つまづいたところ②:演技するキャラクターも「イベント」で処理
次につまづいたのは「主人公のほかにNPCを出して歩かせたり会話させたりしたい」という処理。どうやったらプレイヤーが操作するキャラクター以外のNPCを表示させられるのか全然わからなかった。
会話させるだけなら簡単なんですよ。[メッセージ]で文字入力するだけだから。
でも会話をさせるにあたって、例えば画面の外からそのNPCを歩かせる……とかさせたいじゃん? どうすればそういうことができるんだろう? と最初は「スタートイベント」の「イベント内容」とかを延々いじくり回してました。うーん、プレイヤーのビジュアルを変えたりはできるんだけどな。どうすればいいんだ……?
じつは内部的には「NPCもイベントの一種である」という形になっていたんです。つまりこれまでいじっていた「スタートイベント」とは別に「そのへんに立っているNPC」としてのイベントを別に作る必要があったわけ。
このスタートイベントではプレイヤーキャラ以外に「敵の重騎士」「主人公の使い魔」「重騎士の成れの果てのゾンビ」を登場させて演技させたかったので、「スタートイベント」とは別に3つの「NPC」イベントを作りました。
あとはこれを「スタートイベント」内で動かしたり、透明にしたりするだけ。
つまづいたところ③:自動でキャラを動かしたいときは「場所移動」でなく「ルート設定」で処理
そんなわけでNPCを配置できたので次はこいつらを歩かせながら会話させたい。だってRPGのイベント会話シーンってそうじゃん。ちょっと歩いたりとかしてさ、そういう演技が入るじゃん。そういうのってどうすればいいのかなと思って……。
イベント内容のメニューを見ると[場所移動]という項目があった。これかな? としばらくいじってみたけどどうもうまく行かない。そもそもどのNPCを動かすのかみたいな項目がない。これじゃないのか……?
どうやらこの[場所移動]はキャラクターを動かすためのものではなく、「マップ間の移動」に使うものだったらしい。
例えば廊下の端っこのタイルにこの[場所移動]イベントを作って、移動先を別の街とかのマップにしてあげれば「家を出て街にやってきた」的な移動ができるというわけ。
マップの下端に[場所移動]のイベントを作って、
ここで移動先を別のマップにすることで
上記タイルに侵入すると指定した[スラム]のマップに移動できる、といった塩梅。
じゃあ「NPCやプレイヤーをイベント中に移動させるにはどうしたらええねん」って話なんだけど、これは[移動ルートの設定]からできました。
これでいい感じにNPCやプレイヤーを自動で動かすことができます。「途中で足踏みする」とか「動かすのに1秒待つ」とかも設定できるよ。ただし「4歩上に歩く」を指定した状態で「3歩歩いた先に移動不能の壁がある」みたいなことになるとゲームが止まって進まなくなってしまうので注意。
困ったときはカンニングをしよう!
てなわけで主につまづいたのは上の3つかな。逆に言うとこの3つ以外はこれらの応用で「結構いろいろできるんじゃん!」ってなった。用がなくなったスイッチを用いて消すとかね。
あと「わからんなこれ」ってなったとき、Web上で調べる以上に使えたのがサンプルゲームのカンニングだね。
ほかプレイヤーが作ったゲームをダウンロードすることができる[みんなの作品]ではそうした作品のほか、メーカー側で用意したサンプルゲームがいくつかある。
こうした作品は単にゲームとして遊ぶほか、[つくる]から自作のゲームと同様にイベントエディタやマップエディタで中身を見たり編集したりすることが可能になっている。
こうしたものを見て実際のゲームと比べてみたりすると学びがあり、「ああそうやってやってたのね!!!」と気づけたりするのでとてもいいです。
また[みんなの作品]ではマップや敵のデータ、コモンイベントという汎用的に使えるイベントといった各種「アセット」もダウンロードできる。
「とにかく動かしたいキャラやお話があるんだけどいちいちデータを設定するのがめんどくせえ!」って人はどんどんダウンロードして使うとすごく時短になるので活用しましょう。
私が今回のゲームで使ったマップも、サンプルマップをちょっぴりいじっただけです。
ゲームを作ると感謝とリスペクトが湧く
そんなわけで曲がりなりにもゲームらしきものを作ることができた今回の記事。ひとまず形になって訪れたのは単純に「やり遂げた!」という達成感や「ゲームを作るのっておもしろいぜ!」という創造の喜びというよりは……感謝と敬意だった。
いや、ゲーム作るのね、大変すぎ!!!
日々いろいろゲームやってるし、なんなら周りにひとりっきり〜10人足らずでゲームをリリースしているインディーズの人とかも結構いるけども、改めて「こんな……こんな大変なことをやってるのか!?」と畏敬の念が湧いたよ。ゲーム作ってる人たち、すげえっす。
でもこれってなんでもそうなんだよな。料理だって自炊すると「こんな大変なことを何倍もの量でいろいろ毎日やってんの!?」ってなるし、マンガ描いたら「これを1週間で終わらせて毎週やってる人がいる!?」ということにビビりまくる。
好きなことを自分でやってみると、それを仕事でやっている人たちのすさまじさの理解度がグンッと上がってウワーッてなるんだよね。この世界の解像度が上がるというか……。
だから『RPG MAKER WITH』は「RPGを作ってみたい!」という人だけじゃなくてゲームを作ったことないすべてのゲーム好きにやってみてほしいっスね。そしてなんなら「うわっ! できねぇ〜!」と挫折してみてほしいかもしれない。
記事広告でこんなこと言っちゃアカンかもしれないけど! でもね! 挫折すると世の中に出てるすべてのゲームに対して「すげぇ〜!! 完成してる!!!!」とビビることができるんですよ。世の中に売ってるすべてのゲームはとりあえず完成している(もちろんバグまみれでまともに遊べねえ、とかそういうレベルのゲームもあるっちゃあるけどさ)。
そうするとちょっと……世の中にこんなにゲームが溢れているこの世界って、すごすぎるのかもしれない……と感動することができます。マジで。みんなも『RPG MAKER WITH』をやって「感動」しよう!