「鳥になってこい」
最初にその台詞を聞いたのは、約20年以上も前になる。
当時、プレイステーション2向けにひとつのゲームが発売された。
そのタイトルは『メタルギアソリッド3 スネークイーター』。
プレイヤーは機密裏に実行される作戦に挑むエージェントである「スネーク」を操作して、過酷な潜入ミッションに挑む。極力、敵に見つからずに進むことで無意味な戦闘を避けることのできるステルスアクションゲームとなっている。
本作では『メタルギア』シリーズとしては原点的なストーリーとして、師弟の関係性を色濃く描いているほか、映画的な演出やフィールドに生息する生物の多彩さ、過酷な状況下におけるスネークのサバイバルスキルが見られる。
この度、9月26日(木)より幕張メッセにて開催されているイベント「東京ゲームショウ2024」にて、グラフィックが刷新されたリメイク版である『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』初の試遊出展に参加できたので、Xbox向けの試遊版を体験した内容を紹介したい。
取材・文/TsushimaHiro
編集/実存
匂いすら伝わってきそうなほどグラフィックが綺麗
最初に案内されたのはオープニングムービーで主人公スネークが搭乗している飛行機内をモチーフにした会場だ。中には座席とモニターが設置されており、本作の冒頭で出撃するスネークの様子が見られる。
いやぁ~……それにしてもグラフィックが良い。スネークが吸っている葉巻の香りすら漂ってきそうな勢いで綺麗。
スネークは兵器開発の第一人者であるソコロフを亡命させるため、単身で危険な任務に挑む。出撃する際は超高度の上空からのダイブ。20年前にも観たはずなのに、グラフィックがより繊細になったことで臨場感が増し、本物のスパイアクション映画みたいで感動する。
特筆すべきは、泥の表現だろうか。
本作は沼地などに入ると、浸かった部分が泥に濡れ汚れるといったリアルな演出が見られるのだが、リメイク版ではその汚れ方がさらに細かくなり、汚いのに綺麗という謎の感情を呼び起こさせた。
オリジナル版と異なる点はグラフィックだけではなかった
さて、オープニングムービーを観終わると、実際にスネークを操作できるフェーズに移行する。
実際にプレイしてみると、オリジナル版と異なる点は美麗に刷新されたグラフィックだけにとどまらないということがわかった。
まず、最初に主人公のスネークが装備している麻酔銃の弾道がすぐに落ちるようになっており、原作よりも長距離射撃が難しい仕様となり、姿勢を安定させていない状態では弾道もかなりブレるようになった。
また、木の上などを歩く場合の速度も遅めになり、バランスを保ちながら移動している臨場感が画面越しに伝わってくる演出となった。全体的に、スネークの動きが原作と比較すると僅かだがゆっくりめに調整されていると感じる。
「味は?」でおなじみの無線コントは健在。隠し武器ややり込み要素も
そして、もちろん筆者も含めての話ですが、原作のファンの皆さま、「待たせたな……」
無線コント、健在です。
「何それ?」という方のために補足させていただきますと、本作の主人公であるスネークは特殊な訓練を受けている人なので“生”で蛇とか鳥とか蛙を喰らうことのできる人物です。
※決して真似しないでください。
スネークが任務中に捕獲した生物は、大抵食べられます。そこで彼が気になることと言えば、もちろん「味」です。
本作はバックアップしてくれているメンバーと無線で通信することができるのですが、中でもパラメディックという女性はありとあらゆる生物に詳しく、捕獲した生物の生態や特徴、毒の有無や危険性などを教えてくれます。
スネークは博識なパラメディックに対し「で、味は?」とお約束の文言を問いかけるので、半ばネットミームと化すほどユーザーから親しまれたシーンとなりました。
そのほかにも、『メタルギアソリッド3』にはそれぞれのエリアに隠された「ケロタン」を見つけるやり込み要素が存在しましたが、リメイク版では「ガーコ」も追加。ガーコは巧みにカモフラージュ迷彩を身に着けており、見つけるためには黄色いお顔を発見しなくてはなりません。
そのほかにも、原作で序盤のエリアから隠されている狙撃中や機銃などがリメイク版でも発見できました。
この度、試遊版をプレイしてみて、筆者のように20年前にハマっていても「もう一度、メタルギアソリッド3を遊んでみたい」という方には勿論、これから『メタルギアソリッド』シリーズを遊んでみたい方本作から入る方、両方におすすめできる作品だと感じられました。
冒頭で説明したように、本作は『メタルギアソリッド』の原典的なストーリーが描かれる作品なので、シリーズの導入としてもピッタリです。
『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』はPS5、Xbox Series X/S、PC(Steam)に向けて開発中。「東京ゲームショウ2024」ではプレイアブルコーナーにて世界最速の試遊版が出展されているので、本作が気になった方はぜひ会場へ足を運んでみてほしいです。