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『ドラゴンズドグマ 2』は、良い意味で変わらない安心感と「思い通りにならないからこそ」の刺激が冒険心をくすぐる!元覚者による実機プレイでわかったことまとめ

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剣と魔法の王道ファンタジー世界で、アクションゲームのようにカッコよく戦えて、シングルプレイでもNPCの仲間たちとイイ感じに共闘できる……。

そんな夢のようなゲームである『ドラゴンズドグマ』の最新作がついに出る!

2012年に発売された無印『ドラゴンズドグマ』、その拡張版である『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』(以下、『ダークアリズン』)は、リマスター版が各プラットフォームで発売される度にジワジワと売上を伸ばし、今ではシリーズ累計出荷本数は790万本を記録しているロングヒットタイトルだ。

そんな人気シリーズ最新作の『ドラゴンズドグマ 2』を首を長くして待っていたところ、編集部から「『ドラゴンズドグマ 2』の試遊会、興味ありますか?」との連絡をいただいたので、「あります!!行きます!!!」と即答して某日、カプコン東京支店にて触ってきました!

というわけで『ダークアリズン』から実に10年以上、ハードも2世代変わった今、『ドラゴンズドグマ』がどのように変わったのか?4時間の試遊プレイでわかったことを本稿ではお届けする。

結論から言うと、4時間もあったのに、あっという間に時間が溶けてしまって「時間がまったく足りない……!早く発売してほしい!」という他ないほど濃密な時間だった。

良い意味で変わらない、触った瞬間に「『ドラゴンズドグマ』だ!」と感じる懐かしい感覚と、前作と共通しているものが多いながらも、少しずつ違っている不思議な感覚。

主人公である覚者に付き従うポーンたちの独特の台詞回しだったり、共闘しているときの頼もしさも相変わらずで、発売後にメインポーンをエディットするのが今から待ちきれない心境だ。

文/Leyvan

※本記事に記載された情報は開発中のものです。製品版で変更される場合があります。


歩いているだけでさまざまな出来事に遭遇する、密度のある世界

新ジョブ「魔剣士」の覚者でゲームを始めると、多くの人々が行き交う「関所宿場町」に着いたところだった。

RE ENGINE【※】で描画される『ドラゴンズドグマ 2』の世界は圧倒的に美しく、それでいて前作である『ドラゴンズドグマ』の懐かしい雰囲気、空気感のようなものを感じられることが嬉しくて、つい足を止めて見入ってしまう。

まるで観光客のように宿場町を歩いていると、突然獣人の商人に話しかけられて、“翠雅の宝石”というアイテムを探してほしいと頼まれてクエストが発生した。

※RE ENGINE:2017年の『バイオハザード7 レジデント イービル』でデビューしたカプコン製のゲームエンジン。近年でも『バイオハザード RE:4』『ストリートファイター6』などに導入されている。

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その後、今度は商会の男からも“翠雅の宝石”を見つけてほしいと頼まれる。どうやら、どちらにクエストアイテムを渡すかによってその後の展開が分かれるクエストのようだ。

また、雑貨屋の近くを通ると、ロジェという少年が魔物にさらわれたので助けてほしいというクエストまで発生する。

少し町を歩いているだけで次々とクエストが発生したわけだが、この一連の流れで驚いたのは、いずれも自分から話しかけたわけではなく、相手(NPC)の方からプレイヤーに話しかけてきて、突発的にクエストが発生しているのだ。

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前作では、村や領都にある掲示板、アイコンが出ているNPCなど、ゲーム的でわかりやすい目印があるものにアクセスすることでクエストを受注するのがメインだったが、今作ではNPCとの会話から自然にクエスト受注に繋がるというのが主な流れである。

そのほかにも、フィールドに出て街道を歩いていれば牛車が通りがかったり、あるいはNPCが魔物に襲われていて突発的に救助するクエストが発生したり、突然大型の魔物が現れたりと、さまざまな場面に遭遇する。

また、主のいないポーンが「自分を雇わないか」と、覚者であるプレイヤーに話しかけてくるなど、とにかく心の赴くままに歩いているだけでも何かしらの出来事に遭遇する……というのが『ドラゴンズドグマ 2』の世界で感じた第一印象だ。

良い意味で変わらない操作感。戦闘の手応えと共闘感はそのままに正統進化

続いては、戦闘の感触についてだが、これは良い意味で前作から変わらない、そのままの感覚で戦える!というのが率直な感想だ。

しっかりと地に足をつけて戦う重みのある攻撃モーション、ポーンと連携しながら敵の弱点を探り、攻略の糸口を見つけ出す共闘感。
そして、優勢に立ったときに流れるBGM「死闘の果てに」が戦意を高揚させる『ドラゴンズドグマ』特有の熱い戦闘は今作でも存分に味わえた。

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今回触ることができたのは、新ジョブの「魔剣士」と、前作でもおなじみの「マジックアーチャー」だが、まずは魔剣士のフィーリングからお伝えしていこう。

魔剣士は、「魔双剣」と呼ばれる特徴的な武器を携え、優れた剣技と魔法攻撃の特性を合わせ持つオールラウンダーな覚者専用ジョブ。
フィールドに出たらさっそく現れたゴブリンや山賊たちを相手にノーマルスキル(通常攻撃)を試してみると、軽快にブンブンと両刃の剣を振り回す。あくまでも体感の話だが、ボタンの先行入力が強めに効いている印象だ。

また、魔剣士はR1ボタンで魔弾を撃ち出すことができて、ダメージを与える力はないが、対象を怯ませることで隙を作り出せる。そして、ボタン長押しによって対象を拘束する性質に変化したり、追加入力によって魔弾を当てた対象へ素早く接近するなど、テクニカルな戦い方ができる。

そのほかにも、カスタムスキル「掲ゲル供物」で小型の敵や岩などを魔力で浮かせて敵に向けて飛ばしたりと、まるでフォースを使いこなすジ〇ダイの騎士のような活躍ができるジョブなのだ。

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ワイトやグリフィンなど空中にいる敵に対してもカスタムスキル「飛竜ノ突キ」でガッツリと追尾して突進できるので、魔弾や掲ゲル供物と合わせて近接戦闘ジョブでありながら空中への対応も可能と、戦闘距離を問わない対応力があるジョブだと感じた。

一方で、前作から続投の「マジックアーチャー」に関しては、まず大きな違いとして近接武器のダガーを使用することはできなくなった。しかし、瀕死状態のポーンを蘇生させる「命還魔弓」や、追尾ミサイルのように矢の軌道を操作して大爆発させる「咬炎魔矢」など、強力な新カスタムスキルが追加されている。

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特に、「咬炎魔矢」は遠距離からの狙撃だったり、乱戦時に敵が密集している場所へぶっ放して一網打尽にするなど、かなり使い勝手のいいスキルだったので、製品版でマジックアーチャーに転職するのが一層楽しみになった次第だ。

ちなみに、『ダークアリズン』では黒呪島などで非常にお世話になった「跳弾魔従」の強さは今作でも健在で、地下墓地にひしめくアンデッドの群れをあっという間に殲滅する威力を確認することができた。

夜のフィールドがひたすらに暗く、恐ろしいことを思い知らされる

「夜の暗闇が恐ろしい」という当たり前のことを思い知ったのは、無印の『ドラゴンズドグマ』を初めてプレイして宿営地近辺のフィールドを歩き回ったときのことだった。

『ドラゴンズドグマ』の夜は本当に「暗闇」と表現するのが正しいほどに真っ暗で、ランタンの灯りを頼りに探索するのだが、夜間の魔物は手強いものが多いことも相まって、その心細さ、恐ろしさは未だに忘れられないほどに印象深い。

そして、『ドラゴンズドグマ 2』の夜もひたすらに暗くて恐ろしいということが、今回の試遊でハッキリとわかった。

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ランタンで周囲を照らしてもなお、足元が崖なのか、川や海なのかわかりづらいほどに暗く、こまめに地図を確認しないと現在位置がよくわからなくなるほど視界が悪いので、夜間の探索は入念な準備をしない限り厳しい。

消耗した状態でスケルトンの群れと遭遇しては、数の暴力でタコ殴りにあって全滅を経験したり、暗闇からいきなりオーガがドロップキックをかましてきたりと、次々と困難に遭い、夜のフィールドが危険だということをこれでもかと味わった。

しかし、野営具を持っていれば、フィールドの各所にある焚き火の跡で「キャンプ」をして休息をとることもできるので、夜をやり過ごしたいと思ったときは、キャンプで朝まで休むのが得策ということだろう。

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牛車に乗って快適な旅のはずだったのに!しかし、思い通りにならないからこそ刺激的な体験ができた

先述のようにフィールドは危険がいっぱいだが、牛車を利用すれば目的地まで快適に移動することもできる。
ゴールドを支払って牛車に乗り、「目を閉じる」ことで移動時間をスキップして即座に目的地へ到着する。前作の4倍以上もの広さになった世界を冒険するうえで何度もお世話になることだろう。

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しかし、魔物や賊がウヨウヨいるファンタジー世界での旅に危険は付きもの。場合によっては、移動中に襲撃されて戦闘になることもある。
それも結構な割合で襲撃されるので、何事もなくたどり着ければバンザイ!ぐらいの心持ちで利用するのが良い、というのが試遊で何度か牛車を利用した際の印象である。

特に印象的な体験として一例を紹介したい。

関所宿場町から人間の大都市「ヴェルンスタッド」へ向かう牛車に乗って移動しているところを襲撃されてしまい、全く知らない場所で戦うハメになった。

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敵は退けたものの、戦っている間に気がついたら牛車の車体が破壊されてしまったようで、ポツンと取り残されたかなしげな表情の牛を見ながら立ち往生、「これからどうしよう……」と途方に暮れる。

そのまま仕方なく徒歩でヴェルンスタッドに向かうことにして、見知らぬ土地の夜に怯えながら野営できる場所を求めてさまよい、「ミノタウロス」という見慣れない大型の魔物にも襲われながら命からがらの旅になったが、何とか辿り着いたのだった。

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サクサクとファストトラベルできることが当たり前の昨今のゲームとしては、なかなかこのような体験をするのは稀かもしれない。

しかし、そんなことは序の口で、この先の冒険には想定外の出来事、思い通りにならないことなんてザラにあるのだと思うし、むしろこういった不便さ(と書くと、言葉が悪いかもしれない)だったり、思い通りにならないことこそが『ドラゴンズドグマ 2』の冒険を刺激的にするのではないかと感じた。

何でも想定通り、予定通りに進行するのは、それはそれで快適だが、それでは大きな驚きだったり、困難な状況を切り抜けたときの達成感はない。
そうなると、ただ次の目的地へ移動するだけの無味無臭な時間になりがちで、だからこそ「ファストトラベルでスキップしたい……」と思ってしまう。

『ドラゴンズドグマ 2』は、思い通りにならないことも含めて、移動時間などの過程を楽しんでプレイすることで、とても深く没入できそうなゲームだ。
事実、試遊している間は、思い通りにいかないことの連続でありながらも、気になるものや試してみたいことが次々と見つかって、常にワクワクドキドキしていた。

最後に、前作経験者として気になったことをいくつかリストアップしたので、そちらにも目を通していただきたい。

『ドラゴンズドグマ 2』は2024年3月22日にPS5、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けに発売予定。あと少しで、待ち望んでいた冒険が始まる。

元覚者が『ドラゴンズドグマ 2』を触って気づいた20のこと

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1.新ジョブの「魔剣士」はまるでジ〇ダイの騎士のような戦い方ができる攻撃特化型ジョブ

2.マジックアーチャーの「跳弾魔従」の強さは今作でも健在

3.「斬撃力」、「打撃力」というステータスが追加されて、武器の攻撃属性がわかりやすくなった

4.魔剣士のカスタムスキル「飛竜ノ突キ」は、空中の敵に対しても強力に追尾して突進する

5.大きく体勢を崩した対象に当てると“渾身の追撃”に派生するノーマルスキルあり

6.ゴールド獲得量が増える「千金」という新アビリティを確認

7.戦闘に勝利した後、ポーンと勝利を喜び合うハイタッチができる

8.「ゴンドラ」に乗って移動できる場所がある

9.ゴンドラは手動でクランクを回して動かす必要があり、ポーンに任せることもできる

10.往来のポーンが「自分を雇わないか」と覚者に話しかけてくることがある

11.ちょっとした段差程度ならジャンプボタンを押さなくてもスイスイ乗り越えてくれる

12.今作でもポーンはフリーダムに採取したり、宝箱を開けて中身を入手する

13.竜識者は今作でも登場し、「竜血晶」と呼ばれるアイテムで装備品を大幅に強化してくれる

14.贋作屋も再び登場。アイテムの複製依頼もバッチリ可能

15.「探究心の証」と呼ばれるコレクションアイテムを確認。これを集めているNPCの存在も確認

16.野営具があればフィールドの焚き火跡で「キャンプ」をして休息をとったりスキルの変更ができる

17.キャンプ中に作れる料理のグラフィックが異様に美味しそう

18.理容店で特別なアイテムを使用するとキャラクターエディットをやり直せる

19.ゲーム開始後のキャラクターエディットやり直しでは、種族の変更はできない

20.ポーンたちの雑談で「傾聴に値するお話です」と締めくくる台詞が妙に味わい深い

ライター
ゲーム、模型、ファッション、ドール、オーディオなどさまざまなジャンルの沼を渡り歩くスワンプウォーカー。関心のあるものに後先考えずに全てを捧げる狂戦士。手がけた代表的な記事は 「人はなぜ少女にメカをくっ付けるのか」 「うつ病の自分が『DEATH STRANDING』を遊んで、“実感”を取り戻した話」など。
Twitter:@Leyvan44

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