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『FF7 エバークライシス』の戦闘システムが秀逸だった。新機能「コマンドシフト」が忙しくておもしろい! シリーズファンならやはり「最新のATB」で遊んでみてほしい

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筆者は、スマートフォン向けRPG『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』(以下、『エバークライシス』)がリリースされて以来、毎日かかさずプレイするほど楽しんでいる。そのうえで『ファイナルファンタジーVII』のファンの人には、「本作のプレイはマストだ」と主張したい

いや『ファイナルファンタジーVII』ファンのみならず、シリーズのファンならば「新しいATB(アクティブ・タイム・バトル)を遊ぶことができる」という観点でも、本作はきっと興味深いはずだ。率直にいって、筆者はこの新しいATBのシステムは非常によくできていると思っており、運営型ゲームとしてプレイし続ける動機にもなっている

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筆者の記事執筆時点での総戦力(この画像のみスマートフォン版)。こうしたプレイデータはSteam版に引き継ぎが可能だ。

さて『ファイナルファンタジーVII』のファンなら、なにより楽しみなのは2024年2月29日に発売を予定している最新作『ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、『リバース』)ではないだろうか。

2020年に発売した前作『ファイナルファンタジーVII リメイク』(以下、『リメイク』)は、多くの謎を残した──その最大の謎が「フィーラー」であり、この存在はさまざまな考察を生み続けている。なかには「リメイクで描かれた世界は、パラレルワールドではないか?」という意見すらネット上には見受けられる。

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『リメイク』の世界は何なのか? フィーラーとは何なのか? このことは三部作全体を通じて今後、明らかになるだろう。

その際に注目すべき点は、『リメイク』と『リバース』の間には、2007年に発売した『クライシス コア ファイナルファンタジーVII』(以下、『クライシス コア』)をリメイクした『クライシス コア ファイナルファンタジーVII リユニオン』(以下、『リユニオン』)、さらに「リメイクのもう一つの可能性──」と銘打たれた『エバークライシス』という、それぞれ違うリメイク作品が発売されていることだ。

『リユニオン』で描かれたことは、『リバース』以後の作品にどのように反映される可能性はあるのか。若きセフィロスの時代を描く『ザ ファーストソルジャー』はどのような立ち位置になるのか? こうした作品たちと『リバース』との関連性がどのようになるのかは興味が尽きない。

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今回、『エバークライシス』のSteam版が12月7日(木)にリリースされたことを受けて、Steam版を先行プレイさせていただく機会を得た。そこで改めて本作の魅力に迫りつつ、Steam版を紹介してみたい。

文/福山幸司


『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』とは

『エバークライシス』は、原作をベースとした「ファイナルファンタジーVII」、さらに「クライシス コア ファイナルファンタジーVII」、若きセフィロスが登場する完全オリジナルストーリー「ファイナルファンタジーVII  ザ ファーストソルジャー」の3篇がそれぞれに章を立てて展開する。

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本作のフィールド探索は原作『ファイナルファンタジーVII』を思わせるデフォルメ・キャラクターを操作するものとなっており、さらに戦闘ではリアルな頭身のキャラクターたちによる高品質なグラフィックで迫力のあるバトルが楽しめる。Steam版では大画面により、さらに美麗なグラフィックが確認できるものとなっている。

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『エバークライシス』内の「ファイナルファンタジーVII」では、原作をベースにストーリーが展開する。なお『リメイク』で登場したフィーラーは出てこないので、新規の人は本作から入って『リメイク』をプレイしても新鮮に楽しめるだろう。

もちろん『クライシス コア』をおさらいすることもできるので、『リバース』への準備としても最適である。

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そしてストーリーとして特筆すべきは、完全新作ストーリーの「ファイナルファンタジーVII ザファーストソルジャー」だろう。これは『クライシス コア』よりもさらに前の時代が描かれ、原作『ファイナルファンタジーVII』の時代から数えると15年前が舞台となる。

「ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー」では、「グレン・ロズブローク」「マット・ウィンザード」「ルティア・リン」という新キャラクターたちを中心に描かれ、さらにそこに少年時代のセフィロスが登場し、それぞれの運命が交差するものとなる。

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グレン、マット、ルティアは初期型ソルジャーを指す「ソルジャー・クラスP0」であり、現段階では神羅カンパニーがどのように勢力を拡大していっているのかがうかがい知ることができる物語となっている。少年時代からカリスマ性を発揮するセフィロスは必見だ

重要なのは、この「ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー」のシナリオは、『ファイナルファンタジーVII』や『クライシス コア』、『リメイク』のシナリオを担当した野島一成氏が担当していることだ。その意味では、しっかりと『ファイナルファンタジーVII』の重要な関連作品として受け取ってよいだろう。

またメインストーリー以外で注目すべきなのは、本作内にある「ストーリークエスト」(キャラクタークエスト)である。記事執筆時点では『ファイナルファンタジーVII』のクラウド、ティファ、エアリスの前日譚が配信されている。
たとえばクラウドの物語ならミッドガルでどのようにティファと再会したのか、エアリスの場合は実母イファルナとのドラマやミッドガルの暮らしが描かれている。ティファの物語だとどのような経緯でアバランチに入ったのかが、描かれている。特に、ティファの物語は、野島一成氏の小説『FINAL FANTASY VII REMAKE Traces of Two Pasts』で描かれた物語が、ゲームとして採用されている形となっている。

今後、「ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー」がどのように展開していくことも含め、「ストーリークエスト」もまたどのように展開していくのかも気になるところだ。

ATB(アクティブ・タイム・バトル)のひとつの進化系

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次に本作の戦闘システムについて紹介したい。

ナンバリングの最新作『ファイナルファンタジー XVI』の戦闘はアクションRPGへと変化していた。それもひとつの発展形だとは思うが、『ファイナルファンタジー』シリーズファンならば、最新のATB(アクティブ・タイム・バトル)もやはり遊んでみたいと感じるのは人情だろう。

そこに本作の存在意義がある。

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まず目を見張るのはグラフィックだ。ここではコンソールゲームのような、微細に描かれたキャラクターたちによる戦闘が展開され、リミットブレイクや召喚獣では凝った演出を楽しむことができる。

基本的にプレイヤーが常時利用すると思われる「オートバトル」では、各アビリティを自動的に放ってくれるが、必ずしも最適とはいえないのでATBゲージを消費して任意のアビリティを放つこともできる。ただしリミットブレイクに関しては、自動的には放たないのでプレイヤーが選択する必要がある

結論からいうと、オートバトルは優秀なのでほとんどの場合は触らずに勝利できるだろうし、もしくは少し強敵ならば各アビリティやリミットブレイクを任意に選ぶことによって、勝ち抜くことができる。

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問題は強敵のときに選択するマニュアルバトルである。本作のATBで特徴的なのが「コマンドシフト」という新機能である。これは防御に特化した「DEFENSEシフト」と、攻撃に特化した「ATTACKシフト」というモードを適宜、どちらかに選択しなければならない。「DEFENSEシフト」だと防御力が上がり、「ATTACKシフト」だと攻撃力があがる。

実はこのコマンドシフトは、オートバトルだと最適な形で自動的に切り替えてくれる。しかしマニュアルバトルの場合は、コマンドシフトを最適なタイミングで切り替えることが求められる。こちらが攻撃するときは「ATTACKシフト」を選びつつ、敵が強力な攻撃を仕掛ける気配を見せたときは「DEFENSEシフト」に切り替えることになるが、これがなかなか忙しい

マニュアルの場合、ATBゲージのたまり具合、キャラクターの切り替え、どのアビリティを使うのか、さらに敵の攻撃のタイミングを見極めなければならない。この場合はバトル速度は「高速」ではなく「通常」でプレイすることがおすすめだ。最初は難しいがこれに慣れてくると、うまく戦術がハマり勝利することができる。これがなかなか緊張感と爽快感を兼ね備えており楽しい。ATBが好きな人は、ぜひ触ってほしい戦闘システムだ。

Steam版はウルトラワイドのディスプレイにも対応

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Steam版で特徴的なのは、操作がマウスやキーボードに対応していることだ。そしてもちろん大画面でプレイすることができることは非常に大きい。さらにSteam版は2560×1080の解像度にも対応しているので、ウルトラワイドディスプレイを持っている人はさらに迫力が増す嬉しい仕様となっている。スマートフォンのバッテリーを気にせずに遊び続けられることも大きなメリットだ。

これまでハロウィンイベントや『ファイナルファンタジーIX』とのコラボなどが配信されており、そのたびにキャラクターの新衣装が配信されている。キャラクターの画面では戦闘シーンに表示される3Dグラフィックを見ることができるので、細部のグラフィックの作り込みを確認することができる。

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UIは非表示にすることも可能だ。

こうした新衣装が手に入るガチャのシステムを最後に紹介しておこう。

本作はキャラクターのレベリングやマテリア、さらにキャラクターストリームと呼ばれる各種パラメーターを上げる成長システムとなっているが、それらはゲーム内で手に入る経験値やアイテムで上げることができる。特にガチャで排出されるのは各キャラクターの武器であり、これがステータスの主な成長要素となる。

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本作の最高レアリティ★5の提供割合は7.5%となっており、他のスマートフォン向けRPGと比べても高めの設定となっている。しかもガチャでどの武器を排出して欲しいのかは、最大5つまで優先づけをすることができる。武器は限定配信ではない(一部武器は除く)ので無課金であっても続けてプレイすることで、確実にパーティは強くなっていくだろう。

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それに加えて本作のガチャには、排出される武器とは別に「スタンプシート」というユニークな概念がある。
これは「新衣装」を獲得できることと直結しており、ガチャを10回引いたときに提供されるスタンプが、合計で12マス目までたまると、新衣装が手に入る仕様となっている。このスタンプの提供割合は、1マス分なら45%、2マス分なら35%、3個なら15.92%……となっており、12マス分(=これだけで新衣装を獲得できる)のスタンプがでる確率は0.01%となっている。

衣装の役割としてステータスの上昇する機能はあるが、あくまでステータスの上昇のメインは武器とみていい。つまり本作は着せ替えにこだわるならガチャを引かなければならないが、あくまでステータスの強化だけでよいのならば、それほど無理にガチャを引かずともよいデザインにはなっている。このようにバトルだけでなく、本作はガチャの仕様においても意欲的なゲームだといえる。

もちろん本作も欠点がないわけではない。特にマルチプレイは状況によって無駄に待たされてしまうことがあるのは、今後のアップデートで改善して欲しいところ。とはいえ筆者は本作をリリース以来、ずっと遊び続けているぐらいには気に入っており、総合的には完成度の高い傑作だと感じている。

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本作の魅力はやはり『ファイナルファンタジーVII』のキャラクターたちを成長させつつ、野島一成氏のシナリオやATBを楽しみつつ、『ファイナルファンタジーVII』の世界観に浸り続けることができることに尽きる。というわけで『ファイナルファンタジーVII』のファン、さらに『ファイナルファンタジーVII』自体に経験がない人の両方ともに、本作はおすすめできるゲームとなっている。今回のSteam版をきっかけにぜひプレイしてみてほしい。

ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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