。ちなみに私、ちゃんと全ステージを会場で見させていただいたんですが……おそらくあの2日間だとテスカトリポ金沢さんが会場内では最大の爆笑を巻き起こしていました。テスカトリポ金沢さんの実装待ってます。
そして槌田先生が『Fate/Grand Order 藤丸立香はわからない』の連載を始めた経緯などもこのステージでは明かされました。元々FGOが好きで同人活動をしていたという槌田先生。ある時編集さんに呼ばれていったところ、打ち合わせ場所の机に槌田先生が作った同人誌が並べられていたそうです。ちなみに会場ではリアルに「ヒィ~~~~~」という悲鳴が上がっていました。公式って怖い。
他にも「顔のパーツを近づけてキャラのかわいい顔を作っていく」といった槌田先生流のデフォルメ技術も語られました。アニメ版において監督・キャラクターデザイン・脚本・演出・撮影・編集と、もはや『花の詩女 ゴティックメード』の永野護みたいな状態の槌田先生の技術が続々と明かされ、想像以上に面白いステージでした。あとテスカトリポ金沢さん。フィナーレなんて……わからないよ──ッ!!
そして始まってしまった今年のFGOフェス最後のステージ、「『Fate/Grando Order』カルデア放送局 8周年SP」! なんとシークレット(?)ゲストとして中田譲治さんが登壇! まさか私も生中田譲治を見る日が来るなんて思わなかった。
数々のコーナーと共にFateコンテンツの最新情報も発表されました。個人的に私が驚いたのは『Fate/Samurai Remnant』の最新映像です。なんか最後に金色の人が出てる。いやこんなん知らん! まずい、私のプレイレポートがどんどん情報遅れ人間が書いたものみたいになってるじゃないか。プレイレポートもよろしく! プレイレポートもよろしく!!
そして始まるFGO最新情報コーナー。今回のFGOフェスは、およそ数年ぶりの「声出し」が解禁された状態となりました。だからもう……最新情報が発表される度に会場が揺れる! マスターの歓声で会場が揺れる!! 福袋召喚の「女性枠」に道満が含まれていただけで会場にどよめきが起こる!
やっぱり声出し可能って素晴らしいです。イベントの良いところは、何よりも「その場所でしか味わえない一体感」ですから。その夏、その日にしか味わえないたった一度の夏祭りです。うーん、声出し可能って最高。
きのこ──────!!!!!
さらに明かされる水着イベント2023の新規サーヴァントの……「シルエット」! 太ももが、太ももがデカすぎる! 「応援ありがとう!!」って感じですか!? こ、これが「でっかでっかー」ってヤツですか!?
いやこれ……水着アルトリア・キャスターとこのシルエットって……。ちょっとこれ……今年の水着イベって……きの……きの……と思っていたところに新たな水着霊衣が発表!
その名も「爽やかサマー・プリンス」!
もうコイツ書けるのあの人しかいないでしょ。
水着オベロン、もうこの二日間で最大の歓声が巻き起こっておりました。この歓声! この歓声がなきゃリアルイベントじゃないのよ!! 去年の唐突にレディ・アヴァロンが出てきた時の歓声も中々のモンでしたが、今年の水着オベロンはそれ以上でした。
いやぁ、「なんかメッセージフラッグに羽海野先生書いてるな」とか思ってたんですよ! なんか上手いこと伏線回収された気がする!!
そして8周年のサーヴァントは……まさかのトネリコ!
トネリコは泣いちゃうよ;;;;;;;;;;;
なんかトネリコが出てきた涙が相まってあんなにお膳立てされたのに出てこなかった地球大統領のことを忘れかけている。この「周年ピックアップ対象が発表された会場の反応でなんかグッと来てしまう」感覚、FGOフェスでしか味わえないコンテンツです。もはやあの感覚を味わうためにFGOフェスに行っていると言っても過言ではない。
そして今年の水着イベントは「サバフェス 2023」!
メインシナリオ執筆:奈須きのこ!!
キャ──!! きのこ────!!!!
冷静に考えたらサバフェスにオベロン連れてくの凄まじい邪悪行為な気がする。
夏祭りは、帰るまでが夏祭り
そしてFGOフェスは終わり、海浜幕張から自宅への帰路につく。ふと、思い出した。そっか、そうだった。「夏祭り」って、帰り道が楽しいものだと。お祭りが終わって、心地いい虚脱感のままふらふらと家に帰っていく。あれって、楽しいんです。
そして私……FGOフェスの一番好きなところって、「帰り道」なんです。
だってもう……みんなそこら中でスマホを横向きにしてるんですよ。
全然画面も見えないのに、何をやっているのかバレバレすぎる。そりゃもう周年ピックアップが発表されてそのまま解散になったらゲーム開くに決まってるんですけど、それでもみんなそこら中でなぜかスマホを横向きにして何かをしている。
駅のホームでガチャを引いている4人組、駅のホームでガチャを引いている人、電車の中でガチャを引いている人……もう、ここまで含めて「FGOフェス」なのだと思います。あんな周りにFGOやってる人がウヨウヨいる空間、1年に1回しか味わえない。これこそ「お祭りでしか味わえない一体感」なのだと思います。ある意味、終わってからが一番面白い。
たしかに「全アトラクション制覇する!!」なんて言い出したらもう疲れるどころの話じゃないんですけど、それでもあの帰り道の面白さでおつりが帰ってきます。
夏祭りは、帰るまでが夏祭り。良い夏祭りだった。もう花火も海も行かないから、「最大の夏の思い出」が2年連続でFGOフェスに塗り尽くされています。もしかしたらFGOが終わるまでずっとこれなのかもしれない。
でも、また来年もやってください。
来年も、一年で一番疲れに来ます。
来年も、幕張の暑さに文句言いに来ます。
来年も、めっちゃ楽しみに来ます。
この思い出に残る「夏祭り」、できればずっとやってください。
……あ、そういえばみなさん、トネリコ引きましたか?
私は10連で引きました。