Valveは同社の開発する人気シリーズの最新作『Half-Life: Alyx』を発表した。Valve Indexだけでなく、Steam VRに対応したOculus RiftやHTC Vive、Windows Mixed RealityでもプレイできるVRゲームとなる。価格は6290円だが、3月30日まで10%オフの5661円で販売される。これまで日本で販売されていなかったValve Indexの日本での展開も予告されており、こちらのページで11月22日午前9時ごろに情報解禁となるようだ。
Valve Indexヘッドセット、またはValve Indexコントローラーの所有者は例外なく『Half-Life: Alyx』が無料で配布される。2019年末までにValve Indexを購入した方にはSteamVRホームの『Half-Life: Alyx』環境、特別な武器スキン、『Counter-Strike: Global Offensive』および『Dota 2』用に、『Half-Life: Alyx』がテーマのスペシャルコンテンツが配布される。
『Half-Life: Alyx』は『Half-Life』と『Half-Life 2』の間を描く。舞台となるのは『Half-Life 2』の舞台となったCity 17。おなじみの敵であるコンバインに『Half-Life 2』から登場したアリックス・バンスとして戦う。『Portal』を含めて『Half-Life』ユニバースの主人公はしゃべることがほとんどなかったが、本作でアリックスはよくしゃべるようだ。
ゲームはVR用ハンドコントローラーを利用し、敵に向かって物を投げたり銃の弾を探すシーンが見られる。ほかにも、頭に向かって噛みついてくるヘッドクラブを自分の頭から引き剥がしたり、エイリアンのインターフェイスをハッキングするためにも使用するという。トレイラーでは重力銃と同じく、遠くの物を引き寄せるシーンも確認できる。
VR環境として、ルームスケールだけでなく座ったまま、あるいは立ったままでのプレイにも対応していることが明らかにされている。移動はVR酔いのしにくいテレポート、ある地点から別の地点までなめらかに移動するシフト、アナログスティックを使った通常の移動に対応。コントローラーはフィンガートラッキングでもトリガータイプでも遊べる。つまり、現行のVR環境の多くに対応しているということだ。
『Half-Life』シリーズといえばModフレンドリーなことでも知られているが、『Half-Life: Alyx』のリリースと同時にSource 2エンジンの開発ツールもリリースされることが発表された。シリーズはこれまでも『Counter Strike』や『Stanley Parable』など、偉大な作品を生み出す土壌となったが、今後はVRを生かした革新的なゲームが生まれてくるかもしれない。
海外メディアIGNでは、プレイ時間は13時間から15時間ほどで『Half-Life 2』とほぼ同じ規模のシングルプレイになると報じている。
また、海外メディアPCGamerでは、アリックスの声優がこれまで起用されていたマール・ダンドリッジ氏ではなく、『Wolfenstein II: The New Colossus』や『Mirror’s Edge: Catalyst』に出演したオジオマ・アカガ氏に交代したことが報じられている。これは前作から12年経った時間のギャップを埋めるための苦渋の選択だったとしている。
また『Half-Life: Alyx』発表を記念し、The Game Awardsのジェフ・ケイリー氏はゲーム開発に関わったスタッフにインタビューを行っている。ValveのVR作品『The Lab』をリリースした後にどうして『Half-Life』のスピンオフを作ろうとしたか、VRを選んだ理由、そして気になる『Half-Life 3』のことなど、興味深い話が披露されている。英語字幕が用意されており、機械翻訳で日本語字幕にしても大まかな意味はとれるので、ゲームに興味がある方は一度見てみるといいだろう。
ついに発表された『Half-Life: Alyx』。Steamの、ではなくシングルプレイヤーゲームの開発会社としてのValveの久しぶりの新作は、VRへの対応一つとってもフラッグシップ級タイトルを目指して制作されていることがわかる。また、インタビューでは「ファンの反応を見ながら」としながらも、今後も『Half-Life』シリーズへ取り組むことを前向きに答えているので、今後の展開にも期待がかかる。
12月に行われるThe Game Awardsではさらに多くの詳細の発表も予想される。来年3月が待ち切れそうもない。
ライター/古嶋誉幸