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芸術をテーマにした奇妙な世界観と、ハードでハイスピードな2Dアクションが高く評価されている、南米発のメトロイドヴァニア【レビュー:Dandara(ダンダラ)】

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 人々の想像によって生まれた不思議な世界で、重力に縛られないハイスピードアクションが展開される、南米発の芸術的なメトロイドヴァニアが高い評価を受けています。
 『Dandara(ダンダラ)』です。

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 PC(Steam)やPS4、Nitendo Switchなど、専用ゲーム機でも発売されている作品ですが、タッチパネルでの操作に適したゲームシステムで、スマホやタブレットでも違和感なく遊べます。

 ドットグラフィックで描かれたエッシャーやダリを思わせる奇妙な風景、抽象的なストーリー、主人公の黒人女性など、独特のセンスにあふれた作品。
 一方で、’90年代を思わせるハードな2Dアクションは、硬派で歯ごたえのあるゲーム体験をもたらしてくれます。

 新作というわけではないのですが、当初1800円だったiOS/Android版の価格は720円/660円まで下がり、手にしやすくなりました。
 内容は値段以上の素晴らしいもので、世界各国でさまざまな表彰を受けている作品であるため、遅ればせながら取り上げておきたいと思います。

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 異なる思想に抑圧された、芸術と学術の世界「ソルト」を忘却から救うため、想像のゆりかごで生まれた存在「ダンダラ」が自由のための戦いを繰り広げます。

 正直、ストーリーや世界観は抽象的で、よくわかりません。
 ただ、とても「芸術性」を感じる内容で、印象的なシーンが多くあります。
 芸術というものは得てして意味不明なものですし、これはこれで奥深さと雰囲気を感じられて良いですね。

 ゲームは抽象的ではなく、横視点のダンジョン探索型アクションゲーム。いわゆる「メトロイドヴァニア」。
 ただし、歩いたり走ったりという移動はありません。
 画面左側をスライドするとラインが現れ、その先に着地できる場所があると、指を離した瞬間に高速で跳び移ります。

 壁だろうと天井だろうとお構いなし、重力も慣性も無視した高速跳躍でピュンピュン跳び回れる軽快なアクションは、移動しているだけでも楽しめます。

 画面右側を長押しすれば、拡散ショットを放つことができます。
 必ずタメが必要で、連射することはできませんが、扇状に数発撃ち、発射方向はスライドで調整可能。
 これで圧制者「エルダー」の手の者を退けながら進んでいきます。

 ただし敵も弾を撃ってくるので、跳躍でかわさなければなりません。
 独特な移動方法のため、慣れるまでは回避しづらいかもしれません。

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オープニング。短いけど印象的で抽象的。
あまり長々と語らないところが、むしろ良さでしょうか。
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ショットで敵を撃破! 敵弾は天井や床を往復しながらかわします。
ショット後のモーションは跳躍でキャンセル可能。とにかくキビキビ動けます。
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砂漠と化した上下のない図書室で「物書き」と語るシーン。
登場する人物は「想像」による姿なのか、遠近感がおかしかったり、顔と手しかなかったり、まともではない見た目です。
そもそも世界全体がまともではないのですが……。

 ダンジョンは広く、入り組んでいますが、序盤に手に入る「地図」に行ったことのある場所が書き込まれていくため、迷うことはないでしょう。

 各所に宝箱が点在し、特徴的な地形が多く、しかけも豊富なため、探索しがいがあります。
 各部屋には『ベイグランドストーリー』のように、印象的な名前が付いています。

 倒した敵や宝箱からは「ソルトの粒」と呼ばれる、パワーアップに必要な通貨が手に入り、これを使って各所にある「キャンプ」でHPや回復薬の強化を行えます。
 開始直後はHPが少なく、一方でボスは手強いため、しっかりパワーアップしなければなりません。

 ただ、このゲームのつらいところは、死ぬとその場にソルトの粒を全部落としてしまうこと。
 死んだ場所に残されている霊体を回収すると取り戻せますが、未回収のまま再びミスると消滅してしまいます。

 ゲーム序盤は操作に慣れていないためミスりがちですが、ソルトを大量に抱えたまま連続で死んでしまうと、パワーアップもできなくなって行き詰まることに。
 中盤以降は難関ポイントや中ボスも出てきて難しくなるため、ソルトは溜まったらすぐに使い、強化の機会を失わないよう心がけましょう。

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マップ画面。入手後、右上に出てくる地図ボタンでいつでも確認できます。
最初は通れない場所も多いですが、回復薬やショットの弾数アップなど、攻略に必要なアイテムが点在しているので、できるだけ隅々まで探索しましょう。
ちなみに、パルマレス・トラックの宝箱は、ジョニーBミサイルが必要です。
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パワーアップ画面。次の強化に必要なソルトの量を覚えておき、溜まったらキャンプに戻るのを優先したほうが良いでしょう。
キャンプではHPとエネルギーが全快し、さらに回復薬も最大数まで補充されます。
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大ボスのひとつ、石の心臓。ここは上下左右関係なし、画面が大回転しながらの戦いとなります。
重力を無視した縦横無尽のハイスピードアクションは、往年の名作『ストライダー飛龍』を思い出しますね。
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この金色の砲台のエリアはかなり難関。弾を連射してきますが、こちらは当面は手出しできないので、ひたすら逃げ回ることになります。
この先は最終エリアなので、他に行ける場所があるならそちらを優先しましょう。

 オールクリアに必要な時間は、隅々まで探索しても7~8時間前後。
 タッチパネルだとボスで苦戦しますが、ちょうど良いぐらいのボリュームだと思います。

 スマホで遊べるアクションゲームとしては、かなりの秀作。
 特にスピード感は「メトロイドヴァニア」としては随一。
 マップ構成もよく考えられていて、適度に迷子になりながら探索を楽しめます。

 普段あまりゲームをしない人には難しいと思いますが、『メトロイド』や『悪魔城ドラキュラ』のようなハードアクションが好きな人には、イチオシの作品です。

Dandara

芸術性とハイスピードアクションが魅力のメトロイドヴァニア

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(画像はDandara – AppStoreより)

・メトロイドヴァニア(ダンジョン探索型横スクロールアクション)
・開発:Long Hat House(ブラジル)
・販売:Raw Fury(スウェーデン)
・iOS版720円、Android版660円、Steam/Switch版1690円

文/カムライターオ

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『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。

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