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『Rise of the Ronin』は超カッコよく幕末を描く一作。銃弾を刀で弾くと刀が燃えたり、ワイヤーアクションで敵にダイブしたり、「あり得るかもしれないロマン」とリアリティを両立させながら「時代劇」を再解釈

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早矢仕洋介氏、安田文彦氏インタビュー

『Rise of the Ronin』先行プレイレポート。「ただの侍ではないが、壁を走ったりはしない」絶妙な脚色_037

──『Rise of the Ronin』の「オープンワールド」と「幕末」というコンセプトは、どのように生まれたものなのでしょうか。

早矢仕洋介氏(以下、早矢仕氏)
歴史を扱う作品としてオープンワールドを採用することで、「その時代を直接体験するようなゲームが作れるのではないか」という考えがありました。

また、オープンワールドの作品には「一本道ではない」という魅力があると思います。「幕末」という時代は、異なる思想や思いを抱えた人が生きた時代であり、そんな時代をオープンワールドで描き切ったら間違いなく面白いだろう、と考えたんです。

ですので、必然的に「幕末オープンワールドゲーム」というコンセプトが生まれました。

──『Rise of the Ronin』は難度設定が可能となっていますが、どのような意図で取り入れたのでしょうか。

早矢仕氏
Team NINJAはこれまで戦闘の魅力を第一に考えてゲームを作っていましたので、高難度の戦闘にチャレンジしていただくことがゲームの柱となる体験でした。

『Rise of the Ronin』でも引き続き、Team NINJAらしい戦闘の手応えをしっかり作っていますが、今回は戦闘以外の魅力にも非常に力を入れています。戦闘以外にも魅力を感じていただける方へも本作をしっかり届けるべく、開発の初期から難易度選択を実装することは決めていました。

安田文彦氏(以下、安田氏)
本作は攻略方法や設定により、歯ごたえのある戦闘を楽しむこともできます。ですので、「死にゲーではない」のですが、状況次第で「死にゲーらしい難度」も味わえるものになっています。

──ゲームの難度に関しても、戦略といった「遊び方」においても、プレイヤーが思うように選択できる選択肢の多さがあるんですね。

安田氏
そうですね。ひとりでステルス攻略することもできたり、「徒党」システムにより因縁を結んだキャラクターやオンラインのプレイヤーと共に最大3人で協力して戦えたりと、さまざまなプレイスタイルで遊んでいただけると思います。

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──難易度選択において、「ハード」はどのような経緯で用意されたのでしょうか。

安田氏
これまでのTeam NINJAの作品は敵の動きをマスターし、RPG的な要素も駆使したうえで強敵を倒し、その達成感を味わうようなものでした。

そういったこれまでの作品を楽しんでいる方には、より歯ごたえのあるゲームプレイを提供したいため、「ハード」を用意させていただきました。また「ハード」でプレイすることでより多く経験値を獲得できるほか、ドロップアイテムが少しだけ変わるようになっています。

プレイヤーの腕前や攻略する技術などと相談して、難度を選択していただきたいと考えています。

──なるほど。ゲーム内でより良い報酬を狙ってチャレンジすることも可能なんですね。

安田氏
ミッション中は報酬の面で難度を上げることはできないのですが、それ以外の場面であれば、自身の力量と相談して難度を変更していただいてもよいかもしれません。

──本作のアクションは、リアル調でありながらもワイヤーアクションや短銃などによりお洒落で、スタイリッシュな印象を感じました。

安田氏
お洒落って言われたのは初めてです。『ペルソナ』シリーズでもあるまいし……。

一同
(笑)。

安田氏
本作の主人公は浪人という設定ですが、出自としては‟隠し刀”という忍者と侍のハイブリッドのような存在になっています。その設定に伴って、これまでTeam NINJAが手掛けてきた剣劇アクションに新しい要素を取り入れたいと思いました。

歴史モノの作品であるため、刀アクション自体は地に足を付けつつ、ちょっと超人的で忍者らしいアクションを取り入れることで「ただの侍ではないが、壁を走ったりはしない」というようなラインを目指しています。

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安田氏
また、幕末という時代設定を活かし、欧米の銃などを取り入れた点もアクションの変化に影響しているように思います。短銃などは戦国時代には実装できない要素だったため、そういった変化が本作のアクションの印象を生んでいると感じます。

とくにお洒落だと思って作ったわけではないのですが、ぜひ「お洒落」は記事にするときに太字にしていただければ(笑)

──本作はTeam NINJAの作品において、もっとも武器種と武器ごとのアクションが多いと思います。どのように制作されたのでしょうか。

安田氏
これまで作ってきたノウハウを活かしました。ちょうど『仁王』で「3種類の構え」を作りたいとお願いしたスタッフが関わっているのですが、本作で「流派を導入したい」と提案したら、凄い顔をしていましたね(笑)。

武器種の選定に関しては、過去作で登場した武器種を引き継ぎつつ、本作では虚構性が強すぎるものは好ましくないため、作中の時代に存在した武器を選びました。

あとは、作中に登場する人物が実際に使用していた流派も参考にしています。坂本龍馬だったら北辰一刀流、新撰組だったら天然理心流というように、登場人物ごとに流派を設定しました。

作中では「因縁」を結ぶことで主人公が新たな流派を獲得できる仕様になっています。ただ「因縁」を結ぶことでストーリーが進むのではなく、アクションにも変化を起こすため、多数の流派や武器が必要になったということです。

そういう方便で、アニメーションチームを説得しました(笑)。

──ゲームを実際にプレイすると、それぞれの流派に使いどころがあるように感じました。

安田氏
時代劇らしく剣豪同士が見合って、構えや流派を見て、戦い方を決定する様子を再現したかったんです。

ですので、流派ごとの相性はあるものの、「この流派/武器じゃないと勝てない」ような状況は絶対にないように調整しました。

──ちなみにですが、流派ごとの相性は「石火」成功時のよろめきの大きさ以外に影響はあるのでしょうか。

安田氏
「石火」が一番わかりやすいのですが、ダメージが高まったり、敵の気力の上限を削りやすくなったりという変化があります。

──本作では街中を歩いている浪人と戦うことができますが、戦うと「手配度」が上がります。この仕様はどのような狙いで実装されたのでしょうか。

安田氏
「手配度」が上がることで一時的にプレイヤーの行動が制限されるため、ペナルティとして実装しています。

これまでのTeam NINJAのゲームは基本的に動くものすべてが敵だったため、本作で初めて生活の営みをするキャラクターを描きました。ただし、「斬られたら走って消えていく」ような仕様にはリアリティがないため、「手配度」を導入しました。。

プレイヤーの皆さんの「暴れてみたい」という欲求に対しての、作品による反応ですね。

──町民を辻斬りすることなどはできないため、主人公のヒロイックな側面が重視されていると感じました。

安田氏
歴史の大きな流れを描いていますのでらず者」のようなプレイを推奨する仕様にはしていません。ただし、オンライン機能で「腕の立つほかのプレイヤー」とすれ違い、腕の立つ者同士が果たし合える「時代劇」らしい体験は用意しています。

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──本作のフレームレートなどについて教えていただけますか?

安田氏
本作には3種類のモードが用意されていて、解像度を優先するグラフィックモード、フレームレートを優先するパフォーマンスモード。レイトレーシングに対応したモードが用意されています。 

パフォーマンスモードにおいては60フレーム、解像度を優先するグラフィックモードは30フレームになります。プレイする際には、ぜひ好みにあわせてモードを選択していただきたいです。

──お話を伺っていて、本作は再現性に徹するわけではないものの、各要素においてはリアリティを重視していると感じました。そういった作風はどのような理由で決定したのでしょうか。

早矢仕氏
コーエーテクモがこれまでに歴史に関するエンターテインメントを制作してきた中で、一定の歴史に対する嘘のつき方、歴史に向き合う際の距離感をお客さんは感じていると思うんです。

本作においても、「コーエーテクモならこうやって幕末を描くだろう」という期待にしっかり答えることを意識しました。

わかりやすく言えば我々は織田信長を美少女化するのではなく、「ペリーはカッコよく登場してほしい!」といった思いを率直に描きたいと考えています。

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──あくまでも「歴史そのものが持つ魅力」に基づいて、デフォルメや脚色を行っているんですね。

安田氏
やはり‟地に足の付いた作品”にしたいという思いは「歴史もの」なので当然あります。

また、「因縁」やキャラクター同士の関係を描くうえで、虚構性やファンタジー要素が強すぎると説得力がなくなり、好ましくない。いっぽうで、どこかで‟外す”ことも絶対に重要だと思うんです。デフォルメ・脚色の条件に関しては「アクション」、そして「時代劇のエンタメ性」の魅力を高めるためなら問題ないという印象です。

理由としては、アクションに関しては面白くないと意味がないからです。たとえば「馬に乗る」動作に何フレームも要していたら、再現性が高いとしてもテンポが悪くて退屈ですよね。

プレイヤーは新しいことをドンドンやりたいものです。ですのでTeam NINJAはリアリティを重視しつつ、ゲームテンポは絶対に早く設計しています

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もうひとつの理由は、本作は再現性がもっとも重視される「時代モノ」ではなく、「時代劇」であるという点です。

そのため、ゲームが面白くなる要素であれば取り入れるべきだし、外連味もデフォルメも必要であると考えました。

──なるほど。実際にプレイして、ゲームとしての面白さと歴史の面白さが噛み合ったバランスに仕上がっていると感じました。

安田氏
僕は黒澤明の『用心棒』が好きで、本作のイメージにもすごく影響を与えていると思います。

同作で仲代達矢が演じるライバルキャラ・新田の卯之助は、舞台設定が幕末なのにマフラーを巻いているんですよ。仲代達矢の首がとにかく長いため、キャラクターのイメージにマッチしたシルエットにするために付けさせられたらしいんです。

時代背景を考えると大ウソなのですが、そのマフラーによって確かにシルエットがメチャクチャかっこ良くなっている。それを見て、「歴史ものとしてストイックに作るならナシだけど、劇ならマフラーもアリなんだ」と気付かされました。

この知見は、本作における脚色の判断に活かされていると思います。

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(画像はAmazon.co.jp: 用心棒 | Prime Videoより)

──『Rise of the Ronin』でも、主人公の初期装備はマフラーになっていますね。

安田氏
気付けば『Ninja Gaiden』も『仁王』もマフラーでした。やはりアクションものではマフラーが動きをフォローしてくれるので、重宝しますね(笑)。

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──本作のフィクション要素としては「アビキル」をはじめとしたフィクション要素も印象的でした。

安田氏
ちょうど制作中に幕末の国友一貫斎という発明家が残した「アビキル」の設計図を見たんです。「これは絶対このゲームのために見つかったんだろう!」と運命を感じて、作品に取り入れました。

そういった「着想」などのポイントでは考証や検証などが多く、それをもとにアイデアを膨らませていくようなプロセスを辿って制作しています。

たとえば、「レーザー銃を出して良いか」と問われれば、あまりに荒唐無稽過ぎて絶対に「NO」ですよね。そういった意味で、発想元もひとつの基準になっていたように感じます。

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──作中では銃弾を「石火」で弾くと剣が燃えますが、なんとなく理由が想像できるために納得できるようになっていますね。

安田氏
いうなれば「嘘物理」ですよね。まさに「時代劇」であったり、いろんな剣劇系の漫画などでは、「あり得るかもしれないロマン」みたいなものを実現する為には、脚色も大いにアリなんじゃないかと考えています。

トレーラーだけを見た方は「いや剣に炎は付かないだろ」、「鍵縄で敵に飛んでいけないだろ」と感じると思うんです。ですが、実際にプレイしたアクションゲームの手触りの良さ、楽しさを感じていただければ、おそらく納得されると思います。

──本作では浪人として史実に介入できる作品になっています。浪人の物語と歴史では、どちらが主体のシナリオとなるのでしょうか。

早矢仕氏
主人公はあくまでも‟一介の浪人”なので、日本の歴史を動かす人物ではなく、「そこに居た人」という立ち位置です。そのため、当時の日本全体の動きや歴史が、主人公の行動によって変化することはありません

本作では誰に力を貸すのかを選択し、ひとつの歴史を自身で選んだ立場から体験できる点が見どころになっていると思います。

安田氏
本作には歴史という大きな幹だけではなく、その先にある枝葉のように、キャラクターたちとの「因縁」が描かれます。作中では討幕派を選択していても佐幕派の人間と「因縁」を深めることもできますし、個々のドラマにおいては決まり切った歴史に従わない展開もあるかもしれません

思い通りに関係性を構築できるため、その点はぜひご自身でプレイし、確かめていただきたいです。

──本作で映像監督とシナリオを務める大友啓史氏は、どのような経緯で開発に参加されたのでしょうか。

早矢仕氏
「幕末」というテーマであれば大友さんにお願いしようと私が提案し、ご快諾をいただきました。開発のかなり早い段階から参加していただいています。

安田氏
開発では演出に留まらず、構成やキャラクターの表現などにも携わっていただいています。作中ではキャラクターと出会った際に「因縁成立」と表示されるのですが、大友さんはそこにめちゃくちゃウケていて、開発に参加していただけることが決まった際には「因縁成立だね」と面白がっていました(笑)。

──ちなみにですが、プレイしていて「因縁」をどのように英訳するのかも気になりました。

安田氏
英語では「bond」になっているようです(笑)。

──なるほど。大友さんは映像作品の監督として知られていますが、領域の異なるゲームの開発へどのように参加されたのでしょうか。

安田氏
おそらく、大友さんは『Rise of the Ronin』が初めてのゲーム開発への参加だと思います。

映画は基本的に「カッチリとした脚本」を用意し、撮影や編集を行っていくのだと思いますが、ゲームの場合は3Dなので何もできていないところからスタートし、毎日のように仕様も変わるんです。

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(画像は『Rise of the Ronin』 |「The Fight」 Behind the Scenes(メイキング映像2) – YouTubeより)

たとえば、とあるキャラクターと出会うシーンのコンテを作成しても、そのステージがボス戦であればステージの形状も変わっていくし、敵のモーションによってもステージは変化します。

もちろん、3Dのモーションキャプチャーやアニマティクスといった工程により徐々に固まっていくのですが、やはりゲーム制作では非常に変更が多いんです。この作り方には非常に驚かれたのではないかと思いますが、そういった違いを楽しみながら演出していただきました

──大友さんが開発に携わることで、どのような魅力が作品に与えられましたか。

安田氏
大友啓史氏はメチャクチャ幕末に詳しいので、我々が学ぶという側面も大きくありました。

また、「歴史を描きつつ、エンタメとして楽しく描きたい」という感性を持っている方ですので、先ほど述べた‟外し”の要素を取り入れる際に背中を押していただいたり、引っ張ってもらう場面もありましたね。

そういった点により、『Rise of the Ronin』にはTeam NINJAだけでは生み出せなかった演出や展開が用意できていると思います。

──ゲーマーからしますと、本作のベンチマークとして『Ghost of Tsushima』が挙げられると思います。同作の存在を踏まえて、国内のデベロッパーとして、コーエーテクモだからこそ成し遂げられたところはどのような点でしょうか?

早矢仕氏
『Ghost of Tsushima』はコーエーテクモの開発にいた身としても、やはり悔しかった部分はもちろんありました。また、そのタイミングではすでに『Rise of the Ronin』の開発がスタートしていたので、『Ghost of Tsushima』とは異なる魅力を表現しなければならないと考えていました。

いっぽう、『Ghost of Tsushima』は、日本ではない場所から日本を眼差すからこそ作れた作品だとも感じたんです。ですので、コーエーテクモがオープンワールドの作品を作れば、おのずと違う魅力を持つ作品になるという確信もありました。

本作は歴史に興味がない人でも楽しめる「歴史を使ったエンタメゲーム」を愚直に追求した作品になっているため、ぜひ実際にプレイして、楽しんでいただければ何よりです。

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安田氏
やはり浪人を描く本作は、剣劇アクションと共に「何よりも自由である」こともテーマのひとつです。

ストーリーにおける選択の自由や、初めてチームとしてオープンワールドに挑戦したことなどにより、「自由である」ことの究極のかたちとして浪人を描いたつもりです。

この要素は他の歴史を扱った作品と似て非なるものだと思いますので、その点を感じ取っていただければうれしいです。(了)

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『Rise of the Ronin』はスタイリッシュなアクション、オープンワールドの形式を駆使し、「時代劇」というクラシックなジャンルの美学を現代風に進化させる野心的な作品になっている。

本作のリアリティと外連味が共存した作風は、歴史にさほど興味がないプレイヤーにも、ゲームプレイを通して「歴史の魅力」をキャッチ―に伝えてくれるだろう。

本稿に掲載した情報は『Rise of the Ronin』の一端でしかないため、収録される多数のコンテンツのうちひとつでも関心があれば、ぜひ実際に‟浪人”として激動の幕末に足を踏み入れてみよう。

『Rise of the Ronin』の対応プラットフォームはPS5、3月22日に発売予定だ。


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編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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