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『ロマサガ2』の醍醐味、“皇帝継承”システムはリメイク版でさらに進化していた。『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』で味わえるのは、「自分の行動がすべて数千年後の勝利に繋がる」ロマン溢れるRPG

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何百年何千年も世代を跨ぎながら想いを受け継ぎ、最終的にひとつの目標に向かって突き進んでいく……。これってめちゃめちゃアツい展開ではないだろうか。

『ロマンシング サ・ガ2』(以下、『ロマサガ2』)も、そんなめちゃアツな物語が描かれる作品のひとつだ。遊んだことのある方ならば、長きにわたる皇帝と七英雄との戦いを思い出す方もいるだろう

そんな『ロマサガ2』のリメイク版『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』(以下『ロマサガ2 ROTS』)が2024年10月24日に発売する。リメイク版の発表を聞いたときは本当に驚いた。あの名作が現代に蘇るのか!? しかもフル3D!? さらにボイス付きで!?

【ロマサガ2 リメイク】『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』レビュー・感想:“皇帝継承”システムはリメイク版で更に進化_001

そんな新要素てんこ盛りな本作を実際にプレイしてみると、もともと2Dだった作品を丁寧に3Dに落とし込んでいる最高のリメイク作品だとわかった。2024年にプレイしてもやっぱり“継承”システムは面白いし、「閃き」システムも色褪せない魅力があると実感する。正直、タイトル画面のBGMを聞いただけで鳥肌がすごかった。

ちなみに本作のイベントシーンはフルボイスなので、あの名シーンの名セリフもボイス付きで堪能できて、思わずニヤリとしてしまった。

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本記事ではオリジナル版『ロマサガ2』の良いところをしっかりと“継承”しつつ、リメイク版として進化した本作の魅力を紹介する。オリジナル版を遊んだことがある方も、本作から遊んでみようと思っている方もどなたでも楽しめる作品となっていたので、その感想をお届けしよう。

クジンシーみたいに現代に復活した『ロマサガ2 ROTS』……やるぞ!!

※本記事内ではストーリー内容について触れています。核心的なネタバレではないですが、『ロマンシング サ・ガ2』未プレイの方はご注意ください。

文/fab
編集/竹中プレジデント


今までの経験がすべて受け継がれる!? 皇帝継承システムが最高すぎる

オリジナル版『ロマサガ2』は1993年にスーパーファミコン向けに発売されたRPG。後にリマスター版が様々なプラットフォームで発売されているので、遊んだことない方も“ロマサガ”という単語を聞き覚えのある方も多いのではないだろうか。

作中では「伝承法」という自分の能力を受け継がせる秘術を伝授された皇帝と、どういうわけか現代に蘇り、世界各地で暴れている「七英雄」との永い時をかけた苛烈を極める戦いが繰り広げられていく。この設定が既に面白すぎる。

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ゲーム内では「フリーシナリオ」というシステムが採用されている。最終的に七英雄を倒すという目標はあるが、その道中は自分の好きな順番で攻略することができるというもの。

なので最速で七英雄を討伐しに行くこともできるし、拠点であるバレンヌ帝国の領地を広げ、協力者を増やして盤石の態勢で挑むこともできる。自由度溢れるゲーム設計となっている。

さらに、作中で発生する数々のイベントでは選択肢が設けられており、選んだ選択によって物語の展開が変化するなどの要素も存在しているので、自分だけのオリジナルの歴史を作ることができる。

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また、基本的に一世代では七英雄全員を倒すことはできないのでゲーム中では度々「年代ジャンプ」と呼ばれる時間経過が発生する。これはその名の通り年代が進むのだが、十数年から百年単位で時間が経過する『ロマサガ2』特有のシステムとなっている。

年代が進むと当然、皇帝も次の代へと変わる。これが本作最大の特徴と言っても過言ではないシステムで、非常に面白いポイントだ。自分が操作する皇帝がどんどん変化していくのである。

上述のとおり、皇帝は「伝承法」という秘術を授かっているので歴代皇帝の力と記憶を継承することができる。これが本当に最高で、年代が進むにつれて歴代皇帝の積み上げてきたものがどんどん大きくなっていき、目に見えて成果がわかるようになっていく。

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次々と皇帝が継承されていく様を見て、筆者も本当に帝国の歴史を目の当たりにしているように錯覚していた。ほかのRPGでは滅多に見ることができない体験を、本作では味わうことができる

皇帝を継承すると、その代の皇帝の物語が展開されていく。前代から大幅な年数が経過しているので帝国および周りの地域にも変化が現れているだろう。新しい皇帝のもと、また自分の好きなように歴史を紡いでいく。本作は、自分の行動すべてが数千年後の勝利に繋がっている非常に美しい作品と言えるだろう。

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戦闘中に新しい技を覚える「閃き」で戦局を変えろ!

本作はターン制RPGということで、当然ながら敵との戦闘が存在する。リメイク版でもオリジナル版と変わらずシンボルエンカウントを採用しており、フィールドやダンジョン内で接敵すると戦闘が開始される。

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『ロマサガ2 ROTS』の戦闘で注目したいのが、やはり「閃き」システムだろう。

従来のRPGならば戦闘が終わって経験値を獲得し、レベルが上がってから新しい技を獲得するという流れがセオリーなのだが、本作ではなんと「戦闘中に技を覚える」のである。

これは戦闘中に攻撃を行うと確率で新たな技を閃き、以後その技を永久的に使えるようになるというもの。さらに閃いた技から更に派生した新技を閃くこともあるので、RPGでマンネリ化しがちな通常の戦闘でも非常に楽しいものになっている。

しかもリメイク版ではこの閃きシステムの派生表を見ることができるようになったほか、バトル中に閃く可能性のある技に電球アイコンが付くようになった。これでもう閃くかどうかわからないのに無限に素振りをしたり技を発動したりする必要もなくなった。これが令和時代の『ロマサガ2』か……

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筆者がこのシステムに初めて触れた時は、雷に打たれたかのような強い衝撃を受けたのを今でも覚えている。それほどまでにこのシステムに驚かされたのだ。どんな技があるのか確かめたくて、数えきれないほど戦闘を重ねていた記憶が蘇ってくる。(戦闘回数で敵が強くなることも知らずに……)

なおこのシステムは、詳細な仕様は割愛するが、敵が強ければ強いほど高威力の技を閃くことができるようになっている。なので強敵に挑んで劣勢に立たされた時などに一発逆転の技を閃く可能性がより高まるという激アツな展開があるかもしれない。

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あのアルビオン先生も美麗になって登場

さらにこの閃きシステムには、敵の攻撃を「見切る」という防御型のパターンも存在する。これは敵が技を使ってきた場合に確率で発動することができ、技を見切ることに成功すると、対象の技を100%回避することができる。

作中ではボスが使ってくる技なども見切ることができるので、技の閃きとあわせて手に汗握る緊張感あふれる戦闘を楽しもう

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オリジナル版と同じくくるっと回転して回避する

なお閃いた技はそのキャラのみならず、年代ジャンプを挟んで世代が変更されると誰でも使えるようになる。

そのため、本作の戦闘ひとつひとつが意味のあるものとなり、ただの通常敵でも数千年後に活躍する技や見切りを閃く可能性があるというこのシステムは、非常に夢のある話ではないだろうか。

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キャラの配置で能力が変わる「陣形」システムで更に戦闘を奥深く

そして上述の戦闘を更に奥深く彩るシステムが「陣形」システムだ。

陣形はその名の通りキャラクターの配置に関するシステムとなっている。設定した陣形にキャラクターを配置することによって、様々な恩恵を受けることができるというもの。単純に横一列で戦うだけではなく、事前に設定したフォーメーションに則って戦うカッコいいシステムだ。

たとえば『ロマサガ2』おなじみ陣形である「インペリアルクロス」。こちらは十字のような陣形で、先頭にいるキャラクターは狙われやすく、後ろにいるキャラは狙われにくいといった特徴がある。

この特徴を活かして、前列には耐久力の高いタンクキャラを配置。後列には育ってないキャラや遠距離攻撃を中心としたキャラを配置するといった作戦を立てることができる。

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このように陣形にはステータス上昇や固有の能力などが設定されているので、パーティーの特徴に応じた陣形を設定して戦闘を有利に進めていける。

さらに、陣形は皇帝が変わることで新たに獲得することができるほか、継承により次代へと受け継がれる。作中にはキャラクターのクラスに応じた様々な陣形が存在しているので、ゲームが進むごとに取れる戦略の幅が広くなっていくという楽しみが増えていく

閃きシステムと、陣形システムというふたつの特徴的なシステムが、『ロマサガ2』が『ロマサガ2』たるゆえん。ほかのRPGと一線を画す要素だろう。2024年にプレイしてもシステムが変わらず面白いと感じられるのは、オリジナル版の良いところを丁寧にリメイクしている結果だと言える。

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オリジナル版とリメイク版で進化・変化したところ

ここからは、どちらかというと『ロマサガ2』を遊んだことがある人向けに、オリジナル版と今回のリメイク版での変化したところ、進化したところを筆者独自の視点で紹介していきたい。しかしながら、筆者はお恥ずかしながらオリジナル版を未プレイ。リマスター版との比較になってしまうのはご承知いただきたい。

まずはマップ。本作は3Dということで立体的となったアバロンをはじめとしたマップの探索が楽しい。アバロン内を自由に散策できるだけでオリジナル版をプレイしたことがある方には“刺さる”だろう。

ほかにも封印の地といったダンジョンやナゼール海峡といったフィールドも壮大になっている。2Dだと全貌が見えてこなかった数々の街やフィールドを3Dで自由に歩き回れるようになっただけでもかなり嬉しかった。

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そして3D繋がりでキャラのグラフィックの進化にも目を引かれる。筆者はオリジナル版のドット表現も味があって好きなのだが、今作はみんなイケメン&美女すぎる。メニュー画面を開いたときの満足感がすごい。

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3Dになったことでキャラがどういう服装をしているのかが視覚的にわかりやすくなり、長年の疑問も解消された。ジェラールも3Dになったことでより高貴さが際立って見えるようになった。今までパジャマみたいな服装だと思っていてすみませんでした。

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グラフィック面の進化はキャラクターだけではない

本作はフィールドに徘徊する敵やボスの再現度も高いのだ。静止画だった2Dからヌルヌル動く3Dになったことにより、一層モンスターの姿がよくわかるようになり、ゲームにより没入感を与えてくれる。

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さらに、七英雄も激変している

七英雄とは各地で度々戦闘することになるが、戦闘に入るシーンもオリジナル版のポーズを踏襲している点にも注目だ。本作はこういう細かい点もしっかりと再現されているので、オリジナル版へのリスペクトを大いに感じることができて感動を覚えた。そして、もれなく七英雄の人間状態も美男美女だった。

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なお今回の記事にあわせて七英雄のひとり、ロックブーケなどと戦闘しているプレイ動画も公開されている。バトルに入る前のポーズをオリジナル版と比較しながら楽しんでいただければと思う。

そして、作中ではなんと七英雄の過去の話を見ることができる

七英雄誕生秘話や、なぜこの世界に来たのかなど、多くの物語がここでは語られているので七英雄ファンの方はぜひすべての記憶を集めていただきたい。

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ほかにも戦闘システムに関連する箇所で言えば、タイムラインバトルに変更になったことや、戦闘中に明確に弱点が設定されたこと、アビリティ、連携が追加されたことだろう。

オリジナル版では全員の行動を決めてから行動していたが、本作では次に誰が行動するのか一目でわかるように変更されている。この変更により、敵が残り一体なのに全体技を発動しなくて済むし、次の行動キャラを見てコマンド選択の判断をすることができるいい調整だと思う。

弱点表示はいわゆる『オクトパストラベラー』みたいなもので、はじめは伏せられてあるが、攻撃することで露わになるというもの。弱点を突くと通常よりも多くのダメージを与えることができる。

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さらに連携。こちらは『サガフロンティア』などでおなじみの技同士を繋げて一斉に攻撃する特殊技のようなもの。敵の弱点を突くことで連携ゲージが溜まっていき、マックスになると発動することが可能だ。

『ロマサガ2 ROTS』で連携が使えると聞いたときは驚いたが、いざ実際に使ってみると爽快感が溢れててめっちゃイイ感じに落とし込まれていた。複数人で攻撃する姿を見るのはやっぱりかっこいい。

ちなみに連携技発動時のあの独特な長い技名もしっかりと再現されているので、ぜひプレイしてオリジナルのイカした技を編み出してみよう。

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加えてパーティーも酒場で自由に変更することができるようになっているので、オリジナル版のようにいちいち話しかけて仲間にする必要もない。

しかも自由に入れ替えも可能なので、LPを0にして強制的に外すといった手順を踏む必要もない嬉しい仕様に変更されている。

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ここまで『ロマサガ2 ROTS』の戦闘やシステムを中心に紹介してきたが、これでもまだ作品のほんの一部の要素でしかないということを忘れないでいただきたい。それほどまでに本作はオリジナル版への愛を忘れずに丁寧にリメイクされた作品なのだ。

オリジナル版をプレイしたことがある方はあの頃の記憶そのままに、新要素マシマシでスッと遊ぶことができるし、まだプレイしたことが無い方も30年以上前の作品のリメイクと油断しているとその完成度の高さに驚くこと間違いないだろう。ストーリーや基本的なシステムには手を加えていないのにこれだけ面白いのだから、本作が「名作」と称されているのも頷ける。

ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』は、10月24日(木)にNintendo Switch、PS4/PS5、Steamにて発売中だ。価格は6820円。本作に興味のある方はぜひプレイして、先帝の無念を晴らす戦いに身を投じてみてはいかがだろうか

ライター
気になったゲームは古今問わず遊ばずにはいられない性格。シリーズ物も大好き。 中学生の時に東方Projectに触れてからゲーム音楽へ目覚め、アトリエシリーズと出会い覚醒。普段聴く音楽が9割ゲーム関連となってしまった。 幅広いジャンルのゲームを遊びながら、まだ見ぬゲーム音楽との出会いを求めて日夜探求し続けている。
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美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
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