週刊連載漫画家なのに、ゲームは1日3時間。『FAIRY TAIL』真島ヒロ先生は、RPGツクールガチ勢で自分で絵を描いてコードも書いてUnityもUEも使える、“漫画家ゲームクリエイター”だった!

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 2021年11月6日午後18時。
 “それ”は突然発表された。

 2021年現在、講談社『週刊少年マガジン』誌上にて『EDENS ZERO』(エデンズゼロ)を連載中の漫画家・真島ヒロ先生が、自身の代表作のひとつであり、テレビアニメも放送された『FAIRY TAIL』(フェアリーテイル)のオリジナルゲーム制作コンテストの開催を告知したのだ。
 しかも、制作支援金の1000万円を真島先生が自腹として出す(+講談社側からも500万円が出る)という驚きの情報も添えて、である。

 まさにこの降って湧いてきたかのような展開と、原作者の真島先生が自腹を切って1000万円を出すという情報には、「一体、何がどうしてそのようなことに!?」と困惑するしかなく、実際に発表当時はインディーゲームクリエイターに留まらない、大きな反響が寄せられた。

 さらに企画の発起人たる真島先生は12月、自身のTwitterで現在連載中の『EDENS ZERO』を元にしたRPGツクール製の短編脱出ゲームを制作中であることも発表。

 週間連載作品を持つ漫画家が、本業と併せて個人のゲーム制作にも取り組んでいるという情報にTwitterではさらなる激震が走り、ファンに留まらず、インディーゲームクリエイターからもどよめきの声があがった。

 『EDENS ZERO』以外に、昨今はスクウェア・エニックスよりスマートフォン向けに配信中のRPG『Gate of Nightmares(ゲート オブ ナイトメア)』のキャラクターデザインなども手がけるなど、多岐に渡って活躍中の真島先生。

(画像はSPECIAL – Gate of Nightmares | SQUARE ENIXより)

 今回のコンテストは、一体どのような流れを経て誕生するに至ったのか? そもそも、なぜ『FAIRY TAIL』なのか? なぜ自腹なのか!?
 そして、現在制作中の『EDENS ZERO』のツクール製短編脱出ゲームと突然外に向けて発表した狙いとは?

 数々の疑問の真相を解き明かすため、電ファミ編集部は真島ヒロ先生ご本人への直撃インタビューを敢行。
 そのインタビューを通して明らかになったのは、ゲーム制作への熱すぎる思いと探求心を秘めた“いにしえのツクラー”(※RPGツクール製作者の通称)でもある先生の素顔だったのだ。 

聞き手/TAITAI
文/シェループ
編集/実存


YouTubeの動画から知った『講談社ゲームクリエイターズラボ』。そして、突撃へ……

──本日はお時間をいただきありがとうございます。

真島ヒロ先生(以下、真島氏):
 こちらこそありがとうございます!

──いろいろお聞きしたいことがけっこうありまして……
 まず、先生がどのような経緯で講談社の「ゲームクリエイターズラボ」【※】を知ることになったのでしょう?

※講談社ゲームクリエイターズラボ
講談社がこれまでに漫画家、小説家と構築した関係性をインディゲームクリエイターにも提供するという想いから誕生した支援プロジェクト。ラボメンバーに選ばれたクリエイターには年間1000万円の支援金が提供され、それぞれに「担当編集者」がつき、サポートとケアが付いた中でゲーム制作を進めていく形となる。
 2020年9月に第1期のメンバー募集が実施され、2021年8月には第2期の開催が告知。本稿執筆時点で、予備選考を通過した515作品が公式サイト上にて発表されている。なお、『FAIRY TAIL』オリジナルゲーム制作コンテストも本プロジェクトが主催している。

真島氏:
 はい! 事の始まりはYouTubeの動画を見ていた時です。ゲーム制作の実況をされている、Hytackaさんという方がいらっしゃるのですけど、その方のゲーム制作実況を見ていたらですね、何やら「講談社ゲームクリエイターズラボ」なる企画があると。
 しかも、クリエイターさんに1000万円を支給して、好きなゲーム制作に集中してもらうというものとのことで、僕は全然知らなかったんです。その動画を見て初めて知ったんですよ。

──そうなのですか!?

真島氏:
 はい。僕、講談社の作家なのに全く知らなくて。しかも、僕は講談社の作家の中でもけっこう、ゲーム好きとして有名だと自分自身で思っていたんです。なので「ちょっとぐらい話が来てもいいだろう!!」と(笑)。

講談社ゲームクリエイターズラボ担当者(以下、ラボ担当):
 す、すみません……!!

真島氏:
 いや、本当にまっっったく知りませんでした。それで面白そうな企画をやっているみたいだから、ちょっと話を聞かせてくださいよ、と僕自ら部署の方に出向きまして(笑)。
 その時にいろいろ話を聞いていた流れで『FAIRY TAIL』のゲームを作るという企画ができるんじゃないのかなと思いつき、今回の企画を持ち込むに至りました。

──じゃあ、講談社からオファーがあったのではなくて、本当に真島先生がたまたまYouTubeで見つけて……!?

真島氏:
 そうです、僕が乗り込んで行きましたよ! クリエイターズラボの部署に!!

一同:
 (爆笑)

ラボ担当:
 そうですね……! それが確か、2021年の7月ぐらいの話だったかと思います。

──もともと、先生はインディーゲームやゲーム制作に関心があったのですか?

真島氏:
 僕自身、ゲーム制作は大好きで『RPGツクール』を昔からやっていました。なので、インディーゲームは応援していますし、凄く好きです。最近はツクール以外のゲームエンジンとかにも触り始めています。

──ちょうど先日、先生のTwitterで突然、同人ゲームを作っていると発表したツイートがあって、「どういうこと!?」とビックリしたんですが、あれは本当に先生自ら『RPGツクール』を触って作られているということですか?

真島氏:
 もちろんです。『RPGツクール』で作っています!

──ひとりで作られているのですか?

真島氏:
 手伝ってもらっている人はいるんですが、基本的には僕ひとりでやっています。

──手伝ってもらっているというのは、どのような感じで?

真島氏:
 以前、一緒に仕事をしていた元スタッフのひとりで、今はもう独立しているのですけど、けっこうゲームに強い人でして。その人に僕がお金を支払って、お仕事という形で手伝ってもらっています。

──それは「ゲームクリエイターズラボ」を知る前から動いていたのですか?

真島氏:
 はい。もう普通に趣味としてやっていたものです。今までもけっこう、趣味で『RPGツクール』でゲームを作っては仲間内で楽しんでいたんです。
 ただ、今回は外に発表してみようと思いまして。今までは本当に趣味だったので、外向けに作ったものはなかったのですが、初めての試みとしてやってみよう、と。

──凄いですね……。その仲間内で作られたゲームというのは、何本ぐらいあったのですか?

真島氏:
 ちゃんと完成したもので言ったら、本当に数えるほどしかないです。2~3本ぐらいですね。
 ただ、ツクールシリーズは全部触ってきています。一番最初のスーパーファミコンの『RPGツクール』(※『RPGツクール SUPER DANTE』、1995年発売)からやっていますので。

──本当にガチ勢なのですね……!

真島氏:
 『RPGツクール』に限らず、クリエイターズ系のゲームはほぼやっています。昔、スーパーファミコンで『デザエモン』(※1994年発売)という自分でドット絵を描いて、音楽も作れるシューティングゲーム制作ソフトがありましたが、それもやっていました。あとは『アクションゲームツクール』とか、『ティラノビルダー』とか、その辺も触っています。

(画像はティラノビルダー|ノベルゲーム開発ソフト。スマホにも対応より)

──『ティラノビルダー』までご存じとは!(笑)
 そのような情報やお話って、今まで公に出たことがありませんでしたが、本当に趣味の範囲で触れられていた感じなのですね。

真島氏:
 はい、ずっとそうですね。今までは趣味でやっていました。いろいろそういう制作系のツールはいじってきています!

インディーゲームの規模感に注目して誕生した今回のコンテスト

──先生が部署に乗り込んで行ったというのは先ほどお話にありましたが、そこからどういう流れで『FAIRY TAIL』を題材にした作品の募集と、自腹を切るという話になっていたのでしょうか?

真島氏:
 まず最初に『FAIRY TAIL』が2006年の連載開始から2021年で15周年を迎えるというのがありまして、「その記念にファンに届けられるものは何かないかな」と考えていたんです。僕自身、ゲームはずっと好きで、自分の作品がゲーム化されることがこれまでに何度もあり、本当に機会に恵まれて嬉しいなと思っています。

 そのことから企業さんを巻き込んで実施する案も考えたのですが、それは難しいように感じたんですね。悪い言い方になってしまいますが……企業さんは腰が重いんです。こちらから企画を持ち込んでも、実際に動くまでには凄く時間がかかってしまうことが多くて。よほどの企画なら即決もあると思うんですけど、この企画を思いついたのが今年というのもあって、時間がないという事情があったんです。

 それで、すぐに発表でき、すぐにお届けできるものは何かないだろうか……と考えた時にインディーゲームの制作規模だったら約1~2年で形になるのでは? と思いまして、今回の企画を考えつくに至りました。

──今回のように先生が自ら企画を思いついて、進めていくというのはけっこうあることなのですか?

真島氏:
 今回みたいな大きめのはそんなにないと思います。大体は受け身なんですよ。向こうから来た企画をOKするかしないかの判断ぐらいでして。たまに自分から思いついたようにこういうことをやってみたいとも言うのですが、実現できるかはその時の状況次第でもあります。
 ただ、今回はクリエイターズラボの皆さんもけっこう乗り気で、「まあ、先生が出すならいいか~」というユルい感じで決まっていきましたね!(笑)

──クリエイターズラボのチーム的にはどういう反応だったのでしょう?

ラボ担当:
 いや、本当に突然のことすぎてビックリしました(笑)。けど、メチャクチャ面白いなと思いまして。これまでそういう自腹を切ってやられるということはなかったと思うんですよ。それに『FAIRY TAIL』は世界中で人気の漫画ですので、インパクトも大きいだろうと。
 実はちょうど今、募集がいくつか来ているんですが、たとえばメキシコとか、日本に限らずいろんな国から来ているんですよ。こんなに遠くのファンにも届いているのかと、本当にこちらとしてはありがたく、感謝しかないですね。

──この企画って英語のリリースも出しているのですか?

ラボ担当:
 いや、特に出していないんですよ。出していないのですが、そのメキシコの方から英語で問い合わせが来たんです。それでこちらは「送れますよ」と返したところ、応募が来たという感じです。
 なので、これなら英語のリリースも作って出しておいた方が良かったかなと、今にして思っていたりしますね(笑)。

──(笑)。けど、この手の企画は企業側からと言いますか、今回の件で言えば講談社の側から「使わせてください!」という形で先生に相談がいくのが普通なのかなと思ったのですが……。

真島氏:
 本来ならそうですね。

ラボ担当:
 そうですね。

──その逆というのは本当に面白いですね。

真島氏:
 いや、これは「自腹を切る」という所に意味があってですね(笑)。だからこそ実現した企画でもあるんです。もし、この『FAIRY TAIL』の企画が成功したらですね、講談社の作家さんでゲームが好きだけど、自分の作品のゲーム化を実現させるチャンスがない方にその機会を設けるきっかけになればいいなと思っているんですよね。

──もともとゲームがかなりお好きで、ご自身の作品が人気になってテレビアニメ化されたり、その流れでゲーム化もされていくじゃないですか。そこで自分からこの人に作ってほしい、この会社に作ってもらいたいというようなオファーを投げたりとか、そのような行動を起こしたことは今までにあったのでしょうか?

真島氏:
 いやー……ゲームやアニメのタイアップというのはこちらでどうこういじれる関係じゃありませんから、自分からここに作っていただきたい、みたいなことは無いですね。多分、それを言っても通らない世界だと思います。

──僕もずっとゲーム業界と出版という両方に片足を突っ込んできた人間なので、もっと密接にやり取りできたりしないのかなとずっと思っていたんですよね。まあ、アニメの制作委員会はシステム的というか、組織として回っていくというのがどうしてもありますし、ゲーム化も制作委員会への問い合わせになりますし、作家個人の意志や熱意は通りにくくなっているじゃないですか。
 けど、真島先生のようにゲームが好きな作家さんって世代的に普通にいると思いますので、何とかその辺に風穴を開けてほしいと思いますね。

真島氏:
 でも、やっぱりIPを扱うのが得意な会社とそうではない会社ってあると思うんですよね。方針的に扱いたくないという所もあるでしょうし。なかなかこちらから行くというのは、難しいところではあると思います。

──ちなみに自腹は最初からそのつもりだったんですか? それとも話の中で自腹がいいと決まったのでしょうか?

真島氏:
 最初から自腹で行くつもりでした。そもそも、1000万円を講談社が支給するという話を聞いた時、訳が分からなかったんです。いや、その……ねぇ、「これ一体、講談社に何の旨味があるんだろう?」と(笑)。

──ですよね(笑)。その点は以前に僕からもラボ担当者さんにお話しさせていただいたのですが。

真島氏:
 今も若干疑問に思っていたりするんですけど(笑)。ただ、応募が集まって、そこからヒット作が出たら講談社にバックが少し入るというシステムになっていると聞きまして、「あ、出資なのか」と気付いたんです。「それだったら僕にもできるかも」と思って始めた感じですね。

ラボ担当:
 少し補足させていただきますと、割とインディークリエイターさんの方々って実際にお渡しする金額自体がまるまる生活費だったりするんですよ。インディー開発だと大規模な機材を用意したり、ということは基本的にはあまりないので、それよりかはその人が働くそのもののお値段みたいな形になるというところがありまして。
 そうすると大体1年で1000万円あれば、会社を辞めて制作に集中してもらうみたいな形もできるかもしれないという考えがありまして、このような値段になった感じですね。

──似たような事例で、僕がドワンゴに居た時に「ゲームマガジン」という企画がありまして。、ツクールを使ってゲームを作り、1ヶ月に1話の感覚でゲームの連載をやろうというのをやったんです。
 その時に若いクリエイターさんに生活費を渡し、作ってみてとやっていたんですよ。当時としても珍しい取り組みだったんですけど、今や講談社みたいな大手の出版社がこのようなことをやる時代になったというのには凄く感慨深いと言いますか、面白い動きだなと思います。

「『FAIRY TAIL』でやる必要ないじゃん!」と言うものを『FAIRY TAIL』にしたら面白い

──それで、なぜ『FAIRY TAIL』なのかというのは、誕生15周年の背景があってということですが、真島先生の他の作品でやるという案はなかったのでしょうか?

真島氏:
 それも考えました。ですが、『RAVE』(レイヴ)だと古すぎるというのがありますし、『エデンズゼロ』に関しては実際に今、企業さんで動いているものがあるんです。それでは筋が通らなくなってしまいますので、『FAIRY TAIL』が選ばれた感じですね。

(画像はFAIRY TAIL ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)より)

──先生自身には『FAIRY TAIL』をゲーム化するに当たって「このようなものがいい」「こうしてほしい」というようなポテンシャルみたいなものを感じていたりするのでしょうか。

真島氏:
 それは常に感じています! これまでの『FAIRY TAIL』のゲームもたくさんの方に遊んでいただいたと思うのですが、まだやれていないことがあるのではないのかと思っていますし、この企画を通して、新しい形の『FAIRY TAIL』のゲームが出てきたら嬉しいと思っていますね。

──今までの商業ゲームとは違うフィールドでの登場から、期待していることはあるのでしょうか?

真島氏:
 やっぱりインディーゲームとしてやるには、“尖ったもの”がほしいと思いますね。僕が出したメッセージにもあるのですが、本当にジャンルに捉われることのない作品があると嬉しいと思います。クリエイターズラボの編集部でも話したのですが、なんでもいいと思っているんですよ。

 「これ、『FAIRY TAIL』でやる必要ないじゃん!」というのを『FAIRY TAIL』にしたら逆に面白いのではないのかとか。たとえばゾンビゲームとか「なんで!?」と思うでしょうけど、別にアリではないのかと思うんですよね。それぐらいなんでもいいと思っていますので、自由な発想で応募してきてほしいと思っています。

──ちなみに現状ではどのぐらい応募が来ているのでしょうか?

ラボ担当:
 現状ですと数十来ています。ゲームクリエイターズラボの第二期を募集していた時とほぼ同じぐらいのペースですね。

 ゲームクリエイターズラボの第二期がそうだったのですが、最後の日に全応募数の半分が来るんですよ。第二期は940の募集があったのですが、その中の450ぐらいは締め切りの日、それこそ残り数時間のところで来たんです。当日は1時間で100件ずつ増えていく様子を見ていたのですが、インディークリエイターの方々は夏休みの宿題を最後にやる、最後になってドバッと出す人が多いのかなと。
 多分、その日まで自分の企画を最大限研ぎ澄ませたいとか、粘るだけ粘りたい気持ちからそうなっているのだと思います。なので、今回の『FAIRY TAIL』もまた最後の日に一気に来るだろうな、というのは想定しております。

真島氏:
 最悪、今来ているだけでも十分なんですよ。もう本当にこの企画、勢いで「やりましょう!」と言ったのですが、後から一番懸念したのが、インディーとIPモノって凄く相性が悪いかも、ということなんです。
 インディーの方って自分の好きなものを作りたい人が多いと思いますので、正直、2~3通しか来なくても仕方がないかなという思いではいたんですよね。けど、今のところ順調に来ているということですので、ありがたい限りですね。

ラボ担当:
 そうですね。しかも、企画自体のバラエティーも凄く富んでいますので、この後、どうなるか期待したいところですね。今でもボードゲーム的なものとか、2Dの探索型アクションにアクションアドベンチャーとか、いろいろなものが来ていまして。まだパッとしか見れていないのですが、この後、一気に集まった後に改めて拝見するのが楽しみですね。

──けど、来たら来たで選ぶのも大変じゃないですか?

ラボ担当:
 そうなんですよね……(笑)。

真島氏:
 まあ、それはやっぱり嬉しい悲鳴ではありますよね!

ラボ担当:
 はい、嬉しい悲鳴です(笑)。

──しかし、「『RPGツクール』でゲームを作っています」という話がそうですけど、連載漫画家ってメチャクチャ忙しいというイメージと言いますか、実際そうだと思うのですが、一体、どこで時間を取ってやっているのかという疑問があるんですよね……(笑)。

真島氏:
 いや、本当にね! 「週間連載が忙しい」ってのはイメージだけですからね!

──ほ、本当ですか!?

真島氏:
 実際にはけっこう時間はありますからね!全然ありますよ!(力説)

ゲームは自分で作るものとは思っていなかった昔と、Unity、Unreal Engineなどに触れながらゲーム制作の勉強を続ける今

──今回の企画を機に、真島先生のゲームにまつわるお話をいろいろ聞ければと思っています。どういうゲームが好きで、何がきっかけでゲームが好きになったのか、あとその『RPGツクール』で作られているゲームのお話とかも深掘りできればと。
 まず、真島先生が最初にゲームが好きになったきっかけは何だったんでしょうか?

真島氏:
 ちょうど小学校1年ぐらいだった頃にファミリーコンピュータ(ファミコン)を触ったのが最初ですね。コントローラのボタンが四角から丸になった時期でした(笑)。
 その頃からはもう、ビデオゲームの虜になっちゃいまして、お小遣いもクリスマスも誕生日プレゼントも全部ファミコンのカセットとするぐらい、費やしていましたね。

──ツクールを触り始めたのも、初代からとなりますと本当に学生の頃からですよね。

真島氏:
 初代だとスーファミの頃ですから、その辺りですね。

──そうなると、子どもの頃からゲームを遊ぶのも好きだけど、制作にも関心を持っていたということでしょうか。

真島氏:
 はい、ツクールが出るよりずっと前からオリジナルのカードゲームを作って友達と遊んだりしてましたね。当時はSDガンダムのカードダスが流行っていて、遊び方とかもあったんですけど、そのカードを使うのはもったいないと思って、自分でカードを作って遊んだりしていました。

──昔のカードダスって、ゲームのルールがちゃんとありませんでしたよね。

真島氏:
 はい、「単にヒットポイントが書いてあるだけ」みたいな感じでしたね。

──それを独自ルールで遊ぶと?

真島氏:
 そうです、そうです。まあ、ヒットポイントを出し合って数値の大きな方がみたいな、そういう単純なものでしたけどね。

──けど、そのようにゲーム少年でゲーム制作にも関心がありながら、全く違う漫画家の道へと歩まれたのは一体、どのようなきっかけだったんでしょう?

真島氏:
 ゲームだけでなく漫画も大好きだったんです。けど、当時は「ゲームは自分で作るもの」とは思っていなかった、というのがありますね。漫画はチラシの裏でもなんでも、絵を描いたら漫画だと言えるじゃないですか。
 そのことから漫画を描けるという自信はあったのですが、逆にゲームは自分が作れるようなもんじゃない、とずっと思い続けていたんです。「意外とゲームも作れるかもしれない」と思ったのは本当に大人になってからのことですね。

──それはいつ頃ですか? Unityが出てきてからとか、最近のことだったのでしょうか?

真島氏:
 いや、本当にそのぐらいです。ツクールとかでゲームを作るということはもちろんやっていましたが、本格的にプログラムを書くようになったのは最近の話です。まだ全然できるようにはなっていないですが、「意外とやればできるかも」ぐらいまでは思いましたね。

──ということは、プログラムの勉強も最近されているのですか?

真島氏:
 そうです、そうなんです。Unityを始めてから、C#の勉強をしたりしています。あとほかにUnreal Engineも触り始めたのですが、「C#で覚えたことが使えないじゃん!」と思い知らされたりとかして(笑)。そんな風にいろいろ触れていますね。

──それって完全に独学ということですか? 誰か、仲のいい人に教えてもらうとかではなく?

真島氏:
 それが……周りに居ないんですよ、そういう人が! なのでもう、独学です。

ラボ担当:
 もしアレでしたら、クリエイターズラボの方からご紹介したいです。

真島氏:
 いや、本当ですよ、もう!(苦笑)
 この間も、たまたまお付き合いのあるKONAMIさんにUnreal Engineのことを根ほり葉ほり聞いたんです。

──ちなみに触ったことのあるゲームエンジンは他に何があるのでしょう? 先ほどの話ではツクール全種、ティラノビルダー、Unityなどを挙げられていましたが……

真島氏:
 あとは『GameMaker Studio』【※】があります。それと『アクションゲームツクール』、他に全然やらなかったんですが、『2D格闘ツクール』のようなものもやりましたね。それから先ほども話に出た『デザエモン』、シューティングゲームを作るスーファミのソフトですね。それからUnity、Unreal Engineといった感じです。

※GameMaker Studio
YoYo Gamesが開発する、2Dゲームの作成に特化したゲームエンジン。直感的なUIとシンプルな独自言語が特徴。GameMaker Studio製のインディーゲームとしては、『Undertale』、『Hyper Light Drifter』、『Downwell』などが有名。

──それらは一通りダウンロードし、インストールして触って動くみたいなところまで触れられているということですか?

真島氏:
 そうですね。特に今、やっているのがツクールとUnity、それからUnreal Engineですね。

──ちゃんとダウンロードして、インストールして触って確かめるまでしているのとは本当に凄いですね……。たとえば学生さんが「ゲームを作りたい!」と言っても、本当にちゃんと触って作るというのにはハードルがあって大変じゃないですか。

真島氏:
 やっぱり完成させるのは大変ですよね。

──そのゲームエンジンにどんなものがあるかも自分で調べられているのですか?

真島氏:
 はい、そうです。先ほども話題に出たHytackaさんのYouTubeを初めて見た時は、ゲームエンジンを使って、さらにアセット【※】も用いてあのゲーム画面を出しているということを全然分かっていなかったんです。だから「この人、モデリング能力もあって半端ねえな」と勝手に思い込んでいました(笑)。

 けど、ずっと見ていくと「どうやらアセットというものを使っているらしい」と。それでゲームエンジンを使っているということに気付いてですね、独自に調べてみたら、すぐにHytackaさんのようには行かないですけど、僕にも似たようなことができるんじゃないのかなと思って、いじり始めるようになりましたね。

※アセット(asset)
ゲームに使われるスクリプトにテクスチャやBGM、3Dモデルからモーションアニメなど、さまざまな素材や部品を指す言葉。UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンでは、さまざまなアセットを有償・無償で配布するストアが公開されており、入手したアセットは自分のゲームに組み込むことができる。

──そもそも、Hytackaさんの動画を見始めたのはどういう経緯だったのですか?たまたまですか?

真島氏:
 たまたまです。ザッピングしていたら出てきまして、なんかゲーム制作と言っていて、面白いことをやっているなという感じで見始めましたね。

──そのような動画、たとえばゲーム実況の動画とかもけっこう見られるのですか?

真島氏:
 見ます、見ます! ゲーム実況はよく見ますよ。特にフリーホラーゲームの実況動画は好きですね。友人も居ますので、けっこう昔から見ていますね。

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編集長
電ファミニコゲーマー編集長、およびニコニコニュース編集長。 元々は、ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の副編集長として、ゲーム業界を中心にした記事の執筆や、同サイトの設計、企画立案などサイトの運営全般に携わる。4Gamer時代は、対談企画「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」などの人気コーナーを担当。本サイトの方でも、主に「ゲームの企画書」など、いわゆる読み物系やインタビューものを担当している。
Twitter:@TAITAI999
編集
ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a
ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。フリーゲーム、VRゲームの動向もひっそり追いかけ続けている。
Twitter:@shelloop
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