世界的なヒットを記録した中国SF『三体』Netflixドラマ版の初映像が公開。文化大革命での絶望から謎のVRゲーム、そして異星人との戦争へ展開するSF超大作の映像はいかに

 Netflixは9月25日、同サービスの新情報を発表する番組「Tudum: Netflixグローバルファンイベント」にて、中国のSF小説『三体』のドラマ版を紹介し、同作の初映像を公開した。本作は2023年に配信予定だ。

 原作のSF小説『三体』は劉慈欣(リウ・ツーシン)が2006年に中国のSF雑誌『科幻世界』にて発表し、第一巻を2008年に刊行。日本でも2019年に早川書房より発売された。三部作の重厚な物語が特徴だ。文化大革命で父を惨殺された「葉文潔(イエ・ウェンジエ)」の絶望が帝国主義の異星人と結びつき、結果として訪れる地球の危機と抵抗、そして文字通りに天文学的なスケールの崩壊を複数の主人公の視点で緻密に描いていく。

 劇中には文化大革命や古典物理学といった硬派なモチーフと共に、太陽が3つある世界で文明を築く完全没入型のVRゲーム「三体」といったキャッチーなガジェットも登場する。ハードコアSFの硬派な手つきと近年のサブカルチャーに通ずる外連味が共存した作風が特徴となる。

 本作は20か国以上で翻訳され、日経ビジネスによると2019年時点で世界で2900万部を記録している。世界的なSFおよびファンタジーのアワード「ヒューゴー賞」における長編小説部門の受賞のほか、バラクオバマ元大統領Facebook社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏が本作を推薦していることからも、本作は世界的にヒットした作品と言えよう。

 また、国内で発売した第一巻には『メタルギア』シリーズで知られる小島秀夫氏や批評家の東浩紀氏がコメントを寄せており、数値的なヒットのみならず作品としての達成と魅力が伺えるはずだ。

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(画像は三体 | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンラインより)

 今回のNetflixの発表によるとドラマはシーズン1の撮影を完了し、これより編集を開始するタイミングだという。製作総指揮はドラマ版『ゲーム・オブ・スローンズ』で知られるD・B・ワイス氏とデイヴィッド・ベニオフ氏が務める。

 出演者は同じくドラマ版『ゲーム・オブ・スローンズ』にてお茶目でかわいい「サムウェル・ターリー」を演じたジョン・ブラッドリー氏、スタニス・バラシオン公に仕える騎士「ダヴォス・シーワース」を演じたリーアム・カニンガム氏とふたりのナイトウィッチが参戦。

 このほかに、『ドクター・ストレンジ』にてウォン役を務めるベネディクト・ウォン氏や映画『ベイビードライバー』にてイカちい女強盗を演じたエイザ・ゴンザレス氏らの出演が決定している。

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(画像は Tudum: Netflixグローバルファンイベント – YouTubeより)

 今回発表された映像では物語の冒頭である文化大革命を思わせるカットや「紅岸基地」風の場面、「三体」内に登場するであろう中国の偉人風の人物や寺院が確認できる。

 また、シーズン1の映像でありながら第三部である『三体III:死神永生』より登場する「とある存在」がバリバリに登場しており、作品のペースやボリューム、脚色の有無が気になるところだ。

 国内では『三体』の三部作が全て刊行されているほか、スピンオフ作品『三体X』や著者である劉慈欣氏の短編集『円』が発売されている。いまだ原作を読んでいない方は、ドラマに向けて予習してみてはいかがだろうか。

ライター
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。
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