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最新の”スパロボ”がスマホで登場! 大丈夫、今回は本当にスパロボです。【レビュー:スーパーロボット大戦DD】

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 古今のアニメロボットが一堂に会する戦略シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ。
 コンシューマーでおなじみの人気ゲームなので、今さら説明は不要でしょう。
 その「スパロボ」のスマホ版が、先日より運営を開始しています。
 『スーパーロボット大戦DD』です。

最新の”スパロボ”がスマホで登場! 大丈夫、今回は本当にスパロボです。【レビュー:スーパーロボット大戦DD】_001

 スマホには『スーパーロボット大戦X-Ω(クロスオメガ)』や、運営終了した『スーパーロボット大戦Card Chronicle』など、スパロボの名を冠するゲームがいくつかありました。
 しかし、そのどれもが本家とはまったく異なるソーシャルゲーム。
 クロスオメガは『チェインクロニクル』のアレンジで、Card Chronicleはモバゲーらしいカードソシャゲでした。

 しかし今作は、やはりソーシャルゲームではありますが、ちゃんと「スパロボ」しています。
 各アニメのストーリーを融合させたシリアスで本格派のシナリオ、ターン制の戦略シミュレーションのバトルシーン、ストーリー展開を重視したステージ演出、そしてハデでかっこいい戦闘ムービー。
 最新のスパロボが、かなり忠実な形でスマホにやって来ています。

 現時点(2019年8月末)では、難易度のバランスやガチャの渋さなどで批判も少なくないのですが、スパロボファン期待を裏切らない内容と言えます。

 ソーシャルゲームなのでアプリは無料ですが、やはり課金やガチャはあります。
 ただ、スタミナは「制圧戦」と呼ばれるモードにしかなく、メインモード(ストーリーのノーマルステージ、およびエクストラステージ)は制限なしでプレイ可能です。

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 最初にチュートリアルを兼ねた、オリジナルロボットによるオープニングステージが始まりますが、その後は4つの「ワールド」のひとつを選択し、ストーリーを進めていきます。
 各ワールドは物語的に独立していて、異なる作品のロボットと人物が、個別の世界で戦いを繰り広げます。

 ただ、あくまでストーリー上の繋がりがないというだけで、各ワールドで入手したロボットとキャラクターは、どのワールドでも使用可能です。

 各ワールドの参戦作品と、シナリオの概要は以下の通りです。
 (作品名は略称。2019年8月末時点、ステージ10までの内容)

 ・ワールド1
 登場作品:マジンガーZ、コンバトラーV、鋼鉄ジーク、デビルマン、ダンバイン
 すごく昭和感の漂うシナリオ。ロボじゃないのにデビルマンがいて、現時点ではガンダム系が登場しない、スパロボの中でも異色のストーリー。シナリオ1だが、ここから始めると違和感があるかも?

 ・ワールド2
 登場作品:ゲッターロボ、ガオガイガー、ボルテスV、Zガンダム、逆襲のシャア、ガンダムUC、エヴァンゲリオン
 旧来のスパロボらしいシナリオ。ロンドベルを中心に、ブライトとアムロが方針を相談しながら、スーパーロボット系とリアルロボット系が混在する部隊で各地を転戦する、おなじみの展開。

 ・ワールド3
 登場作品:フルメタルパニック、ガンダムSEED、ガンダム00、コードギアス
 SEEDのアークエンジェルの面々が、各地のテロ組織や反テロ組織、反体制派と関わりながら転戦するシナリオで、途中からコードギアスのストーリーが中心になる。2000年代の作品しか登場しない。

 ・ワールド4
 登場作品:鉄血のオルフェンズ、ボトムズ、レイズナー、ヴァルヴレイヴ、ゼーガペイン
 鉄血のオルフェンズに登場する鉄華団が中心の、革命がテーマのシナリオ。主な舞台が火星と地球への道中なので、他とは雰囲気が異なる。ゼーガペインはまだ顔見せ程度。

 どのワールドのシナリオも非常に「スパロボ」しています。
 様々な作品のストーリーを絡めながら、時に政治やイデオロギーの対立なども描く、シリアスで見応えのあるスパロボらしい物語を堪能できます。
 私的には、ここが最大の魅力だと思いますね。

 ただ、現時点(2019/8)では、各ワールドともステージ10までしかありません。
 合計すると40ステージで、ひとつのステージに2~3のバトルがあるので、決してボリュームが少ないわけではないのですが、一通りのステージが終わった後は、キャラを鍛えながらアップデートを待つ状態となります。

 この場合、アップデートまでの時間が長いとユーザー離れを引き起こすことが。
 まだ始まったばかりなのでアップデートのペースなどはわかりませんが、ソシャゲですから、いつ続きが来るのか、本当に完結するのか、不確定な部分はあります。

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ワールド選択画面。ロボットはシナリオの進行で手に入ります。
行き来は自由で、終わらせないと他に移れないということはないので、欲しいロボットだけ取ってクリアは後回し、という方法もアリでしょう。
新参戦のデビルマンが異彩を放っています。ちなみにサイズSSの攻撃・回避型。
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ワールド1のワンシーン。セリフもキャラも衣装も、すべてが昭和。
明らかに若者向けだった『X-Ω』と違い、幅広い年齢層を対象としている印象です。
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こちらはワールド3に登場するアークエンジェルの艦長と副官。見た目からして平成。
ステージによっては会話シーンが連続で出てくることもあり、かなりシナリオ重視の作りです。
メインメンバーが出撃しない、ストーリー演出のためのバトルもあります。

 バトルシーンは、マスで区切られたフィールド上のユニット(コマ)を動かし、敵ユニットを攻撃していく、ターン制の戦術シミュレーションゲーム。
 『ファイアーエムブレム』『ラングリッサー』などと同様のスタイルです。

 スパロボと言えば戦闘シーンの派手なアニメーションがウリですが、もちろん今作でも健在。
 攻撃時にはパイロットが様々なボイスを喋りながら、見応えのあるグラフィックで攻撃を行います。
 スマホ版とはいえ最新のスパロボですから、演出はさすがというほかありません。

 また、敵の攻撃シーンなど、見たくない場面はタップでカットでき、さらに全体の速度を早める2倍速ボタンもあって、サクサクと進められます。
 戦闘シーンをOFFにして簡易表示にすることも可能。
 バトルは快適に楽しめます。

 ただ、各所で批判されていて、おそらくプレイヤーの大半が不満に思っているのが……通常攻撃がひとつしかないこと。

 各ロボットは通常攻撃ひとつ、必殺技をひとつ持っていて、必殺技は(入手していれば)入れ替えできますが、通常攻撃は固定。
 普段は通常攻撃を使うのですから、それがひとつしかないおかげで、ロボットの個性があまり再現されておらず、なにより攻撃シーンが単調。
 命中率と回避率を武器選択で調整する、スパロボらしさもありません。

 ボス敵には「ブレイクゲージ」と、それを大きく減少させる「弱点属性」があって、ロボットの攻撃属性を合わせることで有利に戦えるようになっています。
 通常攻撃と必殺技がひとつずつなのは、属性を限定することで、敵に合わせてロボットを入れ替える方が有利になるという、ソシャゲ的なシステムを活かすためだと思われますが…… でも、もうちょっとスパロボらしい戦い方ができるようにして欲しかったのも本音です。

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SSRの必殺技は、パイロットのカットインが入るハデなムービーの攻撃シーンが発生します。
今作にエネルギーや補給、母艦はなく、必殺技は回数制で、一定のターン経過後に使えるようになっています。
パイロットの特技(精神コマンド)も回数制になっていて、出撃できるユニットは4体のみ。
全体的に簡易化されていますが、1回のバトルが短時間で終わるため、手軽に遊べます。
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格闘攻撃を食らったシーン。Google Playのレビューなどで「命中率90%で外れまくる!」「敵の命中率20%なのに食らいまくった!」といった苦情が見られますが、それはまあ、スパロボでは今さらな話。
このシリーズは「マーフィーの法則」を実体験するゲームなので。
失敗する確率があるなら失敗するゲームですから、それを加味して戦いましょう。

 巷では、敵の強さと、ガチャの渋さに批判が集まっています。
 各シナリオをノーマルモードで進めていく分には、敵が強いということはありません。
 むしろ簡単なぐらいで、ストーリーを楽しんでいく段階においては、難しくはありません。

 しかし育成のために素材収集ステージや、上位難度のエクストラステージ、さらにメンバーを入れ替えながら戦う「制圧戦」に挑もうとすると、いきなり“段違いに”敵の強さが上がります。

 ステージごとの難易度の差が極端で、ノーマルのメインストーリーをすべて終えた主力メンバーでも、素材収集ステージの1や2で苦戦、ステージ3に至ってはロクにダメージを与えられないレベル。
 ここまで差があると戦略云々で何とかすることもできないので、地道にステージを周回して強化するしかありません。
 育成がソシャゲの基本だとしても、もうちょっと段階的にできなかったのかと思ってしまいます。
 簡単すぎるよりは、歯応えのある方が楽しいとは思いますが……。

 加えて、ガチャの確率が厳しい。
 ロボットはシナリオの進行によって参戦するため、ガチャで出るのは「必殺技」と「支援パーツ」なのですが、装備することでステータスが大きく上がるため、やはり強さはガチャに左右されます。

 そして、SSRの当選率は3%で、その確率自体は一般的なのですが、ずっと当たらなかったときの確率アップや保証はなく、SRの当選率も15%しかない。
 おかげで10連ガチャをしても、確定で出るSR以外、全部Rだったということが”ザラに”ある。

 加えてSSRが出ても、支援パーツの場合が多い。
 ロボットにはメインパーツひとつと、複数のサブパーツをセットできるのですが、サブパーツはステータスへの影響が15%しかなく、SSRをセットしてもそれほど強くならない。
 しかしメインに支援パーツを使うと、必殺技が使えなくなります。(どのロボットにもセットできる利点はある)
 欲しいのは”必殺技のSSR”ですが、これが出るのはSSRのうちの約半分……。

 結果、敵が強いうえにガチャが渋いおかげで、ユーザーから「重課金ゲー」と言われることに。
 クリア報酬も課金通貨1個とかなりショボく(ガチャには1回25個必要)、批判は免れない作りの印象があります。
 あまりに”ケチ”と言われたためか、アップデートで追加の報酬が貰えるようになりましたが……。

 私的には、インターフェイスも気になります。
 戦闘シーンは良いのですが、メニュー画面ではボタンを押すたびに長めの通信が入るため、レスポンスが良くありません。

 また、バトルシーンで敵をタップしても、移動範囲と攻撃範囲は表示されますが、「移動+攻撃」の範囲は表示されません。
 よって安全な場所を確認するのに、マスを数えなければならない。
 先行している『ファイアーエムブレム ヒーローズ』『ラングリッサー モバイル』はその点をしっかりカバーしているので、後発なのに劣っているのは残念です。

最新の”スパロボ”がスマホで登場! 大丈夫、今回は本当にスパロボです。【レビュー:スーパーロボット大戦DD】_009
装備画面。射程や属性を加味して出撃メンバーを選びたいところですが、ガチャソシャゲなのでSSR必殺技が出たユニットを優先せざるを得ないのも実情。
ボスに勝てない場合など、どうしても属性を優先しなければならない時は、必殺技はあきらめて支援用パーツをメインに組み込むことも考えましょう。
ロボット本体とパイロットの強化もあるので、SSRパーツだけで強くなれるわけではありませんが。
なお、乳揺れが強調されているSSR支援パーツの演出が”邪魔で下品”と評判ですが、装備画面の「支援演出設定」でOFFにできます。
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敵をタップすると移動範囲と射程を確認できます。敵を待ち構えるときは、その合計範囲の外で待機しましょう。
「チェイン」を繋げるには連続で攻撃しないといけないので、なおさら敵を引き付けること重要です。
でも、危険なときは回避や防御も必要。チェインはあくまで「繋げられるなら繋ぐ」ぐらいの認識の方が良いです。
最新の”スパロボ”がスマホで登場! 大丈夫、今回は本当にスパロボです。【レビュー:スーパーロボット大戦DD】_011
「制圧戦」は全キャラクターが総力で戦うモード。HPや必殺技、精神コマンドの残りはバトル後も引き継ぎます。
敗北してもやられたキャラが使えなくなるだけで、敵の状態が維持されたまま、他のメンバーを出撃させて続行することが可能。
クリア優先なら捨て駒を出して敵の攻撃を引き付けるのも有効です。
回復コマンドの「信頼」を持つ「弓さやか(ダイアナンA)」や「フォウ(サイコガンダム)」、気合いを上げる「激励」を持つ「メリッサ・マオ(M9 ガーンズバック)」は、出して精神コマンドだけ使って引っ込めるという使い方が便利。
でも結局は、ラスボスが桁違いの強さであるため、それに勝てるかどうか次第なんですが……。

 色々と難点も言いましたが、それでもスマホで「ちゃんと”スパロボ”しているスパロボ」が出たことは画期的であり、ファンとしては非常に嬉しくあります。
 名前だけの「スパロボ」や「Gジェネ」をスマホで何度も見ていたため、今作も期待していなかったのですが、しっかりスパロボの魅力が踏襲されています。

 「ソシャゲ部分」の認識や調整が批判の的になっていますが、メインストーリーは無理なく楽しめるので、そこだけやるつもりで遊んでも良いでしょう。
 ファンなら十分にその価値はあります。

 とは言え、ストーリーはまだ序盤しか導入されていないので、今後のアップデート次第なところも。
 良い運営が続くことを期待したいですね。

スーパーロボット大戦DD

スマホ版のスパロボ最新作。ソシャゲだがオリジナルを踏襲した作り

最新の”スパロボ”がスマホで登場! 大丈夫、今回は本当にスパロボです。【レビュー:スーパーロボット大戦DD】_012
(画像はスーパーロボット大戦DD – AppStoreより)

・戦略シミュレーションRPG、ソーシャルゲーム
・配信:バンダイナムコエンターテインメント(日本)
・アプリ本体無料、課金・ガチャあり

文/カムライターオ

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著者
最新の”スパロボ”がスマホで登場! 大丈夫、今回は本当にスパロボです。【レビュー:スーパーロボット大戦DD】_013
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。

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