【ドラクエII】サマルトリアの王女は万能タイプのスピードスター
ようじゅつしとの激戦、その後のまさかの展開。
(カンダタは別としても)「原初の“ぱふぱふ”」を忘れるほどの衝撃だった。
気を取り直して、続いては『ドラゴンクエストII』のプレイだ。
『DQII』の“ぱふぱふ”嬢は、ルプガナの町にいる。
今度こそしっかりと目的を成し遂げようと固く誓い、ゲームスタート!
既出のとおりHD-2D版「DQII」では、4人目の仲間として「サマルトリアの王女」が登場する。そして今回の先行プレイでは、始めから4人パーティで遊ぶことができた。
気になるサマルトリアの王女のキャラ性能だが、一言でいうと万能タイプである。
攻撃力はサマルトリアの王子を上回るほか、メラ系やヒャド系、ホイミ等々、幅広い呪文も習得できる。特技に関しては、「ツッコミ」「まりょくの風」「しびれアタック」「ねむりアタック」など、サポート系を多く習得できるようだ。
特筆すべきは「すばやさ」で、パーティー内で最速を誇る。全体的にはサマルトリアの王子以上に、器用さが光るキャラという印象だ。
しかし一方で、MPの最大値が少なく、守備力に至ってはムーンブルクの王女よりも低く、注意も必要だ。防具を優先して更新したり、ステータスが上昇する「たね」を集中的に与えたりと、何かしらの対策が必要かもしれない。
ちなみに今回の『DQII』では、イベントシーン等で主人公たちが会話を行うのだが、サマルトリアの王女も積極的に絡んでくる。彼女が加わることで、これまで見知った『II』の物語がどう変わっていくのかも楽しみでならない。
ユーザーフレンドリーなのに、手ごわい難易度!?
今回の取材プレイは、「ムーンブルク西のほこら」から船に乗り、「大灯台」の踏破を目指すという内容であった。
原作版では、大灯台における主な目的は「ほしの紋章」の入手で、これはリメイク版でも同様だ。塔のなかにいる老人が実は魔物で、ついて行くと「グレムリン」4体との戦闘になるという流れだった。
ところが今回のHD-2Dリメイクでは、灯台の入口でいきなり老人と出会う。そしてちょっとしたやりとりを行い、「紋章の場所を知っている」という老人の言葉に誘われるがまま、一行は大灯台へと足を踏み入れるのだ。
ゲームプレイの大筋こそ原作版から変わっていないが、本作ではイベントや会話シーンを盛り込むことで、物語にスッと入っていける印象を受けた。
こうした工夫で没入感がずいぶん違うし、すこぶる現代的なゲームに生まれ変わっている。「遊びやすさ」って、きっとこういうことなんだと実感した。
「ネコノマンサー」のザラキ連打に大絶叫
「大灯台」のモンスターはかなり手ごわい。
しかも内部はかなり広く、入り組んでいる。筆者は同じところを行ったり来たりしながら、全滅してしまった。
隣で見守る編集Kはしびれを切らし、スマホでDQ2の攻略サイトを調べ始めた。
……それっていいのか?
そういったなか、ムーンブルク王女がトヘロスを使えることを発見。
確か原作版では、ダンジョン内ではトヘロスは効果がなかったはずだが……。
効いた! これは超ありがたい!
ザコ戦をすっ飛ばして、かなり快適に進めるようになった。


盛大に迷いながらも、なんとか老人に追いつく一行。
そこで待ち受けていたのは、「グレムリン」4体と「ネコノマンサー」という謎のボスだ。
このネコノマンサーはとんでもなく硬いうえに、2回攻撃までしてくる。
特に、ザラキの連打にはドキドキさせられる。おじさん2人は、外れることを38年ぶりに神に祈った 。
一進一退のつばぜり合いを繰り返し、泥仕合の様相のさなか、サマルトリアの王女の「ねむりアタック」で眠らせに成功! すかさず攻撃を浴びせかけ、最後はローレシアの王子の「しっぷう突き」でネコノマンサーにとどめを刺した。
このとき、取材の残り時間はわずか30秒。
ボス敵とのギリギリのバトルを制したときの達成感。やっぱり“ドラクエ”なんだよなぁ。
その時、2人は確かに聞いたのだった。
割れんばかりの喝采と降り注ぐ歓声を。
編集K:あれ、“ぱふぱふ”は?
筆者:あ。
友だちんち(家)状態で熱くなれ!
今回の先行プレイで最も印象に残ったのは、歯応えのある難度だ。
挑戦した2つのダンジョンは長すぎず短すぎずで、最初から最後まで緊張感を維持できた。そして、どのボスも硬くて強くて楽しかった。
ゲームプレイに時間制限があったことから、レベル上げなどの準備を十分にできなかったのだが、それも面白さを際立たせるためのエッセンスになっていたのかもしれない。
そして難易度がちょうどいい一方で、クエストの目的地が示されたり、全滅時のリトライが行いやすくなっていたりと、至れり尽くせりな仕様が光る。
これなら、たとえば数十年ぶりにドラクエをプレイする人や、ドラクエを知らない若い世代のゲーマーにとって、最初に手に取る作品としてもちょうどよさそうだ。
そしてもちろん、原作版を遊び込んだような歴戦のファンにとっても、新たな発見が次から次へと訪れる。
今回の取材では、気の置けない編集Kと一緒にプレイしたが、これは幼少期の頃、友だちの家に集まって「あーでもない」「こーでもない」と工夫しながら、有り余る時間を湯水のごとく投下して、ひたすらに楽しさだけを追求した、あのドラクエであった。
残念ながら“ぱふぱふ”を目にすることは叶わなかったが、それと同じくらい大事な、友達と一緒にゲームに夢中になった日々を思い出させてくれた。
ドラクエが国民的RPGであることを、あらためて思い知らされた次第である。


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※画面写真はすべて PC 版の開発中のものです。