俳優のブルース・キャンベルは、ラジオ番組「Jim Norton & Sam Roberts」に出演し、そこで自身が主演する映画『死霊のはらわた』がビデオゲーム化されることを明かした。
これは『死霊のはらわた』の主人公アッシュが、『モータルコンバット11』でプレイアブル・キャラクターとして参戦しないのか、という司会の問いに対して、ブルース・キャンベルが「プレイアブル・キャラクターではなく(プレイ不可能な)カメオ出演だが、これは現在、制作されているビデオゲーム『死霊のはらわた』のプロモーションの一貫」と明かしたもの。
キャンベルによると2019年から2020年までに動き出すことを望んでいるが、現在、パブリッシャー、デベロッパーからの正式な発表はなく、どのようなゲームになるのかも明らかにされていないという。
『死霊のはらわた』は1981年に公開されたアメリカのホラー映画。森で休暇を過ごそうとした若者たちが、封印されていた死霊を蘇らせてしまい、次々と人間に憑依していく死霊と対峙することになる。特筆すべきは、いわゆる「死霊主観視点」とも呼べる映像を表現していることだ。まるでカメラの映像が空中を漂っているかのように沼地を飛び越え、高速で移動するという、実に不思議な映像を実現している。
これは長い木材の真ん中にカメラを設置し、その木材を両端から持って走って撮影するという、種を明かすと原始的なもの。しかしこの死霊視点のスピーディーは効果は抜群であり、id Softwareの1993年の『Doom』の制作にあたり、この「死霊主観視点」に着想を得ているとジョン・ロメロが証言している。
そんな第一作をセリフリメイクした映画『死霊のはらわたII』は完成度がさらに高まっている。序盤こそオドロオドロシイ正統的なホラー映画の雰囲気があるが、尋常ではない血糊の量と、主人公アッシュと死霊のシュールな戦いが、笑ってしまうほどの過剰な域に達しており、いわゆるホラー・コメディ映画にも分類される。
また『死霊のはらわたII』の直接的な続編『キャプテン・スーパーマーケット』では、なぜか前作の最後に中世ファンタジー世界のような異次元に飛ばされたアッシュが、(死霊に腕を切り落とされたため)片腕に装着したチェーンソーを武器に活躍していく様が描かれ、カルト映画の地位を不動のものとした。
そのアッシュの30年後を描いたドラマ『死霊のはらわた リターンズ』が制作されており、初老になって店員として働いているアッシュが再び死霊の戦いに巻き込まれる様を描いている。
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『死霊のはらわた』をビデオゲーム化するとなると、完成形である『死霊のはらわたII』か、ストーリー重視となると『死霊のはらわた リターンズ』である可能性があるが、変化球的にファンタジー世界が舞台の『キャプテン・スーパーマーケット』でも面白いものになるかもしれない。いずれにせよアッシュ演じるブルース・キャンベルが活躍するのは間違いなさそうで、チェーンソーで死霊をぶったぎっていくだろう。
ライター/福山幸司