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2人がかりでめちゃ強パリィをバシバシ決めて気持ちがいい。砂漠アクションRPG『アトラス フォールン』のマルチプレイが気分爽快だった

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ゲームのプレイ中に道に迷う。

これは、2D・3Dを問わずよくあることです。よくあることですが、地味にストレスがかかるのもまた事実。特に、マルチプレイで誰かと遊んでいる時に迷ってしまうとめちゃくちゃ気まずい。

しかし私は『アトラス フォールン』というアクションRPGのマルチプレイ中に相方のプレイヤーとふたりでしばし「迷子状態」を楽しんでしまいました。通常であればストレスがかかるはずなのに、その状況がむしろ心地よい。

……なんで???

その理由は、「地味だけどうれしいシステム」によるものでした。あまりにも地味すぎて自分が感じる楽しさのわけをしばらく特定できずにいたほどです。

そのシステムとは「一方がアイテムを入手したりクエストを進行するともう一方にも獲得物や進行状況が共有される」というもの。
たとえば、どこか遠くでフレンドが「香辛料」を拾うと、自分のポケットにも香辛料が転がり込んできます。

これって地味だけどうれしくないですか?
このシステムを採用しているゲームはあまり多くないと思うんです。

ものすごく地味なこのシステムによって「相手が迷子になっていても自分が得をする可能性がある」ため、まったくストレスがかかりませんでした。

本稿では『アトラス フォールン』における戦闘から上記システムまで、PS5版でのマルチプレイについて紹介させていただきます。ちなみに、弊誌では今回私とともに『アトラス フォールン』のマルチプレイを遊んだライターによる「ソロプレイ&世界観」に焦点を当てた特集記事も公開していますので、こちらもあわせてご一読していただければ幸いです。

文/うきゅう
編集/柳本マリエ

※この記事は『アトラス フォールン』の魅力をもっと知ってもらいたいFocus Entertainmentさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


「パリィは超強い。でも囲まれるとしんどい」を解決してしまうマルチプレイ

まず最初に本作の戦闘面について紹介します。

本作は多彩なアクションを売りのひとつとしていますが、なかでも初期から使えるスキル「サンドスキン」が異常に強く、また使い勝手も良好です。

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全身に砂を纏い、攻撃を無効化する超重要スキル「サンドスキン」。このスキルを使いこなせるかどうかでゲームの楽しさが大きく変わる。

このスキルは敵の攻撃を無効化し、短時間行動不能にする……俗にいう「パリィ」に該当するもの。盾や武器で敵の攻撃を弾くのではなく全身に砂をまとって攻撃を跳ね返すような描写になっており、攻撃中だろうがなんだろうが割といつでも発動することができます。これが、あまりにも便利。

入力してから敵の攻撃を受け止めるまでの猶予もそれほどシビアではないため、行動パターンを把握したうえで一対一の状況に持ち込めれば、敵の攻撃を完封するのもそれほど難しくはないでしょう。

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サンドスキンによる攻撃の無効化に成功すると、敵は白い結晶に覆われしばらく動かなくなる。

一方で、この「一対一の状況に持ち込めれば」というのが一筋縄ではいかない部分でして、本作の雑魚敵は基本的に2体とか3体とか、ちょっとした群れで登場します。また、ボス敵や大型モンスターも定期的に雑魚敵を召喚してきます。

つまり、大体の戦闘は「多対一」になりがち。本作においてプレイヤーキャラクターの攻撃は結構大振りで、モーション中の移動もそれほど大きくありません。そのため、一体を殴ってる間に横や後ろから敵の攻撃が飛んで来た場合、しっかり被弾してしまうわけです。

「超使いやすいパリィ」ことサンドスキンも、使用後はちょっとしたクールタイムが必要で連打はできませんし、ボス敵は一度攻撃を弾いた程度では気絶してくれません。

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ボスなどの大型の敵は一度弾いただけでは結晶が体を覆い尽くせず、動きも止まらない。

しかも、本作に存在する「躍動力」というゲージのおかげで、攻撃を重ねるうちに与ダメージ量と被ダメージ量がどちらも増えていきます。気分よく一体を殴っていたら他の敵に横槍を入れられゴリッと体力を持っていかれるケースも少なくありません。

もちろん、こういった構造のゲームだと把握さえすればヒット&アウェイを意識したり、雑魚敵を減らしてから戦うよう心がけたり、躍動力ゲージの管理に気を配ったりなどプレイヤー側で対処は可能ですし、そうやって戦闘を組み立てていくのも楽しいものでしょう。ですが、「囲まれるとしんどい」という根本的な問題点は残り続けます。

そんな問題点を解決してくれるのが、マルチプレイによる仲間との共闘です!

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仲間がサンドスキンで敵を固めてくれた。絶好の攻撃チャンス!

雑魚敵が多くても、ターゲットがふたりに分散するだけでグッと楽になりますし、場合によってはひとりを狙うために集まった敵の群れに対して、一方的に攻撃することもできます。サンドスキンによる敵の無力化も、ふたり掛かりでおこなえばバシバシ決まって気分爽快。

本作の「多対一だとしんどい」という問題点が、プレイヤーがふたりになるだけであっさりと解決し、ゲーム難度がガクッと下がります。これによって、本来は緊迫しストレス下に晒されるはずの戦闘中も、落ち着いて周りを見る余裕が生まれていくんですね。

もちろん真面目に戦っているし、ヒヤッとさせられることもありますが「ソロプレイならヒヤッとした後そのままやられてしまっていただろうな」ということが肌で分かるぐらい、マルチプレイならやらかしてからでもなんとかなる率が高いです。

そして「なんとかなりそう」という心の余裕は軽口を生みます。この何気ないおしゃべりをしながらゲームをする感覚が、「ギルドチャットでダラダラ雑談しながらゲームを遊んでいた」という在りし日の体験さながらに、私を心地よくしてくれました。

本作をひとりで遊び「戦闘に苦戦した」という方にはぜひマルチプレイを試してみてほしいです。今までの苦労や恨みつらみを、フレンド共々存分に敵へぶつけることができるはず。

プレイヤーの別行動を許容する“地味”なゲームシステムによりストレスがかからない

ここからは冒頭にも書いた「お互いの取得アイテムやクエストの進行状況が同期する」という、本作のマルチプレイにおける地味すぎ&重要すぎるポイントについて紹介します。

具体的には、マップ中に落ちている素材や宝箱をどちらかが入手すると、もう一方にもアイテムが入ってきます。ゲーム内のクエストも(プレイヤーふたりとものストーリー進行度が同程度なら、という条件こそありますが)「片方がクリア条件を達成した場合、もう片方の保有クエストも達成」と見なされます。

これが実際にものすごく便利です。そして、このシステムは便利なだけでは収まりません。このシステムこそが「迷子なのに楽しい」という珍現象を引き起こす要因そのものなんです。

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マップ内に点在する破壊対象「セロスの祭壇」。筆者が破壊すると、離れた場所にいたフレンドにクエスト進行の通知が届いた。

ここからはそのシステムが「なぜ楽しいのか」について紐解いていきたいと思います。

まず、このシステムがない場合。一緒にゲームを進めていたのに、ドロップアイテムの偏りで片方だけが条件を満たしてしまったり、逆にクエスト進行に必須のフラグを誰かが見落としてしまって進行度がズレたりします。

これはオンラインマルチプレイでは「あるある」ではないでしょうか。もちろん大抵は笑ってもう一度やり直して終わるわけですが、些細なことながらもストレス要素となるのは間違いありません。

しかし本作は、プレイヤー側が得られるものをマルチプレイ全体で同期することで、そういった細かいイライラ要素を排除してくれているのです。

しかも、プレイヤーは同一のマップなら距離制限を受けず自由に行動できるため、マルチプレイにもかかわらず別行動をして、それぞれで異なるクエストを進めることすら可能でした。

これは、単純に能率が2倍になることだけを意味しません。黙々と作業的に進めてしまいがちなサブクエストが、お互いを助ける「協力ゲーム」の様相を呈し始めますし、なによりこの「一緒に遊んでるのに別行動」という体験こそが、本作のプレイ感を「アクションゲームのマルチプレイ」から「オンラインゲームのパーティプレイ」へと、大きく変化させているのです。

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どこか遠くでフレンドの拾った「香辛料」が、筆者のポケットにも転がり込んでくる。シンプルにうれしい。

「アクションゲームのマルチプレイ」と「オンラインゲームのパーティプレイ」の違い

最後に、私にとって似て非なるふたつの概念「アクションゲームのマルチプレイ」と「オンラインゲームのパーティプレイ」について書かせてください。これこそが本作を「心地よい」と感じた理由の本質になります。
私にとって「アクションゲームのマルチプレイ」は、もともとオフライン環境に存在していた文化です。ひとつの画面を共有する形で成立するゲーム、というと伝わるでしょうか。

たとえば複数人で同じコースに挑む『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』のマルチ要素や、プレイヤー同士が協力して特定のクエストに取り組む『モンスターハンター』シリーズのゲーム性などは、その典型と言えるでしょう。これが私にとっての「アクションゲームのマルチプレイ」です。

一方で私にとって「オンラインゲームのパーティプレイ」は、その名のとおり”オンライン”を前提としているという点で大きく異なります。

「同じゲームを遊びながら交流する」という点では変わらないですが、画面を共有しないことで互いのゲームプレイに必ずしも関連性があるわけではありません。パーティメンバーのひとりは高レベルのダンジョンにひとりで挑んでいたり、別のひとりは生産要素に明け暮れていたり、また別のひとりはただ街に座ってチャットをしているだけだったり。私にとって「オンラインゲームのパーティプレイ」は一段と緩い繋がりとして記憶されており、“ゲームを共通点として複数の人間が交流する体験”が重視される印象です。

長々と説明してしまいました。まとめるなら、「アクションゲームのマルチプレイ」にはゲームにおける同一の目的意識が存在している一方で、「オンラインゲームのパーティプレイ」においてゲームはあくまでも人が集まるコミュニティの器や枠組みであり、そのなかで何をしているかには縛られない、という印象の違いです。あらためて、『アトラス・フォールン』に話題を戻してみましょう。

本作は、収集アイテムやクエスト進行を同期させることで、広いマップを別々に行動するというプレイを許容します。そしてプレイヤー同士が離れれば離れるほどに、相手がなにをしているのかはボイスチャット越しに聞こえてくる言葉や、時たま流れてくる取得アイテムにクエスト進行の通知といった間接的なものへと変化していくのです。

こうした間接的な情報のやり取りは、オンラインゲームやコミュニケーションゲームへ長く親しんできた私にとって非常になじみ深いものであり、同時にこの手のアクションゲームで体験できるなどとは思わないものでもありました。

もちろん、共通の目的意識を持って行動する本作のマルチプレイは、私の定義したところの「アクションゲームのマルチプレイ」に他なりません。とくに戦闘中はそのものと言っていいでしょう。ひとつの画面のなかで、お互いの位置を目視しながら敵を倒す、王道のマルチプレイです。それが、ひとたびマップ内の探索となった途端に、どんどんと広がる行動範囲へ付随する形で本作を「オンラインゲームのパーティプレイ」へと変化させていく。本作は言うなればひと粒で二度おいしいタイトルなのです。

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次の目的地を探していたはずが、いつの間にか出会ったサブクエをこなしつつマップ端で崖登りに興じてしまった。地図左の青い矢印が筆者、地図右上部の赤い矢印がマルチプレイ中のフレンド。

シングルプレイが前提の作品でありながら、クローズドなマルチプレイもオープンなパーティプレイも楽しめる。こんなゲーム、なかなかないと思います。

以上が、『アトラスフォールン』のマルチプレイを遊んだ私の感想になります。いかがだったでしょうか。本稿が、本作のマルチプレイが持つ魅力を伝える一助となっていれば幸いです。

弊誌ではほかにも、私と一緒にマルチプレイをおこなったライターが「ソロプレイ&世界観」にフォーカスした特集記事を掲載していますので、こちらの方もぜひご一読ください。

砂に覆われた危険な世界で、堕落した神々へと立ち向かうアクションRPG『アトラス フォールン』はPS5、Xbox Series X|S、PC(Steam)へ向けて配信中です。税込価格は8030円となっています。

ライター
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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