いま読まれている記事

『NEEDY GIRL OVERDOSE』はどうやって100万本売れたの?売り上げの51%を占める中国に向けての展開や「ネットミーム」をパロディしたCMなどの独自施策を紹介【CEDEC2023】

article-thumbnail-230825m

 8月23日(水)〜8月25日(金)に開催されたCEDEC 2023にてリュウズオフィス代表取締役の小沼竜太氏が登壇、セッション「インディーゲームが100万本売れるまで :『NEEDY GIRL OVERDOSE』の販売データから」を講演した。

  『NEEDY GIRL OVEDOSE』は、主人公のあめちゃんを「超絶最かわてんしちゃん」なる配信者として育成するマルチエンディングのアドベンチャーゲーム。承認欲求が強めの彼女との刺激的な生活や、作品のそこかしこにちりばめられたネットミームがユニークな作品だ。本講演では、配信者育成アドベンチャーゲーム『NEEDY GIRL OVEDOSE』が売り上げ100万本を達成したことをメイントピックに据え、パブリッシングサポートを担当したリュウズオフィスが行った施策について紹介した。

 120万本というインディーズゲームとして驚異の販売本数を誇る本作は、その数字だけでなくワールドワイドな反響も大きな功績だ。販売本数の最大化をミッションとして据えた「リュウズオフィスがしたこと」として紹介されたのは、情報初出から発売直後のユーザーの反応から中国語圏への注力を決定したことと、節セールだけではなく独自のセールなどの施策を実施したことのふたつ。それぞれについて、特別に公開された販売データのグラフを交えながら小沼氏自ら解説した。

文/anymo


日本を上回る中国でのウィッシュリスト登録者数、反響に合わせた中国での施策を展開

 ゲーム情報の初出は日中英で配信され、ワールドワイドに情報を発信することができる「INDIE Live Expo」を選択。また、報の公開とあわせたSteamストアページの公開は「すごく大事」とのこと。ストアページを公開しておくことで、作品に興味を持ったユーザーが即座に「ウィッシュリスト」に追加するため、発売時やセール時にSteamよりユーザーに通知が届くという利点を挙げた。

 本作の地域別販売本数のグラフによると、割合にして51%、61万本以上の売り上げを中国が占めている。当初は企画担当であるにゃるら氏が「インターネット」という文化に精通した人物であったことから日本をメインに想定していたため、「予想していなかった」と中国での大きな反響を振り返った。
 ウィッシュリストに関しても、初報〜発売前日までの登録件数が日本に次ぐ2番目となっており、その後発売翌日には日本を追い抜き、1ヶ月後には倍以上の14万件となった。

『NEEDY GIRL OVERDOSE』はどうやって100万本売れたの?【CEDEC2023 レポート】_001

 中国での大きな反響はゲーム本編だけではなく、KOTOKO氏が歌唱する主題歌「INTERNET OVERDOSE」にも波及しており、中国の動画サイト・Bilibiliでは860万回再生を突破。これはYouTubeを超える再生数となっており、中国国内での反響の大きさを伺うことができる。
 また、Bilibiliにおける『NEEDY GIRL OVERDOSE』関連動画の再生回数は累計6000万回を超えている。これを踏まえ、中国向けの生放送の制作や「INTERNET OVERDOSE」の歌詞の中国語版を公開するなど、中国に向けた施策を継続して行った。

 続いて、ウィッシュリスト数と販売本数のグラフの相関について解説。ウィッシュリスト数のうち購入に転換したユーザーの割合は33.5%となっており、他ゲームの平均は19.6%であるのに対し、高い割合を占めている。

 Steamで開催される季節のセールにすべて参加したほか、情報解禁によってユーザーの関心が高まっているタイミングに独自でセールを開催。それぞれの販売本数の比率を比較すると、独自セールでの販売本数の方が多くなっていることがわかる。また、いずれのセールでも中国での販売本数が最多となっている。

 また、独自セールでの販売本数が多い理由として、セールと連動したコンテンツの公開が挙げられた。「セールを知ってもらうためのプロモーションは必須」として、初の10%オフセールの際には、あわせて「超てんちゃんの配信」をYouTubeにて配信、「INDIE Live Expo」にて情報を公開。さらに20%オフセールの際には本作を支持する層との親和性が高い「ネットミーム」をパロディしたWebCMを公開した。

『NEEDY GIRL OVERDOSE』はどうやって100万本売れたの?【CEDEC2023 レポート】_006

 小沼氏はインディーゲームを販売する際のポイントとして、ユーザーの反応に合わせた柔軟な方針転換と、独自セールとそれにあわせたプロモーションの展開を挙げた。
 中国での反響とあわせて、多言語対応の際には韓国でも本作への反響が見られたことを受けて韓国語の対応を決定するなど、本作のワールドワイドな展開は柔軟に決定されている。限られたリソースの中でどの国に注力するかを見抜き、インディーズならではのフットワークの軽さで実施する必要があるという。

 Steamでの売り上げがすでに120万本を突破、「超絶最かわてんしちゃん」のX(旧:Twitter)アカウントのフォロワーは45万人を超え、ポップアップストアが開催されるなどワールドワイドに波及する『NEEDY GIRL OVERDOSE』。本作の魅力はこれからもより多くの人に届けられるだろう。

ライター
ベヨネッタとロリポップチェーンソーでゲームに目覚めました。 3D酔いと戦いつつゲームをする傍ら、学生をしています。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

SNSで更新情報をお届け!

カテゴリーピックアップ