保護したモンスターで力を競う新要素「モンスター・バトルロード」
ゲーム序盤のプレイを切り上げたところで、次に挑戦したのがふたつ目のコンテンツである「モンスター・バトルロード」だ。こちらは今回のHD-2D版『DQⅢ』で追加された新要素である。旧作ではロマリアなどにモンスター同士が戦う「モンスター格闘場」というものがあったが、それが「バトルロード」に置き換わったと思えばいいだろう。
「モンスター格闘場」では“どのモンスターが勝利するか賭ける”といった内容だったが、この「バトルロード」はゲーム中に保護したモンスターでパーティを組んで戦っていくことになる。すべてに勝利すると報酬がゲットでき、次のランクにも挑戦ができるようになるという仕組みだ。
仮に途中で負けてしまった場合であっても、勝ち抜いた回数に応じて賞金がゲットできる。ここでは最低ランクのHとGに挑戦でき、他の場所にあるバトルロード場ではもっと高いランクに挑戦することが可能となっている。
この「バトルロード」では、モンスターたちに戦闘の指示を直接出すことはできない。その代わりとして「さくせん」が変更できるようになっているので、これをこまめに変更しながら戦っていくことになる。それぞれのモンスターに対して、どのタイミングでどのような指示を出すのかといったところも、腕の見せ所となるのだ。
いろいろなところに隠れているモンスターを見つけ、保護することで「バトルロード」に出場させることができる。モンスターによってさまざまなクセがあり、それに合わせた方法で仲間にしていく必要がある。また、新職業のまもの使いがパーティにいることで、その近くに保護できるモンスターがいるか知ることもできるようだ。
ちなみにモンスターたちは、最初のアリアハンから通り抜けたあとから保護できるようになる。そのため、ロマリアに着いたあたりから、町中もふくめてモンスターを見落とさないようにしていこう。
カンダタが牛耳る「シャンパーニの塔」に挑戦!ボイスが戦闘の緊迫感を盛り上げる
「バトルロード」を体験した後で、3つ目に挑戦したコンテンツは「シャンパーニの塔」だ。ここはカンダタがロマリアからきんのかんむりを奪って逃げ込んだ場所で、それを取り返すために訪れる場所だ。ロマリアからも歩いていくことも可能だが、今回の試遊ではルーラで飛べるようになっていたので、そちらで直接「シャンパーニの塔」に向かうことにした。
この「シャンパーニの塔」は、廃墟のように朽ち果てた雰囲気が漂う場所。ところどころ地面が壊れている場所があったり、古めかしいらせん状の階段が設置されていたりするなど、いかにもRPGに出てきそうな見た目になっているところも、冒険心をくすぐる。
塔自体はそれほど広いわけではないため、探索もしやすくゲーム序盤に訪れる場所としてはうってつけだ。複雑な構造でもないため、それほど迷うこともないだろう。それにくわえてときおり人と出会うことで新たな情報を入手することもできる。
「シャンパーニの塔」には、「さまようよろい」や「おばけキノコ」、「ぐんたいガニ」、「ギズモ」などのモンスターたちが登場するが、中でもやっかいなのが毒の攻撃をしてくる「どくイモムシ」だ。毒状態になると、歩くごとにダメージを食らってしまうので、アイテムなどを使って早めに回復しておくようにしたい。
最初のプレイでは、バトルを2戦したあとですぐに別のコンテンツに移ってしまったため、その時点で気がつかなかったのだが、バトル中にはパーティメンバーがさまざまなボイスで戦闘を彩っている。「バギ!」や「イオ!」、「くらえ!」などと叫びながら呪文を唱えるほか、ダメージを受けたときは苦痛の声を上げる。違和感なく新鮮さを感じさせてくれる要素だ。また、攻撃の際に表示される派手なエフェクトも楽しい。
そうこうしながら、なんとかカンダタのいる場所にまでたどり着くことができた。なんとカンダタのセリフもボイス付き。このままバトルに突入するのか……と思ったところ、なんとカンダタが仕掛けていた落とし穴の罠に引っかかってしまう。
そこで、ふたたびカンダタの行方を捜すことになってしまったのだが……。ここでも役に立ったのがマップだ。カンダタの居る場所を黄色い丸で表示してくれるため、ほぼ迷わずたどり着くことができた。
2度目の出会いで、ようやくカンダタとのバトルに突入。まずは手下3匹を倒したあとでカンダタにダメージを集中し、難なく決着を付けることができた。この後の展開でもたくさんの見どころがあったので、ぜひ製品版や東京ゲームショウの会場で注目してほしい。
新職業「まもの使い」も追加。さまざまな「とくぎ」を使う心強い味方
今回の試遊では、ゲーム冒頭からのプレイ以外ではあらかじめ用意されたパーティでプレイ。そのメンバーが勇者、僧侶、魔法使い、そして今作から新たに追加された「まもの使い」だ。
まもの使いといえば、スーパーファミコン版の『ドラゴンクエストVI 幻の大地』などにも登場した職業だ。パーティメンバーとしては、少なくとも今回プレイしたゲーム序盤では戦士並みに活躍してくれる心強い味方となってくれる。なお、本作ではモンスターを倒したあとに、パーティのメンバーとして仲間にすることはできない。
さらに、まもの使いは、戦闘時にさまざまな「とくぎ」を使うことができる。たとえば「とおぼえ」では、狼が現れて敵全体に対して4回攻撃をしてくれる。また、「やいばくだき」では、敵1体を攻撃することに加えて、敵の攻撃力も下げることができる。このほかにも攻撃だけではなく仲間のHPを回復することができる「けづくろい」や「やすらぎの歌」といった「とくぎ」も利用することができ、攻守にわたってバランスの良い職業となっていた。
フィールドの探索にも新要素が追加。おなじみの「ぱふぱふ」イベントもバッチリ登場⁉︎
ここまで3つの特徴的なコンテンツを体験し、残りの時間は自由に探索ができるようになっていた。フリープレイでは、フィールドの移動や戦闘など、今回の『DQⅢ』で導入された新しい要素を楽しむことができた。
今作では、フィールドを移動しているだけでも新たな発見がある。光っているポイントにはアイテムが落ちており、調べることで「やくそう」などのアイテムを入手することができる。入手できるアイテムは必ずしも消耗品だけということはない。装備品の中でもかなりいいものが手に入ることもあり、見つけた時はついつい近寄って調べたくなってしまう。
自分で購入したものも含めて、冒険の途中で入手した装備は、手動で選びながら身に付けていくこともできるが、「自動そうび」のボタンを長押しすることで自動的に設定することも可能だ。「とりあえずいい感じの装備にしてほしい」というときは、このボタンを活用するといいだろう。
最後に、フィールドや町の雰囲気についてもすこし触れておきたい。
まずフィールドだが、微妙に凹凸があり自然の雰囲気を意識したような作りになっている。平原や森なども視覚的にわかりやすくなっているだけではなく、時間がたつとその姿を変え、時間に合わせて見える景色も変わってくるのだ。
町中は基本的にはオリジナルに近い配置になっているのだが、かなり広く感じた。たとえ迷ってしまった場合であっても、マップを開くことですぐ現在地を確認できるのも便利だ。町中は視覚的な要素だけではなくサウンド面もかなり力が入れられており、さまざまな音が聞こえてくる。たとえば噴水の近くでは水の音が流れ、場所によってはときおり鳥のさえずり──といったように、異なる環境音が景色を彩る。
メインのストーリーとは直接関係ないものの、ちょっとした物語が楽しめるところも『ドラゴンクエスト』シリーズならではの要素だ。3つ目のコンテンツである「シャンパーニの塔」を攻略した後はフリープレイが可能だったため、せっかくなのでロマリアの王様に報告をしにいった。
このときに、なにげなく聞かれた「わしにかわってこの国をおさめてみる気はないか?」という問いかけに、つい「はい」と答えてしまったところ、なんと王様になってしまった。
こんなイベントがあったこと自体忘れていたのだが、その後なんとか王座を元の王に戻して、冒険の続きに出かけられるようになった。一件落着。
また、特に目的もなくふらふらと自由気ままにフィールドを移動しているときに発見したのはアッサラームという町だ。たどり着いたのが夜だったということもあるが、どことなく妖艶な雰囲気が漂っているスポットである。建物の入り口に立っている女性になにげなく話しかけてみると、なんとそこはおなじみ「ぱふぱふ」が体験できる場所であることがわかった。
ここは開発陣もかなり力を入れて作っているのか、その演出もなかなか凝ったものとなっていたのだが……残念ながらこの先はご紹介できないため、どんな展開が待っているのかぜひご自身の目で確かめてみてほしい!
ということで、今回試遊してきた内容をざっくりとご紹介してきた。『DQⅢ』はもともと好きな作品ではあったものの、今回のHD-2D版を実際に触ってみると想像以上に遊びやすいように感じた。学生時代のように、寝る間を惜しんで遊び続けたくなった。
過去に同作を遊んだことがある人はもちろんのこと、これが初めての『DQⅢ』という人でももちろん楽しめるので、久々に伝統的な日本のRPGが遊びたいと思っているならば、ぜひとも本作に挑戦してほしい。