先日、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズ完全新作となる『ソニックスーパースターズ』が発表されました。
ソニックといえば2022年に発売された『ソニックフロンティア』が記憶に新しいかと思います。シリアスなシナリオと広大なフィールドを縦横無尽に駆け巡るソニックの姿は話題を呼びました。
しかしながら、多くの人が「ソニック」と聞いてまず最初に思い浮かべるのはやはり “横スクロールのソニック” ではないでしょうか。今回発表された『ソニックスーパースターズ』は、3Dグラフィックによってステージやシステムが大きく進化した横スクロールのクラシックなソニックです。
今回電ファミは、『ソニックスーパースターズ』のデモ版を体験できる機会をいただきました。本稿では、新しいステージやプレイアブルキャラクターとなる「ソニック」「テイルス」「ナックルズ」「エミー」の特徴、そして新たな能力「エメラルドパワー」についてお届けいたします。
文・漫画/柳本マリエ
ギミックによって “進まされる” というより “自分で選んで進む”
『ソニックスーパースターズ』の舞台は、巨大生物が生息する神秘の島「ノーススター諸島」。巨大生物の捕獲を企むDr.エッグマンとファングにソニックや仲間たちが新たな能力「エメラルドパワー」を駆使して立ち向かう物語となっています。
今回は「ブリッジアイランド」と「スピードジャングル」のステージを体験させていただきました。
どちらのステージでも共通してまず感じたことは、ルートが多いということ。そしてそのルートを “自分で選んでいる感” が強い気がしました。
というのも、ソニックといえばその最大の特徴は “音速” であるため、いったんギミックに身をゆだねるとなかなか止まりません。そのスピードこそが醍醐味のひとつと言えるでしょう。でもそれは裏を返すと「止まらない間は見守るだけ」になってしまいがち。
ところが『ソニックスーパースターズ』はそういったソニックらしいアクションは残しながらも、ギミックによって “進まされる” というより自分で選んで進む場所が多いように感じました。
それと筆者の固定観念として「横スクロールといえば左から右に進んでいくもの」だと思っていたのですが、思いのほか右から左への移動も多くて驚きました。
もしかしたら単に筆者が逆走していただけなのでしょうか。そんなはずはないと信じたい。
逆走といえば「スピードジャングル」では視界が狭くなる区間があったため、そこについては逆走していた可能性は否めません。
また、ステージには奥行きもあるためギミックで画面の奥に行くこともできました。さらに、自分が操作しているキャラクターが奥に行くだけではなく「敵や仲間が奥にいる」という立体的な演出もあり、2D横スクロール形式と3Dグラフィック表現の融合を随所に感じます。
このように、『ソニックスーパースターズ』は横スクロールでありながら立体的なアクションを体験できる “進化したクラシックソニック” となっていました。
本作からの新たな能力「エメラルドパワー」で攻略の幅が広がる
ここからは本作からの新たな能力「エメラルドパワー」についてご紹介します。エメラルドパワーはカオスエメラルドを取得するたびに解放される能力。今回の先行プレイでは「アバター」と「ウォーター」を体験することができました。
「アバター」は画面いっぱいに分身したキャラクターが現れ、敵に一斉攻撃をすることができます。
しかしその姿はあまりにも捨て身。続々と消えゆくソニックはなんだか儚く、「分身って捨身ってこと!?」と思ってしまいました。
もうひとつの「ウォーター」はステージ内の滝を登ることができます。通常であれば通り過ぎてしまう滝も、能力を発動することで新しいルートを開拓できる楽しさがありました。
ちなみに「アバター」はボス戦でも使うことが可能とのことですが、筆者はすっかりその能力を忘れていたため普通に戦ってしまいました。
しかしながら、前作の『ソニックフロンティア』からソニックを始めた筆者でもなんとかボスを倒すことができたので「初心者でも倒せる」と自信を持って言うことができます。
ボス戦ではうっかり使い忘れてしまったものの「エメラルドパワー」を駆使することで攻略の幅がだいぶ広がるため、積極的に使っていきたいところ。現時点では公開されていない能力もまだまだありそうなので、続報に注目しましょう。
初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のデザイナーが制作に参加
ここからはプレイアブルキャラクターの「ソニック」「テイルス」「ナックルズ」「エミー」の特徴をご紹介します。ざっくりした特徴は下記。
ソニック:いちばん速い
テイルス:尻尾で飛べる
ナックルズ:壁登り・滑空
エミー:壁破壊・攻撃判定が広い
たとえばソニックだったらギミックを使わないと行けない場所もテイルスなら簡単に飛んで行けるなど、操作するキャラクターによってステージの印象が大きく変わります。
筆者の場合はその差がボス戦で顕著に出ました。武闘派のエミーを使ったところほかのキャラクターのときと比べて半分くらいの時間で倒すことができたので、使いやすいキャラクターを見つけるのも楽しみのひとつだと思います。
さて、ここからはかなり個人的かつ攻略とまったく関係のないことを書かせていただいてもよろしいでしょうか。今回すべてのキャラクターを体験させていただいたのですが、その愛嬌に驚きました。ソニックもテイルスもナックルズもエミーも、めちゃくちゃかわいい。とにかくかわいい。
というのも、先述したような固有のスキルだけでなく、ふとしたときの表情や仕草がとても豊かなんです。
たとえばエミーを操作せずに放置していると手をうしろに組んでもじもじしたり、退屈そうな仕草をしたり。走り出すときも指先まで優雅で、敵が飛び交うステージでも “まるで庭園を散歩しているかのような上品さ” がありました。
もともとソニックは2Dのときから表情や仕草が豊富だったと思います。しかしながらコントローラーを握るとよりその愛嬌を実感することができました。
初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のデザイナーである大島直人氏も本作の制作に参加されていることも影響しているのかもしれませんね。
また、本作はシリーズ初となる「オフラインでの4人協力マルチプレイ」が可能となっています。つまり、ソニックや仲間たちを操作してわちゃわちゃ遊べるということ。たとえばテイルスはほかのキャラクターをつかんで飛ぶこともできるそう。
残念ながらマルチプレイの体験はできなかったものの、4人で遊んだらかなり盛り上がるのではないでしょうか。
筆者が本格的にソニックに触れたのは前作の『ソニックフロンティア』でした。
『ソニックフロンティア』は「電脳空間」と呼ばれるステージ以外は、基本的に広大なフィールドを探索していくゲーム性です。そのため本作『ソニックスーパースターズ』のような横スクロールのクラシックなソニックに対して「ちゃんとゴールできるかな」という心配がありました。
慣れるまで少し時間はかかってしまいましたが、無事にステージもボス戦もクリアできたのでひと安心しています。ボス戦は慣れないからこそ白熱したものとなり、達成感がありました。ボタン操作がシンプルだったことも大きいかもしれません。
筆者のように横スクロールアクションに慣れていない人の参考になれば幸いです。
『ソニックスーパースターズ』はNintendo Switch、PS4、PS5、Xbox One、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store)向けに2023年秋の発売を予定しています。