突然恋愛ゲームが始まったと思ったら、今度は1万人いるDiscordメンバーの中からスパイを見つけ出す展開へ ― 1ヵ月限定の共創型コミュニティアドベンチャー『神椿市建設中。』の謎解きが凄い

 突如始まる恋愛ゲーム、Discordに潜んでいたスパイ、不穏になっていく物語──1ヵ月限定の共創型コミュニティアドベンチャー『神椿市建設中。』が折り返し地点を通過した。

 本作はアフターコロナ時代における新しい“遊び”を産み出すという、クリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」による挑戦的なプロジェクトだ。このレーベルにはバーチャルシンガーの花譜さんなどが所属しており、バーチャルアーティストグループ「V.W.P」のメンバーが各キャラクターを演じる。

 準備/開発期間は実に約2年にもなり、新型コロナウイルスによる作り直しとサービス開始の延期を経て、10月4日よりサービスを開始。プレイヤーは公式Discordに参加し、他のプレイヤーたちと協力をしながら難解な謎を解いていき、物語の舞台となる「神椿市」の復興を目指す。

 謎解きは毎日出題され、執筆時点では22問まで出ている。最初こそ出題から6分ほどで解かれていたが、ここ数日はかなり難易度が高くなっているほか、GPSを使ったものや、チーム対抗戦になっているものなど、謎解きの種類も幅広く展開されている。

 これらの謎解きに挑むために、公式Discordには1万人以上が集結。平均して1日に約1万4000件、多い日で2万7000件以上のメッセージが書き込まれるなど、日々熱い議論や考察が行われているという状況だ。

 前述したとおり、本作は1ヵ月限定であるため、あと2週間ほどで終わってしまうのだが、まだまだ楽しむ余地は残されている。いや、むしろ今後さらに盛り上がり、そして面白くなっていくことが予想されるため、今このタイミングで本作に参加することは、まったく遅くない

 ということで、本稿では『神椿市建設中。』の振り返りと、楽しみ方や参加方法をお届けする。

※この記事は『神椿市建設中。』の魅力に迫る、KAMITSUBAKI STUDIOさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


『神椿市建設中。』の楽しみ方

 『神椿市建設中。』はスマートフォンのWebブラウザベースのゲームとなっているため、アプリのダウンロードは不要だ。こちらのURLからゲームのプレイページにアクセスすることができ、LINEまたはTwitterを使ってアカウントを作成することができる。

 ひと通り操作できるようになったら、画面の下の方に配置されている三本線のアイコンをタップし、メニューから「Q」を振り返るに移ろう。ここでは過去の「Q」と物語を見ることができるため、まずは最新の「Q」まで一通り追っていくことをお勧めする。

 次は新たな「Q」の出題時間を確認しよう。マップの画面に戻り、「!」と書かれたアイコンの場所をタップすると、出題される時間が確認できる。あとはその時間を待つだけだ

 そして本作をより楽しむために、公式Discordサーバーへの参加も忘れてはいけない。こちらから参加できるので、まずは自己紹介のチャンネルで挨拶を済ませ、気になるチャンネルを覗いてみるといいだろう。

 また、「KAMITSUBAKI STUDIO」 のYouTubeチャンネルでは、『神椿市建設中。都市開発通信』という定期生放送のアーカイブ動画が公開されている。この動画では、過去の「Q」の解説なども行われているため、より詳しく「Q」を振り返りたいという方は、こちらの動画を見るといいだろう。

物語はこれからさらに楽しくなる

神椿市

 「神椿市」は仮想世界に存在する都市で、現実世界に住む人々の“想いの力”で成り立っている。しかし、この「神椿市」に“人間の悪意”が流れ込んでしまう。悪意は街全体を侵食し、街はゴーストタウンのように荒廃。このまま侵食が進めば、「神椿市」は崩壊してしまう

 そんな「神椿市」を救う方法はただひとつ。悪意から生まれる「Q」という現象(謎解き)を解決することだ。「Q」を解決することで悪意が浄化され、街が復興していくというわけだ。

 ただ、ひとつ問題がある。それは、「神椿市」に住まう人がいないいうことだ。

魔女の娘たち

 そこで「神椿市」を管理する「神椿市復興課」は、特殊な歌声を持つ少女を「神椿市」に招くことにした。彼女たちは「魔女の娘」と呼ばれており、その歌声は私たちが生きる現実世界にまで届き、私たちの心を震わせる。すると、歌に導かれるように「神椿市」に移住する者たちが現れ始め、いまでは賑わいすら感じさせるようになっている。そしてプレイヤーもまた、「神椿市」にやってきたひとりというわけだ。

 10月18日の時点では、この辺りの説明が、「Q」のクリアを通してプレイヤーに配布される報酬カードに書かれたストーリーを通してひと通り行われ、いよいよ「神椿市とは一体何なのか」という確信に迫る寸前まで来ている。

 ここ数日の展開はなかなか不穏であるが、これから物語がより面白くなっていくのは間違いない。

謎解きはバリエーションが凄い! ARカメラからメタデータの解析まで

 『神椿市建設中。』をプレイしていて一番驚いたのは、謎解きのバリエーションだ。どうしても謎解きと言われると暗号を解読するようなものが頭に浮かぶが、『神椿市建設中。』はそれだけではない

 本当にさまざまな謎解きが用意されているし、それは極めて現代的であり、多人数での協力を前提とした、体験したことのない謎解きを味わうことができる。

 いくつかご紹介しよう。

 たとえば最初の「Q」である「NO.1 想い出の場所」では、10文字の答えを導き出す必要があったのだが、回答方法がGPSの送信となっていた。

 GPSの地名情報に答えの文字が含まれていた場合、1/10…2/10と文字が埋まっていき、最終的には「十二月二十八日に一人歌う」という文章が完成するようになっている。ひとりで各所を巡っていくことももちろんできるだろうが、Discordに集った仲間たちと手分けして埋めていく過程が面白い謎解きだ。

 ちなみにこの「Q」には写真が添えられているのだが、実はここ、東京・渋谷のハチ公口自転車駐輪場で、花譜さんのMV「心臓と絡繰」の撮影場所なのだ。そしてこのMVの公開日は12月28日である

 そして「NO.4 書架のオウム」では、Discordを活用した謎解きが展開された。出題画面では「あなたはオウムと話した」「文字で想いを結実せよ」という説明と共にオウムのイラストが表示されているだけだったのだが、そのころDiscordでは「オウムの部屋」というチャンネルが作られており、そこにオウムが現れていた。

 まず第一段階として、プレイヤーはこのオウムの好物だと思われるフルーツをオウムへのリプライで渡していく。すると、正解者にはオウムからDMでヒントが伝えられ、それを他のプレイヤーにも共有することで謎解きが進んでいく。答えを導き出すためには、全39個のヒントをオープンにする必要があるため、プレイヤー間の協力が必須となるわけだ。

 なお、オウムは一定時間が経過すると「スース―…ムニャムニャ…」と眠ってしまい、再び起きてくるまで待たなくてはいけない。その間は何とももどかしく、いまではそんなオウムを焼き鳥にしようとするプレイヤーが後を絶たない。

 このオウムのようなbotを使った謎解きは、LINEを使ったものなどいくつかあるが、ここまで多人数での協力を前提としたものは見たことがない。あえてオウムに話しかけられない時間を設けるなど、4問目にして謎解きの期待感はかなり上がっていた。

 「NO.6 少女」は生放送にて「Q」が出題され、出演者山口慧さん、春猿火さん、ヰ世界情緒さん)プレイヤーが協力して謎を解くというものだった。また、この「Q」はプレイヤーから募ったファンアートを活用したものだったため、運営とプレイヤーとの交流を強く感じることができるものとなっていた。

 「NO.7 捜しもの」「NO.16 かみつばき☆学園」では、方向性がガラリと変わり、なんとゲーム内ゲームが登場する。「NO.7」はRPGのような探索ゲームで、「NO.16」はヒロインを攻略していく恋愛ゲームだ。

 いずれもドットで表現されており、なかなかのクオリティである。今からでも「Qを振り返る」機能から遊べるので、ぜひ楽しんでいただきたい。

 「NO.10 手紙達のささめき」ではメールを使ったギミックとチーム戦の形式が用いられた。本作ではキャラクター作成時に火・水・土・風の刻印が与えられるのだが、これがチームになっており、どのチームが一番早くポイントを貯めるかという遊びが展開。

 メールアドレスを登録することで謎のメールが届くようになるのだが、そのメールを解読し、現れた指示に従ってキーワードを入力することで、ポイントが加算されるという仕組みだ。

鏡をタップするとARカメラが起動する

 「NO.15 真実の鏡」ではARが用いられた。ゲームからARカメラを起動し、本作のキービジュアルや花譜さんたちのMVをカメラで映すと、謎解きが進んでいくようになっている。

 このほかにも、「NO.12 私の好きなもの」ではPNG画像のメタデータをバイナリエディターで覗く必要があったり、「NO.13 届けものの行方」ではプログラミング言語のBrainf*ckが用いられたりと、高度な技術を要する「Q」が出題された。

 一方で、「NO.3 幸運を探して」では各自がおみくじを引き、一定数のポイントを稼ぐという、多くのプレイヤーが簡単に参加できる「Q」も出題された。

 プレイヤー全員で進行度を共有しているため、全員が全員英雄的な体験ができるわけではないが、「Q」によって必要となる知識は異なり、また、時間的なタイミングや住んでいる場所など、「Q」を攻略するために必要な要素はさまざまだ。これまでには、空港の名前を沢山挙げたり、楽譜を読むことを要求されることもあった。

 本作が面白いのは、このようにして、たとえ謎解きは苦手でも、どこかで貢献出来る機会がある点だ。明日ヒーローになるのは、あなたかもしれない。

Discordの中にスパイがいる!? 本当に興奮した2つの謎解き

 そしてあえて見出しを分けてこれからご紹介するのは、本当に鳥肌が立った謎解きだ。

 まずは「NO.17 語らう本」。この謎解きが他の「Q」と明らかに違うのは、リアルタイムに作られた謎解きであるということだ。どういうことかというと、この謎解きはDiscord上でプレイヤーが発言したテキストが使用されているのだ。

 第一段階は2箇所の点字の解読なのだが、これは「みられているぞ」「きみたちを繋つなぐいとをみなおせ」となる。このことからDiscordが関係していることが連想され、第二段階では同じくゲーム画面に表示されている謎の画像を解読することとなる。

 そして解読を進めると、この画像はDiscord上のプレイヤーの発言を虫食いしたものであることが分かった。

 そこでDiscordの検索機能を使って関連する発言を見つけ出し、解読を進めていくと、「みんなのIDあつめろ」という文章が出てくるのだ。このIDとはゲーム中の滞在登録票に表示されているプレイヤーIDのことで、自分のIDを入力すればいいということだ。

 もうひとつ紹介したいのが、Discordにスパイが紛れ込んでいた件だ。

 実は「NO.11 暦の声」で2025年の未来から文字化けしたメールが送られてくるのだが、これを解読すると「すパイがイるぞ」という文字列が現れる。思わずゾッとしてしまった

 そして「NO.18 浸透」で、実際にスパイを見つけ出すことになる。このQでは「NO.4」同様に、オウムに特定のワードを投げてヒントを得ていくことになる。ヒントは「スパイはDiscordのユーザーに成り済ましている」「静かに潜んでいる」「礼儀正しい観測者のように見える」「ユーザー名とは別の真名がある」などいくつかあり、これらの情報をもとに絞り込んでいくと、「DJほのえ」という人物がスパイであることが判明する。

 そしてこの人物は、実際に初日からDiscordで活動していたのだ。現在は活動を停止しているが、まさか本当にスパイがいるとは……。なにより、1万人の中からひとりを探し出すということが凄かった。

 なお、ゲーム内のストーリーはどんどん不穏なことになっており、まだまだ分からないことは多いが、すでに奴ら(?)は現実世界に来ているらしい。このスパイも、現実世界への侵食の一環なのかもしれない。

まるでオンラインゲームのギルドのようなDiscordサーバー

 「Q」を説明する際にいくつかDiscordを使った事例をご紹介したが、『神椿市建設中。』の公式Discordサーバーは本当に面白い

 テキストで「Q」の議論や物語の考察をするのはもちろんだが、複数のボイスチャンネルが用意されており、だいたいいつでも誰かがそこにいる。いきなりボイスチャットをするのは勇気がいるかもしれないが、それでも直接話をするのは楽しいものだ。また、「喋るのはちょっと……」という人は聞き専でもいいだろうし、チャットで返事をすることも可能だ。

 そして個人的に一番面白いと思うのが、雑談のチャンネルだ。ここは文字通り、本当に雑談のチャンネルで、「お風呂行ってきます」「行ってらっしゃい!」レベルの雑談が行われている。ゲームとはまったく関係ないのだが、この空気感が何とも心地いい。イメージとしては、オンラインゲームのギルドチャットに近いだろうか。

 このほかにも、オリジナルの謎解きを作って投稿する人が居たり、飯テロ専用のスレッドや、花譜さんたち「V.W.P」メンバーに求婚するためのスレッドまで用意されている。花譜さんといえば、彼女ら「V.W.P」メンバーが実際にコメントを書くチャンネルも用意されているため、「V.W.P」ファンは必見だ。

 『神椿市建設中。』は「謎解き」と「Discordでのユーザーコミュニティ」が融合したゲームなため、Discordにはぜひ参加していただきたい。(了)


 「伝説の1ヶ月を共に創ろう。」がキャッチコピーである『神椿市建設中。』。その体験は唯一無二であり、作品の性質上、人生で一度しか体験できないものだろう。

 冒頭でもお伝えしたが、本作は今後さらに盛り上がり、そして面白くなっていくことが予想される。そして、今このタイミングで本作に参加することは、まったく遅くない。

 

 10月22日20時からは、生放送番組「都市開発通信Vol.4〜鳴動〜」も実施されるため、まずはそちらを覗いてみるのもいいだろう。

 アフターコロナ時代における新しい“遊び”への挑戦をぜひ最後まで見届けていただきたい。

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